残虐の大君―捕獲される獲物

越後屋工房

文字の大きさ
上 下
3 / 3

3.航海―― 3人の水兵

しおりを挟む
3.航海―― 3人の水兵

艦内で水兵達の自分を貶める卑猥な会話を耳にしたエリルは、急いでその場を後にした。水兵達の邪な眼を意識しはじめた途端、水兵達の姿を眼にすると急に胸がドキドキして、息苦しくなり、まともに彼らの顔を見られない。そして、なぜか肉体にジンジンとした感覚が湧いてくる。精神と肉体に変化が表れている。それになんだか頭もボーっとして、カラダもフラフラしはじめた。

―― 水兵を見るとなぜかドキドキする。今までは普通だったのに。でも、なぜ?

エリルは男に興奮している自分の姿に気づかないでいた。
性の対象として男に見られたことがないエリルにとって、この胸の高まりと興奮はただ戸惑うばかりだった。もともと王室の三女として育てられたエリルは極端に男性経験が少なく、カールとの恋愛が唯一の経験といえた。つまり、男性に対する免疫がほとんどないのだ。そんなエリルでも、カールとは肉体関係を経験している。しかし、欲望をギラギラしたオスの匂いを振りまく水兵達に、性欲のはけ口として見られるのは初めての経験だった。エリルを嬲るような卑しい目つきで、見られれば見られるほど、その妖しい誘惑に捕らわれていく。まるでヘビに睨まれたカエルのように抵抗できないでいる自分がいた。貴賓室に戻ると、ベッドにすぐに横になった。少し頭のなかがボーっとする。水兵達のあの会話がよみがえってくる。


―― 「おい、見たかよ、あの乳(ちち)」

―― 私の胸は厭らしく見えるのかしら? このカラダは厭らしく見えるものなの? あの水兵達はまるで卑猥な玩具が艦内を歩き回っているような話しぶりだった。

エリルは自分の乳房が「乳(ちち)」と牛や山羊などと同じ家畜と同様に呼ばれたことに、自分のからだが卑猥なものであるような気持ちになり、後ろめたさを感じ恥じていた。

――「ああ、オレも揉んでみてぇ」
――「この手で鷲掴みで思いっきり揉んでみてぇよぉ」

―― この胸を揉みたいなんて。。。。夫でもない赤の他人が妻でもない女の胸をまさぐりたいとは、どこまで浅ましいのかしら。でも「鷲掴みにして・・・」ってどうするの? 

男性経験がほとんどないエリルにとって、乳房は愛する人が優しく愛撫して誠の愛を伝えるのだと当然のごとく思っていた。それが、あの水兵達は、女性の美しさのシンボルでもある「乳房」を鷲掴みにするとのたまわっているのだ。それでは、まるで力一杯にギュウギュウに掴み、優しく愛情を伝えるというよりも、痛めつけるのに近いものがあるではないか。それのどこに聖なる愛があるのだろう。いや、むしろ愛はない。ただ、男が己の邪な慾を満たすためだけの行為であり、それは男が持つ種族保存の本能なのかもしれない。エリルに向けられた淫らな眼差しは、恋人に向けられる清々しい憧憬ではなく、娼婦を見るような淫慾にまみれた浅ましく、汚らわしいもの。女肉に飢えたハイエナ達の眼差しなのだ。エリルは水兵達の心の深淵を理解すると、ブルブルと身震いがしてきた。

―― しっかりしないと

エリルは「こんなことに負けてなるものか」と、心の中で自分を鼓舞し続けるのだった。


とはいえ、この軍列艦・ヴィクトリーをはじめ、他の艦船にも女性は、エリル一人しか乗っていない。女人禁制の軍艦に若い女性がいれば、自然と注目され好奇な眼で見られるのも仕方ないだろう。水兵達は母港を出てから1ヵ月以上も禁欲生活を強いられているのだ。エリルは、初めこそ頭にきていたが、「男の事情」を理解すると、あまり気にしないように努めることにした。

―― そういえば、白のショーツがないような

貴賓室デッキに干した洗濯ものを取り入れながら、辺りを見回す。下着は室内に干そうとしたが、誰かが部屋を訪問したときに、見られることもあり得る。そこで、小デッキにタオルなどと一緒に隠して干したのだ。小デッキなら数十分で乾くとの算段もあった。しかし、ショーツだけ、見つからない。

―― 風で飛ばされたのかもしれない

そう思ったが、風で舞い上がり甲板にでも舞い落ちていたら、艦内の女性はエリルのみなのだから、そのショーツの持ち主が誰なのか、一目瞭然だ。エリルはショーツが海に落ちていることを必死に祈った。

日の入り前に小デッキを見ると、小デッキの安全柵に紐で小石がぶら下げられていて、小石に布切れが巻き付けられているのが見えた。

―― なにかしら

自然と小石が安全柵に結ばれるわけもなく、誰かが意図的に吊るしたのだろう。
エリルは小デッキに出ると、紐をほどき室内で巻かれた布を開いてみた。そこには、黒鉛で文字が書かれていた。オプシディア語だった。

―― 姫の下着を持っている。望みを聞いてくれるのなら、返す。日の入りの刻に甲板修繕房まで来ること。望みを聞いてくれなければ、この下着をみんなで楽しませてもらう。

―― カーッ、ドクドク

全身が恥ずかしさで、熱くなってくる。
文字が書かれた布を握りしめる手がワナワナと震えている。
エリルは読み終えると、心臓がバクバクと激しく鼓動しはじめていた。全身から汗がしたたり落ちる。洗濯したとは言え、17歳の少女の下着が見知らぬ水兵の手に渡ってしまったのだ。恥ずかしさのあまり床に座り込みそうになった。今、すぐにでも取り戻したいという気持ちに駆られていた。修繕房は船首甲板直下にあり、甲板清掃用具や整備用品が収められている。

毎朝行われる艦上点検時には、この部屋から様々な用具が持ち出されて甲板やマストなどの点検が慌ただしく行われる。だが、日中はほとんど人はいない。
エリルは急いで修繕房に向かった。艦内を歩いていくと、出会う水兵達の目線が妙に厭らしさを感じる。気のせいかとも思ったが、エリルの肉体をジロジロと舐めまわすように見つめてくるのは、思い過ごしではないようだ。その視線のねっちこさには身がすくんでしまうで、いたたまれなかった。

―― おどおどしてはいけないわ。気をしっかり持たないと

エリルは自分を励ますと、卑猥な視線を無視して船首への足取りを速める。エリルが通り過ぎると、後ろから水兵達の会話が声が聞こえてきた。なにやら盛り上がっているようだ。

―― きっと私を散々下賤な言葉でまた貶めているのだろう

エリルはそう思うと、また、恥ずかしさで体中が火照り、この場からすぐにでも逃げ出したい気持ちになってくる。修繕房の前に近づくと扉が半分開いている。中を覗こうとすると、

「姫様、入れよ」

という声がした。
少しためらいながらも部屋の中に入る。
部屋の中には、雑穀などを入れる目の粗い麻袋を被った男が3人立って待っていた。
巨漢、チビ、ノッポの3人の男だ。
袋は目の部分をくり抜き、面が割れないように手の込んだ用意をしている。

―― こういうことに慣れているのかしら? 

麻袋で面が割れないようにするとは、何か悪だくみを図っているのは間違いないようだ。
エリルは少し動揺しながら、いつでも奇跡の力を発動できるように神経を集中させる。

「姫様~、来てくれてうれしいぜ」

「ははははは」

3人の覆面袋で顔を隠した水兵は笑った。
その笑いには邪悪なる姦計を感じさせるものがあり、一瞬の気の緩みも許されないことを改めて知る。

エリルは心を落ち着けると、気を引き締めて3人に話し掛ける。

「あなたたち、私の下着を返してくれないかしら」

あえて気丈な振る舞いで3人に臨む。3人のうちの1人がポケットから1枚の白い三角形の布切れを目の前にヒラヒラと晒す。それはエリルが身に着けていた純白のショーツだった。

「あっ・・・いや。。。」

見知らぬ男達に自分が下半身の秘部に身に着けていた下着を晒されている、そのあまりの恥ずかしさに女の声で拒絶の声を発してしまった。それが水兵達に火をつけた。

「ホラホラ、姫様~。ここのお股の部分はよく見ると色が変色してるんだ。何かが染み込んだ跡みたいだな」

水兵はショーツの膣の箇所の変色した部分をエリルに見せつける。

「ほお~、ほんとだ。薄い黄色のようだな」

「ケツの穴の部分も、薄い茶色じゃねーの」

「これはみんなに見てもらったほうがいいかもな」

「オマンコのところは何でこん色になったんだ。教えてくれよ」

「尻の穴のところの色もどうしてこんな色なんだよ」

「下着はなんで汚れてるんだ。早く言えよ」

水兵達は17歳の少女が到底我慢できないような卑猥な言葉をどんどんと投げつけてくる。エリルは王女といってもまだ少女だった。

「や、やめて・・・・」

プルプルと震えながら俯いて、恥ずかしそうに懇願する。奇跡の力で成敗しようと考えていたものの、奇跡の力はもともと門外不出の術であり、直に目撃されてはマズイのだ。3人の目の前で力を使うのは不適切だった。それと、3人の水兵がショーツの秘部接触部の変色を見てしまい、それが艦内に広まるのを絶対に阻止したかった。それは17歳の少女としてはしごく当然といえる。

「へへへ、そんなら、俺たちの願いを叶えてくれる?」

二ニタニタ笑いながら、水兵が聞いてくる。
まさか、国賓として招く王女に肉体を求めてくるのか、と思いつつも

「どんなこと?」

恐る恐る聞き返した。

「ああ、姫様のそのカラダにフィットするドレスが、オレたちゃ大好きなんだ。だから、港まで下着なしの姿で艦内を歩きまわってくれよ」


エリルが着ているスキニーなドレスは南国のアクアマリンでは正装ドレスだが、帝国のドレスはどうも違うようだ。チャイナドレスに似たフォルムのロングドレスは、スキニースタイルで女性のからだにピッタリフィットするようにデザインされていて、乳房、ウエスト、ヒップ、脚のフォルムが包み隠さずで露になる。そして、ロングドレスの歩きにくさを腰から下の両サイドに細いスリットを入れることで歩行性を向上させていた。当然、歩くスリットが開いて、太ももから足先まで生足が表れ、実に艶めかしくなるのだ。

そして、生地はコットンと絹や様々な糸を混合してつくられており、非常にストレッチが利く上に透けやすいという特徴を持っていた。スリップや下着を着けないと生身の肉体がうっすらと透けてしますことすらある。

「ち、ちょっと、それは透けるからムリよ」

水兵がたくさんいるなかで、そんな痴女じみた、破廉恥な恰好ができるはずがない。
エリルは断るが、機嫌を損ねた水兵達は、要求をエスカレートさせてさらに卑猥な内容を加えてきた。

「おっと、俺たちが優しくしてりゃ、調子に乗りやがって、俺たちに逆らったらどうなるか教えてやるよ。いいか、これから履いたあとのショーツはオレ達に洗濯しないまま渡すんだ。姫様の汚れが着いたままでな」

―― なんて卑怯な人たちなの、ここで怯(ひる)んだら負けだわ

「それよりも、あなた達は自分のしていることがわかっているの。ショーツを返してくれれば、このことは黙っておいてあげます」

エリルは水兵達の脅しに屈することなく、諭すように説得した。
すると水兵達は動揺したのか、驚くべき言葉を口にしはじめた。

「オ、オレたちゃ、こんなことバレたら処刑だ。姫様レイプして海に身投げしてやる」

「おお、姫様犯して海に身投げだ」

3人は異常に興奮しはじめ騒ぎ出し、収まりがつかなくなってきた。女人禁制の男所帯の船の中に女を入れると、女体に惑わされて狂気者が生まれることから、古来から船に女性を乗せることは厳しく戒められてきた。この3人も長期間の禁欲生活を耐えてきたが、女性に接しその性欲が爆発したのであろう。3人が襲い掛かかり、エリルは床に仰向けに倒れた。

「痛い!」

そんなエリルの声を無視して、
次々と3人がエリルのからだの上にかぶさってきた。

「うぁ・・・んぐ、んぃや」

3人はもはや猛獣といえた。
オスの本能のままに襲い掛かっている。
水兵は覆いかぶさるとエリルの口に無理矢理口づけをする。水兵のタバコ臭い息と唾液が口腔内に流し込まれてくる。他の2人は両足を広げ、大股開きにさせて女の股間に密着する下着の匂いを嗅ぎまわる。

「こりゃいい・・・」

「すげぇ、この匂いがたまねぇー」

3人の姿は狂気を帯び、他国の王女を凌辱する寸前にまで至っている。
もはや、ケダモノと化していた。

「んん、ぐぅぅぅ」

口を犯され、股間の秘口部分に水兵の鼻を押し付けられて刺激されるエリル。渾身の力を振り絞っても筋肉質の水兵3人はびくともしない。そればかりか、こちらが抵抗すれば、その姿を見てますます興奮が激しくなっていくようだ。

「やっちまおうぜ」

「ああ、どうせバレれれば処刑だ」

「ああ、脱がせや」

3人の水兵はもう死ぬ気らしい。こうなっては女のエリルにはどうしようもなかった。凌辱の前に精神を集中するのは難しかったが、奇跡の力を用いて小さな稲妻で衝撃を与えて、気絶させた。

「うぐっ」

3人は一瞬にして気を失った。

―― この程度の威力の稲妻なら、正当防衛になるようね。

エリルは稲妻の加減が成功したことにホットしたが、この3人の処置にはかなり困ってしまった。頭にかぶった麻袋をとって顔を確認してみるが、その顔に見覚えはなかった。身近な人物が犯人ではなくてほっとして、ショーツを取り戻すと、棚から修繕用具が3人の上に落下したように見せて、修理房を後にした。貴賓室に戻りドレスを脱ぐと、白いスキニーなドレスは床に転ばされ、転げまわったせいもあり、かなり汚れが目立つ。急に全身から力が抜けていく。

―― あぶなかった

呆然となりながら、ベッドの上に横になった。

―― もし、自分に奇跡の力がなければ、本当に手籠めされていただろう

エリルは改めて自分が危険な旅に出ていることを思い知った。

寝ていると、
あの3人の水兵が口にした言葉が次々と頭の中によぎる。

―― 「姫様犯して・・・」
―― 「脱がせや・・・」
―― 「お股の部分はよく見ると色が変色してるんだ。何かが染み込んだ跡みたいだな・・・」


まるで娼婦のような扱いに、自然と涙がこぼれてくる。
一方で、荒む心とは逆に、
肉体は興奮が覚めない。
逆に、肉体の火照りは、強まってきているようだ。

―― 無理矢理に奪われた唇
―― 犯された口腔内
―― 絡まった舌
―― 無理矢理に広げられた股間
―― 大股開きで嗅がれた秘口の匂い

どれも屈辱なはずなのに、肉体が疼いている。カールとのキスでも感じなかった強い肉体の刺激。ドキドキする心。獲物された恍惚感。どれもが初めて経験する感覚だった。

どれも信じがたい肉体の反応。
乳首に刺激が走る、秘口がジクジク疼く。
乳首にそっと指をあてる。
乳首が勃起し、乳房が張っている。
秘口をそっと指で触ると、濡れていた。

―― こんなことって。。。。。

エリルは女の肉体が暴力的扱いで興奮し、欲情するとは信じられなかった。
欲情したことに背徳感に苛(さいな)まれ、自分がひどく汚らわしい人間に堕ちたように思えた。
そんなエリルの感情とは裏腹に肉体は刺激を求め、からだを蝕んでいく。
秘口は中まで熱くなり、乳首は勃起し少しの接触でも甘い刺激を体内の隅々まで波及させて、女肉(めにく)をとろけさせる。呼吸はどんどん小刻みに荒くなっていく。我慢するほど、意識は快楽を求めて、その快楽的刺激を自分で与えることから逃れない。いま、エリルは性欲の虜になっていた。

右手の指が股の割れ目をゆっくりとなぞる。
ジーンと疼く感覚が広がって、イイ気持ちになる。
左手の指は、乳首をゆっくりと撫でる。
ジーン、ぽわぁという甘苦い刺激が片方の乳首から乳房、上半身へ広がってゆく。
どんどん、割れ目と、乳首を刺激していく。

目を閉じると、3人の水兵の姿が浮かんできた。
水兵はエリルを強い力で押さえつけると、
無理矢理キスをして、口の中に舌を入れてくる。

いやいや

をしながら、頭を左右に振るが、がっしりと水兵の両手で頭をつかまれ、
口は犯され続ける。
頭がとろけていくような、舌からの刺激。

もう一人の水兵は、力強く胸を揉んでくる。

―― 「鷲掴みでギュウギュウに握り揉みてぇ」

乳房はちぎれんばかりの強さで鷲掴みにされ、揉まれこまれる。

エリルは自分の乳房を強く握りしめると、電撃を受けたように強い衝撃がカラダ中に駆け巡り、啼き声を漏らす。

「あぁぁぁぁ、あぁ・・、はぁああああ、んぐぐぐぐ」

今までに経験したことのない激しい自慰により、エリルの頭の中は真っ白に染まる。

―― ああ、わたし、犯されている。水兵に無理矢理犯されてる・・・・

その背徳的なイメージは、自らがタブーを犯す浅ましい卑しい肉慾女に貶められた感覚を疑似体験し、想像以上の快感を肉体に与えていた。

「ん、はぁぁぁあっぁ、んぐぅうう」

指の動きは激しくなり、秘口の中をかき混ぜる、
カラダの中をかき回されるようなぐじゅぐじゅした刺激に溶けてく。
乳房と乳首を力いっぱい揉みまくる。
あまりに強く揉みすぎて手が痺れる。
本物の水兵なら、もっと気持ちがいいのだろう。

「んぁっぁっぁ」

声が抑えられない。
秘口の中の指を、もっと早く出し入れする。

「んんがぁぁぁぁ」

声にならない。
もっとかわいく啼きたいけど、こんな声しかでない。

頭の中、真っ白・・・・・

「んーーーーーーー」

カラダがピクピク動いて
意識を失った。

翌朝、着替えを終えると、テクレンスが心配そうに部屋を訪ねてきた。慌てて部屋に通すと、

「昨日は随分とお早めにおやすみになられたご様子でしたので、お加減なにかおありかと思いまして・・・」

その顔は真剣そのものだったのだが、こういう眼差しは女性の心を惑わす誘惑にもなる。
こんな芸術的造型傑作の美男子にじっと見つけられると、気持ちがときめいてしまう。「カール、ごめんね」。少し後ろめたさを感じ心の中で謝った。

「いえいえ、ちょうどいろいろと疲れを感じたものですから、つい早く寝ていました。なんともありませんから、ご心配には及びませんよ」

エリルはニコリと笑顔を返す。テクレンスの表情が緩み、「ほっ」とした様子だ。随分と心配させてしまったらしい。

「よろしかったら、夕食後にチェスにおつきあいいただけたらと思いまして・・・」

「チェス?」

「はい、ボード上で駒を用いて勝負するゲームです」

「まぁ、それですと、テクレンス様がお得意の分野ですね」

「いえいえ、私も未熟者ですが、エリル様とご一緒に学べたら、その時間が一層楽しくなると思えたものですから・・・」

「お上手ですこと。では、少しお手ほどききただければと思います」

「では、後ほど」

テクレンスは明るい表情をして部屋を後にしていった。夕食後にテクレンスと過ごすひと時。その時間が待ち遠しい。エリルは、乙女のように、その時の甘い時間を空想しては、はにかんだ。

部屋を見渡すと、テーブルの上に置かれたジャガイモ皮むき器が目についた。先日、厨房で手伝ったときに返し忘れ、そのまま部屋まで持ってきてしまったものだ。

「あっ、いけない」

ジャガイモ皮むき器を持つと厨房に向かった。途中で茶髪の少年が前からやってくる。髪は茶髪のストレートで、ショートボブ風だ。目はクリクリして大きく、小さい鼻に赤い唇がかわいらしさを感じさせる。まるで幼年期のカールのようだ。

「姫様~」

「ホセ!」

エリルも名前を呼んで手を振り、いつも厨房にいるホセが珍しく通路を歩いているので、

「どこいくの?」

と尋ねた。

「それは、こっちのセリフだよ。姫様!」

「あら、私はこのジャガイモの皮むき器を返しに厨房にいくところだったのよ」

「あー、それ探してた。姫様が持ってたんだ!」

「ええ、ごめんさいね」

「大丈夫だよ」

「ところで、ホセはどこにいくの?」

「貯蔵庫だよ。ちょっと香辛料が切れてね」

ホセが言うには、調理用スパイスなどは船首近くの貯蔵庫にストックがあり、調味料管理の担当であるホセが厨房の在庫がなくなると取りに行くのだという。どんなスパイスがあるのか知りたくて、貯蔵庫についていくことにした。貯蔵庫は船首最階層、つまり、船底にある。あの忌まわしいことをされた修理房に近い。エリルはゾッと身震いしたが、ホセがいる安心感から、心配はしていなかった。

「ここが貯蔵庫さ」

ホセは扉の前に立ち、扉をギギーと押し開けた。図書館に似た棚に大きな瓶が並んでいるそのなかには見たこともないような実や枝、葉がびっしりと詰めらている。世界中から集められたさまざまな香辛料が並んでいるのだ。

「これだけの大型艦になると、香辛料を使う量も半端なくてさ。こんなに貯蔵しているんだ」

部屋の3分の1は、香辛料を詰めた棚があるが、残りの3分の2には、樽が積み重ねられていた。

「こっちの樽は、通常の水兵の料理に使うんだ。瓶の香辛料は上官の料理用だよ」

ホセはいろいろと詳しく説明してくれる。その目はとてもまぶしく輝いていた。

「今日の料理は、東洋の香辛料を少し使うんだ。ピリッとした感じが出せて味覚的に面白いんだよ」

エリルはそれが自分たちが今日のディナーで食す料理に使うものだと悟った。

「ここら辺の棚にあったはずなんだけど・・・・」

ホセは奥の棚をいろいろと探している。こんなにも種類があるなかで、よくも目当ての香辛料のある場所がわかるものだと感心してみていた。その時。

「へへへ、飛んで火にいるなんとかとはオマエのことだな」

低い声で笑う聞き覚えのある声がドア付近から聞こえた。
そこには見覚えのある3人の水兵が立ってニヤニヤ笑っていた。
あの巨漢、チビ、ノッポの3人の水兵達だ。
昨日とは違い素顔を晒す3人の顔はどれも気持ち悪いほど、おぞましさが滲み出ている。

「オマエ達誰だ!」

ホセは強い口調で、3人に怒鳴ると、スッとエリルの前に立つ。

「よお、坊ーや、その女を渡してくれねぇか? なんなら、お前も遊ぶの混ぜてやってもいいぜ。おーっと、まだ童貞でやったことないってかぁ。ふははは・・・」

巨漢の水兵がホセに罵声を浴びせ挑発して、ニヤニヤ笑う。
昨日の態度とは明らかに違い、違和感を感じた。

「オマエら見たことねぇ顔だな。持ち場はどうした?」

「持ち場、そんなの関係ねぇ、オレたちは、クズだからな。クズらしくしてるまでさ。さぁ、姫様、こっちに来な!」

「いや!」

エリルは反射的に反応する。

「わからねぇなら、素直になるよーに、痛い目に合わしてやるよ」

巨漢男は指をボキボキ鳴らしてジワジワと近づいてくる。

―― この状況じゃ、奇跡の力を使って切り抜けるしかない。でも、この力を人前では使いたくない。

エリルは奇跡の力の行使をためらった。

その時

巨漢がホセに飛び掛かった。

「ホセ!」

あまりの瞬時の出来事に声を失い、ホセの名前を叫ぶ。

ドターン

人が倒れる大きな音ともに、ホセは巨漢の下敷きになって苦しそうに悶える。巨漢はホセの上に乗っかったまま、パンチで顔面を何度も殴り倒す。

バシ
「ううっ」

バシ
「ううっ」

「この野郎」

ホセはパンチを巨漢の腹に打ち込むが、まったく手応えがない。

「どーした。ぼ~や? それぽっちか?」

嘲るように罵ると、ホセの腹部にも強力なパンチをみまう。

ズボ
「ぐふぅ・・・」
ズボ
「ぐふぅ・・・」
ズボ
「んぐぅ・・・」

鈍い音がホセの腹から響く。
ホセの抵抗が止むと、
再び、ホセの顔をぶん殴る。

バシ
「うぐ」

バシ
「うぐ」

巨漢のパンチでどんどんホセの顔が血だらけになり腫れあがる。カラダが動かなくなっていく。

「もうやめて!」
「よえーな、コイツ! ふははは」

巨漢は動かなくなったホセを見て、嬉しそうにあざけ笑っている。

「さてと、コイツの息の根を止めるか」

巨漢はホセの首に腕を巻き付け、今にも首の骨をへし折ろうとしている。もはや、奇跡の力を使う寸分の猶予も残されていなかった。

「ヤメテ!殺さないで!」

エリルは必死に叫んで懇願した。その瞳には涙が溢れていた。

「コイツには、そういう使い方もあったのか」

巨漢はニタニタすると、エリルをねっとりとした厭らしい目つきで舐めまわす。
その瞬間、エリルは再び甲高い絶叫を大声で上げた。

「イヤーー!」

バキ
バキ

骨が折れる鈍い音が部屋に響く。

「うがぁーーー。うがぁーーーー」

ホセが大声で泣き叫ぶ。

「歩けねぇように、足を折っておかねーとな。ふふふ」

ホセの両脚の脛の部分が折れた。
巨漢はもはや嬲り殺しを楽しむように、ホセに拷問ともいえる仕打ちを加え楽しむ。
その残虐な行為にエリルは目をそむけた。

「姫様、オマエが抵抗しなきゃ、コイツを生かしてやる。立って後ろ手に手を組め」

いつの間にか、巨漢の周りに他の水兵2人が立っている。エリルは立ち上がると、腰の後ろに手をまわした。

「腕は背中で重ねろ。手で腕を掴んでろ」

エリルは従って、俯く。

「や、、、、め、ろぉぉ、ひめ・・・・」

ホセが息も絶え絶え声を出すと、

「うーせ、死にぞこない。左腕も動かなくしてやる」

エリルが「ヤメテ!」と叫ぶ前に左腕の腕が折れた。

ボキ

「うぁぁぁぁあぁ」

「恰好つけんじゃねーよ。ぼーや」

巨漢は楽しそうに笑っている。加虐性の残忍な性格を見せつける。

「あ、ああ、ホ・・・セ・・・」

エリルの目から涙が流れる。

「その顔たまんねーな。そら、苦しめ、苦しめ」

巨漢はどんどん狂気な行動を示すようになる。もはや異常としかいいようがない。

「よおーし。両脚を左右に大きく開け。早くしろ」

エリルは、立ったまま両足を左右に大きく開いた。
両腕を腰の後ろに組み、両脚を左右に大きく姿は、「人の字」の形に近く、女体のその姿を眺めると、男をそそる卑猥さが滲み出ている。カラダにフィットしたホワイトの
スキニーのロングドレスは、腰の両サイドに入ったスリットから生足のが露出し、太ももがあらわになっている。

「やれ」

巨漢は2人の水兵に命じる。

2人の水兵には荒縄が握られていた。
ノッポの水兵がエリルの背後に回り、手首を重ね荒縄を巻き付けていく。その力はかなり強い。

「うっ」

エリルは手首を荒縄で縛り付けられる痛さに声を漏らした。

「ふふ、声を漏らすのは、まだはえーんだよ。これから、もっとよくしてやるよ」

「まあ、今日はドレスを着たままで勘弁してやる」

巨漢はニタニタした表情をエリルに向ける。

ノッポは手首を縛ると、その縄を胸の乳房の上にまわして体を一周させ、きつく縛り、乳房を絞り上げる。また、別の縄を胸の乳房の下にまわし体を一周させ、きつく縛り、乳房の上下を絞るように絞り上げた。

「くぅ、うぐぅ」

エリルは乳房の上下を荒縄で縛り絞られ、激しい痛みに耐えていた。荒縄によって女性のシンボルである美しい曲面はいびつに歪められ、乳房を突き出したように尖がっている。乳房の膨らみが強調されたこともあり、著しい恥ずかしさが襲っていた。

―― 乳房が突き出て尖った形になっている

耐えられない恥ずかしが襲ってくる。
ノッポ水兵は、乳房下の縄の両乳房の谷間の位置に縄をかけ、V字にすると、乳房の上の縄と下の間隔をこのV字縄で調整しはじめた。V字縄を上の縄と結びつけると、上下の胸縄は幅を狭め、縄が乳房を一層挟み圧し潰すように乳房をしばきあげる。

「うぅぅぅぅ」

エリルの口から苦悶の声が漏れ出る。
「後手縛りだ。もう両手は使えん。服の上からでもオッパイがやらしく尖がってるぞ。はっはっはっはっ」

巨漢男はエリルを言葉で嬲り責めはじめる。

「次は、股縄だな」

巨漢男がチビの水兵に「やれ」という風に命じる。

チビの水兵は、ウエストに丁寧に荒縄を巻いて徐々に強く締めていく。縄が3本ウエストに強く巻かれると、へそ下から3本の縄が股間に垂直に垂れる。

「オマエには、特別に3本の縄を撚って1本化した太縄を締めてやるから、感謝するんだな」

巨漢は、3本の麻縄を1本化して締めるという意味のことを言っているようだが、エリルには、そもそも「3本を撚る」とか「縄を締める」の意味がよくわからない。ただ、乳房の上下にきつく巻かれた麻縄のように、股に縄が巻かれるのは容易に想像できた。

チビ水兵は3本の麻縄を、もともとあった麻縄と同じように、器用に3本を1本の麻縄のように撚ってまとめていく。3本の麻縄がまとまることで太い麻縄になっていった。

「どうだ、太い縄になっただろ」

巨漢男はエリルの目の前に太い麻縄をちらつかせる。

「細い縄が食い込むときつくて痛みが激しんだ。それじゃ、オマエは楽しめねぇ。そこで縄を太くさせて食い込ませると、食い込む加減がちょうどよくなるんだ。オマエには、もっと楽しめるように縄の瘤を作ってやるから、楽しむんだぜ」

その卑しい言葉を聞いて、後手縛りに胸縄をかけられ、両足を大きく開いて立っている身がブルブルと震えてくる。エリルは男の縄さばきをじっと見つめる。まだ、白のショーツは着けたままだ。どうやら、ショーツの上から縄掛けするらしい。

チビ水兵は、ウエストから垂れる1本化した太い麻縄を大股開きの股間に沿ってゆっくり当ててゆき、敏感な箇所に来るとその位置を何度も入念に確かめている。太い縄が敏感な部分に何度も当たる。

「んん・・・」

エリルの口から艶めかしい声が漏れ、その表情が一瞬曇る。

「おいおい、まだ早いぜ」

巨漢が厭らしいく、口をゆがめて笑う。よほど楽しいらしい。

チビ水兵は、しっかりとクリトリス位置を確認すると、縄に瘤を作り始めた。3本を合わせて作った太麻縄の瘤はかなり大きなものになる。

「すげぇ、でかいな」

巨漢男は満足そうにつぶやく。チビ水兵は、さらに膣口の位置を入念に確認して縄瘤を丁寧に作る。

「膣に半分埋まるほどがいいんだよな」

巨漢男の好みか、それとも女に股縄を締めるときの要諦なのか、ひとり呟いて唸っている。チビ水兵は、縄瘤を2瘤にして膣口に当たるようにした。

「瘤2つか、そりゃ穴に嵌まって逃げられねぇな。どんな風に悶えるか見ものだぜ」

巨漢男は、膣口に当たる瘤がさらに大きくつくられたことに満足したようだ。チビ水兵は、今度は肛門の位置を慎重に確かめ、また麻縄上の瘤をつくった。そして、力いっぱいに3本撚った瘤つき太麻縄を引き股間を締め上げる。麻縄の瘤がクリトリス、膣口、アナルにめり込んでいき、最も敏感な部位に強い刺激が走る。

「うがぁぁーーー」

あまりの激痛にエリルが苦痛の叫び声を上げ、身を捩(よじ)った。それでも、チビ水兵は縄を引く手を緩めず、さらに縄を引き締めて、股間に食い込ませていく。

「あががががぁがぁ」

エリルの顔が引きつり、腰が痛みでビクビクと動いていく。苦痛の表情が漲り、苦悶の表情が漂う。

「くはははは、若い娘にゃ、ちーとばかり刺激が強すぎたか。慣れれば癖になるから安心せい」

巨漢男は苦しむエリルの顔を見て、愉快そうに腹の底から声をあげて笑っている。ホセの殺生与奪を握られているエリルになす術は全くない、絶対絶命の状態だ。チビ水兵は、股間の割れ目に沿って瘤付き太麻縄をしっかり食い込ませ、締め上げると、別の1本の縄を数度折り返し芯にして、あまり縄でグルグルと芯を巻いた「巻き縄」を施した細長い縄束をクリトリスから膣口の上にあてた。通常、使用後麻縄は何度か折り返して、短くした上でその余り縄をその折り返した縄、つまり芯にして巻いていくと、細長い縄の束になる。チビ水兵は、その細長い縄束を股に通した太麻縄のクリトリス、膣口、肛門の上の瘤にかぶさるようにして位置を細かく確かめている。
そして、位置を確認すると、ウエストを締める腰縄に新たに3本結び付けた。

「これは、前張り縄っていってな。瘤をさらに押し付けるように働くんだ。この前張り縄を瘤の上に置いて、その上からさらに股縄を締めると、前張り縄が押されて、クリトリス、膣口、アナルに瘤が沈んでいくってわけよ。まぁ、テコの原理みてーなもんだ。これにはどんな娼婦でも堕ちるって言われてんだ」

誰に説明しているかも定かでなく、独り言のように巨漢の男が呟く。美しい獲物がじわじわと捕えられていく感じがたまらないのだろう。

「まぁ、前の穴には瘤が完全にめり込むな。クリは潰れるかもな。ふはははは」

女を虐待して悦ぶ狂気の眼がエリルを舐めまわす。

チビ水兵が、麻縄を一本、前張り縄にかける。新たに加えた3本の股縄は少し細いこともあり、1本のみでは前張り縄を固定できないでいる。2本目の麻縄を、さらに股に通し、前張り縄をしっかりと抑え込む。エリルは最初に締められた瘤付き太麻縄の瘤が押しだされ、クリトリス、膣口、肛門を刺激したせいか、苦悶の表情を浮かべるとともに、艶めかしい吐息を含む妖しい声を漏らし始めた。

「ううん。はぁ、あああ、いや・・・」

苦痛とともに、それ以外の刺激を感じているのは明らかだった。

「『いや』だってよお。肉体は違うみてぇーじゃねーかよ」

そういって、エリルの股間から染み出てる淫液を指ですくう。

「これは、なんだい。姫様? 姫様もこんな淫液垂らすんだなぁ~。縛られて淫液吹き出すなんてとんだ大変態だぜ」

巨漢男は、淫液のついた指をエリルの鼻の前に差し出す。恥ずかしさで身を隠したいほどになるが、今のエリルには逃れる術はない。チビ水兵が3本の化粧股縄を仮止めにして、縄の締まり具合を確かめている。そして、3本の麻縄がきれいに3列に揃うと、強い力で締め上げた。。一瞬にして、激しい苦痛で瘤が肉体に食い込んだのがわかった。

「おわぁ、んぐぅぅ」

エリルは殴られた時のような悲痛な声を吐き出し、苦しんだ。クリトリスが圧迫されつぶれ、膣口には2重にした瘤がめり込む、アナルにも瘤が侵入し、中途半端に押し広げられて気持ちが悪い。

「前張り縄を仕込んで、化粧縄をその上からかけてるから、強く刺激されてはずだ。もうまともに歩けまい」

巨漢男はさも勝ち誇ったように言い放つ。エリルは上半身を胸縄、小手縛りで固定された上、股間を厳重に縄掛けされ、その苦痛にワナワナと身を震わせていた。特に、敏感なクリトリス、膣に縄の瘤がめり込み、激痛を与え、今にも叫び出しそうになっている。

「さぁ、姫様、準備ができた。これから、俺たちを悦ばせてくれ」

「あ、あな、、、た、ウグゥゥゥ、、たちは、、アッ、、ど、アン、こ、、アッ、、ま、、、で、ング、ひ、、ウウグ、、きょ、、ンググ、なん、アアア、、、、」

「あははは、こりゃおもしれーい。苦しんで説教するなんて、面白いぜ」

必死で巨漢達に戒める言葉を口にするエリルの表情は、苦しさにまみれ、また、時折、快感からくる恍惚の表情も交わり、快楽に貪られる肉体と、高尚な意志を貫こうとする心が交錯し、苦悶に浸されている。肉体は快楽の餌食になりつつあるのは明らかだった。

―― 乳房の上下が締め付けられる。痛い。乳房がパンパンに張っている。乳首もビンビンになって勃起している。ドレスの生地から乳首に受ける刺激が心地いい。声が自然と出て止められない。

―― 股縄の激痛で足がワナワナする。痛い。クリトリスの激痛が我慢できない。もうダメだ。膣に瘤がめり込み、そこからジンジンと疼く感覚が上ってくる。縄で瘤が押し込められてくる、ジンジンする。痺れる。カラダが熱くなる。肛門にも瘤が半分入っている。気持ち悪い、動くと肛門を刺激する。股間が痺れる。お股が熱くなる。痛い、ジンジンする。もうダメ。。。。。

エリルの頭の中はすでに、上半身の縄と下半身の縄による戒めによる刺激で思考が錯乱しつつあった。

―― 痛い。もうダメ。げ・・ん・・か・・い・・

エリルの肉体が崩れ堕ちようとした時、

「おっと、これからだ。姫様」

巨漢男は、貯蔵庫のテーブルの上にエリルを胡坐をかかせて座らせると。足首を重ね、そこに縄をかけ、腰縄と足首を短い長さで結んだ。そして、胸縄に縄をかけ、そのまま足首に縄を結んだ。縄尻を引っ張ると、エリルの顔はどんどん緊縛された足首に近づいていく。

「うっうっ、んんんっ」

エリルは苦しさに声を上げるが、巨漢男はエリルの顔を足首の直前になるまで、縄を引く。やがて、エリルの顔は括られた足首の目の前に迫ると、巨漢男は縄端を足首に結わいつける。エリルは腰を折り、胡坐をかいた太ももや足首に上半身を密着する形で固定されてしまった。腰や背骨、腕。首に激痛が走る。全身の筋肉が悲鳴を上げる。

「んああああ」

たまらず、悲鳴を上げた。

「胡坐縛りだ。びくとも動くことはできねぇ。オマエさんも年貢の納め時ってことだ」

エリルはあまりの激痛に、全身から脂汗がにじみでてくるほどだった。最期の力を振り絞り、巨漢に向かって口を開く。

「あなた、ング、、、、は、、。アアア、ンン、こんな、、、ウグ、ン、、こと、、、し
ない、と、、、、アウ、、、アー、、、、おんな、、だけ、、、ないの、で、、すか、、アウン」

全身を締め付ける胡坐縛りの苦痛に息も絶え絶えに巨漢男を咎める言葉を口にする。明らかにこの男達への侮蔑の感情を示し、エリルは鋭い目つきで男をねめつけている。そんなエリルの気持ちをも弄(もてあそ)ぶかのように、巨漢は不敵な笑いをすると、

「こんな楽しいものはないからな」

と嘯(うそぶ)き、さも嬉しそうな顔をしながら、エリルの頬を撫で顎を持つとグイっと顔を持ち上げると、強い力で顔を巨漢男に向けさせた。その巨漢男の顔には、女を蹂躙するのを心底楽しんでいる狂気さが伝わってくる。

「うぐぅ、ハァハァハァ」

もう、苦しさから息をするのが精一杯だった。
エリルは巨漢男の獲物を得て満足し、勝ち誇ったような顔に、自分の無力さに悔しさを感じるとともに、胡坐縛りにより肉体の一挙一動を抑え込まれ、手の指をわずかに動かしながら、その激痛になす術もなく悶える苦しむ自分の姿が歯がゆく、唇をかみしめた。



巨漢男はエリルを置く位置を調整している。顔がテーブルの淵に向き、尻がテーブル中心を向くように置いた。まるで置物のように。テーブルから顔を突き出す姿勢のエリルに、巨漢はズボンを下し、肉棒を口の前に差し出す。

「口の中で舐めろ」

17歳の少女が見知らぬ男の性器を口に含むなど想像すらしたことがないかのしれない。しかし、逆らえばホセは確実に命を失ってしまう。巨漢をにらみつけるエリルの瞳を見つめ、にやつきながら肉棒を、エリルの真っ赤な唇の前まで突き出す。エリルの目前に巨大な肉棒が口に挿入される寸前で止まっていた。口を開けば、この巨大な肉棒は口腔内を犯しにかかるだろう。エリルは目を閉じ口を開けようとすると。。。

「眼は閉じるな。顔は俺の顔に向けろ、目は俺の目を見ろ。目をそらすな」

エリルは悔しさで唇をぐっと噛み潰した。好きでもない男性、自分の肉体を弄ぶ男性の瞳を見つめながら、口淫奉仕するその惨めさ、その目は何を思って見つめればいいのか。くやしさか、憎しみか、悲しさか、それとも恍惚か。。。寸分も身動きできないこの厳しい縄の戒めで責められ、性的な奉仕を強要される。これほど女にとって屈辱はなく、これほど女にとって惨めなことはない。

「や、、、め、、、ろ、、、」

呻くような微かな声が聞こえてきた。

「ホセ!」

エリルの目がパッと明るく開く。それと同時に巨漢男が憎悪の叫びをあげる。

「オマエは、殺さなきゃならんらしいな」

「や、やめて」

エリルが叫ぶが巨漢男はわき目も降らず、ホセに近づき、抱え上げると、香辛料が詰まった樽が多く並べてある隅にホセを力一杯投げ飛ばした。

ドスーン

積み重ねられた樽に勢いよくぶつかったホセは、ピクリとも動かなくなった。

「いやややぁ・・・」

泣き叫ぶエリル。

「ほう、そんな声がまだ出るほど元気なようだな」

巨漢男は、エリルの甘栗色でロング髪をつかむと、顔を上に向けさせ、口の中に巨大な肉棒を突っ込んできた。

「んぐぐぐ」

肉棒は口の中をいっぱいに満たし、呼吸ができない。

―― 息ができない。苦しい。

髪をつかまれ、力任せに顔を上下させられる。頭がガンガン乱暴に降られる。苦しくても、両腕は胸縄でしっかり緊縛されているため、動かそうとしてもビクともしない。

―― 苦しい。息ができない。

エリルは声を出そうとしても、口の中に満たされた肉棒で邪魔され、空気を取り込めないでいる。

「オラ、舌を動かせ。チンコ舐めろ」

「眼は俺の眼からそらすな」

巨漢男は狂気の目つきで睨んで、次々と口淫の奉仕を命じてくる。エリルは必死になって舌を上下、左右に動かして刺激を与えようと試みる。巨漢男の瞳を見ると自分が肉体も精神も支配されて蹂躙されているのを実感する。眼はくちほどにものを言う。そう、エリルの目には「ホセを殺さないでなんでもします」という懇願の意志が滲んでいた。

「チッ、いまいちじゃねーか」

不満そうに巨漢男が呟いて、肉棒を抜き取る。

「ハァハァハァハァ・・・・」

あまりの苦しさに肩で息をするエリル。その表情は胡坐縛りの苦痛も手伝って蒼白く、肌色が悪くなっていた。身体全体に激痛が走り、無理な姿勢で体力が相当奪われているのは明らかだった。

「こりゃ、前の穴にぶちこまなきゃならんな」

巨漢男は不機嫌な顔をしてエリルを睨みつける。苦痛に苛まれるエリルにその言葉を理解する正常な思考力は残されていなかった。ボーっと巨漢男を眺める。

「フッ、もう意識が飛びはじめたか」

「親方・・・」

そうつぶやいたとき、後ろのほうでチビ水兵の呼ぶ声がした。巨漢男が振り向くと、チビ水兵が木製のこけしを持って、ニヤニヤ笑って立っていた。

「おー、どーした」

「工作室で作ってた例のブツができやした」

「おおー、そりゃいいタイミングだな。姫様も捕獲したしな」

「サイズ確認に姫様を修理房まで運びてーんですが・・・」

「ああ、そうした方がよさそうだ。そのこけしみたいなのはなんだ」

「これですかい、こりゃ、工作室の工具使って作ってみたんですがね」

「どれ、見してみろ」

巨漢男は、チビ水兵から3つのこけしを受け取るとしげしげと見つめた。

「簡易につくった割にはいいできだ。姫様も気に入ってくれるよ。なぁ、姫様」

エリルの前に、木製のディルドが並べられた。ひとつは、オーソドックスな円柱の形で先端が丸いモノ。表面にボツボツの突起があり、女を哭かせる仕組みが施されている。もうひとつは、先端が曲がり、先端から末端までの間が太くなったり細くなったりしているディルド、最期は、Fの字型に突起があるディルドだった。どれも、卑猥な形をしていて、エリルが見るに堪えないものばかりだった。

「オマエに、選ばせてやる。好きなのを選べ」

巨漢男が、エリルに命じる。生まれてから性の知識に疎く、ディルドなど見たことも、触ったこともないエリルにとって、最初は何を言っているのかわからなかった。ボーっとしていると、

「オマエのオマンコに突っ込む棒だ。どれが好みだ」

恥ずかしさで赤面するようなことを巨漢男が当然のように聞いてきた。エリルはその卑しくも男性の性器を摸倣したディルドに吐き気を催したぐらいだ。眼をそむけるエリルに。

「眼をそらすな。しっかりと見ろ」

「決めないと、3本とも入れるぞ」

その言葉におののき、エリルは一番普通と思われるオーソドックスなディルドを選んだ。
こんな淫具を自分で選ばされるなんて、とても恥ずかしく。顔から火が出るほどだった。

「ほー、これか。オーソドックスなのが好きなのか」

巨漢男は羞恥心を掻き立てる言葉でなじってくる。エリルは仕方なく頷く。

「あとで、入れてやるから楽しみにしてろ。こいつらを工作室に運べ」

エリルは巨漢男が今ディルドを挿入するつもりでないことを知りホッとするが、工作室と聞き恐ろしさが込み上げてくる。工作室は、船首の最下層にある部屋で滅多に人が来ない区画だ。以前にエリルが暴行を受けた甲板直下の修繕室の真下に2階層からなる工作室があり、修繕室と工作室はハッチで資材を上げ下げできるようになっていた。エリル達が運ばれようとしている工作室は最下層の資材置き場を兼ねた場所で、滅多にクルーが来ない場所である。そんな部屋に連れ込まれれば、クルーに発見される可能もなくなり、もはや救出されるのは不可能に近い。

「工作室は、この貯蔵庫の3つ先の部屋だ。お前たちはとても運がいいな」


ノッポの水兵がエリルの顎を掴み睨みつけると、両頬をつかむ指に力を入れてくる。

「んぐぐぐ」

両頬を力強くつかまれる余りの痛さに、エリルは声をあげながら口を開かざるを得ないが、その瞬間、口の中に木製の丸いボールが「ギュ」と押し込められた。

「うぐ。。。」

口の中に大きなボールが押し込められ、異物感に驚き、声をあげる。
木製のボールは左右に革紐がついていて、それを頭の後ろで結ぶと。口から吐き出せなくなり、くぐもる声しか出せない。

「んーー」
「んーー」

エリルは必死に声をあげようともがくが、唸り声だけが響くのみだった。

「わりぃな。姫様。大きな声を出されて、本物の水兵に見つかると困るんでね。猿轡をさせてもらったよ。その姿も惨めでそそるものがあるな」

巨漢男は声さえ出せなくなって胡坐縛りでもがくエリルの背中を撫でまわす。ゾゾとする感覚がエリルの肉体を襲う。大きな麻袋がエリルにかけられた。

バサ

「胡坐縛りだから、動けないか」

肩で息をして微動だしないエリルを袋詰めにすると、担いで修繕室に向かっていった。

水兵達3人は貯蔵庫にあった大きな麻袋に猿轡をされたエリルを入れると、また別の麻袋にホセも同じように入れ袋詰めにして、工作室に運んだ。


「これか」

「へい、海に浮かべても沈まないようにしてあります」

チビ水兵が棺の扉を開けると布張りの豪華な内装が姿を現し目を見張る。人を固定するためか、首、胸、腰、二の腕、手首、太もも、膝、足首に固定用のベルトが装着されていた。この棺が女性用に作られたと思われるのは、股間にディルド2本が挿入でき、また、乳房を責めるバンドがあることからも明らかだ。

「これに、入れてどのくらい浮いている」

「まぁ、1週間くらい棺は大丈夫ですが、中身がもつか、すね」

「サイズ確認兼ねて、一度入れてみてもいい、すか」

巨漢男は黙って頷いた。

ノッポの水兵がエリルを入れた麻袋を担いで、工作室の中に入ってきた。工作台の上に麻袋を置くと。

「あうっ・・・」

とうめき声を漏らす。工作台に置いたときに股間が台面に接し。股縄が押し込まれ女の敏感な部分を刺激したのだろう。エリルが締めれている股縄は2重に股間に縄が通され、前張り縄という縄を噛ましているために、クリトリス、膣口、肛門を少しの衝撃でも刺激する仕掛けが施されている。エリルは下半身を襲った苦痛と同時にジーンとした甘美な疼きに戸惑い、必死に声を漏らすのを我慢した。

胡坐縛りにされたエリルを丁寧に取り出し、2つのヒップのやさしく撫で始めた。

ビビ
ジーン

「んー、んー」

声をあげようとするが、猿轡に抑え込まれ、くぐもった声しか漏れない。
今までになかった強い刺激が臀部と下半身を襲い、逃げようと身をよじろうとするが厳しく戒められた胡坐縛りで肉体は微動だにしない。

―― やめて

エリルは心の中で叫ぶが。ノッポの水兵は冷酷な眼で見つめながら、尻への愛撫をやめない。エリルの下半身がズキズキと疼き始め、痺れるような感覚が広がってくる。

「ほぉ、感じやすいんだな」

ノッポの水兵は、冷静にエリルの反応を観察すると、冷たく言い放った。自らの意志に反し無理矢理に快楽を与えられ感じ始める自分。男達にからだを玩具のように扱われる自分に、惨めさを感じた。

―― ちがう。感じてなんかない。

エリルは心の中で叫んだが、猿轡されている口からは、くぐもる声が漏れるだけだった。

ノッポの水兵は、エリルの足首と胸縄をつなぐ縄を緩めていく。猿轡からは粘り気のある涎がだらだらと流れ淫らさを誘う。つなぎ縄が完全にほどかれると、エリルの背はまっすぐに伸び、肉体が楽になった。ノッポの水兵はエリルの頭の後ろで結ばれる猿轡の革ひもを解き、涎でまみれた猿轡を口の中から取り出す。猿轡の涎が糸を引き涎の匂いが鼻に付く。ノッポの水兵は自分の肉棒を取り出すとエリルの頭を掴み、

「舐めろ」

と命じた。エリルは目をつぶると口を開けて挿入されるのを待つ。

「眼を閉じるな。こっちを見ろ」

ノッポの水兵は自分の顔を見るのを強いた。エリルは顔を上げ、ノッポの水兵の顔を見つめる。口の中に生暖かい肉棒が挿入されてくる、舌を絡めて舐めるようにしゃぶる。小さな口の中は、肉棒ですぐにいっぱいいっぱいになり、呼吸が苦しくなってきた。ノッポの水兵は肉棒を喉奥まで挿入し、前後するピストン運動を始めた。肉棒はピストンの度に喉奥に差し込まれ、その度に胃液が込み上げる吐き気が襲う。
グチュグチュグチュグチュ
肉棒ピストンの出し入れの度に卑猥な音が鳴り響く。
それに伴って、エリルの悲痛な呻き声が漏れる。

「んぐんぐ、オェ、オェ」

「んぐんぐ、オェ、オェ」

「んぐんぐ、オェ、オェ」


女の口を性器に見立てて、男のを悦ばせる口淫行為。商売女の娼婦が男を悦ばせ、満足させるためにするテクニックのひとつだ。一国の王女であるエリルは娼婦がする卑猥で特殊性技を強いられ、自らの口を使って肉棒に心地よい刺激を与えている。エリルの口は卑しい性器と化しているのだ。

「オマエの口は、肉棒を満足させるためにあるんだ」

ノッポの水兵は必死に肉棒に奉仕するエリルの顔を見つめ、冷たく言い放った。その言葉とエリルのからだにズキンと衝撃が走り、ジーンと痺れていくのがわかった。この惨めさになんとも言えない心地よさを感じている。

―― 嘘、嘘、そんなことない。心の中で必死に否定する。

一瞬、目がノッポの目からそれた。

「いま、何考えてた?」

ノッポが鋭く聞いてくる。エリルはノッポの眼を見つめながら黙って肉棒をしゃぶり続ける。
「感じたのか?」

ノッポの問いかけに後ろめたさを感じ、また自然に眼をそらした。まるで心の中を見透かされているようだ。

「オマエには被虐願望があるようだな」

その言葉が心の中に何かジーンと響いてくる。またノッポから目をそらした。
ノッポの水兵は、激しく腰を前後しはじめ、ピストンのスピードを上げてきた。

「んぐんぐ、オェ、オェ」
「んぐんぐ、オェ、オェ」

喉奥の刺激が胃液がどんどん込み上げさせ、吐きそうになる。エリルの瞳には苦しさから、涙がたまっている。息ができずに頭がボーっとする。頭を両手で持たれ、激しく前後に振られる。抵抗しようにも後ろ手縛りで全く腕が動かない。

―― もうダメ

心のなかで何回もつぶやく。「何度も早く終わって」と祈る。目の前の男のカラダが何回も近づき遠のき、近づき遠のき、ピストンによる前後で繰り返される。頭がクラクラする。激しい吐き気が襲う。その時、ノッポの水兵の呻く声が聞こえた。

「んっ」

その瞬間口の中に生温かいねっとりドロドロした液が放出され、口の中を満たす。人間の出す体液が口の中に出されたあまりの気持ち悪さに、吐きそうになるが、ぐっと我慢する。

「口の中で唾液と一緒にからめろ」

エリルは必死に口のなかで唾液と体液を混ぜる。舌を使って口のなかでかき混ぜた。何度も「おぇ」と胃液が込み上げてきて、必死に嘔吐するの我慢する。まるで汚物を口のなかに含んでいるようだ。

「見せろ」

口の中をあけて見せる。口の中に汚物がある意識が払えず、吐き気が催してくる。胃がムカムカしてたまらない。

「よし、飲め」

吐き気を抑えて無理矢理に飲み込んだ。

「おぇっ」

吐き出しそうになるが、必死に抑える。ノッポの水兵はエリルが苦しむ姿を楽しそうに見て冷笑していた。その眼差しからエリルを卑下しているのは明らかだった。チビ水兵がノッポ水兵を呼ぶ声がする。

「オイ、ちょっとそいつを貸してくれ」

「用意できたのか」

「ああ」

ノッポ水兵は口犯され、肩でゼイゼイするエリルの足首を縛る縄を解き、ウエストを掴むと工作台からエリルを降ろして立たせる。ウエストに強い刺激が走り、強い喘ぎ声をあげるエリル。

「あん、ああああ」

床に立たされると、股間の股縄の戒めから強い痛みとジンジンする疼きが下半身を覆ってきた。

「うああん」

自分のはしたない声に赤面するが、股縄からの刺激はとどまるところ知らず、痛みと重複して甘美な心地よい刺激も伝わってくる。エリルは甘い刺激に違和感を感じるが、その刺激を止めようもなかった。ワナワナと震える腰。ズキズキとクリトリスには激痛が走るが、その奥ではジーンと身体が熱を帯び火照り始めていた。しかし、あまりに刺激が強すぎて、立ったまま一歩も歩けない。チビ水兵は、工作室隅に置かれた棺の横に立って、手招きしていた。

「いけ」

ノッポの水兵が命じるが、足を動かすと股間に激痛が走り動けない。ノッポの水兵は胸縄をつかむと、強引にエリルを引いてチビ水兵の前に歩かせていった。激痛が股間を襲い、何度もしゃがみそうになる。クリトリスが押しつぶされるほどの激痛に耐えながら、チビ水兵の横にまできた。

「ハァハァハハァ・・・」

激痛に耐え全身を震わせながらかろうじて立っているエリル。
膝は「く」の字に曲がって、今にも崩れ落ちそうだ。

「これが例のものか」

ノッポの水兵がつぶやく。

「ああ、中はこんな感じだ」

チビの水兵がフタを開けると、布張りの豪華な内装が覗けた。それは荘重な棺だった。内部は暗めの赤で統一され、布張りはかなり弾力性に富んでいる。生きている人間が入っても、クッション性があることから辛くはないだろう。

「ほぉ、これなら姫様も快適に過ごせそうだ」

エリルはその言葉を聞いてゾっとする。まるで、この中に入るのはエリルだと言っているのも同然だからだ。その中に眼を向けると、暗黒の絶望感に包まれ、目の前が真っ暗になった。棺の中はヒト型の窪みになり、身体がはめ込まれると身動きできないように固定される。また、首、乳房の上下、ウエスト、太もも、膝、足首の各位置には、それぞれの部位を固定する革ベルトがついている。さらに、胸の上下を固定する以外に乳房を締め付けるベルトがあり、そのベルトには乳首を責める円形パッドがあり、その裏側の小さな突起が乳首と乳輪部とを刺激し、女を四六時中責める残酷な仕掛けになっていた。さらに、股間部には2本のディルドが突き出ていて、人型の窪みに押し込まれた後、ディルドを挿入することで簡単に起き上がれなくなる。その仕掛けを見るとエリルはおののきはじめた。

チビとノッポの水兵は、それぞれ足元と肩を持つと静かに女体を横にしたまま、棺の窪みにはめ込んでいった。スッと女体が棺の窪み嵌まり、エリルは身動きができなくる。

「後ろ手縛りだが、縛りがないときと大体同じだろう」

チビ水兵が呟く。

「ピッタリのようだな」

「ああ、イイ感じだ」

「固定するときはディルドを入れるのか」

「ああ、クソが漏れるからな」

「小便はどうなる」

「それは、垂れ流しだな」

2人の水兵は、首、二の腕、手首、乳房の上下、ウエスト、太もも、膝、足首のそれぞれに黒い革のベルトで固定してくる。エリルは待ったく身動きができなく、恐怖を覚える。最期に目隠しをされた。

「これで、ディルドをぶち込めば完成だ」

固定が終わると、後ろで黙って見ていた巨漢男が興奮して声を張り上げる。

「おお、すげえなこれ」

「ええ、蓋をしっかり閉じて海に落とせば、1週間は浮いてますよ。その間に岸まで曳けば、無事に終わりでさぁ」

チビ水兵は自慢げに胸を張る。どうやら、この棺の中にエリルを入れ、海に投げ込んで後で回収する手はずらしい。

「もうすぐ、沿岸部に近づく。そうしたらやるぞ」

巨漢男の計らいに、一同は頷いた。

「このままにしやすか」

「もう少し、楽しもうや」

チビ水兵の問いかけに、巨漢男はニヤニヤと薄ら笑いを浮かべた。

エリルは棺から出されると、工作台の上に載せられ、股縄を外されていく。

「ちょっと楽しもうや」

巨漢男が厭らしく、からだを撫でまわす。エリルは声を出さないように必死に我慢した。
股間を戒める股縄が1本、1本ほどかれていく。最初に前面の化粧縄3本が解かれた。すると、前張り縄が外れクリトリス、膣口、アナルへの圧迫が和らぐ、

「ううう」

ビンビンと刺激が下半身を襲い、その後ジンジンする疼きが下半身に広がっていく。もう少し強い刺激が欲しいとからだが求めているのがわかった、最後に瘤付きの3本撚り股縄が外され、割れ目を厳しく戒めた激痛から解放された。

「さぁ、木製の手作りこけしの出番だ。ノーマルなディルドが好みだったな」

巨漢男は手に木製の手作りディルドを握ると、それをエリルの目の前にかざして見せる。

「やめて」

エリルは無駄とわかりつつもあがらうが、巨漢男は意に介すこともなく言葉を続ける。

「そうやってるが、からだはこれを望んでいるようだぜ。オマエのオマンコはビジョビジョだからな。ふはははは」

エリルを蔑み大声を出して笑っている。ホセを見ると部屋の奥で壁によりかかって気を失っている。3人の男からはかなり離れている。すぐに首の骨を折り、殺すのは不可能だ。エリルはこのチャンスを逃さず、奇跡の力を発動させる。瞬間、3人の男に稲妻の電撃が駆け抜けるとともに、工具などが男達に降り落ち、一瞬で3人は気を失った。股縄を占められていたら、その激痛で集中力が失われ、これほど正確に狙いを定めて奇跡の力を発揮できたかわからなかった。

エリルは後ろ手に戒められたまま、ホセに駆け寄った。

「ホセ」

エリルの声にホセが微かに動く。うっすらと目を開け、意識が徐々にハッキリとしてきている。

「姫様」

ホセが周囲を見回すと。3人の水兵が倒れているのが見えた。

「姫様がやっつけたの」

「暴れて、落下してきた道具が当たって気を失ったみたい」

「姫様、オレが縄解くから、後ろ向いて」

エリルは座ってホセに背を向けると
ホセは、エリルの手首を縛る結び目を歯を使ってほどきはじめた。

「オレ、両手使えなくてさ」

ホセは、折れて動かなくなった手を見ながら呟いた。
固かった結び目も徐々にほどけ、縄が緩むと、
エリルは手が自由に使えるようになった。自ら胸縄を外すと、
ドア付近から聞き覚えのある声が聞こえる。
テクレンスだった。

「エリル様」


テクレンスのいつもの優雅な身のこなしと異なり、取り乱して駆け寄ってきた。
ホセが一緒なのにも気づいたようだ。

「エリル様、遅くなり申し訳ございません」

「ホセが・・・」

動揺が隠せない様子のテクレンスにエリルは、傍で気を失っているホセの姿を瞳で知らせた。テクレンスはホセの身を抱える。

「ホセ、オイ。しっかりしろ」

両手、両脚を折られ、顔面はボコボコに殴られ血だらけのホセは、一見しただけでもぼろ雑巾のようにボロボロだった。

「す、すまねぇ、オレ、姫様、まもれ、、なかった」

ホセは、息も絶え絶え苦しそうな顔をしてそう言い終えると気を失った。

「ホセ、オイ。しっかりしろ」

「ホセさんを台の上に・・・」

エリルのいうまま、テクレンスは工作台の上にホセを横たえさせる。両手両足をへし折られたホセは、これから先、満足に手足を動かすことは難しい。軍人としての人生は終わったといえた。いや、もうまともに生きていくのも困難だろう。テクレンスは悲痛な面持ちを浮かべている。エリルは。ホセを前に奇跡の力を発動する。不思議なことに頭の中に呪文が自然に浮かんできた。その瞬間、ホセをまばゆいばかりの光が覆う。みるみるうちに肉体の傷が癒され、手足の骨折が回復していく。

テクレンスはその奇跡の光景を呆然として見ている。輝きが消えるとホセの身体は傷ひとつない完ぺきな体に回復していた。

「もう心配いりません」

エリルはテクレンスに向かってほほ笑んだ。

「ううーん」

ホセが眼をさますと

「あれ」

手足が自由に動かせ、体中の痛みが消えていた。

「手も、足も動くよ」

ホセは嬉しそうに叫んだ。
テクセルは奇跡を目の当たりにすると

「奇跡の力は、昔話の一種だと思っていた」

としばらく呆気にとられていたが、すぐにエリルの前に片膝を突き礼の言葉を述べた。

「エリル様、部下のホセをお救いいただきありがとうございます。この御恩は生涯忘れません」

「部下?・・・」

「このホセは、我が親衛隊の隊員にございます」

テクレンスによれば、親衛隊の身を隠して乗艦している隊員が数名いるという。要人警護を専任とする親衛隊は、謀反や造反を警戒して秘密裡に行動しているとのことだった。エリルは流石は皇帝の親衛隊だけはあると思ったものの、ホセの調理人としての腕前がにわか仕込みとは到底思えなかったが、「それは、ホセが入隊当初は炊事が担当だったから」とのテクレンスの説明でようやく納得した。

「しかし、こいつら見ない顔だなぁ」

ホセが言うと

「確かに、1ヵ月以上も一緒に艦内生活すれば、名前はうろ覚えでも顔ぐらいはだいたいわかるものだ」

とテクレンスも違和感を感じている様子だ。

「この者たちはどこかの密偵かもしれんな。後々じっくり話を聞くことにしよう」

テクレンスは乱れたドレス、床のロープ、工作台の上に転がるディルドを見ると、エリルが言葉にできないほどのひどい辱めを受けたことを理解した。エリルを見つめると「もう大丈夫です」と言い、エリルをそっと抱きしめた。

貴賓室に戻ったエリルは、からだ全体に痺れが残り、縄掛けされた部位は特にヒリヒリして、縄の跡がくっきりと残っていた。特に、股縄をされた股間の割れ目である秘部はヒリヒリ、ズキズキ、ジンジンという複雑な刺激を体内に発している。痛痒いというか、ジンジン痺れ、少し心地よいというなんとも悩ましい感覚で身体が火照っている。眼をつぶるとあの忌まわしい辱めが脳裏に浮かんでくる。

―― 縄掛け、股縄、胸縄、ディルド、棺、口犯、精液の味

禁断の淫靡な行為の数々が、頭の中を浮かんでは消え、浮かんでは消えていく。忘れようとしても、淫らな自分の姿が次々に浮かぶ。そして、乳首が勃起し、乳房が張っていく、股間の秘口からは淫液が滴りはじめていた。

「んんん」

ムラムラする体の疼きに我慢できず、乳首を指で弄り愛撫する。

「あー」

あまりの心地よい刺激に声を漏らす。

もう片方の手で秘口を軽くさすると、股縄で戒められていたジンジンと疼いてた膣口から強い刺激が体内に駆け巡る。

「あぁあぁぁああああ」

はしたなくも、喘ぎ声を漏らす。手は自然と乳首や乳房をまさぐり、揉み始め、強い愛撫を与えていく。秘口を触っていた指は、秘口内に差し込まれ膣内の肉壁を擦っている。

「うう、う、あぁ、あああ、、、あん、あん」

激しい自慰をするエリルはもはや我を失い、己の身体の肉欲を鎮めるのに必死になっている。

―― ああ、犯される。ディルドを突っ込まれる。あああ

エリルは頭の中で何回も犯されまくり、辱めを受ける。
そのままエリルは深い眠りに入っていった。

しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

フライ
2020.06.09 フライ

世界観とても興奮します!

老婆が美人を責めるのとても好きなので今から興奮してます!

2020.06.09 越後屋工房

感想をお寄せいただきありがとうございます。こうして感想を守るいただくと、執筆の励みにつながります。この老婆はとんでもなく破廉恥なのですが、そこが魅力でもあるんです。今後の展開を楽しみしていてくださいね

解除

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

ハイスペック上司からのドSな溺愛

鳴宮鶉子
恋愛
ハイスペック上司からのドSな溺愛

ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます

沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~

ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。 そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。 そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

貴族の屋敷に勤めるメイドに自由はありません

ファンタジー
貴族屋敷に務めるメイドに自由はない。代わりに与えられたのは体の動きを制限する拘束具。常にどこかを拘束されているメイドの日常。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。