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本編

63 結果がすべて ※R18 グロテスク表現、百合表現、拘束表現あり

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※グロテスク表現、百合表現があります。ご注意ください。見たくない人は回れ右。(タグ要確認。マジで)
ここ明記するの忘れました。ごめんなさいね。



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 シュクラが手を離すとスイの下腹は何事もなかったかのように白くてなめらかな彼女の素の肌をさらしていた。傷もないし出血もない。

 絶頂に継ぐ絶頂の倦怠感と余韻に浸り、深く深く舌を絡めていたエミリオと唇を離して唾液を舐めとりながら、横目に自分の怪我もなにもしてない腹を見て何が起こっていたのか混乱しきりだった。確かに先ほどシュクラの手が腹に突き刺さるみたいに埋まっていた。そして子宮膣部にシュクラの指を感じたのも確かだ。けれどそれが夢だったみたいに、スイの肌は綺麗なまま。

 何度も絶頂を迎えてスイはもう息も絶え絶えで、色々疑問がいっぱいあるし不思議なことに対して質問をシュクラにたくさん浴びせたい衝動にかられたけれど、口から出るのは片言の言葉。

「ふあ……なんでえ……?」
「シュクラ様……」
「うむ、ドラゴネッティ卿のおかげでスイの女性器がやる気を出してくれたのでな。隠れ宮を見つけて触手を伸ばして探してみたぞ」

 ――何だ触手って。もしかしてあの奥をこじ開けられるような感覚はそれだったのかな。シュクラ様は指から触手が出るの? っていうか感覚は鈍い場所のはずなのになんであんなに感じたんだろ。これが神のなせる業なのか。

 スイは考えることはできてもそれを言葉にするまで身体が怠さに動かなくて、はふはふ言うしかない。

「はふう……」
「ど、どうでしたか……?」
「うむ。結論言おうか?」

 ドキリとした。そうだ、そういえばそれを確かめるためにこんなことしていたんだっけ。あまりの気持ちよさに快楽堕ちするところだった。賢者モードに入っている場合ではない。

 シュクラの言葉にエミリオと顔を見合わせてからふたりでこくりと頷くと、ごくりと唾を飲み込みながらシュクラの言葉を待つ。
 シュクラは苦笑しながら肩を竦めた。

「……全ての生殖エネルギーはドラゴネッティ卿の魔力に変化したようだのう」
「……って、ことは」
「妊娠は、してなかった、ということ……ですか」
「……まあ、魔力関係なく普通の夫婦にも、一晩や二晩のまぐわいでできるとは限らぬし、そう落ち込むことはないぞ」
「は、はは……」

 スイはよく回らない頭でも少し間をもらってようやく理解した。

 妊娠はしていなかった。あのキラキラした、シュクラの言う「鬼火」とやらが見えたけれど、それよりもエミリオの魔力に補われた力のほうが大きかったのか。それとも単にスイとエミリオ二人の体調によって妊娠は見送られたのか。

 真相はよくわからないけれど、とりあえずは肩の力がすとんと抜け落ちた。

 安心、していいのかもしれない。いくらエミリオが騎士団の魔法師団の職を辞してこのシャガ地方に移住し、スイと結婚すると宣言していても、生活が安定するまでは妊娠するのは得策ではないだろう。これで何の心配もなくシュクラの晩酌のお付き合いもできるわけだし。

 妊娠したとしたらきっとシュクラは喜ぶし、シュクラ神殿の聖人聖女のおっちゃんおばちゃんらが、スイの生活を手伝ってくれているのと同じように、慣れない子育てもきっとアドバイスをくれると思う。

 でも、それは、ちゃんとエミリオとの生活が安定してから考えても充分じゃないか?。
 この世界での結婚適齢期というのは、貴族とは違って平民であればそこまで重要視されていないらしいので焦ることはない。スイもまだ二十代半ばであるのだし。

 でも……ちょっとだけ、期待をしていた。
 エミリオの子供。髪色、瞳の色はどんなだろうか、とか。性格は? エミリオに似て生真面目で人当たりの良い性格かな、とか。自分に似てしまうのかな、悪いところは似ないといいな、とか。

 スイの元居た世界では、黒髪黒目が優勢遺伝子だったけれど、このパブロ王国では黒髪黒目は珍しいらしいし、エミリオは自分の髪や目の色をありふれた面白みのない色だと苦笑していたから、もしかしたらこちらでは黒髪黒目は劣勢遺伝子かもしれない。

 エミリオは黒髪の子がいいと言っていたけれど、スイはエミリオ似のオレンジブロンドとターコイズブルーの瞳を持つ、おちびエミリオが生まれたら素敵だなあと考えた。じゃあ二人以上作らないとな、とエミリオと一緒に笑ったっけ。

 黒髪に黒い瞳、黒髪にターコイズブルーの瞳、オレンジブロンドに黒い瞳、そしてエミリオと同じオレンジブロンドにターコイズブルーの瞳。どの子もきっと可愛いだろう。
 二人のミックスジュースのような、まさに夢の子供たち。

 もしかしたらそんな夢の子供たちの誰かが宿ったかもしれない。この二日間、エミリオのいない生活をして寂しさを募らせたおかげでそんな期待をしていたのだ。

 だから、ちょっとだけ、残念かもしれない。
 ちょっとだけ……。
 ほんのちょっとだけ……。いや。かなり、残念かもしれない……!

 スイはエミリオとシュクラの前でショーツ一枚のあられもない姿だということもすっかり忘れて、ソファーに背をもたれかけて天井を仰ぎ見てから大きなため息をついた。エミリオが慌ててスイのTシャツを胸にかけてくれたけども。

「ふふ、愛いやつよのう、スイ。そなたは本当に……放っておけぬ。吾輩の可愛い可愛い愛し子……」
「ふ、あ、むぅ……っ?」
「シ、シュクラ様っ……! 何を……」

 ため息をついたスイを愛でながら、辛抱たまらないといった調子で、シュクラはスイに覆いかぶさると、スイの半開きの唇に甘い吐息とともに口づけてきた。

 そのままスイの口と歯列をこじ開けて舌を探り当てると、ちゅぱちゅぱと吸い付いて舌先の交わりを強いた。

 舌の根元から吸い上げて舌の裏の動脈のコリコリした部分を的確にしゃぶってくるし、不思議なことに舌をシュクラの舌で上下左右に挟まれているような吸い付き方をしてくるし、あまりに翻弄するディープキスにスイはそれだけで気をやりそうになってしまう。
 シュクラはキスが上手すぎる。女なのに。今は女神様なのに。女神様のキスでい……く……!

「ん、んぅ、んあ……らめ、らめぇ、ひゅくら、ひゃま……!」
「ん、ふ……ふふ、あむ……ちゅ」

 それを見てぎょっとしたエミリオは「シュクラ様!」と静止しようとしたものの、シュクラは笑いながらスイから唇を離した。唾液の糸を引くシュクラの舌の先が二つに分かれているのを見てスイとエミリオ二人そろってぎょっとした。

 ――スプリットタン、というやつか。初めて見た。そういえばシュクラ様は水と豊穣の神様で、眷属は確か……白蛇だったような?
 でもビールのアテを食べているときはそんなんじゃなかった気がするけど。女神様バージョン特有の姿なのだろうか。

 ぼーっとそんなことを考えるスイの目の前でシュクラはおもむろに衣服の合わせを解き始め、一気に衣服を脱いで全裸になってしまったのだ。衣類越しに触ったあのたわわな乳房がぼろんとまろび出て、スイはまじまじと見てしまったが、エミリオはうっと目を逸らした。またスイに「浮気と同じ」と臍を曲げられてはたまらないと思ったようだ。
 スイはスイで、シュクラからの突然のイキそうになるディープキスに翻弄された挙句、突然のシュクラの脱衣にびっくりしすぎて、エミリオに見るなと窘めることも忘れていた。

 形も大きさも美巨乳で色白、つんと尖った乳首は薄紅色で乳輪は小さいほうのようだ。真っ白な肌に腰は異様にくびれていて、なんと禁断の三角地帯に下生えは一切生えていなかった。美人で巨乳でパイパンって。どんだけ。
 
 シュクラは自ら両手で乳房を持ち上げて、片方を口元に持っていき、先端をあのスプリットタンでレロレロと舐めて見せた。エロい。エロ過ぎる。
 口に乳首が届くほど大きいらしい。スイも大きいほうだがギリギリ無理である。ちょっと身体が固いせいもあるけれど。

「んっふ……実を言うとな、吾輩はこの姿になると……性欲が異常に高まる」
「えっ?」
「えっ?」
「妊娠しておらず、残念か二人とも? だったら再びまぐわえば良いではないか。吾輩が手伝うてやるぞ」
「えっ?」
「えっ?」
「そぉら」

 シュクラが妖艶な姿で微笑んで掛け声を上げると、腰までの長さのシュクラの真っ白な髪が異常に伸び始め、しゅるしゅると蛇のように動いて、抵抗する間もなくスイとエミリオを拘束しはじめたのである。

「きゃああっ!」
「う、うわっ……!」

 あっという間にからめとられ、生き物のように、モンスターの触手のようにうごめくシュクラの髪は、二人を拘束しながら、二人(主にエミリオ)の衣類をつぎつぎと脱がせていく。随分と手際が良い器用な髪の毛だと感心する間もなかった。
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