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13.おつかい
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お母さんが用意してくれたお金とエコバッグを持って、ハムアキラと家を出た。ハムアキラは小さなポシェットに入ってもらっている。
「楽しみなのじゃ!」
ハムアキラは大人しくしているって言っていたのに、はしゃいでポシェットから顔を出している。
「落ちないでね?」
「気を付けるから大丈夫じゃ」
頭を引っ込める気はないみたい。
「ところであれはなんじゃ?」
ハムアキラが言う。
「あれ? バス停だよ」
「ほう、今はあのようにテレビが付いておるのか?」
「バスが今どの辺にいるか、教えてくれるんだよ」
「ほぉぉ便利なのじゃ」
スーパーまでは歩いて五分、ハムアキラと話ながらだとあっという間だ。自動ドアをくぐってカゴを持つと野菜売り場へと向かう。
「まずはジャガイモからね」
「うむ」
山のように積まれたジャガイモから一つ袋を選んでかごに入れる。
「じゃ、お菓子の所に行こっか」
「楽しみなのじゃ!」
お菓子売り場へと付くとハムアキラがどんな反応をしてくれるか楽しみだ。
「ほわぁ! たくさんお菓子があるのじゃ!」
「後ろの列もお菓子が置いてあるんだよ」
「これらが全部お菓子なのか⁉ なんてすごいのじゃ!」
予想以上に喜ぶハムアキラに私も嬉しくなる。
「お母さん、お菓子は三百円まで選んで良いって言ってたから、ハムアキラが好きなのも選んでいいよ」
「さんびゃくえん?」
疑問を浮かべるハムアキラに説明する。
「えっと、ここに値段が書いてあるんだよ」
「なるほど。これらの数字が三百を越えねばよいのじゃな。わかったのじゃ!」
ハムアキラは頷くと、駄菓子が置いてある所を指さした。
「心晴、あちらも見たいのじゃ」
「了解! 私は何にしようかなー?」
ハムアキラを連れて、お菓子の棚を巡っていく。
「ハムアキラって、しょっぱい系のお菓子だけじゃなくて甘いものもいけるよね」
「一番はポテチじゃが、『ちょこれいと』も大好きなのじゃ!」
「そっか。なら、これも好きかな?」
「それは?」
「チロルチョコ」
「どういった物なのじゃ?」
紙箱の中に並んだチロルチョコを指さしてハムアキラが言う。
「いろんな味のチョコレートだよ。私はこれが好き」
牛の模様がついたものを摘まんでかごに入れる。
「わしも食べてみたいのじゃ!」
「わかった。ハムアキラの分もね」
後は何にしよう?
見ていると、細長いパッケージを見つけた。
「ポテチが行けるなら、きっとこれも好きだよね?」
コンソメとコーンポタージュのうまい棒を二本ずつ選ぶと、ハムアキラが何かを見つけたようで興奮した様子で声を上げた。
「こ、心晴! あちらに、ポ、ポテチが山のように置いてあるのじゃ!」
「もちろん、ポテチも買うよ」
ハムアキラが指さす方に向かうと、ハムアキラは驚いた声を上げる。
「いろんな味があるのじゃ!!!」
「うん。どれも美味しいよ。この間食べたのは、これ」
うすしおを指すと、ハムアキラはなるほどと頷いている。
「今回は他の味にしてみる?」
「他の味も気になるが、前回のポテチも捨てがたいのじゃ」
本格的に悩みだしたハムアキラに、私も何にしようか決める。
値段に気を付ければ、もう一個位選べそうだ。
「あ、じゃがりこ!」
ゆっくりと棚を回ると、ワゴンの中にじゃがりこが積まれていた。
「それはなんじゃ?」
「これもジャガイモのお菓子だよ」
「へぇ。なら、それにするのじゃ!」
「ポテチは?」
「迷って決められなかったのじゃ」
「なら、私はこれにしよっと」
九州しょうゆを手に取ると、ハムアキラが感動したように目を潤ませる。
「心晴ーー! わしのために、ポテチにしてくれたのか⁉」
「まぁ、それもあるけど、この味はこっちじゃないと買えないって聞いたから、食べてみたくって」
「なるほどなのじゃ」
ギリギリ三百円で足りそうだ。お会計に行って、ハムアキラと家に急いだ。
「楽しみなのじゃ!」
ハムアキラは大人しくしているって言っていたのに、はしゃいでポシェットから顔を出している。
「落ちないでね?」
「気を付けるから大丈夫じゃ」
頭を引っ込める気はないみたい。
「ところであれはなんじゃ?」
ハムアキラが言う。
「あれ? バス停だよ」
「ほう、今はあのようにテレビが付いておるのか?」
「バスが今どの辺にいるか、教えてくれるんだよ」
「ほぉぉ便利なのじゃ」
スーパーまでは歩いて五分、ハムアキラと話ながらだとあっという間だ。自動ドアをくぐってカゴを持つと野菜売り場へと向かう。
「まずはジャガイモからね」
「うむ」
山のように積まれたジャガイモから一つ袋を選んでかごに入れる。
「じゃ、お菓子の所に行こっか」
「楽しみなのじゃ!」
お菓子売り場へと付くとハムアキラがどんな反応をしてくれるか楽しみだ。
「ほわぁ! たくさんお菓子があるのじゃ!」
「後ろの列もお菓子が置いてあるんだよ」
「これらが全部お菓子なのか⁉ なんてすごいのじゃ!」
予想以上に喜ぶハムアキラに私も嬉しくなる。
「お母さん、お菓子は三百円まで選んで良いって言ってたから、ハムアキラが好きなのも選んでいいよ」
「さんびゃくえん?」
疑問を浮かべるハムアキラに説明する。
「えっと、ここに値段が書いてあるんだよ」
「なるほど。これらの数字が三百を越えねばよいのじゃな。わかったのじゃ!」
ハムアキラは頷くと、駄菓子が置いてある所を指さした。
「心晴、あちらも見たいのじゃ」
「了解! 私は何にしようかなー?」
ハムアキラを連れて、お菓子の棚を巡っていく。
「ハムアキラって、しょっぱい系のお菓子だけじゃなくて甘いものもいけるよね」
「一番はポテチじゃが、『ちょこれいと』も大好きなのじゃ!」
「そっか。なら、これも好きかな?」
「それは?」
「チロルチョコ」
「どういった物なのじゃ?」
紙箱の中に並んだチロルチョコを指さしてハムアキラが言う。
「いろんな味のチョコレートだよ。私はこれが好き」
牛の模様がついたものを摘まんでかごに入れる。
「わしも食べてみたいのじゃ!」
「わかった。ハムアキラの分もね」
後は何にしよう?
見ていると、細長いパッケージを見つけた。
「ポテチが行けるなら、きっとこれも好きだよね?」
コンソメとコーンポタージュのうまい棒を二本ずつ選ぶと、ハムアキラが何かを見つけたようで興奮した様子で声を上げた。
「こ、心晴! あちらに、ポ、ポテチが山のように置いてあるのじゃ!」
「もちろん、ポテチも買うよ」
ハムアキラが指さす方に向かうと、ハムアキラは驚いた声を上げる。
「いろんな味があるのじゃ!!!」
「うん。どれも美味しいよ。この間食べたのは、これ」
うすしおを指すと、ハムアキラはなるほどと頷いている。
「今回は他の味にしてみる?」
「他の味も気になるが、前回のポテチも捨てがたいのじゃ」
本格的に悩みだしたハムアキラに、私も何にしようか決める。
値段に気を付ければ、もう一個位選べそうだ。
「あ、じゃがりこ!」
ゆっくりと棚を回ると、ワゴンの中にじゃがりこが積まれていた。
「それはなんじゃ?」
「これもジャガイモのお菓子だよ」
「へぇ。なら、それにするのじゃ!」
「ポテチは?」
「迷って決められなかったのじゃ」
「なら、私はこれにしよっと」
九州しょうゆを手に取ると、ハムアキラが感動したように目を潤ませる。
「心晴ーー! わしのために、ポテチにしてくれたのか⁉」
「まぁ、それもあるけど、この味はこっちじゃないと買えないって聞いたから、食べてみたくって」
「なるほどなのじゃ」
ギリギリ三百円で足りそうだ。お会計に行って、ハムアキラと家に急いだ。
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