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番外編「ぬしと私は卵の仲よ私ゃ白身できみを抱く」
9 岩に芽吹いた愛しき心
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クアスの中にほんのり宿った暖かでいて何故だかむず痒いような、今まで感じたことのない感情を残し、次の日シュクラはスイとともにシャガへ戻って行った。
件のジェイディ事件と爆発事故の後始末で再びメノルカ神殿を訪れていたクアスは、バタバタと忙しそうな聖人をつかまえて事情を聞き、シュクラがシャガへ戻るため見送りの準備をしているとのことを聞き出し、慌てて神殿外に出た。
広い次元移動用の出立場には、既に葦毛の天馬が四頭、豪奢な神の馬車につながれて待機しており、その周りをずらりと屈強なメノルカ神殿の聖人たちが整列して、その中央の道を開けている。
その中に見知った親友エミリオの姿もあって、そこに駆け寄る。
「クアス、お前もシュクラ様とスイの見送りにきてくれたんだな」
「エミリオ、お二人は」
「ほら、あそこだ」
エミリオの示すそこに、今まさに馬車に乗り込もうとしている、白銀の髪を靡かせて隣の黒髪美女を愛おしそうにエスコートする美影を見つけて、クアスは駆け寄った。
「シュクラ様!」
声掛けにメノルカ神殿の聖人たちは「無礼であるぞ」とクアスを諫めたが、その声に振り返り、ぱあっと表情を明るくしたシュクラがクアスの元にやってきて聖人たちを制した。
「カイラード卿。そなたも見送りに来てくれたのか」
「おはようございます、クアスさん」
「おはようございますお二方。出立されると聞きまして。ご無礼をお許しください」
シュクラもスイもにこやかにクアスを迎えてくれた。まだ間があると踏んだスイはとてとてとエミリオの元に行って、もう何回目だろうというハグをしている。
そんなスイを呆れたように苦笑して眺めながら、シュクラはクアスに向き直った。
「カイラード卿。色々世話になったの」
「いえ、そんな」
「今日もこれから爆発事故とかそういうのの捜査かの?」
「はい、もう後始末のみですが」
「そうか、あまり気張り過ぎるのも良くない故、ほどほどに休め。ああ、もし気が向いたら、嫌でなければだが、そなたもシャガにまた来るがよいぞ。そうじゃ、近々吾輩の神酒としてビールという酒が出来る故、そなたも飲みに来るが良い。旨いぞぉ」
シャガはクアスにとっては以前はトラウマ以外の何物でもなかったけれど、今のクアスの心はシャガでのダンジョンの惨劇のことを考えてもかなり凪の状態であった。
やはりあの毒杯を賜り死の淵ぎりぎりで生かされたことで全てが吹っ切れたのだろうか。それとも、昨日あの閉鎖空間で夢うつつのような状態でシュクラに情を賜ったことに由来するのか。
シュクラの慈悲により、クアスの心は汚泥の中から掬い上げられたような、そんな気分になっていた。神の慈悲というのは心的外傷をも癒すのかもしれない。
「あの……シュクラ様」
「うむ?」
「失礼でなければ、どうかお手を」
クアスはそっと右手をシュクラに差し出した。本来ならこれは淑女に対する紳士の振る舞いであるため、周りの聖人たちはどよめいて「無礼な」と慌てていたけれど、シュクラは怒るでもなく満面の笑みを浮かべてそっと手を差し出した。
クアスはシュクラの手をそっと取り、その手の甲にキスをした。手の甲へのキスは敬愛の証であるゆえ、男にも女にも、特にシュクラ相手ならこの際いいのかもしれない。
「ふふふ。息災でおれよカイラード卿」
「シュクラ様もご自愛くださいますよう」
「うむ。酒もほどほどにとは聖人聖女らやスイにもよく言われておるからのう」
「……本当にお世話になりました。シュクラ様の御慈悲、このクアス・カイラード、生涯忘れは致しません」
「固い固い」
そこでシュクラは悪戯っぽい笑みを浮かべてそっとクアスに耳打ちをする。
「もっと気楽に考えよ。あー、『初めて』は神に奪われたなー、とな♪」
「なっ……、シュ、シュクラ様っ……!」
「ふはははははっ! よきに計らえ! ではまた会おう! スイ、参るぞ!」
豪快な笑いを残し、スイとともにシュクラは王都ブラウワーから西辺境シャガ地方へと旅立って行った。
ふと横でやけに寂しげな顔で見送る親友、エミリオ・ドラゴネッティの唇に口紅がこびりついていることにクアスは呆れながらハンカチを彼に差し出した。
「あ、ありがとうクアス」
「何を寂しげな顔しているんだエミリオ? どうせもうすぐスイ殿と一緒に暮らすと言っていたじゃないか」
「そうだけど……俺、スイとはひと時だって離れたくないんだよ。まあこればっかりは仕方ないが」
以前はエミリオのそんな発言を理解できなかったものだが、今のクアスにはなんとなくわかるような気がした。
何故なら、次元を切って駆け去る天馬の馬車が視えなくなったことで、クアスの胸の奥が何やら木枯らしでも吹いたかのような感覚が芽生えたから。
それから一か月ほど経ち、エミリオ・ドラゴネッティは惜しまれながら騎士団を退団していった。
何でも向こうでの冒険者稼業が軌道に乗るまでは、王都の騎士団の魔法師団から外注で仕事を少し請け負うというので、退団した日以降も何度かクアスの第二師団に顔を出してくれた。
まだ冒険者一般試験でCランクというちょっと情けない成績を挽回するためか、様々な低ランクの仕事を先輩冒険者たちと請け負ってこなしているらしく、王都に居たころよりがっちりと逞しい体型となり、それに少し日焼けしているようにも見えた。
そんなある日、また第二師団に顔を見せに来たエミリオが、何やら真剣な顔をしてクアスに話があると呼び出した。
内密な話だからと人払いを要求されたため、第二師団長執務室で二人で話すことにした。
「それで……話というのは何だ、エミリオ」
「……」
「エミリオ?」
「……あ、ごめんクアス。その……どこから話したらいいのか」
「落ち着け。どうしたんだ、お前らしくない」
あのシャガのダンジョンの悲劇の最中でも、冷静さを失わずにいた大魔術師であるエミリオ・ドラゴネッティが、いつになく動揺してどうしたらいいのかわからないとでも言いたげな落ち着かない様子をしている。
エミリオは口を開けては閉めを繰り返し、なんとか言葉を絞り出そうとしていて、ついに出されてしばらく経った冷めた紅茶をぐいっと一気飲みしてから、おもむろに話し出した。
「あれから、その……シュクラ様が神殿に籠られてな。しばらくスイの家にも来られなかったんだ」
「……!」
シュクラ、その名を聞いただけでクアスの心臓はドクンと大きく波打った。神殿に籠るなどと、シュクラに一体何があったのだろうか。
「こ、籠られたって……い、一体どうされたのだ、シュクラ様はご無事なのか」
「ああ、いや、ご無事ではある。その、数日前にようやくスイの家に元気に顔を出してくださったんだ。それで、お籠りの間、何があったのか聞いたんだが」
「な、何があった?」
食い気味に聞くクアスをどうどうと宥めながら、エミリオは説明する。
シュクラが王都に出てきている際、シュクラの直接の加護が滞った数日間分の気の淀みを解消するため、祈祷を数日行うためのお籠りだったらしい。
その際、シュクラ自身も意図しない現象が彼を襲った。
「卵をお二つ、お産みになられたんだ」
「……誰が」
「シュクラ様が。あのお方は卵生らしい」
どういうことかさっぱりわからない。そもそもシュクラは男神で……と思った瞬間、あのジェイディハウスの閉鎖空間においての、女神と化したシュクラを思い出す。
そうだ、シュクラは女体になることもできるのだ。女として男と交わることもできるのであれば、そりゃあ卵生なら卵くらい産めるだろう。
ショックを受けている自分がいるのがなんだか不思議である。シュクラの卵というのは、一体誰と成したのかと、そのことが一瞬かすめる。
女神のシュクラは言っていた。あの姿になると性欲が高まると。
シュクラから慈悲を賜った者が、自分のほかにもいるのかと思ったら、胃の腑のほうからせり上がる不快感で全身が押しつぶされそうな気分になってしまった。
――ああ、私は。あの方を不敬にもそんな風に想うようになってしまっていたのか。
しかし、問題なのはそれをエミリオが真面目な顔をして何故クアスに告げたのかということで。
「……なんか誤解しているようだけれど、シュクラ様にここ数年そんな相手はいなかったそうだからな?」
スイ以外では、という言葉を、エミリオは辛うじて飲み込んだのをクアスは知らない。
「……え? それは、え? つまりその……」
「クアス、心当たりがあるんだろう? ……シュクラ様は卵の父親は、お前だと」
「……」
「シュクラ様はクアスには知らせないつもりだと仰っていたけれど、俺はそれはどうかと思って、それで知らせに来たんだ。なあクアス、急な話だが、今から休みをとってシャガに行かないか?」
「シャ、シャガに?」
「ああ。シュクラ様の二つの卵……御珠(おんたま)様が孵化するのはもう間もなくなんだ。お節介と思うかもしれないが、俺は子供の誕生には両親がそろっていなきゃ駄目だと考えてる」
エミリオが何を言っているのか、理解の範疇を超えていたのだが、クアスの腕を引っ張り上げて立ちあがらせたエミリオは、「さあ騎士団長のところに行くぞ!」と、茫然とするクアスを魔法で有無を言わせずに騎士団長の執務室へ引っ張っていく。
そして、休暇申請はあっさり通り、あっと言う間にクアスのシャガ行きが決定してしまったのだ。
シャガ行きの魔法馬車に揺られながら、クアスはまだ何が起こっているのかさっぱりわからなかった。
件のジェイディ事件と爆発事故の後始末で再びメノルカ神殿を訪れていたクアスは、バタバタと忙しそうな聖人をつかまえて事情を聞き、シュクラがシャガへ戻るため見送りの準備をしているとのことを聞き出し、慌てて神殿外に出た。
広い次元移動用の出立場には、既に葦毛の天馬が四頭、豪奢な神の馬車につながれて待機しており、その周りをずらりと屈強なメノルカ神殿の聖人たちが整列して、その中央の道を開けている。
その中に見知った親友エミリオの姿もあって、そこに駆け寄る。
「クアス、お前もシュクラ様とスイの見送りにきてくれたんだな」
「エミリオ、お二人は」
「ほら、あそこだ」
エミリオの示すそこに、今まさに馬車に乗り込もうとしている、白銀の髪を靡かせて隣の黒髪美女を愛おしそうにエスコートする美影を見つけて、クアスは駆け寄った。
「シュクラ様!」
声掛けにメノルカ神殿の聖人たちは「無礼であるぞ」とクアスを諫めたが、その声に振り返り、ぱあっと表情を明るくしたシュクラがクアスの元にやってきて聖人たちを制した。
「カイラード卿。そなたも見送りに来てくれたのか」
「おはようございます、クアスさん」
「おはようございますお二方。出立されると聞きまして。ご無礼をお許しください」
シュクラもスイもにこやかにクアスを迎えてくれた。まだ間があると踏んだスイはとてとてとエミリオの元に行って、もう何回目だろうというハグをしている。
そんなスイを呆れたように苦笑して眺めながら、シュクラはクアスに向き直った。
「カイラード卿。色々世話になったの」
「いえ、そんな」
「今日もこれから爆発事故とかそういうのの捜査かの?」
「はい、もう後始末のみですが」
「そうか、あまり気張り過ぎるのも良くない故、ほどほどに休め。ああ、もし気が向いたら、嫌でなければだが、そなたもシャガにまた来るがよいぞ。そうじゃ、近々吾輩の神酒としてビールという酒が出来る故、そなたも飲みに来るが良い。旨いぞぉ」
シャガはクアスにとっては以前はトラウマ以外の何物でもなかったけれど、今のクアスの心はシャガでのダンジョンの惨劇のことを考えてもかなり凪の状態であった。
やはりあの毒杯を賜り死の淵ぎりぎりで生かされたことで全てが吹っ切れたのだろうか。それとも、昨日あの閉鎖空間で夢うつつのような状態でシュクラに情を賜ったことに由来するのか。
シュクラの慈悲により、クアスの心は汚泥の中から掬い上げられたような、そんな気分になっていた。神の慈悲というのは心的外傷をも癒すのかもしれない。
「あの……シュクラ様」
「うむ?」
「失礼でなければ、どうかお手を」
クアスはそっと右手をシュクラに差し出した。本来ならこれは淑女に対する紳士の振る舞いであるため、周りの聖人たちはどよめいて「無礼な」と慌てていたけれど、シュクラは怒るでもなく満面の笑みを浮かべてそっと手を差し出した。
クアスはシュクラの手をそっと取り、その手の甲にキスをした。手の甲へのキスは敬愛の証であるゆえ、男にも女にも、特にシュクラ相手ならこの際いいのかもしれない。
「ふふふ。息災でおれよカイラード卿」
「シュクラ様もご自愛くださいますよう」
「うむ。酒もほどほどにとは聖人聖女らやスイにもよく言われておるからのう」
「……本当にお世話になりました。シュクラ様の御慈悲、このクアス・カイラード、生涯忘れは致しません」
「固い固い」
そこでシュクラは悪戯っぽい笑みを浮かべてそっとクアスに耳打ちをする。
「もっと気楽に考えよ。あー、『初めて』は神に奪われたなー、とな♪」
「なっ……、シュ、シュクラ様っ……!」
「ふはははははっ! よきに計らえ! ではまた会おう! スイ、参るぞ!」
豪快な笑いを残し、スイとともにシュクラは王都ブラウワーから西辺境シャガ地方へと旅立って行った。
ふと横でやけに寂しげな顔で見送る親友、エミリオ・ドラゴネッティの唇に口紅がこびりついていることにクアスは呆れながらハンカチを彼に差し出した。
「あ、ありがとうクアス」
「何を寂しげな顔しているんだエミリオ? どうせもうすぐスイ殿と一緒に暮らすと言っていたじゃないか」
「そうだけど……俺、スイとはひと時だって離れたくないんだよ。まあこればっかりは仕方ないが」
以前はエミリオのそんな発言を理解できなかったものだが、今のクアスにはなんとなくわかるような気がした。
何故なら、次元を切って駆け去る天馬の馬車が視えなくなったことで、クアスの胸の奥が何やら木枯らしでも吹いたかのような感覚が芽生えたから。
それから一か月ほど経ち、エミリオ・ドラゴネッティは惜しまれながら騎士団を退団していった。
何でも向こうでの冒険者稼業が軌道に乗るまでは、王都の騎士団の魔法師団から外注で仕事を少し請け負うというので、退団した日以降も何度かクアスの第二師団に顔を出してくれた。
まだ冒険者一般試験でCランクというちょっと情けない成績を挽回するためか、様々な低ランクの仕事を先輩冒険者たちと請け負ってこなしているらしく、王都に居たころよりがっちりと逞しい体型となり、それに少し日焼けしているようにも見えた。
そんなある日、また第二師団に顔を見せに来たエミリオが、何やら真剣な顔をしてクアスに話があると呼び出した。
内密な話だからと人払いを要求されたため、第二師団長執務室で二人で話すことにした。
「それで……話というのは何だ、エミリオ」
「……」
「エミリオ?」
「……あ、ごめんクアス。その……どこから話したらいいのか」
「落ち着け。どうしたんだ、お前らしくない」
あのシャガのダンジョンの悲劇の最中でも、冷静さを失わずにいた大魔術師であるエミリオ・ドラゴネッティが、いつになく動揺してどうしたらいいのかわからないとでも言いたげな落ち着かない様子をしている。
エミリオは口を開けては閉めを繰り返し、なんとか言葉を絞り出そうとしていて、ついに出されてしばらく経った冷めた紅茶をぐいっと一気飲みしてから、おもむろに話し出した。
「あれから、その……シュクラ様が神殿に籠られてな。しばらくスイの家にも来られなかったんだ」
「……!」
シュクラ、その名を聞いただけでクアスの心臓はドクンと大きく波打った。神殿に籠るなどと、シュクラに一体何があったのだろうか。
「こ、籠られたって……い、一体どうされたのだ、シュクラ様はご無事なのか」
「ああ、いや、ご無事ではある。その、数日前にようやくスイの家に元気に顔を出してくださったんだ。それで、お籠りの間、何があったのか聞いたんだが」
「な、何があった?」
食い気味に聞くクアスをどうどうと宥めながら、エミリオは説明する。
シュクラが王都に出てきている際、シュクラの直接の加護が滞った数日間分の気の淀みを解消するため、祈祷を数日行うためのお籠りだったらしい。
その際、シュクラ自身も意図しない現象が彼を襲った。
「卵をお二つ、お産みになられたんだ」
「……誰が」
「シュクラ様が。あのお方は卵生らしい」
どういうことかさっぱりわからない。そもそもシュクラは男神で……と思った瞬間、あのジェイディハウスの閉鎖空間においての、女神と化したシュクラを思い出す。
そうだ、シュクラは女体になることもできるのだ。女として男と交わることもできるのであれば、そりゃあ卵生なら卵くらい産めるだろう。
ショックを受けている自分がいるのがなんだか不思議である。シュクラの卵というのは、一体誰と成したのかと、そのことが一瞬かすめる。
女神のシュクラは言っていた。あの姿になると性欲が高まると。
シュクラから慈悲を賜った者が、自分のほかにもいるのかと思ったら、胃の腑のほうからせり上がる不快感で全身が押しつぶされそうな気分になってしまった。
――ああ、私は。あの方を不敬にもそんな風に想うようになってしまっていたのか。
しかし、問題なのはそれをエミリオが真面目な顔をして何故クアスに告げたのかということで。
「……なんか誤解しているようだけれど、シュクラ様にここ数年そんな相手はいなかったそうだからな?」
スイ以外では、という言葉を、エミリオは辛うじて飲み込んだのをクアスは知らない。
「……え? それは、え? つまりその……」
「クアス、心当たりがあるんだろう? ……シュクラ様は卵の父親は、お前だと」
「……」
「シュクラ様はクアスには知らせないつもりだと仰っていたけれど、俺はそれはどうかと思って、それで知らせに来たんだ。なあクアス、急な話だが、今から休みをとってシャガに行かないか?」
「シャ、シャガに?」
「ああ。シュクラ様の二つの卵……御珠(おんたま)様が孵化するのはもう間もなくなんだ。お節介と思うかもしれないが、俺は子供の誕生には両親がそろっていなきゃ駄目だと考えてる」
エミリオが何を言っているのか、理解の範疇を超えていたのだが、クアスの腕を引っ張り上げて立ちあがらせたエミリオは、「さあ騎士団長のところに行くぞ!」と、茫然とするクアスを魔法で有無を言わせずに騎士団長の執務室へ引っ張っていく。
そして、休暇申請はあっさり通り、あっと言う間にクアスのシャガ行きが決定してしまったのだ。
シャガ行きの魔法馬車に揺られながら、クアスはまだ何が起こっているのかさっぱりわからなかった。
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