47 / 97
番外編 本部長霧山悠斗の恋
そして事件は起きた
しおりを挟む霧山が呼び出された邸宅へと着いたのは、会長の笛木が腹の奥底に荒ぶる怒りを持ちながらも落ち着いた口調で電話をした後の事だ。
「…小田切、会長はどうされている?」
「南雲先生と話され、今は何かを考えるかのように『静か』だ。」
「そう、か…アンタから見た限り、若頭と美優さんの容態は?」
「…若頭は左腕を撃たれたようで、しばらく悶絶されてたがすぐに立ち上がって…自分を一喝する程だった。でも…美優さんが…っ…」
「…、…」
言い澱み、後の言葉が出て来ない小田切は悔しげに拳を握り締める。
会長の様子を受け、無理もないと彼は思う。若頭清水は笛木が族の頭(ヘッド)として君臨していた頃に知り合い、以降を『舎弟』として常に側にいた男だ。互いに喜楽を共に過ごし、怒哀をも知り尽くしているだろう。
実際それに関連して、会には1つの“空き幹部籍”がある。一生埋まる事のないその籍は、清水と南雲の親友の1人であり笛木の族のメンバーとして頭脳(ブレーン)役を果たした『立花流平』の為のもの。
彼は惚れた女の身に起きた出来事を憂い、精神崩壊してしまった女と共にバイクで自決。当時19歳、女は18歳という若さだった。
今でも月命日にはそれぞれが黙祷を捧げ、毎年巡ってくる命日には会を挙げて墓参し…悲しくもやり切れぬ決断をした流平と、共に逝った女咲希の為に祈るのだ。
霧山は笛木と出会い、会に誘われた時にその話を聞き…そして言われた。
『…立花という男は死ぬには惜しい奴でした。別れあれば出会いがある…俺と君のように。君のその頭脳、是非会の為に使って欲しい。決して立花の“代わり”ではない…立花と“共に”、頭脳(ブレーン)の双璧の片翼となって欲しいんです。』
その言葉で霧山は信に値すると決意し、会に参加…『極道』として闇世界へと身を投じたのだった。
そんな苦い思いを抱きながらも、やがては会長の私室に通され中に入ると、和服姿の笛木と向き合って胡座で座り込み一礼した。
「会長…霧山、参じました。状況の説明を願えますか。」
「うむ…小田切から粗方聞いたとは思いますが、簡単直結に言って『狙撃』です。狙撃手(スナイパー)は2人の様子を確認してから去りました。どこから狙いすまし、何が狙いだったのかなど全く検討が付きません。また相手の狙撃手(スナイパー)の正体も不明…全く、敵ながら天晴れと言いたいところですがいきなり手出しされたこちら側は腹立だしい事この上ない。」
「…。会長のその怪我も…?」
霧山は鋭くも目敏く、笛木の頬に血が滲む小さな傷を指摘する。それを受けて笛木がフンと鼻先で笑う。
「正体を察知されるのを恐れたんだろ。…だがこんなモン、威嚇にすらならねぇ…」
「…。…若頭と、美優さんは?」
「すぐに南雲の所に向かった。…無事だと良いがな…」
「……、…」
こうした様々な会話を経て2人の無事を確認し胸を撫で下ろすと、霧山は長らくと居着いた邸宅を辞して行く。その手の内には小田切を通じて会長から預かった『銃弾』がある。
帰宅して早速と検索に掛けてみるが…
「…。ヒットしねぇだと?…何でだ…」
知り得る限りのルートを駆使し、時には常人すら知らなさそうな裏の『裏』にまで入りハッキングするも…笑える程にヒットせずゼロを示す。
「…、…国内は早くも潰れたか…」
なら海外製か?と考えたくない事を思った時…隣の部屋のドアがゆっくりと開く。視線を向けると、ほのかが心配そうに見ていた。
「…どうした?先寝てろって言ったろ。」
「悠斗さん…まだ寝ないの?」
「…。呑気してらんねぇんだ。今回の件は会を挙げて『動く』…例え命が助かったとはいえ、若頭と会の庇護を受ける女がやられた以上は黙る義理はねぇ。」
「……。」
「その為には、まずは頭脳(ブレーン)たる人間が的確な情報と相手の特定をしなきゃならない。…つまりは俺の仕事だ。」
「…。でも…根を詰めたからってどうにかなるの?…休みながらでも、着実に進めていく方が堅実的だよ…」
「…、…はぁ…わかったよ。寝りゃいんだろ?寝りゃよ。」
諦めたようにデスクの椅子から立ち上がり、口をへの字に曲げているほのかを抱き寄せる。
「悪りぃな、ほのか…ホントなら今日の最後の最後まで一緒にいる予定だったのによ。」
「…ううん、いいの。でも…私は悠斗さんが心配。もちろん若頭さんも美優さんも気になるけど…」
「……。」
「だって…若頭さんの代わりをしなくちゃいけないし、お仕事の事だってあるし…その上犯人の特定もなんて、やる事あり過ぎて倒れちゃうよ…」
「俺は大丈夫だ、こんな事には慣れてる…ほら寝るぞ。」
そう言って霧山は『おらせ。』とほのかを抱え上げる。…だがその抱え方には異を唱えたいらしく…
「…。悠斗さん…何で、荷物みたいに抱えるの?…私、お米かなんかみたいだよ…」
「あ?文句言うな、黙って運ばれろ。…第一、嫌なら暴れてみろや。」
「…えぅ…」
文句を付けてはみたものの、すっかり脱力してぷらんとしな垂れる彼女にもはや暴れる気力がない。そんなほのかが可愛い霧山は、クックと笑いながら隣の部屋へと入って行った。
彼は自分がこんな危機的状況でもこうして惚れた女と過ごせる事を『幸せ』だと思うその一方で、今の若頭がどんな思いで自らの惚れた女の側にいるのだろうと考えると気掛かりでならない。
…そして立場が逆ならば、自分には耐える自信がない…とも。もしほのかが生死彷徨うような目に遭わされたなら…何としても犯人を見つけ出し、その心臓を抉り取って踏み付けてやるという狂気すら湧いてくる。
何だかんだでぶつかり合いながらもこれまでをやって来れたのは、霧山の中に若頭清水に対して『敬愛の念』がある証拠だ。
だからこそ…今度ばかりは黙ってはいられない。
だがそんな思いとは裏腹に、銃弾のルートが一向に掴めず気ばかりが焦ってしまう。加えて会の面々がまるで煽るかのようにジャンジャンと電話を掛けて来る始末だ。何の為に引きこもりを決め込んでいるのか知れやしない。
…それだけ若頭が狙撃された事は、霧山が想定していた以上に会全体を不安へ落とし揺らしていたのだ。
時間は刻一刻と過ぎていき…リフレッシュを求めてシャワー浴び出て来た霧山を迎えたのは、ほのかの最大値の叫び声だった。
「ゆ、悠斗さんっ!!」
「ンだよ…でけぇ声だなぁ、おい。」
「あ、あのねっ…この弾っ…何か『書いて』あるよっ?!」
「あ?…つうかほのか!勝手に触んなっ。」
「え、えへへー♪ご、ゴメンなさい…でも、悠斗さんが困ってるから…」
「だからってなぁ!…ッ、マジだ…何かの刻印があるな…」
「んっふふふー♪なーんかきちゃないなーって思ってちょっと“拭いて”みたのっ。そーしーたーらー出てきたぁ!!」
「ふ、拭いっ?!…お前なぁ!!…」
「っ、ひぇっ…、…?」
さすがに物がモノだけに『バカヤロウが!!』と怒鳴られると思い、サッと身構えたほのかだが…いつまでもその怒声が浴びせられない。その代わりに…
「よくやった!ほのかぁ!!やっぱ俺の女だぜ!」
「うっひゃぁ?!」
活路が見えたからか、途端にテンションマックスになった彼によって抱え上げられた。
「…斜めに抜けてるトコあるけどなっ。」
「むぅ、おマヌケみたいに言わないでっ。…てか私、お米じゃないし!」
「ンだよ…じゃ、コレでひとまず我慢しとけ。」
床の上に降ろしてひと昔の頃のようにデコチューを贈られ、ほのかのご機嫌も真っ直ぐになる。そして俄然やる気満々となった霧山は、デスクに座って何かをPCに打ち込もうとしたのだが…
「…おいほのか。この弾に刻印されてるアルファベッド読め。」
「へっ?…ゆ、悠斗さんっ…もしかして『老眼』?」
「なワケあるか!目が悪くて見えねぇだけだっ。」
「うぅ…ビックリしたよぉ~…」
かくしてほのかが読み上げるアルファベッドを打ち込み、検索に掛けた結果…
「ッ?!…な、んだとっ!」
「…ロシア?…何でロシアなワケ?」
「ッ、てかちょっと待てやぁ!」
残されていた弾の製造元が『ロシア』とわかり、慌てたようにカタカタと別のPCを操作し出した彼は、出てきたその内容に愕然とした。
「……マ、ジかよ…あり得ねぇ……っ、あり得ねぇんだよッ!!」
苛立ちからダン!とデスクを殴りつけ、拳を震わせる霧山に驚きビクッとなったほのかだが…そっと横から覗き込む。そこには…
『ロシア製銃弾、22口径ライフル銃専用、製造国専用軍用銃指定』
…とある。彼女にはその意味の重大さがわからないものの、何かとんでもない方向へ向かい始めているような気だけはしていた。
「…ロシア…っ、軍用だぁ?…だってロシアはっ…」
うわ言を呟くかのように更に弾き出した画面の情報はもはや『トンデモ』内容で…霧山は頭を抱えるが、ほのかには意味不明でチンプンカンプンだ。
「…ッ…だったら、何でこっちに向こう(ロシア)モンがあんだよっ…」
そんな謎だらけな今回の事件の全容のあらましが見えてきたのはその日の夕方。彼はそれまで短気で単細胞な若頭の事だから、酔っ払って誰彼構わず喧嘩を吹っかけたのだろう…その相手がたまたま来ていたロシア『軍人』だったのでは、と考えていたのだが…蓋を開けてみたらまるっと違った。
「…おう。どうだ…何かわかったか?」
辺りが暗くなって、霧山の電話が鳴り出ると電話の相手は子飼いの情報屋の1人。彼は抱えている情報屋全員を総動員してネット情報では掴みきれない事をしらみ潰しに調べさせていたのだ。
その情報屋からの連絡によると…現在のロシアという国は、銃刀など火器にまつわる物は断固と流用を認めず許していないらしい。
「…。それはどんな手段でも無理なのか?闇の…」
『無理なんすよ。キリのダンナが言うところの“闇ルート”、それすら使えないっ。ロシアには『デーモンチマー』って言うデカい裏組織があるんですがね…そこが一手に締めちまってるらしいす。表は税関とサツが、裏には組織が…て感じなんで、それでも持ち出そうなんざ命知らずでさぁ。』
「だな。となると…」
『残るはただ1つ。…『デーモンチマー』そのものが“動いている”。』
「…あァ?!」
『まぁまぁ、熱り立ちなさんな。いやね、ついでの“ついで”で調べてみたんすけどね…その組織のトップのドンとトップの片腕が『ロシア軍』出身らしいす。ドンの名前は“ミハエル・ロゼーニョ”、かなり高い将校クラスまで昇って教官にまでなったらしいすね。その教え子が片腕となった“アレク・エネッツァ”で、奴は訓練中に照光弾の暴発事故で目をやられて退官してる。』
「…ッ…」
『どっちにしろ、マズいのは確かすね…『デーモンチマー』は今やロシア一帯の裏を掌握して牛耳ってる状況だ。日本のチンピラ風情なんか“子ネコ”も同然。…意に沿わなけりゃ、愛娘すら殺しちまうんだから。』
「…、…娘?」
『ドンには1人娘がいたんすよ。軍時代に数ヶ月暮らした日本で知り合って結婚した日本人女性との間に。ドンの日本人妻は娘が10歳の時に病死してるんすけど、以降は再婚もせずに父子だけで生きていたと。正に目に入れても痛くもねぇ可愛い娘ってヤツす。』
「……。」
『ところが、娘が成長したある日…ロシアの街で、たまたま訪露していた日本人の男と知り合ってやがては恋に発展!若い2人は熱く燃え、そして親父は怒りに燃え…』
「…おい。その漫談家みてぇな喋り方、どうにかしろ。ンな与太話どうでも良い上、それどころじゃねぇ…」
『えー、聞いて下さいよー。せっかく仕入れたんすからー。だからキリのダンナ、『生まれながらに涙腺がねぇ。』とか言われんすよ?人間、もっと感動して泣かねぇと!』
「あ、あの!その2人っ…どうなったんですかっ?」
「ッ、コラほのか!黙ってろってのっ。」
情報屋の『感動話』が気になり、堪りかねたほのかは霧山のスマホに向かって声を上げ催促する。だがそれもあっさりと阻止され、挙句には霧山に額を押し退けられてしまう。
それに負けじと『あう、えう』と両手をジタバタと動かすも…彼は益々とぐぐーっと力を入れ押していく。
『……。なぁんだぁ~、キリのダンナ…『女』、いたんすね。知らなかったぁ♪』
「ンな事どうでも良い!早く話せっ。」
『とにかくドンは怒り心頭だったみたいすね。何せ娘と片腕のエネッツァを夫婦にして、組織を委せて継がせようっていう“計画”があったんで。だが娘は自分が惚れた日本人の男と一緒に日本に…この『北海道』に来ちまうんす。所謂ところの“駆け落ち”も同然にね。相手の男の名前は何十年も経つ今でも知れてるんすよ実は。それだけ当時のドンの怒りは相当だった証拠ってヤツで…確か『アカギ』、だったかな…いや『イブキ』…』
「ッ?!ち、ちょっと待て!…今何つった…『イブキ』だぁ?」
…その名前に霧山は覚えがあった。いや、正確には清水や会の面々の誰もが、今や知る名前でもある。何故ならその苗字は…
「…ッ、イブキ…美優さんと同じ…っ。」
…ここに来て、全く想定していなかった点と点が線で繋がってしまった。
0
お気に入りに追加
191
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
後宮の棘
香月みまり
キャラ文芸
蔑ろにされ婚期をのがした25歳皇女がついに輿入り!相手は敵国の禁軍将軍。冷めた姫vs堅物男のチグハグな夫婦は帝国内の騒乱に巻き込まれていく。
☆完結しました☆
スピンオフ「孤児が皇后陛下と呼ばれるまで」の進捗と合わせて番外編を不定期に公開していきます。
第13回ファンタジー大賞特別賞受賞!
ありがとうございました!!
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる