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91 和合とはこういうもの4 ※R18

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 破瓜の激痛がほんの少しだけ和らいで、ゆっくりとジンジンとした鈍痛になってきた。

 うわあ……ギッチギチに入っちゃってる。えっぐいわあ……。

 しかも生だ。この世界に避妊具なんてないだろうし、外に出せばとも思ったけれど、そもそも生で突っ込んでいる時点で避妊的にはアウトだからあきらめるしかない。
 性的に興奮した男性は、射精していなくてもカウパー腺液、いわゆる先走りにも精子は含まれているからだ。それに、前回の月の物から計算しても、安全な日とは決して言えない。
 まあ婚約者同士だから多少の免罪符にもなるし、できちゃったとして結婚が早まるだけだろう。
 それに、ここまでいちゃついてきて、アビゲイルはすっかりこのアレキサンダーの子供を産みたい衝動にかられていた。

 子供は好きなほうだし、何といってもアレク様との愛の結晶。男の子だったら絶対可愛がるし、女の子だったら……やっぱり絶対可愛がると自分で思う。わあ夢が膨らむなあ。

「……ッは……! はぁ……っ、はあ、はあ……!」

 頭の中ではそんな夢いっぱいの妄想をしているが、実際にはアビゲイルは息を荒げていた。
 一部の隙もないくらいに精一杯開かれたアビゲイルの膣を刺し貫いているアレキサンダーの太くて逞しい雄茎に、身動きするだけでその存在をありありと感じてゾクゾクと得体の知れない震えが起こる。
 それがまだ破瓜の余韻でジンジン痛いくせにどこか気持ちいいのか、きゅんと締め付けてしまい、アビゲイルははくはくと唇を戦慄かせた。歯がガチガチ震える。

「はふぅ……わ、わかって、ましたけど……や、やっぱりすごい、お、大っきいなぁ……! えへへ、びっくり」

 喋っていると少し感覚が落ち着いてくるので、余計なお喋りをつい入れてしまうのだが、心配そうにそれ以上動かないでくれているアレキサンダーに、アビゲイルは力なくへにゃりと笑ってみせた。

 しかしアレキサンダーは笑い返すこともなく、何だかショックを受けたような表情で固まってしまっている。

「ど……どう、したの、アレク様……? は、あぅん……」
「ア、アビー……!」
「うん……? あ、もしかして、アレク様も痛いの? ご、ごめんね、大丈夫……?」
「そ、そうじゃなくて、アビーこそ、だ、大丈夫かこれ!? 結構ダクダクと、血が……!」
「へあ……? あ、ああ、そ、そっち」

 間接照明の薄ぼんやりした灯りでも目が慣れてしまえば夜目もきいてちゃんと見渡せる。アレキサンダーがアビゲイルと繋がり合った部分を凝視して硬直してしまっているのを見て、肘を立てて少し起き上がってその部分を見てみた。

 アレキサンダーの雄茎の根元が少し見えるが、そこの部分が少し血のような赤い、というより濃いピンク色をした液体で濡れているような気もする。
 心配するような出血じゃないけれど、アビゲイルを傷つけたとでも思ってショックを受けているらしい。

 アビゲイルはアレキサンダーが急に愛おしくなって胸にキュンときた。思わず彼に向かって手を伸ばす。

「……ぎゅってして、アレク様」
「アビー……大丈夫か?」
「うん。お願い、ぎゅってしてください……」

 アレキサンダーは困惑しながらも、繋がり合ったまま上体を倒してアビゲイルに応えて彼女の身体を腕に抱きしめてくれた。
 素肌同士で抱き合うと暖かくてすべすべして何だか安心するし、お互いにやや早鐘を打つ心音がシンクロしているのが面白いものだ。アレキサンダーは少し体毛が濃いのだが、わりと柔らかめの毛質なので、そのふわふわの感触も良くて、思わず腕毛などをさわさわ撫でてしまう。

「ア、アビー?」
「……気持ちいいですね、アレク様……」
「ああ……」
「あのね……心配しなくていいですから。もう大丈夫」
「しかし……うっ……!」

 何か言い募ろうとするアレキサンダーの腰に両足を巻き付けてぎりぎり届いた足首で組んでホールドしてしまう。驚いて思わず起き上がりかけた彼のその頬を両手で押さえてタコチューになった唇にキスをした。
 思わず身じろぎをしたアレキサンダーの雄茎がぐりりとアビゲイルの中を刺激する。

「あっ……」
「す、すまない」
「……ううん。あ、はぁん、……これ、いい、かも……」
「痛く……なかったか……?」
「うん、もう、そんなに痛くないです……。ていうか、お腹の中、ぐりぐり当たって、あん、き、気持ちいい……」
「そ、そうか……っ、ぐ、ア、アビー」
「あん、さっき痛かったのに、何で今、気持ちよくなって……あ、あん、これ、いい……」

 アメジスト色の瞳をとろんと蕩けさせて、生理的な涙を浮かべながら、だんだんと快感を拾い始めるアビゲイルに、アレキサンダーの背筋がぶるりと震えた。ぞくぞくとした得体の知れないものが背中を駆け巡る。

「……俺も、そろそろ限界だ……」
「え……?」
「アビーの中が、熱くて、締まって……それに」
「それに……?」
「ああ……いい匂いがする……アビー……う、動いて、大丈夫か……?」
「う、うん……」

 アビゲイルの了承を得たアレキサンダーは、彼女を抱きしめていた腕をほどいて起き上がり、彼女の脇に腕をつく。それを合図にアビゲイルが足の拘束を解くと、アレキサンダーは起き上がってゆるゆると律動を始めた。

「あっ……あ、あ、あ、はふ、あ、あぁ……っ」
「だ、大丈夫か?」
「うん、ごめ……っ」
「すまん、ゆっくりする」

 内臓ごと持っていかれそうな感覚に思わず生理的な涙が滲む。
 アレキサンダーはぎちぎちに埋まっているのを一度大きく引き抜いて、再び中へと挿入する際の予想以上のキツさに顔をしかめた。

「アビー、少し力を抜いてくれるか」
「あっ、ぅん、はあ、はあ……はあぁ……」

 深呼吸をするように大きく息を吐くと、そのタイミングに合わせてアレキサンダーがゆっくり、ゆっくりと動く。その際に両腕を伸ばしてきたアビゲイルに応えてキスを落とすと、アビゲイルのほうから彼の唇をぺろりと舐めてきた。それを合図にキスを深くしていく。

「ん、んぅ、んちゅ、ふぁ、あぁん……アレク、しゃまぁ……」
「ちゅ、ふ……アビー、大丈夫か?」
「うん、気持ちいい……キスも、ココも……はぁん、あっ、すごく、いい……!」

 アレキサンダーは決して焦らずに、ゆっくりと抜き差しを繰り返してアビゲイルが官能を拾い上げていくのを誘導する。
 その間にも「大丈夫か」「苦しくないか」「寒くないか」とか何度も何度も気遣うような言葉をかけてくれた。
 それが嬉しくてアビゲイルはゆっくりと、確実に絶頂に近づいていく。
 セックスの方法も個性が出るが、アレキサンダーはどこまでも優しかった。もっと激しく動きたいはずなのに、決してそれをせずに、拙い初めてのアビゲイルがついてこれるように誘導してくれるのだ。
 気付けばボロボロと涙を零していた。それを見てアレキサンダーは一度動くのをやめて、アビゲイルの頬に手を当ててすりすりと撫でてやる。

「苦しいか、アビー。つらかったら一度やめても……」
「ち、違うの……嬉しくて。……すごく気持ちいいです……アレク様がなんだかとても優しくて……幸せな気持ちになっちゃう」
「アビー……」
「……動いていいよ、アレク様。やめないで、もっと気持ちよくして……?」
「わかった、でも慣れるまで、ゆっくりいこうな」
「うん……! あ、でもアレク様も、気持ちよくなってね。あたしだけじゃ……」
「俺も気持ちいいよ」
「ほんと……? 良かったぁ……」

 涙の滲んだ顔でへらへら笑うと、アレキサンダーの雄茎がアビゲイルの中で一つ大きく脈動して、ぐぐぐと腹側の膣壁を押し上げる。

「あっ……あぁあ……すごいな、本当に大きいね、アレク様の……」
「あ、ああ、そう、かな」

 面と向かって褒められると男としては最高の誉め言葉で嬉しいのだが、羞恥的には素直に喜んでいいのか微妙な部分である。
 恥ずかしさを押し隠すように、アビゲイルがこれ以上言葉を重ねないように再び律動を開始すると、アビゲイルも無駄口をストップして素直に喘ぎ始めた。

「あっ……あっ……あぁっ……」

 揺さぶるたびにゆらゆらと二つの乳房が揺れ、先端が熟れた果実のようにアレキサンダーを誘惑する。膣奥をノックするのと一緒にここも舐めてやろうと、わしづかみにしてその先端を舌でねぶり上げた。

「はぁんっ……そこ駄目、胸、弱くて……、い、一緒にされたら、あぁーっ、駄目、いっちゃう」
「……本当に弱いな」

 弱点を簡単にさらすなど辺境では命とりだぞ、そんなことを思いながら、アレキサンダーは少し意地悪な笑みを浮かべて強引に乳首に吸い付いて口の中で舌で捏ねまわした。その間も相変わらず緩慢な動きではあるけれど、少し強めに剛直を突き入れる。

「ッ、あ、ぅあっ、だ、だってぇ……そんな、されると、おかしくなっちゃうの……!」
「遠慮するな。おかしくなってもいい……」
「ふあ、駄目、あぁああっ、いく、いっちゃうよぅ」
「ん、んちゅ、はあ、……そんなにいきたいか?」
「い、いきたい、いきたいぃいっ……いかせて、いかせてぇっ」

 最終的に強めの突き入れを繰り返すと、アビゲイルはあっけなく達して、アレキサンダーを締め付ける。しかしアビゲイルが初めてなので、絶頂に導くだけの行為であったためか、アレキサンダーはまだ射精には至らない。一向に衰えてない剛直を埋め込んだまま、アビゲイルが弛緩してゆくのを眺めやる。

 アビゲイルが仰け反って胸を上下させながら息が整うのを、アレキサンダーはゆったりかまえて待つ。ほんの数秒で彼女がゆっくりとそのアメジスト色の瞳を開いた。
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