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62 クローズドサークル
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せっかく逃がしたのに。犠牲になるのは自分だけで済んだのに。
本当に何で戻ってきちゃったんだヴィクターよ。
文句を言いたかったが驚きのあまり声が出てこないアビゲイルは、酸欠の金魚みたいな顔をしていた。
その間にもヴィクターはアビゲイルの前に立って何度も石を投擲している。幼児が石を投擲したところでそれほど飛ぶはずもなく、巨大バチには一切当らないのだが、幼児姿のヴィクターはそれでも一生懸命に姉を守ろうとして立ち向かっているつもりなのだろう。
石を投擲するヴィクターに対して黙って避けながらホバリングしてこちらに向かってくる様子もない巨大バチ。心無しか硬直している様子なのが気になる。
どうして
どうして、ヴィクター
どうして攻撃するの
貴方を愛してあげるのに
大人から守ってあげるのに
どうして大人をかばうの
その大人は貴方に害悪なことしかしない
消さないといけないのに
どうしてかばうのヴィクター
私たちの愛し子
ヴィクター、あなたは
悪い子になったのね
巨大な複眼が今度はヴィクターに目標を定めたらしき気配を感じた。次の瞬間にそのサンドバッグのような尾から何か液体のような物が発射され、それがヴィクターに迫ってくるのを、アビゲイルはヴィクターの小さな体を掻っ攫うように抱き込んでその場をごろごろと横に転がった。
女優時代(前世)でアクションも齧っていて本当に良かった。そして今生ではダンスを猛特訓していて本当に良かった。前世の知識と体の感覚を覚えていたとしても、何もできないもやしっ子な体じゃ、咄嗟にこんなアクションはできなかっただろうし。
蜂だから毒針から毒液でも撃ってきたのかと思って恐る恐るそちらを見て見ると、先ほどアビゲイルとヴィクターが居た場所の詰草に白い粘性のある糸のような網のようなものが絡まっていた。
蜂かと思ったら今度は蜘蛛ですかい。こうなったらもう何が来ても驚かないけれども。
おそらくだけど、あの蜘蛛の糸みたいなのでヴィクターを捕まえようとしてるんじゃないだろうかと思い当たって、アビゲイルは戦慄する。
あんなものにぐるぐる巻きに抱き込まれたら、小さな子ではひとたまりもないだろう。
腕の中に抱き込んだヴィクターを離してやってから、アビゲイルは痛む足を引きずりながらヴィクターの小さな手を取って速足で歩きだす。
足首がジンジンと痛いというより熱い。ストッキングで隠れているけれども、若干左右で太さが違う気がする。おそらくくじいた足首が腫れてきたんだろうなあと思ったらうんざりとした。
「あねうえ、あねうえ! だいじょうぶですか! あしが……!」
「大丈夫よ。ちょーっとピンチだけどもね……イタタタ」
「あねうえ……! なんで……なんでわたしはこんなようじのからだなんだ……! これじゃあねうえおひとりすら、まもれない……!」
「いいから、喋ってないで、何としても逃げないと!」
痛みを何でもないと堪えつつ笑顔を見せるアビゲイルに、ヴィクターは涙目で姉の顔とその足首の患部を見てぐいっと袖で目を拭った。
愛し子
愛し子
大人の女、離れろ
ヴィクターを返せ
返せ
返せ
返せ!
妖精の声が迫って来るが、振り向くこともせずにただ前進する。
案の定十数メートル進むとあの四阿の付近に戻されて、すぐ真後ろをブブブという羽音がし、何か巨大な物体がかすめる気配がする。
狭いクローズドサークルで走り回るなんて消耗戦もいいところだ。いくらダンスで鍛えたといえど、アスリートでも戦闘のプロでもないちょっと逃げ足が速いだけの貴族の娘と幼児がいつまでも逃げ切れるものじゃないのは目に見えていた。あの化け物もきっとそれを狙っているのだろう。
何度目かのループで四阿付近に戻されたとき、化け物のすぐそばに戻されてしまったらしく、サンドバッグのような蜂の尾でぶん、と凪ぎ払われて、消耗しきって咄嗟に避けることもできなくなったアビゲイルは、尾が体にぶち当たってしまった。
「きゃっ!」
「あねうえ!」
思わず手を離してしまってアビゲイルは花畑に投げ出されてしまった。柔らかい詰草の群生地とはいえ、地面に勢いよくバウンドして、げほげほとむせてしまう。
うつ伏せに倒れてしまったアビゲイルは、力の入らない腕をなんとか踏ん張って上半身起こそうとした。
だが、そこに高速で飛んできた巨大バチに節足で頭をがしりと押さえつけられて地面に顔を押し付けられてしまった。
何本もある節足を使って、アビゲイルの体をがしりがしりと拘束していく。
その何本かあるうちの節足がアビゲイルの上半身を押さえ込んだまま彼女の腰をやや浮かせて膝立ちにさせた。
昆虫ではありえないほどの沢山の節足がアビゲイルの服をビリビリと破いて、アビゲイルはそこで初めて大きな悲鳴を上げた。
「きゃああああああっ!」
スカートはホックを破壊されて破かれて足元に残骸を落とされる。
ヴィクターが子供特有の甲高い悲鳴じみた声で「やめろおおおっ!」と叫んでいるが、蜂の節足の動きは止まらなかった。
ブラウスも襟首を引っ張られて首のところでボタンがはじけ飛び、ビリビリに破かれて袖口にわずかに布地がのこるのみとなった。
破かれ、服の切れ端のみを残したその体を覆うのは、最早ブラとショーツ、ガーターベルトとストッキングだけにされてしまった。
大人だもんね
大人はこうして遊ぶんだよね
遊んであげる、アビー
蜂はそう言って、そのままサンドバッグのような尾からあの槍の穂先のような太い針を剥き出しにしたのである。
それは所謂情交の時の男女の体位を模しているのだろう。今にも尾の先の太い鋭い毒針を、アビゲイルの腰を持ち上げてそこに突き刺そうとしていた。
恐怖がどくどくと心臓を脈打たせるのを、アビゲイルはひしひしと感じて、ああこれはもう駄目かもしれないと目を瞑る。瞼を閉じると自分が目に涙を溜めていたことに初めて気が付いた。
このような自分の最期をヴィクターに見せるわけにはいかない。けれど何本もの節足で拘束されて指一本すら動けない自分にはどうすることもできない。やめろやめろと泣き叫びながら巨大バチの胴体に殴りかかっているヴィクターの小さな体は、開いていたほかの節足の無造作に振りかぶった衝撃で遠くへ飛ばされてしまう。
アビゲイルはただヴィクターに対して「見ないで……」と弱弱しく訴えるだけしかできなかった。
カカカカ、クカカカカ、とまるで狂気の笑い声みたいに口を鳴らした蜂は、ついにアビーの下着だけの腰目掛けて、毒針剥き出しの巨大な尾を振り下ろしてきた。
だが、襲い来るであろう死はアビゲイルにはやって来ず、代わりにいきなりどん、と押されたような衝撃と、この世のものとは思えないような絶叫が耳元で起こって鼓膜がびりびりと震えた。そしてこれも唐突に拘束から解放されて詰草の地面に転がる。
よく見ると巨大バチがその胴体を真っ二つに分断されて地面に転がっており、緑色をした液体を断面から噴き出しながら、ぎゃいぎゃいと殺虫剤でも撒かれた害虫のように痙攣し、そのうち黒煙をもくもくと立て始めた。
それを上半身のみ起き上がって呆然と眺めていたら、ふわりとした大きな布を肩に掛けられたのに気付いて思わず仰ぎ見ると、美しいウルトラマリンブルーの瞳と視線が合った。
アレキサンダー・ヴィンス・ヘーゼルダイン西辺境伯。彼は使い慣れているであろう年季の入った実践的な剣を抜いていて、その刃には、たった今付いたのだろう蜂の胴体から滴る緑色の液体が付着していた。それをぶん、と振るって汚れを落とすと、すっと鞘に納める。
こちらを改めて振り返った偉丈夫、瞼の恋人がそこにいた。
「……アレク……さま」
「遅くなってすまん。俺の物で申し訳ないが、着ててくれ、目の毒だ」
「あ……」
彼はシャツの上にジレとクラヴァット姿であり、よく見るとアビゲイルは自分の肩に掛けられたのが彼の大きな外套だということに気付いて、服を破かれて下着だけになっていた自分の姿を思い出して、彼の外套を掻き抱いた。
本当に何で戻ってきちゃったんだヴィクターよ。
文句を言いたかったが驚きのあまり声が出てこないアビゲイルは、酸欠の金魚みたいな顔をしていた。
その間にもヴィクターはアビゲイルの前に立って何度も石を投擲している。幼児が石を投擲したところでそれほど飛ぶはずもなく、巨大バチには一切当らないのだが、幼児姿のヴィクターはそれでも一生懸命に姉を守ろうとして立ち向かっているつもりなのだろう。
石を投擲するヴィクターに対して黙って避けながらホバリングしてこちらに向かってくる様子もない巨大バチ。心無しか硬直している様子なのが気になる。
どうして
どうして、ヴィクター
どうして攻撃するの
貴方を愛してあげるのに
大人から守ってあげるのに
どうして大人をかばうの
その大人は貴方に害悪なことしかしない
消さないといけないのに
どうしてかばうのヴィクター
私たちの愛し子
ヴィクター、あなたは
悪い子になったのね
巨大な複眼が今度はヴィクターに目標を定めたらしき気配を感じた。次の瞬間にそのサンドバッグのような尾から何か液体のような物が発射され、それがヴィクターに迫ってくるのを、アビゲイルはヴィクターの小さな体を掻っ攫うように抱き込んでその場をごろごろと横に転がった。
女優時代(前世)でアクションも齧っていて本当に良かった。そして今生ではダンスを猛特訓していて本当に良かった。前世の知識と体の感覚を覚えていたとしても、何もできないもやしっ子な体じゃ、咄嗟にこんなアクションはできなかっただろうし。
蜂だから毒針から毒液でも撃ってきたのかと思って恐る恐るそちらを見て見ると、先ほどアビゲイルとヴィクターが居た場所の詰草に白い粘性のある糸のような網のようなものが絡まっていた。
蜂かと思ったら今度は蜘蛛ですかい。こうなったらもう何が来ても驚かないけれども。
おそらくだけど、あの蜘蛛の糸みたいなのでヴィクターを捕まえようとしてるんじゃないだろうかと思い当たって、アビゲイルは戦慄する。
あんなものにぐるぐる巻きに抱き込まれたら、小さな子ではひとたまりもないだろう。
腕の中に抱き込んだヴィクターを離してやってから、アビゲイルは痛む足を引きずりながらヴィクターの小さな手を取って速足で歩きだす。
足首がジンジンと痛いというより熱い。ストッキングで隠れているけれども、若干左右で太さが違う気がする。おそらくくじいた足首が腫れてきたんだろうなあと思ったらうんざりとした。
「あねうえ、あねうえ! だいじょうぶですか! あしが……!」
「大丈夫よ。ちょーっとピンチだけどもね……イタタタ」
「あねうえ……! なんで……なんでわたしはこんなようじのからだなんだ……! これじゃあねうえおひとりすら、まもれない……!」
「いいから、喋ってないで、何としても逃げないと!」
痛みを何でもないと堪えつつ笑顔を見せるアビゲイルに、ヴィクターは涙目で姉の顔とその足首の患部を見てぐいっと袖で目を拭った。
愛し子
愛し子
大人の女、離れろ
ヴィクターを返せ
返せ
返せ
返せ!
妖精の声が迫って来るが、振り向くこともせずにただ前進する。
案の定十数メートル進むとあの四阿の付近に戻されて、すぐ真後ろをブブブという羽音がし、何か巨大な物体がかすめる気配がする。
狭いクローズドサークルで走り回るなんて消耗戦もいいところだ。いくらダンスで鍛えたといえど、アスリートでも戦闘のプロでもないちょっと逃げ足が速いだけの貴族の娘と幼児がいつまでも逃げ切れるものじゃないのは目に見えていた。あの化け物もきっとそれを狙っているのだろう。
何度目かのループで四阿付近に戻されたとき、化け物のすぐそばに戻されてしまったらしく、サンドバッグのような蜂の尾でぶん、と凪ぎ払われて、消耗しきって咄嗟に避けることもできなくなったアビゲイルは、尾が体にぶち当たってしまった。
「きゃっ!」
「あねうえ!」
思わず手を離してしまってアビゲイルは花畑に投げ出されてしまった。柔らかい詰草の群生地とはいえ、地面に勢いよくバウンドして、げほげほとむせてしまう。
うつ伏せに倒れてしまったアビゲイルは、力の入らない腕をなんとか踏ん張って上半身起こそうとした。
だが、そこに高速で飛んできた巨大バチに節足で頭をがしりと押さえつけられて地面に顔を押し付けられてしまった。
何本もある節足を使って、アビゲイルの体をがしりがしりと拘束していく。
その何本かあるうちの節足がアビゲイルの上半身を押さえ込んだまま彼女の腰をやや浮かせて膝立ちにさせた。
昆虫ではありえないほどの沢山の節足がアビゲイルの服をビリビリと破いて、アビゲイルはそこで初めて大きな悲鳴を上げた。
「きゃああああああっ!」
スカートはホックを破壊されて破かれて足元に残骸を落とされる。
ヴィクターが子供特有の甲高い悲鳴じみた声で「やめろおおおっ!」と叫んでいるが、蜂の節足の動きは止まらなかった。
ブラウスも襟首を引っ張られて首のところでボタンがはじけ飛び、ビリビリに破かれて袖口にわずかに布地がのこるのみとなった。
破かれ、服の切れ端のみを残したその体を覆うのは、最早ブラとショーツ、ガーターベルトとストッキングだけにされてしまった。
大人だもんね
大人はこうして遊ぶんだよね
遊んであげる、アビー
蜂はそう言って、そのままサンドバッグのような尾からあの槍の穂先のような太い針を剥き出しにしたのである。
それは所謂情交の時の男女の体位を模しているのだろう。今にも尾の先の太い鋭い毒針を、アビゲイルの腰を持ち上げてそこに突き刺そうとしていた。
恐怖がどくどくと心臓を脈打たせるのを、アビゲイルはひしひしと感じて、ああこれはもう駄目かもしれないと目を瞑る。瞼を閉じると自分が目に涙を溜めていたことに初めて気が付いた。
このような自分の最期をヴィクターに見せるわけにはいかない。けれど何本もの節足で拘束されて指一本すら動けない自分にはどうすることもできない。やめろやめろと泣き叫びながら巨大バチの胴体に殴りかかっているヴィクターの小さな体は、開いていたほかの節足の無造作に振りかぶった衝撃で遠くへ飛ばされてしまう。
アビゲイルはただヴィクターに対して「見ないで……」と弱弱しく訴えるだけしかできなかった。
カカカカ、クカカカカ、とまるで狂気の笑い声みたいに口を鳴らした蜂は、ついにアビーの下着だけの腰目掛けて、毒針剥き出しの巨大な尾を振り下ろしてきた。
だが、襲い来るであろう死はアビゲイルにはやって来ず、代わりにいきなりどん、と押されたような衝撃と、この世のものとは思えないような絶叫が耳元で起こって鼓膜がびりびりと震えた。そしてこれも唐突に拘束から解放されて詰草の地面に転がる。
よく見ると巨大バチがその胴体を真っ二つに分断されて地面に転がっており、緑色をした液体を断面から噴き出しながら、ぎゃいぎゃいと殺虫剤でも撒かれた害虫のように痙攣し、そのうち黒煙をもくもくと立て始めた。
それを上半身のみ起き上がって呆然と眺めていたら、ふわりとした大きな布を肩に掛けられたのに気付いて思わず仰ぎ見ると、美しいウルトラマリンブルーの瞳と視線が合った。
アレキサンダー・ヴィンス・ヘーゼルダイン西辺境伯。彼は使い慣れているであろう年季の入った実践的な剣を抜いていて、その刃には、たった今付いたのだろう蜂の胴体から滴る緑色の液体が付着していた。それをぶん、と振るって汚れを落とすと、すっと鞘に納める。
こちらを改めて振り返った偉丈夫、瞼の恋人がそこにいた。
「……アレク……さま」
「遅くなってすまん。俺の物で申し訳ないが、着ててくれ、目の毒だ」
「あ……」
彼はシャツの上にジレとクラヴァット姿であり、よく見るとアビゲイルは自分の肩に掛けられたのが彼の大きな外套だということに気付いて、服を破かれて下着だけになっていた自分の姿を思い出して、彼の外套を掻き抱いた。
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