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番外編 本部長霧山悠斗の恋

そして事件は起きた

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霧山が呼び出された邸宅へと着いたのは、会長の笛木が腹の奥底に荒ぶる怒りを持ちながらも落ち着いた口調で電話をした後の事だ。

「…小田切、会長はどうされている?」

「南雲先生と話され、今は何かを考えるかのように『静か』だ。」

「そう、か…アンタから見た限り、若頭と美優さんの容態は?」

「…若頭は左腕を撃たれたようで、しばらく悶絶されてたがすぐに立ち上がって…自分を一喝する程だった。でも…美優さんが…っ…」

「…、…」

言い澱み、後の言葉が出て来ない小田切は悔しげに拳を握り締める。

会長の様子を受け、無理もないと彼は思う。若頭清水は笛木が族の頭(ヘッド)として君臨していた頃に知り合い、以降を『舎弟』として常に側にいた男だ。互いに喜楽を共に過ごし、怒哀をも知り尽くしているだろう。

実際それに関連して、会には1つの“空き幹部籍”がある。一生埋まる事のないその籍は、清水と南雲の親友の1人であり笛木の族のメンバーとして頭脳(ブレーン)役を果たした『立花流平』の為のもの。

彼は惚れた女の身に起きた出来事を憂い、精神崩壊してしまった女と共にバイクで自決。当時19歳、女は18歳という若さだった。

今でも月命日にはそれぞれが黙祷を捧げ、毎年巡ってくる命日には会を挙げて墓参し…悲しくもやり切れぬ決断をした流平と、共に逝った女咲希の為に祈るのだ。

霧山は笛木と出会い、会に誘われた時にその話を聞き…そして言われた。

『…立花という男は死ぬには惜しい奴でした。別れあれば出会いがある…俺と君のように。君のその頭脳、是非会の為に使って欲しい。決して立花の“代わり”ではない…立花と“共に”、頭脳(ブレーン)の双璧の片翼となって欲しいんです。』

その言葉で霧山は信に値すると決意し、会に参加…『極道』として闇世界へと身を投じたのだった。

そんな苦い思いを抱きながらも、やがては会長の私室に通され中に入ると、和服姿の笛木と向き合って胡座で座り込み一礼した。

「会長…霧山、参じました。状況の説明を願えますか。」

「うむ…小田切から粗方聞いたとは思いますが、簡単直結に言って『狙撃』です。狙撃手(スナイパー)は2人の様子を確認してから去りました。どこから狙いすまし、何が狙いだったのかなど全く検討が付きません。また相手の狙撃手(スナイパー)の正体も不明…全く、敵ながら天晴れと言いたいところですがいきなり手出しされたこちら側は腹立だしい事この上ない。」

「…。会長のその怪我も…?」

霧山は鋭くも目敏く、笛木の頬に血が滲む小さな傷を指摘する。それを受けて笛木がフンと鼻先で笑う。

「正体を察知されるのを恐れたんだろ。…だがこんなモン、威嚇にすらならねぇ…」

「…。…若頭と、美優さんは?」

「すぐに南雲の所に向かった。…無事だと良いがな…」

「……、…」

こうした様々な会話を経て2人の無事を確認し胸を撫で下ろすと、霧山は長らくと居着いた邸宅を辞して行く。その手の内には小田切を通じて会長から預かった『銃弾』がある。

帰宅して早速と検索に掛けてみるが…

「…。ヒットしねぇだと?…何でだ…」

知り得る限りのルートを駆使し、時には常人すら知らなさそうな裏の『裏』にまで入りハッキングするも…笑える程にヒットせずゼロを示す。

「…、…国内は早くも潰れたか…」

なら海外製か?と考えたくない事を思った時…隣の部屋のドアがゆっくりと開く。視線を向けると、ほのかが心配そうに見ていた。

「…どうした?先寝てろって言ったろ。」

「悠斗さん…まだ寝ないの?」

「…。呑気してらんねぇんだ。今回の件は会を挙げて『動く』…例え命が助かったとはいえ、若頭と会の庇護を受ける女がやられた以上は黙る義理はねぇ。」

「……。」

「その為には、まずは頭脳(ブレーン)たる人間が的確な情報と相手の特定をしなきゃならない。…つまりは俺の仕事だ。」

「…。でも…根を詰めたからってどうにかなるの?…休みながらでも、着実に進めていく方が堅実的だよ…」

「…、…はぁ…わかったよ。寝りゃいんだろ?寝りゃよ。」

諦めたようにデスクの椅子から立ち上がり、口をへの字に曲げているほのかを抱き寄せる。

「悪りぃな、ほのか…ホントなら今日の最後の最後まで一緒にいる予定だったのによ。」

「…ううん、いいの。でも…私は悠斗さんが心配。もちろん若頭さんも美優さんも気になるけど…」

「……。」

「だって…若頭さんの代わりをしなくちゃいけないし、お仕事の事だってあるし…その上犯人の特定もなんて、やる事あり過ぎて倒れちゃうよ…」

「俺は大丈夫だ、こんな事には慣れてる…ほら寝るぞ。」

そう言って霧山は『おらせ。』とほのかを抱え上げる。…だがその抱え方には異を唱えたいらしく…

「…。悠斗さん…何で、荷物みたいに抱えるの?…私、お米かなんかみたいだよ…」

「あ?文句言うな、黙って運ばれろ。…第一、嫌なら暴れてみろや。」

「…えぅ…」

文句を付けてはみたものの、すっかり脱力してぷらんとしな垂れる彼女にもはや暴れる気力がない。そんなほのかが可愛い霧山は、クックと笑いながら隣の部屋へと入って行った。

彼は自分がこんな危機的状況でもこうして惚れた女と過ごせる事を『幸せ』だと思うその一方で、今の若頭がどんな思いで自らの惚れた女の側にいるのだろうと考えると気掛かりでならない。

…そして立場が逆ならば、自分には耐える自信がない…とも。もしほのかが生死彷徨うような目に遭わされたなら…何としても犯人を見つけ出し、その心臓を抉り取って踏み付けてやるという狂気すら湧いてくる。

何だかんだでぶつかり合いながらもこれまでをやって来れたのは、霧山の中に若頭清水に対して『敬愛の念』がある証拠だ。

だからこそ…今度ばかりは黙ってはいられない。

だがそんな思いとは裏腹に、銃弾のルートが一向に掴めず気ばかりが焦ってしまう。加えて会の面々がまるで煽るかのようにジャンジャンと電話を掛けて来る始末だ。何の為に引きこもりを決め込んでいるのか知れやしない。

…それだけ若頭が狙撃された事は、霧山が想定していた以上に会全体を不安へ落とし揺らしていたのだ。

時間は刻一刻と過ぎていき…リフレッシュを求めてシャワー浴び出て来た霧山を迎えたのは、ほのかの最大値の叫び声だった。

「ゆ、悠斗さんっ!!」

「ンだよ…でけぇ声だなぁ、おい。」

「あ、あのねっ…この弾っ…何か『書いて』あるよっ?!」

「あ?…つうかほのか!勝手に触んなっ。」

「え、えへへー♪ご、ゴメンなさい…でも、悠斗さんが困ってるから…」

「だからってなぁ!…ッ、マジだ…何かの刻印があるな…」

「んっふふふー♪なーんかきちゃないなーって思ってちょっと“拭いて”みたのっ。そーしーたーらー出てきたぁ!!」

「ふ、拭いっ?!…お前なぁ!!…」

「っ、ひぇっ…、…?」

さすがに物がモノだけに『バカヤロウが!!』と怒鳴られると思い、サッと身構えたほのかだが…いつまでもその怒声が浴びせられない。その代わりに…

「よくやった!ほのかぁ!!やっぱ俺の女だぜ!」

「うっひゃぁ?!」

活路が見えたからか、途端にテンションマックスになった彼によって抱え上げられた。

「…斜めに抜けてるトコあるけどなっ。」

「むぅ、おマヌケみたいに言わないでっ。…てか私、お米じゃないし!」

「ンだよ…じゃ、コレでひとまず我慢しとけ。」

床の上に降ろしてひと昔の頃のようにデコチューを贈られ、ほのかのご機嫌も真っ直ぐになる。そして俄然やる気満々となった霧山は、デスクに座って何かをPCに打ち込もうとしたのだが…

「…おいほのか。この弾に刻印されてるアルファベッド読め。」

「へっ?…ゆ、悠斗さんっ…もしかして『老眼』?」

「なワケあるか!目が悪くて見えねぇだけだっ。」

「うぅ…ビックリしたよぉ~…」

かくしてほのかが読み上げるアルファベッドを打ち込み、検索に掛けた結果…

「ッ?!…な、んだとっ!」

「…ロシア?…何でロシアなワケ?」

「ッ、てかちょっと待てやぁ!」

残されていた弾の製造元が『ロシア』とわかり、慌てたようにカタカタと別のPCを操作し出した彼は、出てきたその内容に愕然とした。

「……マ、ジかよ…あり得ねぇ……っ、あり得ねぇんだよッ!!」

苛立ちからダン!とデスクを殴りつけ、拳を震わせる霧山に驚きビクッとなったほのかだが…そっと横から覗き込む。そこには…

『ロシア製銃弾、22口径ライフル銃専用、製造国専用軍用銃指定』

…とある。彼女にはその意味の重大さがわからないものの、何かとんでもない方向へ向かい始めているような気だけはしていた。

「…ロシア…っ、軍用だぁ?…だってロシアはっ…」

うわ言を呟くかのように更に弾き出した画面の情報はもはや『トンデモ』内容で…霧山は頭を抱えるが、ほのかには意味不明でチンプンカンプンだ。

「…ッ…だったら、何でこっちに向こう(ロシア)モンがあんだよっ…」

そんな謎だらけな今回の事件の全容のあらましが見えてきたのはその日の夕方。彼はそれまで短気で単細胞な若頭の事だから、酔っ払って誰彼構わず喧嘩を吹っかけたのだろう…その相手がたまたま来ていたロシア『軍人』だったのでは、と考えていたのだが…蓋を開けてみたらまるっと違った。

「…おう。どうだ…何かわかったか?」

辺りが暗くなって、霧山の電話が鳴り出ると電話の相手は子飼いの情報屋の1人。彼は抱えている情報屋全員を総動員してネット情報では掴みきれない事をしらみ潰しに調べさせていたのだ。

その情報屋からの連絡によると…現在のロシアという国は、銃刀など火器にまつわる物は断固と流用を認めず許していないらしい。

「…。それはどんな手段でも無理なのか?闇の…」

『無理なんすよ。キリのダンナが言うところの“闇ルート”、それすら使えないっ。ロシアには『デーモンチマー』って言うデカい裏組織があるんですがね…そこが一手に締めちまってるらしいす。表は税関とサツが、裏には組織が…て感じなんで、それでも持ち出そうなんざ命知らずでさぁ。』

「だな。となると…」

『残るはただ1つ。…『デーモンチマー』そのものが“動いている”。』

「…あァ?!」

『まぁまぁ、熱り立ちなさんな。いやね、ついでの“ついで”で調べてみたんすけどね…その組織のトップのドンとトップの片腕が『ロシア軍』出身らしいす。ドンの名前は“ミハエル・ロゼーニョ”、かなり高い将校クラスまで昇って教官にまでなったらしいすね。その教え子が片腕となった“アレク・エネッツァ”で、奴は訓練中に照光弾の暴発事故で目をやられて退官してる。』

「…ッ…」

『どっちにしろ、マズいのは確かすね…『デーモンチマー』は今やロシア一帯の裏を掌握して牛耳ってる状況だ。日本のチンピラ風情なんか“子ネコ”も同然。…意に沿わなけりゃ、愛娘すら殺しちまうんだから。』

「…、…娘?」

『ドンには1人娘がいたんすよ。軍時代に数ヶ月暮らした日本で知り合って結婚した日本人女性との間に。ドンの日本人妻は娘が10歳の時に病死してるんすけど、以降は再婚もせずに父子だけで生きていたと。正に目に入れても痛くもねぇ可愛い娘ってヤツす。』

「……。」

『ところが、娘が成長したある日…ロシアの街で、たまたま訪露していた日本人の男と知り合ってやがては恋に発展!若い2人は熱く燃え、そして親父は怒りに燃え…』

「…おい。その漫談家みてぇな喋り方、どうにかしろ。ンな与太話どうでも良い上、それどころじゃねぇ…」

『えー、聞いて下さいよー。せっかく仕入れたんすからー。だからキリのダンナ、『生まれながらに涙腺がねぇ。』とか言われんすよ?人間、もっと感動して泣かねぇと!』

「あ、あの!その2人っ…どうなったんですかっ?」

「ッ、コラほのか!黙ってろってのっ。」

情報屋の『感動話』が気になり、堪りかねたほのかは霧山のスマホに向かって声を上げ催促する。だがそれもあっさりと阻止され、挙句には霧山に額を押し退けられてしまう。

それに負けじと『あう、えう』と両手をジタバタと動かすも…彼は益々とぐぐーっと力を入れ押していく。

『……。なぁんだぁ~、キリのダンナ…『女』、いたんすね。知らなかったぁ♪』

「ンな事どうでも良い!早く話せっ。」

『とにかくドンは怒り心頭だったみたいすね。何せ娘と片腕のエネッツァを夫婦にして、組織を委せて継がせようっていう“計画”があったんで。だが娘は自分が惚れた日本人の男と一緒に日本に…この『北海道』に来ちまうんす。所謂ところの“駆け落ち”も同然にね。相手の男の名前は何十年も経つ今でも知れてるんすよ実は。それだけ当時のドンの怒りは相当だった証拠ってヤツで…確か『アカギ』、だったかな…いや『イブキ』…』

「ッ?!ち、ちょっと待て!…今何つった…『イブキ』だぁ?」

…その名前に霧山は覚えがあった。いや、正確には清水や会の面々の誰もが、今や知る名前でもある。何故ならその苗字は…

「…ッ、イブキ…美優さんと同じ…っ。」

…ここに来て、全く想定していなかった点と点が線で繋がってしまった。
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