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第3章 校外学習で色々稼ごう

38.夕食

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「じゃあ、今日セシリアちゃんに作ってもらうものはステーキとお寿司ね」

「カリス、ステーキは今さっき食べたばかりじゃないか?それだったらスパゲッティとかパンを食べてみたいぞ」

「全然決まらないじゃないか。食事も終わったからそろそろ店も出ないと行けないからさっさと何を作るか決めるため……というか決めない」

「「えー!」」

「作るのやめちゃったの?」
「きっと、私が駄々を捏ねてしまったせいで……」
「たくさん食べたいものを言って決めるのを遅くしたボクにも非があるぞ……」
「セシリアさん、早く決めれずすいませんでした」

「いや、作らないわけがないでしょ。そこまで、短気じゃないし。ボクを一体なんだと思っているんだよ?」

 みんな、非道いな。俺ってそんなやつに見えていたのか……。

「じゃあ、どういうことなの?」

「いや、希望のもの全部作るよ」

「「ありがとう!」」

 みんな、とても喜んでくれた。俺としても期待してくれるのは嬉しい。

 どんな、意見になったかというと寿司で決まったらしい。

 思いの外出てこなかったことがいまいち自分のなかで納得がいかず、他にも作ることにする。いや、遠慮してくれるのはありがたいけどそれだと食卓がなんか寂しいよね?そう思った俺はいっそのこと作れるもんは作ってやろうと思い思い付くものを作ることにした。

 そして、結局俺のなかで何を作ることになったかというと【餃子】【ローストビーフ】【刺身】【寿司】【スパゲッティ】【おでん】【冷やし中華】【炒飯】【パエリア】を作ることになった。だが、これらはお腹を満たすためのものだ。
 そう、デザートがまだあるのだ。
 【イチゴケーキ】【ミルクレープ】【チーズケーキ】【プリン・ア・ラ・モード 】【パンケーキ】【フルーツタルト】【ムース】【コーヒーゼリー】【苺クレープ】【パフェ】【杏仁豆腐】【スフレ】【クッキー】【カステラ】【パウンドケーキ】。

 まあ、俺は一度作ると言ったのにそれをやっぱやめたとかはしたくないので作ることにする。
 しかし、ちょっと計画し過ぎたな……。

 こうして俺のたくさんの料理作りデスマーチが始まるのであった。自爆行為なのは承知しているがこうでもしないと普通の料理で終わってしまう気しかしない。



 ご飯を食べ終わった俺たちは、商店街に行ってご飯の材料を買いに来ている。

「まず、魚を買いに行こうと思う。というよりなんでみんな買い物について来ているんだ?今更だけどさ」

「作ってもらうのを全てセシリアさんに任せる訳にはいきませんから」

「それはありがとうな」

 みんな、そのつもりで来てくれたのだとしたら優しい。だが、これではサプライズができなくなってしまう可能性が上がってしまう。もう、そのときはそのときということにしようか。


 魚屋には、魔法で鮮度が保たれた魚がたくさんあった。この鮮度は日本でもなかなか無いレベルの鮮度だ。しかし、これがこの世界の当たり前なのだ。
 科学レベルが低くとも魔法でそれを補えるどころか越える点も幾つもある。

 取り敢えず、刺身やパエリアなどに使うので全種類を買うことにする。因みに言っとくとパエリアは俺の好きなシーフードだ。
 どんなものがあったかというと、タイのような白身魚が3種類、鮪や鰹のような魚も幾つかとホタテや赤貝のような貝も何種類か買った。

 それら全ては採ったそのままの状態では無くしっかりと調理をしやすいように下処理がされていたり、刺身用に捌かれてあったりする魚まであった。


 その後も小麦や砂糖、醤油、米、などの食品を大量に買った。

 食費はみんなで五等分したのでそこまでの負担ではなかった。とはいえ、1人150ゴールドも払うのは幾らなんでもやり過ぎた気がする。というかもう、バレたよね?


 宿に着くと早速、空間収納エア・ボックスから食材を取り出していく。

 種類は多くとも、それぞれの買う量は大分控えて買った。しかし、部屋にある食べ物量を前にして果たして買った量は控えられたと言えるだろうか?
 否、俺なら控えたようには見えない。

 そんな、食材たちを料理するのは誰かと言えば俺だ。
 料理とはこんなにも憂鬱な気持ちになれるものだったのか。
 しかし、これはみんなに仲の良い美少女と考えればそんなことも思わなくなってきた。

 試験で若干の疲れた身体を動かし、ご飯を炊きながら、パンを焼いたり、食材を茹でたりする。

 もちろん、幾ら今が夕方とは言えど普通に作っていたら明日になってしまうので、範囲魔法で一体のの進み具合を遅らしておいた。
 先程、と言ったが、実際には部屋にキッチンと同じ役割を持たせたところで作っている。
シンクやコンロなどは全て俺の魔法で作った。

 そういう設備を整えたということは、魔法だけで作らないということだ。

 何故なら、俺の魔力残量は範囲魔法とキッチン作りで底を尽きかけていたらだ。

 だから、ほとんどのものは普通に料理は地球の頃と同じように作る。ただし、それはあくまでもほとんどであり、実際に俺がそんなデザートなどの作り方は知らない。

 俺がそんな悪戦苦闘しているが、みんなに気を使わせたくないのでトランプとかで盛り上がってもらっている。その間もせっせと一品、また一品と完成させていく。



「全部用意できた……さあ、食べようか。じゃあ、今日はみんなの推薦冒険者登録試験合格を祝し乾杯!」

「「乾杯!」」

 やっと、全て作り終わった。
 全くこんなに疲れたのは久しぶりだ。

「セシリアさん、こんなにたくさん作っていただきありがとうございます!有り難くいただきます」

「そう言ってくれるとこちらとしてもありがたいよ」

「やっまり、めりりあたんのよーりはおいいいね!(やっぱり、セシリアちゃんの料理は美味しいね!」

「カリス、食べるか喋るかどっちかにしてくれ」

 何て言ってるのか全然分からないが脈絡からして、多分プラスのことだろう。そうでなかったら悲しい過ぎる。

「セシリアさんのおすすめってありますか?私もそれを食べたいと思います」

「そうだな……」

 おすすめ、か。
 深く考えずに今食べたいものでいいか。

「ご飯系だったら、ホイコーローかな。生卵に浸してそれごと、ご飯に乗せて食べると美味しい」

 ホイコーローは急遽思い付いたので、追加したのだ。
 俺の中では生卵を見ると、何故かホイコーローが頭をよぎる。
 そして、作ったわけだ。

 何?疲れてるとか言いながら自分から頑張っていて言ってることが矛盾している?
 それは違う。折角やるなら、出来るだけ頑張るのが俺のポリシーであるのだ。

「そして、デザートでおすすめなのがパフェだな。色々なものが楽しめるこれだけで大分楽しめると思うな」

「そうですか!ありがとうございます。それは絶対におさえておきます」

 疲れたが、こんな風に楽しんでいるのを見るとそんなことも忘れられる。

 そして、ご飯がいつもより美味しい。
 自分で一生懸命に作ったからというのもあるし、何よりこうしてみんなと一緒に食べているというのも大きいだろうな。
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