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番外編「ぬしと私は卵の仲よ私ゃ白身できみを抱く」
1 罪人クアス・カイラード ※グロテスク表現有り
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何度目かの浅い眠りから覚めたクアス・カイラードは、寝起き早々に未だ息のある自分の身体に嫌気がさす。
ああ、まだ生きていた。
騎士として鍛えられた肉体は無駄に丈夫で、骨が折れ、肉の筋で辛うじて繋がっていただけの腕も、回復魔法があっと言う間に馴染んでほぼ元通りになった。回復など望んではいないというのに。
味を感じられない食事もほぼ喉を通らず、大柄で逞しかった身体はみるみるうちに見すぼらしくやせ細っていくのがわかる。
クアス・カイラードはその実力から若干二十八歳でパブロ王国騎士団の第二師団長を任じられていた、王国にこの者ありと謳われていた実力者だった。
生まれはカイラード騎士爵家で、代々名騎士を輩出してきたエリートの血筋だった。父母も年の離れた兄らも既に鬼籍に入っていて、カイラード騎士爵といえば今ではクアスのことだ。
騎士学校に通っている際に街で高級飲食店を経営しているボナール準男爵家の娘キャサリン嬢と知り合い、交際を経て、クアスが第二師団長に任命された年にめでたく婚約した。
あの任務から戻ったら、結婚しようと約束していたのに。
先日の西辺境シャガ地方における巨大ダンジョンのモンスター討伐任務。
土地の冒険者たちの手にも余るそのモンスターたちを退治するために派遣された、騎士団第二師団長クアス・カイラード率いる討伐隊であったが、その甲斐もなくわずか十数名の生存者を残したまま、任務は失敗した。
脳裏に浮かぶのは、その任務の失敗によって死んでいった仲間たちのこと。
パブロ王国騎士団の精鋭が全く歯が立たなかったあの悪夢のダンジョン、ヒカリゴケに青白く照らされたどす黒い闇の中、大勢の仲間たちの断末魔が響き渡っているのが今でも脳裏に響いてくる。
下半身を大きな牙で丸かじりされて上半身のみとなって事切れた騎士。全身を生きたまま咀嚼されて潰されていく魔術師。女性騎士なぞは鎧も服も剥がされて触手のある魔物に穴という穴を全て塞がれて、そのまま全身を貫通させられて、体液を抜き取られて絶命した。
その猛攻と仲間の死にゆく凄惨極まる光景に圧倒されて、クアス自身も片腕をもぎ取られんばかりに魔物に噛みつかれ膝頭をがくがくと震わせながらも、なんとか士気を挙げようと立ち上がった。
だが、そこに地響きを立ててゆらりと闇の中から現れた、見たこともないほどの巨大なミノタウロスが現れたことで、さすがのクアスも一気に恐怖に陥った。
もう駄目かもしれない。いや、そのようなことは……。
今までの魔物たちだけでも手に負えず仲間を大半失ったというのに、これからこの巨大なミノタウロスを相手に戦うなど、出来るはずがない。
だが、逃げるわけにはいかない。逃げたところでこの魔物たちが逃がしてくれるのか?
そもそも、この魔物たちを退治してくれと被害に遭った土地の者に言われたというのに、それを無理だったと言っておめおめと帰るなど騎士の恥だ。
そんなクアスの横にすっと並び立ったのが、今回の討伐隊の魔術師を率いていたクアスの友人、エミリオ・ドラゴネッティだった。
『クアス、全滅する前に撤退しよう』
『何を言う! そんなことは……王国騎士団の精鋭部隊が一糸も報いることができないなどありえない! まだ、まだ粘れば……』
『このまま全滅したら何も残らないぞ。……お前が何を言おうと……俺は残った者たちだけでも王都へ転移させる』
『転移だと……』
『……あとは頼んだ』
そう言って青い顔をしながらニコリと笑った友人の魔術師エミリオ・ドラゴネッティは、クアスを含む残った十数名の騎士たち全員を魔法陣に強制的に放り込み、何が起こったのかわからない騎士たちを無視して魔法文言を唱え、大魔法である転移魔法を発動させた。
転移魔法は術者自身にかけるものと対象を転移させるものと二種類あるらしく、エミリオは後者を選んだ。魔力残量の様子からどちらかしか選べなかったのだろう。
後者の場合は、術者はその場に残るしかなかった。
友人エミリオは、自らの命と引き換えに、クアスと他の十数名残った騎士たちを救おうとしたのだ。
『無茶だエミリオ! やめてくれ!』
違う。何故お前が犠牲になる必要がある。この任務の責任者は討伐隊隊長であるこの私だ。私が皆を救わねばならなかったのに、何故お前一人だけが。
そんな絶望に悔し涙を流しながらやめろと訴えた叫びも空しく、次の瞬間には魔法陣が発動して、気が付けば王都の正門前に転移させられた。
驚いて駆け寄る警備兵たちの姿を見て、クアスは意識を失った。
それからまもなく、この暗く冷たい無機質な石壁の地下牢へクアスは繋がれたのである。
大怪我を負った身体は回復魔法によって治療を受け、粗末ではあってもしっかりと一日二食の食事が提供され、湯あみも三日に一度は許される待遇ではあったが、あくまでもここは牢獄だ。
クアスは罪人とされたのだ。
普通、騎士が任務失敗をしたからといって、後ろ指を指されて名声に瑕がつくことがあっても、このような公に罪人扱いをされることなどほとんどない。
だが、クアスの独断による準備不足でのクエスト決行にて、大勢の仲間を無残に失ったことと、何より国が誇る大魔導士である魔法師団第三師団長であったエミリオ・ドラゴネッティを失ったことで、国にとっては大損害と認められたため、クアスは罪人とされてしまった。
理不尽だとは思わない。意外にもクアスはそれをきちんと受け止めていた。
実際に被害の現場を見て、早くここに平和を取り戻さなければと焦ったのも事実だが、土地をよく知る冒険者たちでも手に負えない魔物を、騎士団の討伐隊が討ち取るという名誉に欲が出たのも事実だった。
クアスは騎士という職業に高いプライドを持っていた。それゆえ、何の後ろ盾もない冒険者たちよりは騎士団は優れているという、表には出さなくてもそういった見下したところはあったのだ。
それは昔から、騎士団と冒険者ギルドが互いにいがみ合っている嫌な歴史が続いていたから、それは仕方がないと言えるし、そう思っていたのは、なにもクアスだけではなく、ほかの騎士らもほぼそんな感じだった。
それが表に出てしまったのは、シャガ中町の冒険者ギルドのギルドマスター、アンドリュー氏にマッピングが終わるまでは待ったほうがいいと諭されたときだ。
凄腕のマッパーが居るので、そのマッピングがしっかり終わるまでの辛抱だからと。クエストには完璧な準備が不可欠なのだからと諭された。
それが、クアスの中では上から目線で言われたように聞こえたのである。辺境に慣れていない者たちのくせに出しゃばるなと暗に込められた気がしたのだ。
もちろんアンドリュー氏や冒険者ギルドの者たちは親切心で言っただけだったのだが、貴族社会の裏を読み過ぎる思考にどっぷりつかっていたクアスたちはそれを良しとしなかった。
それが、マッピングはこちらでやるから冒険者ギルドの世話にはならない、そういった間違った言動になり、ついには大勢の仲間を死に追いやり、自分だけおめおめと生き延びた結果となった。
これら一連の事柄を上層部が知り、国王の耳にも入ったことで、クアスは地下牢へ繋がれた。
夜毎見る悪夢のためにろくに眠れもしないというのに、少しずつではあるが回復だけはしていくことに何の意味も見いだせなかった。
絶望が人を殺すこともあるという説は、どうやら自分には当てはまらないらしい。図太い自分の身体と魂に吐き気がしそうだった。
そんな折、独房において絶望と後悔で無為に過ごすクアスの元に、刑務官がやって来て面会だと言ってきた。
家族と呼べる者はみな鬼籍に入っているクアスにとって、面会に来てくれる者といえば、同じ第二師団の部下たちだろうかと思ったが、どうやら彼らではないらしい。
行ってみればわかると面倒くさそうに言う刑務官に手枷の鎖を引かれながら面会室に付いていくと、明るい面会室のガラスの向こうに居たのは、クアスの婚約者キャサリン嬢の父である、ボナール準男爵その人であった。
「お久しぶりです、カイラード卿」
「……お久しぶりです、ボナール準男爵」
「先の任務、色々と大変だったことと思いますが、とりあえずはお疲れ様と言わせていただきます」
「……はい。いたみいります」
月並みな挨拶を経てから、ボナール準男爵はしばし黙り込んだ。クアスが根気よく準男爵が話しだすのを待っていると、彼は何か言いかけては飲み込みを繰り返し、ついに口を開いた。
「その……今日は、お願いがあって参りました」
「お願い……?」
「ええと、その……何といいますか……」
言葉を選んで、選んで、なんとかかみ砕いてを繰り返した準男爵は、とても言いにくそうに、申し訳なさげに眉を寄せてから、静かに、それでいてはっきりとした声でクアスに告げた。
「娘との婚約を……解消していただきたいのです」
ああ、まだ生きていた。
騎士として鍛えられた肉体は無駄に丈夫で、骨が折れ、肉の筋で辛うじて繋がっていただけの腕も、回復魔法があっと言う間に馴染んでほぼ元通りになった。回復など望んではいないというのに。
味を感じられない食事もほぼ喉を通らず、大柄で逞しかった身体はみるみるうちに見すぼらしくやせ細っていくのがわかる。
クアス・カイラードはその実力から若干二十八歳でパブロ王国騎士団の第二師団長を任じられていた、王国にこの者ありと謳われていた実力者だった。
生まれはカイラード騎士爵家で、代々名騎士を輩出してきたエリートの血筋だった。父母も年の離れた兄らも既に鬼籍に入っていて、カイラード騎士爵といえば今ではクアスのことだ。
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先日の西辺境シャガ地方における巨大ダンジョンのモンスター討伐任務。
土地の冒険者たちの手にも余るそのモンスターたちを退治するために派遣された、騎士団第二師団長クアス・カイラード率いる討伐隊であったが、その甲斐もなくわずか十数名の生存者を残したまま、任務は失敗した。
脳裏に浮かぶのは、その任務の失敗によって死んでいった仲間たちのこと。
パブロ王国騎士団の精鋭が全く歯が立たなかったあの悪夢のダンジョン、ヒカリゴケに青白く照らされたどす黒い闇の中、大勢の仲間たちの断末魔が響き渡っているのが今でも脳裏に響いてくる。
下半身を大きな牙で丸かじりされて上半身のみとなって事切れた騎士。全身を生きたまま咀嚼されて潰されていく魔術師。女性騎士なぞは鎧も服も剥がされて触手のある魔物に穴という穴を全て塞がれて、そのまま全身を貫通させられて、体液を抜き取られて絶命した。
その猛攻と仲間の死にゆく凄惨極まる光景に圧倒されて、クアス自身も片腕をもぎ取られんばかりに魔物に噛みつかれ膝頭をがくがくと震わせながらも、なんとか士気を挙げようと立ち上がった。
だが、そこに地響きを立ててゆらりと闇の中から現れた、見たこともないほどの巨大なミノタウロスが現れたことで、さすがのクアスも一気に恐怖に陥った。
もう駄目かもしれない。いや、そのようなことは……。
今までの魔物たちだけでも手に負えず仲間を大半失ったというのに、これからこの巨大なミノタウロスを相手に戦うなど、出来るはずがない。
だが、逃げるわけにはいかない。逃げたところでこの魔物たちが逃がしてくれるのか?
そもそも、この魔物たちを退治してくれと被害に遭った土地の者に言われたというのに、それを無理だったと言っておめおめと帰るなど騎士の恥だ。
そんなクアスの横にすっと並び立ったのが、今回の討伐隊の魔術師を率いていたクアスの友人、エミリオ・ドラゴネッティだった。
『クアス、全滅する前に撤退しよう』
『何を言う! そんなことは……王国騎士団の精鋭部隊が一糸も報いることができないなどありえない! まだ、まだ粘れば……』
『このまま全滅したら何も残らないぞ。……お前が何を言おうと……俺は残った者たちだけでも王都へ転移させる』
『転移だと……』
『……あとは頼んだ』
そう言って青い顔をしながらニコリと笑った友人の魔術師エミリオ・ドラゴネッティは、クアスを含む残った十数名の騎士たち全員を魔法陣に強制的に放り込み、何が起こったのかわからない騎士たちを無視して魔法文言を唱え、大魔法である転移魔法を発動させた。
転移魔法は術者自身にかけるものと対象を転移させるものと二種類あるらしく、エミリオは後者を選んだ。魔力残量の様子からどちらかしか選べなかったのだろう。
後者の場合は、術者はその場に残るしかなかった。
友人エミリオは、自らの命と引き換えに、クアスと他の十数名残った騎士たちを救おうとしたのだ。
『無茶だエミリオ! やめてくれ!』
違う。何故お前が犠牲になる必要がある。この任務の責任者は討伐隊隊長であるこの私だ。私が皆を救わねばならなかったのに、何故お前一人だけが。
そんな絶望に悔し涙を流しながらやめろと訴えた叫びも空しく、次の瞬間には魔法陣が発動して、気が付けば王都の正門前に転移させられた。
驚いて駆け寄る警備兵たちの姿を見て、クアスは意識を失った。
それからまもなく、この暗く冷たい無機質な石壁の地下牢へクアスは繋がれたのである。
大怪我を負った身体は回復魔法によって治療を受け、粗末ではあってもしっかりと一日二食の食事が提供され、湯あみも三日に一度は許される待遇ではあったが、あくまでもここは牢獄だ。
クアスは罪人とされたのだ。
普通、騎士が任務失敗をしたからといって、後ろ指を指されて名声に瑕がつくことがあっても、このような公に罪人扱いをされることなどほとんどない。
だが、クアスの独断による準備不足でのクエスト決行にて、大勢の仲間を無残に失ったことと、何より国が誇る大魔導士である魔法師団第三師団長であったエミリオ・ドラゴネッティを失ったことで、国にとっては大損害と認められたため、クアスは罪人とされてしまった。
理不尽だとは思わない。意外にもクアスはそれをきちんと受け止めていた。
実際に被害の現場を見て、早くここに平和を取り戻さなければと焦ったのも事実だが、土地をよく知る冒険者たちでも手に負えない魔物を、騎士団の討伐隊が討ち取るという名誉に欲が出たのも事実だった。
クアスは騎士という職業に高いプライドを持っていた。それゆえ、何の後ろ盾もない冒険者たちよりは騎士団は優れているという、表には出さなくてもそういった見下したところはあったのだ。
それは昔から、騎士団と冒険者ギルドが互いにいがみ合っている嫌な歴史が続いていたから、それは仕方がないと言えるし、そう思っていたのは、なにもクアスだけではなく、ほかの騎士らもほぼそんな感じだった。
それが表に出てしまったのは、シャガ中町の冒険者ギルドのギルドマスター、アンドリュー氏にマッピングが終わるまでは待ったほうがいいと諭されたときだ。
凄腕のマッパーが居るので、そのマッピングがしっかり終わるまでの辛抱だからと。クエストには完璧な準備が不可欠なのだからと諭された。
それが、クアスの中では上から目線で言われたように聞こえたのである。辺境に慣れていない者たちのくせに出しゃばるなと暗に込められた気がしたのだ。
もちろんアンドリュー氏や冒険者ギルドの者たちは親切心で言っただけだったのだが、貴族社会の裏を読み過ぎる思考にどっぷりつかっていたクアスたちはそれを良しとしなかった。
それが、マッピングはこちらでやるから冒険者ギルドの世話にはならない、そういった間違った言動になり、ついには大勢の仲間を死に追いやり、自分だけおめおめと生き延びた結果となった。
これら一連の事柄を上層部が知り、国王の耳にも入ったことで、クアスは地下牢へ繋がれた。
夜毎見る悪夢のためにろくに眠れもしないというのに、少しずつではあるが回復だけはしていくことに何の意味も見いだせなかった。
絶望が人を殺すこともあるという説は、どうやら自分には当てはまらないらしい。図太い自分の身体と魂に吐き気がしそうだった。
そんな折、独房において絶望と後悔で無為に過ごすクアスの元に、刑務官がやって来て面会だと言ってきた。
家族と呼べる者はみな鬼籍に入っているクアスにとって、面会に来てくれる者といえば、同じ第二師団の部下たちだろうかと思ったが、どうやら彼らではないらしい。
行ってみればわかると面倒くさそうに言う刑務官に手枷の鎖を引かれながら面会室に付いていくと、明るい面会室のガラスの向こうに居たのは、クアスの婚約者キャサリン嬢の父である、ボナール準男爵その人であった。
「お久しぶりです、カイラード卿」
「……お久しぶりです、ボナール準男爵」
「先の任務、色々と大変だったことと思いますが、とりあえずはお疲れ様と言わせていただきます」
「……はい。いたみいります」
月並みな挨拶を経てから、ボナール準男爵はしばし黙り込んだ。クアスが根気よく準男爵が話しだすのを待っていると、彼は何か言いかけては飲み込みを繰り返し、ついに口を開いた。
「その……今日は、お願いがあって参りました」
「お願い……?」
「ええと、その……何といいますか……」
言葉を選んで、選んで、なんとかかみ砕いてを繰り返した準男爵は、とても言いにくそうに、申し訳なさげに眉を寄せてから、静かに、それでいてはっきりとした声でクアスに告げた。
「娘との婚約を……解消していただきたいのです」
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