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番外編「ぬしと私は卵の仲よ私ゃ白身できみを抱く」

24 きみを抱く ※R18

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 自分から覆いかぶさってシュクラに口付けるのは初めてのことなので、クアスは不器用ながら先ほどシュクラがしていたように、触れて、離れてを繰り返す。
 シュクラはそれを薄目で見て、真っ赤になりながら眉根を寄せてたどたどしくも一生懸命にキスをしてくるクアスが大層愛おしくなった。
 クアスの首に腕を回して自分にぐいと寄せ、ふわりと口を開けて彼の唇が再び触れた瞬間に唇の間に舌を伸ばして差し込む。

「んっ……! んうっ……!」

 驚愕に目を見開いたクアスは慌てて唇を離そうとしたものの、首の後ろに腕を回してくるシュクラにグイと捕まえられて、逃げられずにそのまま口内を蹂躙されてしまった。
 
 先ほどはシュクラに愛撫してもらったので、今度は自分がシュクラに奉仕せねばと、妙な使命感があったクアスである。それなのに気が付けばこうして主導権をしっかりシュクラに握られているのがなんだか悔しい。
 男としてこれはどうなのだろうか。そう思いつつも息を荒げて鼻にかかったような声を出しながら嬉しそうに舌を絡めてくるシュクラが愛おしくてたまらなくなり、ついにシュクラの舌の愛撫に身を任せてしまう。

 お互いに、ん、とか、うん、とか鼻にかかったような喘ぎを漏らし、ちゅぱちゅぱと淫らな音を立てながら舌先で交わっているうちに、昂ってくる劣情を感じてきた。

 深い口づけがこんなにも気持ちいいなどクアスは知らなかった。想いが通じ合ったあとの口づけは、初めて交わったときよりも甘く感じる。
 元婚約者だったキャサリンとの交際時代だってこんな甘く淫らな口づけをしたことはなかった。
 
 触れたい。愛おしいこの方に。

 気づけばシュクラがクアスに肌をすりすりと擦り合わせていて、柔らかな胸の感触や絡みつくしなやかな長い脚がクアスを誘惑する。 
 誘惑につられて手を伸ばしてしまいそうになるが、神の尊い身体に淫らに触れることなど不敬にあたるのではと、今更ながら躊躇するクアスの手は若干宙を彷徨っている。それを横目で目敏く見つけたシュクラはがしりとその手を掴んで自分の胸元に持ってきた。
 むぎゅっと乳房に押し付けられた手の感触にぎょっとしたクアスだが、白く長い髪の毛越しに上目遣いで誘うように見つめられたら、その手を払うことなどできなかった。
 もう片方の手も一緒に両手でシュクラの豊満な乳房を愛撫し、その先端に指を這わせて指先でくりくりと刺激すると、ぷはっと唇を離してシュクラが息を吐いて仰け反った。

「ああっ……いい、いい……ああ、もっと……」
「気持ちいいですか、シュクラ様……?」
「気持ちいい、もっと、もっと触ってたもれ……あ、ああ、ん」
「……舐めても?」
「ふふ、良いぞ。その可愛い舌で愛撫しておくれ」

 懇願するように言われて、クアスはおずおずとシュクラの乳首に舌先を這わせ始めた。もう片方の乳房もふにふにと揉みながら、舌で乳輪の毛穴と突起の付け根を刺激してやると、柔らかだったそこが徐々に固くなってぷくりと立ちあがってくる。その変化に視線をシュクラの顔のほうに送れば、彼女は目を閉じてクアスの与える刺激にぷるぷると震えながら小さく喘いでいた。

「ん、ん、んぅっ……」

 先ほどまで余裕綽綽だったシュクラが、初々しい反応をしていることにドキリと心臓が一つ鳴る。 
 自分の与えた刺激でシュクラが感じてくれていることに歓喜を覚えた。
 シュクラがクアスを愛撫しているときに可愛いと言っていたのはこういうことだったのかと初めて理解し、そんな可愛いシュクラをもっと感じさせてあげたくなったクアスは、ぷくりと膨らんだ乳首を口に含んだ。
 
 歯が当たらないように注意しながら、唾液をまぶすように舌で転がしてやると、シュクラは息を荒げながらクアスの頭を抱いてその金髪をさわさわと愛おし気に撫で始めた。

 クアスに足を絡ませて彼の太ももを跨いでいる状態のため、クアスの愛撫が進めばシュクラの陰部の当たっている太ももが湿り気を帯びてくるのを感じる。そのうちシュクラは自分で腰を動かしてクアスの太ももに性器を擦りつけ始めた。
 もしかしてとシュクラの無毛のそこに手をのばすと、ぬるりとした温かい液体が滴るほど溢れている。思わずシュクラの胸から顔を上げて彼女を見ると、シュクラはバツが悪そうに眼を逸らす。

「カ、カイラード卿が悪いのじゃ。そなたが胸ばかり弄るから」

 自分から触らせておいてこの言い種。そして呼び方が元に戻ってしまった。恥ずかしくて憎まれ口をたたく時はこうなってしまうのかもしれない。クアスはそんな彼女も愛おしくて、なんだかふふっと笑ってしまう。

「何が可笑しい」
「いえ、シュクラ様。もうクアスとは呼んでいただけないのですか?」
「ん? ん~……そうじゃな。吾輩をもっと気持ちよくしてくれたら呼ばんでもないぞ」
「わかりました。呼んでいただけるよう頑張りますね」
「ふふっ、素直じゃの。でもこうしてそなたと睦み合うのは楽しいぞ。もっと楽しもう!」

 満面の笑みで抱き着いてくるシュクラを受け止めて、彼女の背に腕を回して起き上がった。そのままシュクラと向き合う体勢で跨るようにして座らせた。
 シュクラの手がクアスの手を取って、愛液滴る膣に触れさせた。

「ああ……濡れています……」
「はは、そこを、ん、擦って……あ、あ、あ……」

 女のそのような場所に触れるのも初めてであり、余計な動きをしてシュクラに痛みを感じさせてはいけないとかなり消極的に指を動かしていると、シュクラのほうが腰を前後に激しめに動かしてくる。ちゅくちゅくと厭らしい水音が大きく響いてきた。

「こ、こんなに激しくて大丈夫なのですか……?」
「あん、ふ、あ、あん、もっと、足りない、足りないのじゃ、もっとぉ」
「あっ……!」

 シュクラが自ら腰を激しく動かすものだから、クアスの指が愛液で滑ってシュクラの膣孔にぬるりと入ってしまう。クアスの長い指が入った瞬間、シュクラはビクリと震えてのけ反る。

「あぁんっ!」
「も、申し訳ありません。痛いですか?」
「あん、ちが、違う、いい、そこ、気持ち、いい……!」
「ここ、もしかして……」
「ん、ふう……そうじゃ、そなたが入る穴じゃぞ……覚えたか? あ、あぁん……」

 膝の上で善がるシュクラの痴態とその言葉でクアスは身体の血が下半身に集中する。ぐぐぐと立ちあがってシュクラの尻を押し上げたので、それに気づいたシュクラは嬉しそうにそこに手を伸ばした。

「カ、カイラード卿、は、早う、コレを入れてたもれ?」
「あ、あの、しかし……」

 突然はっはっと息を荒げて強請るシュクラにクアスが戸惑っていると、しびれを切らしたらしいシュクラが膝立ちになってクアスの指を抜く。クアスの膝から降りたシュクラは腰を下ろして両足を開き、自ら手で性器を広げてみせた。

「早う、来て、来てたもれ、もう待てぬぅ」

 導かれるようにしてシュクラに覆いかぶさったクアスは、シュクラの指し示す場所に、既に痛いくらいに勃ちあがって先走りを湧かせた雄茎をあてがった。
 
「シュクラ様、……い、いきますよ」
「あん……あ、ああ……っ!」

 腰をぐっと進めただけで、ぬるりと亀頭が沈んだ。柔らかな膣壁に程よく圧迫されながらそのままゆっくりと奥まで挿入していくと、シュクラがもう待てないとばかりにクアスの腰にその長い脚を絡めてきた。
 その衝撃で奥までずどんと押し入ることになり、シュクラが息を飲んで白い喉を仰け反らせて震えた。クアスもまた、その瞬間にうっかり果てそうになってしまったのだが、なんとか理性で押しとどめることに成功する。

「ん、ひぃっ……!」
「はぁっ……ん、く……だ、大丈夫ですか……?」
「……はあ、はあ、ん、大事、ないぞ……。吾輩としたことが、ゆ、油断したわ。なかなかやるではないか」

 強気なことを言っているけれど、シュクラは感じて照れ笑いをしているのがわかって、クアスは胸が熱くなってきた。シュクラはクアスが入っただけで一度絶頂したのだろう。

 たまらなく愛おしかった。こんなに心揺さぶる愛情が自分にあったなど今まで思いもしない。

「シュクラ様、口付けてよろしいですか?」
「ふふ、律儀な奴。いちいち聞くでない。吾輩はそなたのものじゃ」

 にか、と照れつつ笑うシュクラにクアスも笑みがこぼれた。どちらからともなく唇を重ねて、徐々に深くなる口づけとともに、自然と繋がり合った部分を一緒に動かしていく。
 泉のごとくあふれる蜜の絡まるぐちゅぐちゅといった淫らな音を響かせて、小刻みだったものが先端近くまで抜いてから勢いよく奥まで突くように、お互いにどんどん腰の動きを大きくしていった。

「ん、はぁん、ちゅ、もっと、もっと激しくしてたも、ああん、いい、いいっ……んんっ!」
「しゅく、ら、さま、はあっ、ん、んくっ……」

 深い口づけによるくぐもった喘ぎをお互いの口内で封じ込め、鼻にかかった声で喘ぐ。繋がり合った部分からぐぽぐぽと耳が麻痺するような淫らすぎる水音が響き、寝台を軋ませながら激しく交わった。

 ぷはっと息を大きく吐きながら唇を離したシュクラが絶頂が近づいて仰け反る。背すじを走る快感に溺れて陶酔したような表情でクアスを見つめてきた。この愛の行為の中、そんな表情で見つめられて魂揺さぶられない人間などいるのだろうか。

「はあっ、はあっ、あっ……カ、カイラードっ……きょっ……んんっ、く、くあす、くあすぅ!」

 ついに再び、名で呼んでくれたシュクラを、クアスは感極まって抱きしめ、彼女をもっと力強く穿つ。
 
「はっ、んぅっ……あ、愛しています、愛しています、シュクラ様っ……!」
「ああっ、クアス、愛しい、いと、しい、んあっ、くあす、くあす! ひあああっ! いく、いくぅ!」

 シュクラが歯を食いしばるように切なげに表情を歪め、足先をぎゅっと丸めてびくびくと震える。その瞬間、中のクアスを逃がさないとばかりに膣壁で圧迫していき、その強力な締め付けにクアスは自分でも情けないと思うような獣じみた呻き声を発しながら、それでもぎりぎりまで耐えてからついにびゅく、びゅく、と何度もシュクラの子宮内に溢れるほどの量を吐精して果てた。
 
 しばらくそのまま弛緩するに任せて抱き合っていると、シュクラが真っ赤な顔をしつつ満足そうにくすくす笑い出す。

「……お辛くはありませんか、シュクラ様?」
「ん、大事無い。幸せを噛みしめているところじゃ……」
「それは……私もです」
「そなたに抱かれたのは初めてじゃなあ」
「そ、そうですね……」
 
 前回はクアスがシュクラに抱かれたみたいなものだった。媚薬の煙におかされて、うやむやなまま事を終えたので、余韻をこうして楽しむ間もなかった忙しないものだったけれど。

「シュクラ様」
「うむ?」
「その……私は上手く貴方を……き、気持ちよくさせてあげられた、でしょうか……?」

 目を逸らしながらそんなことを不安げに言うクアスに、シュクラは目をぱちくりさせたあと、急に「ふはははははっ!」と笑い始め、どうやったものか体勢をくるりと反転させてクアスの上に馬乗りになった。もちろん腰は繋がったまま。
 ぐりん、という突然の刺激に低い呻きを上げたクアスの頬をむぎゅっと両側から掴んでタコチューみたいにして、そこにシュクラがちゅっと口付けてきた。

「シュ、シュクラ、様?」
「愛してるぞ、クアス。次はまた吾輩が抱いて進ぜよう。可愛くよがるそなたに吾輩はもうメロメロじゃ!」

 そして再び淫らに腰を動かし始めるシュクラは流石は神、かなりの性豪のようだった。
 そんなふうに先ほどのまぐわいにより勢いづいたのか、より積極的かつ精力的に攻めてくるノリノリなシュクラに翻弄されたクアスは、翌日の朝まで彼女に離してもらえなかったのである。
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