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78 罪悪感はいらない
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スモーガスボードのテーブルからフルーツとデザートを数点取り、フォークと取り皿を二人分。
この国の食事の作法としては少々お行儀が悪いけれど、ラクリマと二人でシェアすることにして、飲み物と一緒に隅にある席にラクリマと一緒に座った。
シェアとか半分ことか、いかにも日本を思い出す。
アビゲイルは先ほどと同じくスパークリングワインを手に取り、ラクリマ姫はアップルジュースのグラスを取った。成人したとはいえ、お酒は呑めないらしい。それを聞いて、アレキサンダーも下戸なことを思い出して、それを話して聞かせると、ラクリマも意外と思ったらしく、少し表情を柔らかくしてくれた。
一度グラス同士を打ち合わせて乾杯をしてから、おもむろにアビゲイルは話を向けてみた。もちろん日本語だ。
『あの……ゆりりちゃん、でいいのよね?』
『……! は、はい……』
しまった、いきなりぶっ込みすぎたか。お酒呑めないアレク様のお話でちょっと緊張ほぐれたみたいなのに、また緊張させてしまった。
アビゲイルは頭の中で、ラクリマにどう言ったら怯えさせずに話をすることができるだろうと悶々と考えていた。こうして会ったのも様々な縁があるのだし、この先ヴィクターのことも気に掛けてもらいたいから、あまり悪印象を持たれたくなかった。
あたしのことを嫌ってもー、ヴィクターのことは嫌いにならないでくださいー。
目の前の元アイドルを見ながら、どこぞのアイドルのセリフを思い出して、グラスの中でぐふ、と噴き出しそうになる。
沈黙の中、とりあえずはデザートを勧めてみようと取り皿とフォークをさしだして「どれ食べる? どれも美味しそう~」などと取り繕うように食に逃避しかけたアビゲイルに、ラクリマは思い切ったという様子で話し出した。
『あの……、生前、のこと……大変、申し訳なく……! うちの過激なファンが、とんでもない事をして……』
『え、あ、いや、その、落ち着いて落ち着いて』
『オーディションのときの貴方の本気の取り組み様、正直、完敗したと思いました。この人には敵わないって……でも、あんなに情熱を燃やして頑張っていらしたのに……もうどうやっても取り返しがつかないのに……!』
目に涙をいっぱい溜めて、今にも泣きだしそうな顔をあげて、大きく『ごめんなさい』の『ご』を言いかけた彼女の口に、アビゲイルはイチゴ味の小さなマカロンを一つ入れてやった。
唐突過ぎたのか涙も引っ込んで、吐き出すわけにもいかず、ラクリマはマカロンをもぐもぐと咀嚼した。涙目でもぐもぐしているラクリマは非常に可愛い。
『落ち着こうねゆりりちゃん。あたし前世でのことはもうしょうがなかったって思ってるよ。それに貴方は全く悪くないじゃない。あたし貴方にはちっとも怒ったりしてないのよ。今まで一回もよ、そこは信じてほしいな』
『…………でも』
『やったのはあのベルボーイの男よ。あいつもあいつよね。あんなことしてゆりりちゃんに迷惑がかかるとは考えなかったのかしらね? ……ラリマール殿下から聞いたの。アイドル、あの件で辞めちゃったんでしょう?』
『……はい』
『なんか、かえって申し訳ないのはあたしのほうよ。ベルフラ、すごい頑張って活動してたのに』
『亡くなられた貴方に比べたら、あたしが辞めたことなんて取るに足らないことです。アイドルなんて掃いて捨てるほどいるマネキンみたいなものなのに、貴方のような唯一無二の人が死んで、あたしが何故生きているのって、ずっと自分を恨んでいました』
『そんなこと思っちゃ駄目だって……。人間はいつか必ず死ぬんだよ。それが遅いか早いかの違いだけでさ』
これは思った以上のトラウマを刺激してしまったみたいだ。「ゆりり」の中でのあの女優の壮絶な死は、彼女のその後の人生を大きく変えてしまったことをアビゲイルは実感する。
ラリマールの話では、彼はネットニュースで見ただけで詳しいことは知らないと言っていたけれど、当事者であったラクリマ、つまり「ゆりり」のその後がどうなったのか、アビゲイルはそれは聞いておかなければならないと思った。
なぜなら、こうして彼女が転生してここにいるということは、「ゆりり」はあのあと何らかの形で亡くなったことになるわけだ。
ラリマールがアビゲイルよりも後に死んだのに、今から遥か昔にこの世界に魔族として生まれたという話だから、彼の以前言っていたように「魂は時間の束縛を受けない」のは本当かもしれない。
『あの、不躾なんだけれど、ゆりりちゃんはその後、どうしたの? ちゃんと人生を全う、したのよね?』
『……はい。お恥ずかしながら、あの後良縁に恵まれまして、一般の方と結婚しました』
『そうなの! わあ、良かった……ちゃんと幸せになったのね』
『申し訳ないと思いつつも、贅沢はできませんでしたが、夫と子供たちと、それなりに幸せでしたよ』
あの犯人の男が「俺はゆりりのためにやったんだ」と供述していて、あの舞台のオーディションをゆりりも受けていたという情報が流れて、ネットを中心とした誹謗中傷が絶えなかったそうだ。
ゆりりは悪くないだろう、という擁護の声もそれ以上にあったし、同じベルフラのメンバーやスタッフ、芸能事務所も全面的にゆりりを守ったけれど、そのうち「事務所の管理が悪かったんじゃないか」とか、「メンバーの不仲もあったらしい」「メンバーの誰かがゆりりを嵌めたんじゃないか」「その犯人の男と事務所の誰かがなんらかの関係があったのではないか」とか、根も葉もないガセネタも蔓延して、皆にもうこれ以上迷惑をかけるのを申し訳なく思ったゆりりは、事務所を退所することとした。
卒業コンサートも何もない、関係者一同にファックス一枚の連絡のみの、寂しい退所だった。その後ゆりりロスに陥った者が大勢いたらしいが、ゆりり自身はもう一切の情報を自分から遮断していたのでどうでも良かった。
女優を刺殺した犯人の男に懲役十数年との判決が出たらしいけれど、詳しい情報ももう朧気だ。聞く気もなかった。ただ、人を一人殺してたったの十数年で出てくるのかと、世の中の無情を嘆いたのは覚えている。
その後、地元に帰って家業の手伝いをしながら細々と暮らしていたときに、地元の公務員の男性と知り合って、その後交際ののちに結婚した。
彼はゆりりの元アイドルだということは結婚後に知ったような、芸能人に興味のない地味な生活をしていた。
彼女の昔の写真と、現在の幸せ太りしたゆりりを見て「お前、可愛かったんだな」と笑うだけだったので、あまりの詮索のしなさ加減に拍子抜けして笑ってしまったという。
六十代に入ってから病気をして入退院を繰り返していたので、死んだ年齢が曖昧だというが、それでも幸せな結婚をして子供にも恵まれたので、自分のその後の人生については悔いのないものだったと彼女は言う。
それを聞いて、アビゲイルはホッとして知らずにいかり肩になっていた自分に気付いてすとんと肩を下ろした。
『そっか……良かった。心配してたんだ、ゆりりちゃんあの後大丈夫だったかなあって』
『貴方と言う人は……ご自分が被害者なのにそんな、あたしなんかの心配をするなんて』
『いやほら、ゆりりちゃんだって、あたしが死んだことで嫌なめにもあったわけじゃない。そもそも、あの男がファンだったってだけでさ。まだ二十歳そこそこだったよね? 全盛期でこれからって時に辞めなきゃいけなかったなんて』
『貴方こそ、これから待望の舞台だというのにあんなめにあってしまわれたでしょう。舞台も中止になってしまったし……』
『ああ~、それはもう、しょうがないよね。ダブルキャストの予定はもともと全くなかったし。あたしが死んだばっかりに~……』
『いいえ、あたしのファンがそれを引き起こしたんです。結局悪いのはこちらですよ……』
『……なんか、お互いにあたしが悪いって言ってばかりだね。やめようか、今こうして生きているんだし。あ、ねえ、せっかくだから食べよう?』
『あ、あの……はい』
『一緒に美味しいスイーツを食べれば仲直りできるよ。まああたしら喧嘩してたわけじゃないけどね』
アビゲイルは取り皿にスイーツを盛って、ゆりり……現在のラクリマに手渡した。嫌なことは甘い物を食べれば忘れられるというのがアビゲイルの持論である。
流石に皇太子殿下の生誕祭で出されるスモーガスボードは、出される料理も超一流だ。ひと口大の色々なケーキは見ているだけでも可愛くて楽しい。
目で癒されるだけでなく、食べておいしい、それでストレスを忘れられるなんて、パティシエという職人は、甘い物が大好物の女の子にとっては最強の癒し手だと思う。
この国の食事の作法としては少々お行儀が悪いけれど、ラクリマと二人でシェアすることにして、飲み物と一緒に隅にある席にラクリマと一緒に座った。
シェアとか半分ことか、いかにも日本を思い出す。
アビゲイルは先ほどと同じくスパークリングワインを手に取り、ラクリマ姫はアップルジュースのグラスを取った。成人したとはいえ、お酒は呑めないらしい。それを聞いて、アレキサンダーも下戸なことを思い出して、それを話して聞かせると、ラクリマも意外と思ったらしく、少し表情を柔らかくしてくれた。
一度グラス同士を打ち合わせて乾杯をしてから、おもむろにアビゲイルは話を向けてみた。もちろん日本語だ。
『あの……ゆりりちゃん、でいいのよね?』
『……! は、はい……』
しまった、いきなりぶっ込みすぎたか。お酒呑めないアレク様のお話でちょっと緊張ほぐれたみたいなのに、また緊張させてしまった。
アビゲイルは頭の中で、ラクリマにどう言ったら怯えさせずに話をすることができるだろうと悶々と考えていた。こうして会ったのも様々な縁があるのだし、この先ヴィクターのことも気に掛けてもらいたいから、あまり悪印象を持たれたくなかった。
あたしのことを嫌ってもー、ヴィクターのことは嫌いにならないでくださいー。
目の前の元アイドルを見ながら、どこぞのアイドルのセリフを思い出して、グラスの中でぐふ、と噴き出しそうになる。
沈黙の中、とりあえずはデザートを勧めてみようと取り皿とフォークをさしだして「どれ食べる? どれも美味しそう~」などと取り繕うように食に逃避しかけたアビゲイルに、ラクリマは思い切ったという様子で話し出した。
『あの……、生前、のこと……大変、申し訳なく……! うちの過激なファンが、とんでもない事をして……』
『え、あ、いや、その、落ち着いて落ち着いて』
『オーディションのときの貴方の本気の取り組み様、正直、完敗したと思いました。この人には敵わないって……でも、あんなに情熱を燃やして頑張っていらしたのに……もうどうやっても取り返しがつかないのに……!』
目に涙をいっぱい溜めて、今にも泣きだしそうな顔をあげて、大きく『ごめんなさい』の『ご』を言いかけた彼女の口に、アビゲイルはイチゴ味の小さなマカロンを一つ入れてやった。
唐突過ぎたのか涙も引っ込んで、吐き出すわけにもいかず、ラクリマはマカロンをもぐもぐと咀嚼した。涙目でもぐもぐしているラクリマは非常に可愛い。
『落ち着こうねゆりりちゃん。あたし前世でのことはもうしょうがなかったって思ってるよ。それに貴方は全く悪くないじゃない。あたし貴方にはちっとも怒ったりしてないのよ。今まで一回もよ、そこは信じてほしいな』
『…………でも』
『やったのはあのベルボーイの男よ。あいつもあいつよね。あんなことしてゆりりちゃんに迷惑がかかるとは考えなかったのかしらね? ……ラリマール殿下から聞いたの。アイドル、あの件で辞めちゃったんでしょう?』
『……はい』
『なんか、かえって申し訳ないのはあたしのほうよ。ベルフラ、すごい頑張って活動してたのに』
『亡くなられた貴方に比べたら、あたしが辞めたことなんて取るに足らないことです。アイドルなんて掃いて捨てるほどいるマネキンみたいなものなのに、貴方のような唯一無二の人が死んで、あたしが何故生きているのって、ずっと自分を恨んでいました』
『そんなこと思っちゃ駄目だって……。人間はいつか必ず死ぬんだよ。それが遅いか早いかの違いだけでさ』
これは思った以上のトラウマを刺激してしまったみたいだ。「ゆりり」の中でのあの女優の壮絶な死は、彼女のその後の人生を大きく変えてしまったことをアビゲイルは実感する。
ラリマールの話では、彼はネットニュースで見ただけで詳しいことは知らないと言っていたけれど、当事者であったラクリマ、つまり「ゆりり」のその後がどうなったのか、アビゲイルはそれは聞いておかなければならないと思った。
なぜなら、こうして彼女が転生してここにいるということは、「ゆりり」はあのあと何らかの形で亡くなったことになるわけだ。
ラリマールがアビゲイルよりも後に死んだのに、今から遥か昔にこの世界に魔族として生まれたという話だから、彼の以前言っていたように「魂は時間の束縛を受けない」のは本当かもしれない。
『あの、不躾なんだけれど、ゆりりちゃんはその後、どうしたの? ちゃんと人生を全う、したのよね?』
『……はい。お恥ずかしながら、あの後良縁に恵まれまして、一般の方と結婚しました』
『そうなの! わあ、良かった……ちゃんと幸せになったのね』
『申し訳ないと思いつつも、贅沢はできませんでしたが、夫と子供たちと、それなりに幸せでしたよ』
あの犯人の男が「俺はゆりりのためにやったんだ」と供述していて、あの舞台のオーディションをゆりりも受けていたという情報が流れて、ネットを中心とした誹謗中傷が絶えなかったそうだ。
ゆりりは悪くないだろう、という擁護の声もそれ以上にあったし、同じベルフラのメンバーやスタッフ、芸能事務所も全面的にゆりりを守ったけれど、そのうち「事務所の管理が悪かったんじゃないか」とか、「メンバーの不仲もあったらしい」「メンバーの誰かがゆりりを嵌めたんじゃないか」「その犯人の男と事務所の誰かがなんらかの関係があったのではないか」とか、根も葉もないガセネタも蔓延して、皆にもうこれ以上迷惑をかけるのを申し訳なく思ったゆりりは、事務所を退所することとした。
卒業コンサートも何もない、関係者一同にファックス一枚の連絡のみの、寂しい退所だった。その後ゆりりロスに陥った者が大勢いたらしいが、ゆりり自身はもう一切の情報を自分から遮断していたのでどうでも良かった。
女優を刺殺した犯人の男に懲役十数年との判決が出たらしいけれど、詳しい情報ももう朧気だ。聞く気もなかった。ただ、人を一人殺してたったの十数年で出てくるのかと、世の中の無情を嘆いたのは覚えている。
その後、地元に帰って家業の手伝いをしながら細々と暮らしていたときに、地元の公務員の男性と知り合って、その後交際ののちに結婚した。
彼はゆりりの元アイドルだということは結婚後に知ったような、芸能人に興味のない地味な生活をしていた。
彼女の昔の写真と、現在の幸せ太りしたゆりりを見て「お前、可愛かったんだな」と笑うだけだったので、あまりの詮索のしなさ加減に拍子抜けして笑ってしまったという。
六十代に入ってから病気をして入退院を繰り返していたので、死んだ年齢が曖昧だというが、それでも幸せな結婚をして子供にも恵まれたので、自分のその後の人生については悔いのないものだったと彼女は言う。
それを聞いて、アビゲイルはホッとして知らずにいかり肩になっていた自分に気付いてすとんと肩を下ろした。
『そっか……良かった。心配してたんだ、ゆりりちゃんあの後大丈夫だったかなあって』
『貴方と言う人は……ご自分が被害者なのにそんな、あたしなんかの心配をするなんて』
『いやほら、ゆりりちゃんだって、あたしが死んだことで嫌なめにもあったわけじゃない。そもそも、あの男がファンだったってだけでさ。まだ二十歳そこそこだったよね? 全盛期でこれからって時に辞めなきゃいけなかったなんて』
『貴方こそ、これから待望の舞台だというのにあんなめにあってしまわれたでしょう。舞台も中止になってしまったし……』
『ああ~、それはもう、しょうがないよね。ダブルキャストの予定はもともと全くなかったし。あたしが死んだばっかりに~……』
『いいえ、あたしのファンがそれを引き起こしたんです。結局悪いのはこちらですよ……』
『……なんか、お互いにあたしが悪いって言ってばかりだね。やめようか、今こうして生きているんだし。あ、ねえ、せっかくだから食べよう?』
『あ、あの……はい』
『一緒に美味しいスイーツを食べれば仲直りできるよ。まああたしら喧嘩してたわけじゃないけどね』
アビゲイルは取り皿にスイーツを盛って、ゆりり……現在のラクリマに手渡した。嫌なことは甘い物を食べれば忘れられるというのがアビゲイルの持論である。
流石に皇太子殿下の生誕祭で出されるスモーガスボードは、出される料理も超一流だ。ひと口大の色々なケーキは見ているだけでも可愛くて楽しい。
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