届かぬ温もり

HARUKA

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桜子が家に来てから、私の日常は少しずつ変わり始めた。

最初は、彼女の明るさと元気な笑顔に安心感を覚えていたが、時間が経つにつれて、その裏に隠された何かが見えてきた。

最初はあくまで仕事の話ばかりだった。桜子は慣れた様子で、玲央と打ち合わせをしていた。彼女が来てから、玲央の仕事の進行具合が明らかにスムーズになったように感じた

でも、私は気づいていた。何かが変わった。

ある日、私は無意識に台所で洗い物をしていると、リビングから桜子の声が聞こえた。

「玲央さん、あの頃のこと、覚えてる?」

その言葉に、私は手を止めた。玲央はその瞬間、少し黙った。沈黙が続くと、桜子がさらに続けた。

「また、二人で旅行に行きたいなって思って。あの時みたいに、どこでも行けると思ってたから」

と桜子が玲央と見つめ合いながら話していた。

その言葉を聞いた瞬間、私の心は不安と怒りでいっぱいになった。

まるで、私の存在が消えたかのように、玲央は桜子の話に引き込まれているように感じた。

私はその場から出て行こうとしたが、ふと足を止め、目を閉じて深呼吸した。

そして、そっとリビングを覗いた。

「そんなこと言ってたのは、もう何年も前だろ?」

玲央が言ったその声には、懐かしさのようなものがあった。

その瞬間、私は彼の言葉に逆らえない気持ちが湧き上がってきた。しかし、私の心にはそれと同じくらいの不信感が根を張っていた。

桜子はその後も、私に気づかれないように、玲央との関係が深まっていることを示唆するような言動を繰り返した。

そして、ある日、桜子が帰った後、玲央に言った。

「私、桜子とどうしても会わないといけない気がする。」

玲央は一瞬目を丸くして、驚いたように私を見た。しかし、すぐに優しく微笑んで言った。

「心配しなくていいよ。桜子は仕事に集中しているから、あまり気にすることはない。」

でも、その言葉が逆に私を不安にさせた。玲央は本当に何も知らないのか、それとも私の気持ちを無視しているだけなのか…。

その夜、私は眠れなかった。桜子の言動が頭から離れず、どうしても玲央との関係を疑ってしまう自分がいた。

そして、翌日、私は決心をした。桜子に対して、何かを確認しなくてはならないと感じた。

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