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第3章 校外学習で色々稼ごう

39.今日はどこへ?

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 昨日は夜遅くまでパーティーをしていてみんな、明日休みということもあったので、今日起きたのはもう昼ごろだ。みんなもほとんど一緒の時間に起きた。

「みんな、朝ご飯——もう昼ご飯といったほうがいいか。昨日、ご飯残っただろ? だから、それでいい?」

 みんな、頷いてくれている。今、寝起きなので反応はそこまで早くは返って来ずボチボチといったところだ。

「今日、休みじゃんだから今日は何したい?」

 空間収納エア・ボックスから、昨日作って余ったご飯たちをダイニングテーブルに並べながら訊く。

 しかし、起きたばかりでか分からないが思いつかないようでなかなか意見が出てこない。

「じゃあ、質問の内容を変えて、どこに行きたい?」

「私は疲れが残ってるので、可能ならば運動系以外でお願いします」

「ボクもだぞ」

「え、なんで?そんなに疲れたか?」

 俺も確かに疲れてはいるが、あくまでもそれは昨日の寝る前の時点であり、今はたっぷり寝たのでほぼ全快である。
 睡眠時間も同じだし、昨日疲れたのはあれだけたくさんの全て料理を作り上げるという偉業を成した俺の方だと思うが、気になったので理由を尋ねる。

「逆にセシリアちゃんはつかれてないの?! もしかして、スキルとか何かの効果?」

 え、そこまで勘違いされるほど?

「十分睡眠もとれたから魔力も全快してるから今は然程疲れは無くて普通だとおもうけど……普通じゃ無いのか?回復させるようなスキルは持ってないし」

「「全回復?!」」

 そんなに口を揃えて驚くのことなのか?

「だって、みんなよりも魔力量が少ないから普通だと思うけど……違うのか?」

「謙遜は要らないよ、セシリアちゃん。あれだけ魔法を使えるのが証拠です。少ないとは言え、わたしたちよりは多いと思います」

「あれだけ魔法をたくさん使えるのに私よりも少ない理由なんて見当たらないよ」

「スキルかなんかで効率化でもしてんのか?」

「確かにしているが、それでも魔力量が少ないのは事実だ」

 スキルの効果と言うとみんな納得してくれた様子だ。

「セシリアさんは魔法関係のスキルが多いんでしたよね?」

「まあ、そうだな。それ以外も勿論あるが、魔法関係もあるね」

 やっとこれで信用してくれた……かな?いや、何の説得にもなってないな。

 そのことに今頃気付き少し自分の答えに対し苦笑をしてしまう。

「それよりも、さ。俺のことより今日どこ行くか決めないか?」

 いつのまにか話しが大分逸れてしまっていたので戻す。

「あ、そうだったね」

「意見とかなんかあるか?確か動く系は嫌だったんだよな」

「じゃあ、昨日折角ギルドに登録したんだし何か依頼でも請けてみない?」

「でもカリス。それは運動系に入ってしまうんじゃないか?」

 動かないでも達成できるような依頼は無いと思うんだけど……。取り敢えずカリスに訊いてみた。

「依頼って言っても採集とかの依頼とか受ければ多分大丈夫」

 まあ、確かに戦闘は極力避けられるし、探すくらいしか労力を使わない。でも、それで疲れることは変わり無いよな?

「ボクは全然疲れてないから、一向に構わないんだがそこら辺は大丈夫か?」

 他の2人の意見も求めてみる。

「私は確かにはしたく無いと言ったけれども、それは抽象的な言い方をしたので分かりづらかったかもしれませんがということでした。だから、採集の依頼があれば魔物をわざわざ倒す必要もあまり無さそうなので私については問題ありません」

「エンセリアもそれでいいのか?」

「ボクは疲労回復系のスキルを持ってるからそこまでの疲れは残ってないから、討伐依頼でも請けられるくらいだぞ」

 そんなスキル持ってるんだ。
 俺は何とかそこら辺は魔法でなんとか出来るから取ってないけど。

「じゃあ、このあとギルドに向かうか」

 昨日の残ってしまったご飯も8割方食べていたので、その残りも少しなので全部食べてからギルドに行くことにした。

 ◇

 ご飯を食べ終えた俺たちは今、ダンジョンの近くにある昨日冒険者登録したところに行く。

 そこはやはり今日も活気に溢れていて、とても居心地がいい雰囲気だ。

 ギルドの建物の中には延べ面積がテニスコート1面くらいはありそうな掲示板が立ち並んでいる。だが、ギルドの人たちもここにランダムで依頼の内容を書き記した紙を貼らずに、ここは初心者向けの依頼であっちは遠征の調査依頼と言ったような感じに幾分かのコーナーに分けてくれてあった。とても親切だ。

 それに従い、採集依頼コーナーを探す。

 更に俺たちの区分はまだ初心者向け以外は受けられるほどの実績が無いので初心者用の依頼をみんなで探す。

「なんかいいのあったか?」

「正直ボクにはどれを選べばいいか分からないぞ」

「じゃあ受付の人に訊いてみるか」

 俺たちは正直何をやっていいのか分からなかったので受付まで向かう。

 ギルドは延べ床面積がサッカーコート一面分はありそうなくらいでかいのでギルド内での移動も大変だ。

 因みにギルド内は魔法やスキルまでもの使用が一切使用できなくなっている。試しに転移魔法を少しだけ発動しようと試みたが、一切反応を感じなかった。

 地球にいた頃、ゲームの外にいるにも関わらず魔法を使おうとしたときのような少し恥ずかしい気持ちになる。

 これはどういう仕組みなのかはよく分からないが、これによってギルド内で乱闘などは起きにくくなるだろう。


 受付は特に何の話しかできないということも無いのでこう言った相談も訊いてくれる。


 受付には昨日の人とは違う人がいた。だから、軽く事情も話すとしよう。

「すいません。ボクたち昨日で冒険者登録したばかりで具体的にどんな依頼を請ければいいのか分からないんですけど教えてもらうことってできますか?」

「いいですよ。大体こういう依頼がいいよとかは決まってるかな?」

 どうやら教えてくれるようだ。

 もう一度一応採集の依頼で本当にいいかみんなに確認をとり、採集の依頼がいいということを受付の人に伝える。

「ちょっと待ってくださいね」

 そういうと、カウンターの下からたくさんの紙が束ねられたファイルのようなものを取り出した。

「これがまだ達成されてない初心者向けの採集の依頼のリストです。ここから近いところで採れるものがいいですか?」

「うーん、どうする?」

「初めてですし一応歩いて日帰りで行けるところがいいと思います」

 確かに。

 みんなも確かにという感じなのでこれでいいだろう。

「じゃあ、日帰りで達成できるようなのをお願いします」

「はい、分かりました。幾つか候補を絞るので少し待っていてくださいね」

 パラパラと何回もリストを行き来して比べているようだ。また、時折地図も出してそれと見比べていた。
 その地図は色分けもされており、名称のようなものもかかれていた。多分採集するもの、植物などの分布図のようなものだろう。


 少しすると終わったようだ。

「ここら辺ですと、この【タリーフィ】という食用にもなっているものがおすすめです。お店などで見たこともあると思いますし、鑑定魔法をわざわざ使わなくても、この特徴的な大きな葉っぱに少し赤みがかったこの写真のようなものを見つけて来ることができます。ここの近くの森の方に行けば、採ることが出来ると思うのですがどうですか?」

 この【タリーフィ】という植物は、食材を買いにお店に行ったときよく見かける、地球で言うところの紫蘇のようなものだ。
 確かにこれなら、離れたところにあっても見つけやすいだろうし、鑑定魔法を使わずとも達成ができそうだ。

「みんなはどうだ? ボクは結構いいと思ったな」


 するとみんなも、見たことがあるなどの理由で賛同してくれた。

 ということで、この依頼を請けることとなった。依頼はこの葉っぱを30枚だそうだ。それ以上採集しても買い取ってくれるそうだから余分に採るのも悪くないだろう。

 そして、特に特殊な用意も要らないのでそのままこの近くの森に行くことにする。
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