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本編
31 肉体言語で仲直り ※R18 女性攻めあり
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鎖骨のあたりを唇で挟んでちゅっと吸ったり舌で舐めたりをして、胸元に近づくにつれて、エミリオの期待に満ちたような声と息遣いが聞こえてくる。
お待ちかねの乳首のあたりに唇が到達すると、エミリオはひときわ感極まった様子でプルプルと震えながら熱い吐息を漏らした。
「んあっ……はっ、はぁっ……あ、そこ……好き……っ、スイ、ん、気持ちいい……」
「んー? これ? ここ? 乳首にチューってするの気持ちいいの? ん、……ふ」
胸板が厚いせいかやたらと小ぶりに見える乳首を口に含んでは、口の中で舌で飴玉みたいに転がしてやると、そこが徐々に固くなってきた。
スイの頭上からエミリオのため息交じりの喘ぎ声が聞こえてくる。感極まってスイの後頭部に手を乗せて、やるせない気持ちを押し殺すみたいにスイの黒髪に何度も指を通していた。
「はッ……はッ……ぁ、んぁ……っ、あぁ、スイ、いい、そこ、いい……!」
「あは、エミさん、ほんとここ好きなのね。指で摘まんでぐりぐりするのと、舌でペロペロするの、どっちが好きなの?」
「う……好き、どっちも……、あ、あぁっ……!」
「おぉっと……ああ、こっちもね。放置しちゃってたね、ごめんね」
スイは一度上半身を上げると、反り返ってスイの尻をぐいぐい頭突きしているご立派様に苦笑する。はいはい、とでもいうように、乳首をぐりぐり親指と人差し指で愛撫しながら、もう片方の手で彼の竿に指を這わせる。
はああああ……とエミリオが震えたような長いため息をついて、恍惚とした表情でスイの手の感触を快感として拾い始めた。
愛撫を手から舌に代える。乳首を舌でわざと淫らに愛撫しながら、エミリオのビンビンに張り詰めたご立派様をにぎにぎしていると、エミリオがスイの開いた手を取って恋人繋ぎにしてきた。手をぎゅっと握り込むところから、愛撫の快感にふるふると耐えているのがわかる。涙目のターコイズブルーが大変可愛らしい。
「ん、んんっ……はあ……はあ……っ、一緒に、されたら……っ」
「ちゅ、ん、はむ、えみしゃん、ちくびと……ここ、ぷるぷるしてるっ……あは、かぁいい……ちゅ、ちゅぷ……」
「うぁあっ……スイ、ああ……雁、ぐりぐり、して……!」
「うん、いいよぉ……気持ちいいもんねぇ」
快感に悶えて舌足らずになっているエミリオに、スイは苦笑しながらもリクエストに応えた。
発情してくるとエミリオはこうしておねだりが多くなる。ここ二日間でそれはガッツリ学んだ。
Mっ気気質の人は要望が多いのだとすると、SM女王様と調教希望の男性では、真のご主人様はMのほうなのかもしれないなあとしみじみとスイは思うのだ。
ネイル用にちょっと長かった爪は、エミリオに愛撫するようになったことから朝ちょっと短く切った。もうOLでもないし、エミリオのご立派様のほうがスイの爪より大事だから。
雁首と竿の間の窪みを指先を立ててぐりぐりすると、エミリオはスイと繋いでいないほうの手で羽枕の生地をぎゅっと掴んで悶えている。ちなみに掴んでいる生地は「Yes or No枕」のYesのほうなのがちょっと可笑しい。
雁の天辺にある穴の窪みも指先でほじくるように刺激すると、あっという間に先走った液でスイの手はぐっしょりと濡れ始めた。
「んくっ……あぁ、あ、うぅ……っ、はぁっ……きもち、いい……スイ、あぁ、気持ちいい……!」
「ふふ、そうなの? 気持ちいの? あはは、もうエッチな液でびしょびしょだね。もういきたい?」
「はぁっ……い、いき、たい……いかせて、スイ……!」
「ん、今日はどうしよっか? お口でする? おっぱいでする? このまま手でもいいけど魔力のこと考えたらお口かな」
「あ……その、スイ、は……?」
「え?」
「俺ばかりじゃ、その……というか、俺も、スイの、舐めたい……腰、こっちに……」
その提案にドキリと一つ心臓が脈打った。
スイだって不感症じゃないので、エミリオの喘ぎ声とか余裕なくも恍惚とした表情、可愛いおねだりなんかを叶えたりして、自身の身体に熱がこもっているのを感じている。一応バスローブの裾を挟んでいるけれど、ショーツを身に着けていない性器の部分はすっかり濡れそぼっていた。
それをエミリオに見られる羞恥と、自分もエミリオのあの分厚い舌でまた愛撫される快感を思い出して、葛藤すること数秒。
エミリオの懇願するような「……ダメ?」という言葉であっという間に落ちたチョロ女であった。
体勢を入れ替えてエミリオの上に乗る。シックスナインの体位は本当に久方ぶりで、まだ元彼の悟とセックスレスじゃなかったころに一、二回やったかやらないかくらいしかないので何だか新鮮だ。
あの時は良くわかってなくて、男女逆でやってしまって、額に氷嚢のように悟のお袋さんが乗っているのが気になって全然いかなかったなあなんて余計なことを考えていると、いつの間にかエミリオにバスローブの裾をめくられて、むき出しの尻肉をがしりと捕まえられていた。
ショーツを身に着けていない割れ目をエミリオの指先がかき分けて、とろとろと愛液を滴らせる膣を露わにした。
「あう、エミさん……」
「スイのここも、可愛い……じっとりと濡れてる」
「エミさんがエッチだからあたしまでこんなになっちゃったんだよ……あ、ん」
包皮を剥いてクリトリスを剥き出しにして指で弄びながら、同時にもう片方の手でつぷりと長い指を差し入れては凸凹した膣壁を擦りつけられて、スイは腰くだけになりそうな快感が背筋を通り抜けるのを感じて、いきなり気をやりそうになってしまった。
おっと、いけないいけないと我に返って、目の前にあるご立派様を両手で包み込んだ。
竿を手で擦り上げながら先端を口に含み、どくどくとあふれ出すカウパー腺液を唾液とからませて舌で愛撫していると、エミリオのほうも獣みたいな低い呻き声をあげてから、スイの秘部にむしゃぶりつくような勢いで口をつけてきた。
じゅぼ、とかぐちゅ、とか卑猥な音が後方から聞こえてきて、それと同時に熱いぬるりとした舌のなんとも言えない感覚に、スイのエミリオ自身を握る手に若干力が入る。
「あ……! んぁ、スイ、ああっ……!」
「ん、うぅっ!んん~っ! え、えみ、ふぁん、やあっ……」
快楽の波に翻弄されて、身体をめぐるゾクゾク感に目の前のモノに思わずしゃぶりついて、ぐぽぐぽと淫らな音をさせながら必死で舌と唇で愛撫する。同時にエミリオもスイの内側を、どこまで伸びるのかと困惑するほど長い舌で膣の奥まで舌を侵入させていく。
しばらく、あ、とか、ん、とかの呻き以外は淫らな水音だけが寝室に木霊し、火照ってどうしようもなくなったお互いの身体に汗を飛び散らせながら無意識に腰を動かしてはその行為に耽っていた。
徐々に昂っていく快楽のうねりが最高潮を迎えたとき、お互いに鼻にかかった声で呻きながら絶頂を迎えた。
スイの喉奥目掛けて濃い精液が放たれると同時にスイのほうもぷしゅりと潮を吹いてエミリオの顔面を少し濡らした。エミリオは射精の脱力感もそこそこにスイのソコに再び口をつけて、残りの潮すべてを飲み込むようにじゅじゅ、と吸い込んで、ゴクリと嚥下の音を響かせていた。
スイも精飲を終えると、くたりと萎れたエミリオの雄茎を綺麗に舐めとってから、最後にその先端にキスをしてエミリオに振り返る。
「はあ、エミさん……」
「スイ、……いけた?」
「うん……はあ、ありがと、気持ちよかったぁ」
「俺も……」
再び体勢をなおしてごろりとベッドに横たわると、エミリオがそっと抱き寄せてきたので、スイはぐふふ、と色気のない声で笑いながらエミリオの脇から背中に腕を回して抱き着いた。
汗だの良くわからないお互いの混合液でもう体中べっとべとだが、なんだかそれがまたいい。
あんなに汗だくになったのに、まだ眠くない。魔力が少しお互いに回復しているので行為後の気怠さはそれほど無くて、目が冴えているようだ。
「……どうする、もう一度、風呂とか入るか?」
「そだねー……さっきちょっとケチついちゃったし?」
「……それは本当に申し訳ない」
「ふふふ。今度はもうちょっと優しく洗ってくれたらいいよ」
「……もう怒ってないのか?」
「もうなんか、アホらしくて怒る気失せちゃった」
「ああ、スイ……」
「あー、もう。エミさんホントベッドでは甘えん坊だねえ。可愛いけどちょっと暑苦しいから離れて」
「……そんな殺生な」
「ほーら、お風呂いこ」
「はあ……うん」
むくりと起き上がったエミリオに、ん、と両手を伸ばしたスイを、エミリオは苦笑しながら姫抱きに抱え上げた。
そのまま首にぎゅっと抱き着くスイの体温にほう、と恍惚としたため息をつきながら、エミリオは客室露天風呂に歩いて行った。
そのあとはエミリオはスイの身体をいたわるように隅々まで丁寧に洗ってくれたし、浴槽内では後ろから愛おしそうに抱きしめながら一緒に浸かってくれたし、最初の嫉妬めいた荒々しい態度は一体なんだったのかと思うほど優しかった。
少々長湯してしまって温泉の効能で気怠くなってきたところで上がり、身体と髪を拭いて乾かしてから、もうエッチは終わり、とスイに諭されたのを少々残念そうにしていたエミリオに、再びベッドで抱きしめられながら、スイは眠りについた。
二人が就寝してからいつの間にかあの土砂降りはすっかり止んでいた。カーテンの隙間から差し込む光が昨日より眩しいことでそれを二人が知るのは、もうしばらくあとのこと。
お待ちかねの乳首のあたりに唇が到達すると、エミリオはひときわ感極まった様子でプルプルと震えながら熱い吐息を漏らした。
「んあっ……はっ、はぁっ……あ、そこ……好き……っ、スイ、ん、気持ちいい……」
「んー? これ? ここ? 乳首にチューってするの気持ちいいの? ん、……ふ」
胸板が厚いせいかやたらと小ぶりに見える乳首を口に含んでは、口の中で舌で飴玉みたいに転がしてやると、そこが徐々に固くなってきた。
スイの頭上からエミリオのため息交じりの喘ぎ声が聞こえてくる。感極まってスイの後頭部に手を乗せて、やるせない気持ちを押し殺すみたいにスイの黒髪に何度も指を通していた。
「はッ……はッ……ぁ、んぁ……っ、あぁ、スイ、いい、そこ、いい……!」
「あは、エミさん、ほんとここ好きなのね。指で摘まんでぐりぐりするのと、舌でペロペロするの、どっちが好きなの?」
「う……好き、どっちも……、あ、あぁっ……!」
「おぉっと……ああ、こっちもね。放置しちゃってたね、ごめんね」
スイは一度上半身を上げると、反り返ってスイの尻をぐいぐい頭突きしているご立派様に苦笑する。はいはい、とでもいうように、乳首をぐりぐり親指と人差し指で愛撫しながら、もう片方の手で彼の竿に指を這わせる。
はああああ……とエミリオが震えたような長いため息をついて、恍惚とした表情でスイの手の感触を快感として拾い始めた。
愛撫を手から舌に代える。乳首を舌でわざと淫らに愛撫しながら、エミリオのビンビンに張り詰めたご立派様をにぎにぎしていると、エミリオがスイの開いた手を取って恋人繋ぎにしてきた。手をぎゅっと握り込むところから、愛撫の快感にふるふると耐えているのがわかる。涙目のターコイズブルーが大変可愛らしい。
「ん、んんっ……はあ……はあ……っ、一緒に、されたら……っ」
「ちゅ、ん、はむ、えみしゃん、ちくびと……ここ、ぷるぷるしてるっ……あは、かぁいい……ちゅ、ちゅぷ……」
「うぁあっ……スイ、ああ……雁、ぐりぐり、して……!」
「うん、いいよぉ……気持ちいいもんねぇ」
快感に悶えて舌足らずになっているエミリオに、スイは苦笑しながらもリクエストに応えた。
発情してくるとエミリオはこうしておねだりが多くなる。ここ二日間でそれはガッツリ学んだ。
Mっ気気質の人は要望が多いのだとすると、SM女王様と調教希望の男性では、真のご主人様はMのほうなのかもしれないなあとしみじみとスイは思うのだ。
ネイル用にちょっと長かった爪は、エミリオに愛撫するようになったことから朝ちょっと短く切った。もうOLでもないし、エミリオのご立派様のほうがスイの爪より大事だから。
雁首と竿の間の窪みを指先を立ててぐりぐりすると、エミリオはスイと繋いでいないほうの手で羽枕の生地をぎゅっと掴んで悶えている。ちなみに掴んでいる生地は「Yes or No枕」のYesのほうなのがちょっと可笑しい。
雁の天辺にある穴の窪みも指先でほじくるように刺激すると、あっという間に先走った液でスイの手はぐっしょりと濡れ始めた。
「んくっ……あぁ、あ、うぅ……っ、はぁっ……きもち、いい……スイ、あぁ、気持ちいい……!」
「ふふ、そうなの? 気持ちいの? あはは、もうエッチな液でびしょびしょだね。もういきたい?」
「はぁっ……い、いき、たい……いかせて、スイ……!」
「ん、今日はどうしよっか? お口でする? おっぱいでする? このまま手でもいいけど魔力のこと考えたらお口かな」
「あ……その、スイ、は……?」
「え?」
「俺ばかりじゃ、その……というか、俺も、スイの、舐めたい……腰、こっちに……」
その提案にドキリと一つ心臓が脈打った。
スイだって不感症じゃないので、エミリオの喘ぎ声とか余裕なくも恍惚とした表情、可愛いおねだりなんかを叶えたりして、自身の身体に熱がこもっているのを感じている。一応バスローブの裾を挟んでいるけれど、ショーツを身に着けていない性器の部分はすっかり濡れそぼっていた。
それをエミリオに見られる羞恥と、自分もエミリオのあの分厚い舌でまた愛撫される快感を思い出して、葛藤すること数秒。
エミリオの懇願するような「……ダメ?」という言葉であっという間に落ちたチョロ女であった。
体勢を入れ替えてエミリオの上に乗る。シックスナインの体位は本当に久方ぶりで、まだ元彼の悟とセックスレスじゃなかったころに一、二回やったかやらないかくらいしかないので何だか新鮮だ。
あの時は良くわかってなくて、男女逆でやってしまって、額に氷嚢のように悟のお袋さんが乗っているのが気になって全然いかなかったなあなんて余計なことを考えていると、いつの間にかエミリオにバスローブの裾をめくられて、むき出しの尻肉をがしりと捕まえられていた。
ショーツを身に着けていない割れ目をエミリオの指先がかき分けて、とろとろと愛液を滴らせる膣を露わにした。
「あう、エミさん……」
「スイのここも、可愛い……じっとりと濡れてる」
「エミさんがエッチだからあたしまでこんなになっちゃったんだよ……あ、ん」
包皮を剥いてクリトリスを剥き出しにして指で弄びながら、同時にもう片方の手でつぷりと長い指を差し入れては凸凹した膣壁を擦りつけられて、スイは腰くだけになりそうな快感が背筋を通り抜けるのを感じて、いきなり気をやりそうになってしまった。
おっと、いけないいけないと我に返って、目の前にあるご立派様を両手で包み込んだ。
竿を手で擦り上げながら先端を口に含み、どくどくとあふれ出すカウパー腺液を唾液とからませて舌で愛撫していると、エミリオのほうも獣みたいな低い呻き声をあげてから、スイの秘部にむしゃぶりつくような勢いで口をつけてきた。
じゅぼ、とかぐちゅ、とか卑猥な音が後方から聞こえてきて、それと同時に熱いぬるりとした舌のなんとも言えない感覚に、スイのエミリオ自身を握る手に若干力が入る。
「あ……! んぁ、スイ、ああっ……!」
「ん、うぅっ!んん~っ! え、えみ、ふぁん、やあっ……」
快楽の波に翻弄されて、身体をめぐるゾクゾク感に目の前のモノに思わずしゃぶりついて、ぐぽぐぽと淫らな音をさせながら必死で舌と唇で愛撫する。同時にエミリオもスイの内側を、どこまで伸びるのかと困惑するほど長い舌で膣の奥まで舌を侵入させていく。
しばらく、あ、とか、ん、とかの呻き以外は淫らな水音だけが寝室に木霊し、火照ってどうしようもなくなったお互いの身体に汗を飛び散らせながら無意識に腰を動かしてはその行為に耽っていた。
徐々に昂っていく快楽のうねりが最高潮を迎えたとき、お互いに鼻にかかった声で呻きながら絶頂を迎えた。
スイの喉奥目掛けて濃い精液が放たれると同時にスイのほうもぷしゅりと潮を吹いてエミリオの顔面を少し濡らした。エミリオは射精の脱力感もそこそこにスイのソコに再び口をつけて、残りの潮すべてを飲み込むようにじゅじゅ、と吸い込んで、ゴクリと嚥下の音を響かせていた。
スイも精飲を終えると、くたりと萎れたエミリオの雄茎を綺麗に舐めとってから、最後にその先端にキスをしてエミリオに振り返る。
「はあ、エミさん……」
「スイ、……いけた?」
「うん……はあ、ありがと、気持ちよかったぁ」
「俺も……」
再び体勢をなおしてごろりとベッドに横たわると、エミリオがそっと抱き寄せてきたので、スイはぐふふ、と色気のない声で笑いながらエミリオの脇から背中に腕を回して抱き着いた。
汗だの良くわからないお互いの混合液でもう体中べっとべとだが、なんだかそれがまたいい。
あんなに汗だくになったのに、まだ眠くない。魔力が少しお互いに回復しているので行為後の気怠さはそれほど無くて、目が冴えているようだ。
「……どうする、もう一度、風呂とか入るか?」
「そだねー……さっきちょっとケチついちゃったし?」
「……それは本当に申し訳ない」
「ふふふ。今度はもうちょっと優しく洗ってくれたらいいよ」
「……もう怒ってないのか?」
「もうなんか、アホらしくて怒る気失せちゃった」
「ああ、スイ……」
「あー、もう。エミさんホントベッドでは甘えん坊だねえ。可愛いけどちょっと暑苦しいから離れて」
「……そんな殺生な」
「ほーら、お風呂いこ」
「はあ……うん」
むくりと起き上がったエミリオに、ん、と両手を伸ばしたスイを、エミリオは苦笑しながら姫抱きに抱え上げた。
そのまま首にぎゅっと抱き着くスイの体温にほう、と恍惚としたため息をつきながら、エミリオは客室露天風呂に歩いて行った。
そのあとはエミリオはスイの身体をいたわるように隅々まで丁寧に洗ってくれたし、浴槽内では後ろから愛おしそうに抱きしめながら一緒に浸かってくれたし、最初の嫉妬めいた荒々しい態度は一体なんだったのかと思うほど優しかった。
少々長湯してしまって温泉の効能で気怠くなってきたところで上がり、身体と髪を拭いて乾かしてから、もうエッチは終わり、とスイに諭されたのを少々残念そうにしていたエミリオに、再びベッドで抱きしめられながら、スイは眠りについた。
二人が就寝してからいつの間にかあの土砂降りはすっかり止んでいた。カーテンの隙間から差し込む光が昨日より眩しいことでそれを二人が知るのは、もうしばらくあとのこと。
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