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本編
108 窓に西日が当たる部屋は スイ2
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「それなんて逆恨み」
「申し開きもございません」
「蜂谷さん昔からモテモテだったもんねえ。女友達も多かったし、喘ぎ声しか聞いてないけどあの浮気相手もかわいい女性だったんでしょ。そりゃあ女性の人形も勘違いするよね」
「……」
スイの嫌味にぐうの音も出ない悟だったが、それは置いといて話を続けた。
「俺、そのこと夢に見てさ……何でそんなこと知ったのかっていうのは、つまり初代ジェイディは俺の魔力で動いてたわけだから、その残滓がずっとついてて、それで繋がってて、俺もそのこと追体験したみたいに視ることができるわけ。ジェイディが見ているもの、全部俺に伝わってくるんだ。物理的なことも感情も、全部」
「うわ……一心同体じゃない」
「そう。だから、真中さんたちに一方的に恨み持った感情も伝わって来て、なんとかしないとと思って。……でも、俺の本体今大けがして眠ってるから、物理的にそれを伝える術がなくて」
だから、こうしてスイの頭の中に直接話しかけることで知らせようとしたのだと、悟は言う。テレパシー能力、それが悟がこの魔力概念のある世界で身につけた能力なのだそうだ。魔力を封印されて、ごくたまにしか使えないそうだが。
ちなみにこの若々しい姿は悟の願望の現れだというからなんか寄る年波が悲しい。
ていうかテレパシーとか夢に登場するとか、なにちょっとカッコいい能力身につけてんだこのやろう。そもそもこちらでのセドル・アーチャーなんていうしゃらくせえ名前名乗りやがって蜂谷さんのくせに。
なんかそういうところがいけ好かなくて気に入らない。
こっちはお買い物魔法くらいしか、あとキラキラが出てくるまでエミさんとくんずほぐれつしたあとに、匂いに耐えきれなくて空気清浄機やらエアコンやら給湯機が勝手に動いたくらいしか特殊能力がないというのに。
ともあれ、テレパシーでスイに接触しようとしたときはもう既に遅くて、スイたちは初代ジェイディの作った閉鎖空間に飲まれてしまった直後だった。それでしょうがなくこうしてなんとか夢の中で接触することができた。魔力を大量に消費するから普段は使えないそうなのだが、今日は緊急事態だからと悟は言う。
あとは、悟が初代ジェイディの目を通して見てきたことをそれからのことを話してくれた。
シュクラとクアス、エミリオと別れて隣り合った平行の閉鎖空間に取り込まれたこと。シュクラとクアスが初代ジェイディの使役する人形たちの幻影に襲われたが、なんとか撃退したということ。エミリオが初代ジェイディに接触し、そこに既に取り込まれていたスイ自身の身体を発見。彼女を取り戻すためにエミリオが孤軍奮闘で初代ジェイディと戦い、自身もスイと同じように魔力を吸い取られながらも、大魔法を使ってジェイディを撃退し、閉鎖空間も打ち破ったこと。
「ちょっと待って。シャンテルちゃんは?」
「シャンテルちゃん?」
「一緒に来てた小さな女の子のことだよ」
「ええっと……多分、大丈夫じゃないかと」
「何でそう言い切れるの? その初代ジェイディだののアッブないのがうろついてるところなんでしょ?」
「子供は閉鎖空間には取り込まれていないから。なんだかんだ、ジェイディは子供には危害を加えられないもんで……」
「大人はいいのね……なんか許せんなジェイディ」
「申し訳ない」
「ほんとだよ」
ジェイディの感情が流れてくると言っていた悟。ジェイディは子供用の人形だから、怒りで狂気に陥っていたとしても、子供たちに対して危害をくわえたくないと思っているのだそうだ。意外といいところあるじゃん、とは思うが許せんものは許せん。
まあ、シャンテルのバビちゃん愛、なかでもジェイディに対する猫可愛がり的な溺愛っぷりは、ドラゴネッティ邸で一緒にお人形遊びをしたスイであるからよくわかる。
彼女の持っていたジェイディは、スイがメノルカ神殿で見たジェイディのポスターよりも表情がやわらかく見えたくらいだ。
「……いけない。じゃあ、今でもシャンテルちゃん迷子になってるって話じゃない! こんなことしてる場合じゃ……!」
「それも大丈夫。ちゃんとみんなに合流したみたいだ。閉鎖空間が壊れた時に」
それを聞いてほっと胸を撫でおろすスイ。まあ、この悟をどこまで信用していいものかまだ信じられていないけれども。
そもそもこの男はその初代ジェイディがこっちを逆恨みする原因を作ったやつだから。
「でもエミさん……死にそうになりながら、あたしのこと守ってくれるなんて……! あんないい身体して肉体労働苦手とか言ってたくせに……なんて良い奴なんだ、エミさん……いい男だわ……!」
「……俺とは大違いだよな」
「あたりまえでしょ」
「……はは」
悟は見た目は二十四歳の若々しい姿をしていても、中身は五十歳のしょぼくれたおっさんのままであるらしい。二十五年の年月、異世界の荒波に揉まれて若い頃の角が取れたのか、張り合いがないくらいに怒らない悟。
「……それで、さ。それでなんだけど……」
「……何? 初代ジェイディはエミさんがやっつけたんでしょ? あとはあたしが目覚めればいいだけで……」
「それなんだけど、真中さんの彼氏さんがやっつけたのは、初代ジェイディの術中の姿で、本体の初代ジェイディの体はそこにまだ残ってるんだよね。それを、俺のところに戻してほしいんだ。どんなにぼろぼろでもいいから」
「……」
「お願い……します」
そこまで言って、悟は深々と頭を下げる。見れば、横にまっすぐ降ろされたこぶしがふるふると震えていた。こんなことに巻き込んだ挙句、無茶なお願いをしているのは十分承知しているらしい。
「もう必要なくてしまっちゃったんじゃなかったの?」
「うん……でもそれが間違いだった。俺は自分が苦しいときにジェイディに縋っていたくせに、必要なくなったからといって棄てようとした大馬鹿野郎だ。それがよくわかった。まして、俺の魔力のせいで心を宿したなら、もう既に人間みたいに接しないといけないだろうに、ただの人形として扱ってしまって……。だから、謝りたいんだ、ジェイディに」
「ジェイディが許してくれなかったらどうするの?」
「その時は……」
「その時は?」
「…………許してくれるまで謝るよ」
「ぶふっ……!」
なんとも不器用な答えに笑ってしまう。なんだこいつ。ジェイディも含めてなんだこいつら。単なるカップルの大喧嘩に巻き込まれただけみたいじゃないか。あほらしい。あほらしくてやってられない。
変な世界に閉じ込められたあげく、魔力抜かれて、それで仲間は大変なことに巻き込まれるし、こちとらとんだ損害だ。
こんな大騒動を引き起こしたこの男にムカッ腹立つけれども、ここでこの問答を答えを渋って引き延ばすのも面倒だと思ったスイは、はあああと大きなため息をついた。
「……わかった」
「……あ、ありがとう! ありがとう真中さん!」
「でも、初代ジェイディって、騎士のクアスさんが捜索している人形だから、騎士団のほうで調べてから渡すことになるんじゃないかな」
「それでも、戻ってくるなら何でもいいよ。本当にありがとう」
もうすっかり恋人を待つ男みたいだ。昨日のスイへの謝罪もしかり、失って初めて気づくことがこの男は多すぎるのではないか。この男はこれからが大変だろうが、それはもうスイのあずかり知らぬことだ。
そんなことを考えた瞬間、背景にうっすらと靄がかかってくる。背景だけじゃなくて、目の前の悟もどんどんと透明になっていくのが見えた。
ああ、夢から醒めるのか。そう思って気が付くと悟はもう靄のかかった背景に溶け込むように透明になり、やがて「またあとで」といって消えていく。
突然現れて突然消えていく、本当に勝手なやつだと思った。やっぱりいけ好かない。
「申し開きもございません」
「蜂谷さん昔からモテモテだったもんねえ。女友達も多かったし、喘ぎ声しか聞いてないけどあの浮気相手もかわいい女性だったんでしょ。そりゃあ女性の人形も勘違いするよね」
「……」
スイの嫌味にぐうの音も出ない悟だったが、それは置いといて話を続けた。
「俺、そのこと夢に見てさ……何でそんなこと知ったのかっていうのは、つまり初代ジェイディは俺の魔力で動いてたわけだから、その残滓がずっとついてて、それで繋がってて、俺もそのこと追体験したみたいに視ることができるわけ。ジェイディが見ているもの、全部俺に伝わってくるんだ。物理的なことも感情も、全部」
「うわ……一心同体じゃない」
「そう。だから、真中さんたちに一方的に恨み持った感情も伝わって来て、なんとかしないとと思って。……でも、俺の本体今大けがして眠ってるから、物理的にそれを伝える術がなくて」
だから、こうしてスイの頭の中に直接話しかけることで知らせようとしたのだと、悟は言う。テレパシー能力、それが悟がこの魔力概念のある世界で身につけた能力なのだそうだ。魔力を封印されて、ごくたまにしか使えないそうだが。
ちなみにこの若々しい姿は悟の願望の現れだというからなんか寄る年波が悲しい。
ていうかテレパシーとか夢に登場するとか、なにちょっとカッコいい能力身につけてんだこのやろう。そもそもこちらでのセドル・アーチャーなんていうしゃらくせえ名前名乗りやがって蜂谷さんのくせに。
なんかそういうところがいけ好かなくて気に入らない。
こっちはお買い物魔法くらいしか、あとキラキラが出てくるまでエミさんとくんずほぐれつしたあとに、匂いに耐えきれなくて空気清浄機やらエアコンやら給湯機が勝手に動いたくらいしか特殊能力がないというのに。
ともあれ、テレパシーでスイに接触しようとしたときはもう既に遅くて、スイたちは初代ジェイディの作った閉鎖空間に飲まれてしまった直後だった。それでしょうがなくこうしてなんとか夢の中で接触することができた。魔力を大量に消費するから普段は使えないそうなのだが、今日は緊急事態だからと悟は言う。
あとは、悟が初代ジェイディの目を通して見てきたことをそれからのことを話してくれた。
シュクラとクアス、エミリオと別れて隣り合った平行の閉鎖空間に取り込まれたこと。シュクラとクアスが初代ジェイディの使役する人形たちの幻影に襲われたが、なんとか撃退したということ。エミリオが初代ジェイディに接触し、そこに既に取り込まれていたスイ自身の身体を発見。彼女を取り戻すためにエミリオが孤軍奮闘で初代ジェイディと戦い、自身もスイと同じように魔力を吸い取られながらも、大魔法を使ってジェイディを撃退し、閉鎖空間も打ち破ったこと。
「ちょっと待って。シャンテルちゃんは?」
「シャンテルちゃん?」
「一緒に来てた小さな女の子のことだよ」
「ええっと……多分、大丈夫じゃないかと」
「何でそう言い切れるの? その初代ジェイディだののアッブないのがうろついてるところなんでしょ?」
「子供は閉鎖空間には取り込まれていないから。なんだかんだ、ジェイディは子供には危害を加えられないもんで……」
「大人はいいのね……なんか許せんなジェイディ」
「申し訳ない」
「ほんとだよ」
ジェイディの感情が流れてくると言っていた悟。ジェイディは子供用の人形だから、怒りで狂気に陥っていたとしても、子供たちに対して危害をくわえたくないと思っているのだそうだ。意外といいところあるじゃん、とは思うが許せんものは許せん。
まあ、シャンテルのバビちゃん愛、なかでもジェイディに対する猫可愛がり的な溺愛っぷりは、ドラゴネッティ邸で一緒にお人形遊びをしたスイであるからよくわかる。
彼女の持っていたジェイディは、スイがメノルカ神殿で見たジェイディのポスターよりも表情がやわらかく見えたくらいだ。
「……いけない。じゃあ、今でもシャンテルちゃん迷子になってるって話じゃない! こんなことしてる場合じゃ……!」
「それも大丈夫。ちゃんとみんなに合流したみたいだ。閉鎖空間が壊れた時に」
それを聞いてほっと胸を撫でおろすスイ。まあ、この悟をどこまで信用していいものかまだ信じられていないけれども。
そもそもこの男はその初代ジェイディがこっちを逆恨みする原因を作ったやつだから。
「でもエミさん……死にそうになりながら、あたしのこと守ってくれるなんて……! あんないい身体して肉体労働苦手とか言ってたくせに……なんて良い奴なんだ、エミさん……いい男だわ……!」
「……俺とは大違いだよな」
「あたりまえでしょ」
「……はは」
悟は見た目は二十四歳の若々しい姿をしていても、中身は五十歳のしょぼくれたおっさんのままであるらしい。二十五年の年月、異世界の荒波に揉まれて若い頃の角が取れたのか、張り合いがないくらいに怒らない悟。
「……それで、さ。それでなんだけど……」
「……何? 初代ジェイディはエミさんがやっつけたんでしょ? あとはあたしが目覚めればいいだけで……」
「それなんだけど、真中さんの彼氏さんがやっつけたのは、初代ジェイディの術中の姿で、本体の初代ジェイディの体はそこにまだ残ってるんだよね。それを、俺のところに戻してほしいんだ。どんなにぼろぼろでもいいから」
「……」
「お願い……します」
そこまで言って、悟は深々と頭を下げる。見れば、横にまっすぐ降ろされたこぶしがふるふると震えていた。こんなことに巻き込んだ挙句、無茶なお願いをしているのは十分承知しているらしい。
「もう必要なくてしまっちゃったんじゃなかったの?」
「うん……でもそれが間違いだった。俺は自分が苦しいときにジェイディに縋っていたくせに、必要なくなったからといって棄てようとした大馬鹿野郎だ。それがよくわかった。まして、俺の魔力のせいで心を宿したなら、もう既に人間みたいに接しないといけないだろうに、ただの人形として扱ってしまって……。だから、謝りたいんだ、ジェイディに」
「ジェイディが許してくれなかったらどうするの?」
「その時は……」
「その時は?」
「…………許してくれるまで謝るよ」
「ぶふっ……!」
なんとも不器用な答えに笑ってしまう。なんだこいつ。ジェイディも含めてなんだこいつら。単なるカップルの大喧嘩に巻き込まれただけみたいじゃないか。あほらしい。あほらしくてやってられない。
変な世界に閉じ込められたあげく、魔力抜かれて、それで仲間は大変なことに巻き込まれるし、こちとらとんだ損害だ。
こんな大騒動を引き起こしたこの男にムカッ腹立つけれども、ここでこの問答を答えを渋って引き延ばすのも面倒だと思ったスイは、はあああと大きなため息をついた。
「……わかった」
「……あ、ありがとう! ありがとう真中さん!」
「でも、初代ジェイディって、騎士のクアスさんが捜索している人形だから、騎士団のほうで調べてから渡すことになるんじゃないかな」
「それでも、戻ってくるなら何でもいいよ。本当にありがとう」
もうすっかり恋人を待つ男みたいだ。昨日のスイへの謝罪もしかり、失って初めて気づくことがこの男は多すぎるのではないか。この男はこれからが大変だろうが、それはもうスイのあずかり知らぬことだ。
そんなことを考えた瞬間、背景にうっすらと靄がかかってくる。背景だけじゃなくて、目の前の悟もどんどんと透明になっていくのが見えた。
ああ、夢から醒めるのか。そう思って気が付くと悟はもう靄のかかった背景に溶け込むように透明になり、やがて「またあとで」といって消えていく。
突然現れて突然消えていく、本当に勝手なやつだと思った。やっぱりいけ好かない。
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