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2020年11月16日
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純平はあの日二人の家を出て、新しく借りたマンションで一人暮らしを始めた。英介は純平を引き止めようとするそぶりを見せたが、純平は最後まで首を縦には振らなかった。本当は今英介と付き合っているのは芹で、純平はすでに英介の恋人ではなかったからだ。いろいろあっておかしくなってしまったが、それが本来の正しいあるべき姿だと思った。
未練が残らないように英介につながる連絡先は全て消し、思い出の品は残らず処分した。ただ一つだけ、英介に送られたリングだけはどうしても捨てることができず、押し入れの奥深くに仕舞い込んで厳重に蓋をした。
この先純平から英介に連絡を取るつもりは二度となかった。もしーーもし、英介が純平のことを少しでも好きだと思ってくれているのなら、その時は、あのまま曖昧な関係を続けるのではなく、ちゃんと言葉にしてもう一度純平を選んで欲しいと思った。
1週間が過ぎ、1ヶ月が経っても、英介から連絡が来ることはなかった。そうこうしているうちに、全国に広まった感染症が猛威をふるい始め、人と会うどころの話ではなくなった。最初は苦しかった気持ちも、日を追うごとに落ち着いていき、身を焦がすような情動は次第に薄れていった。その代わり心の奥底に熾火のように燻る気持ちがそっと息を潜めているのはずっと感じていた。
そうして、半年以上が過ぎた。
ピピピっと軽い音を立てる目覚ましで目を覚ました純平は、布団から出て床を這う冷たさにぶるりと身を震わせた。カーテンを開けると見事な秋晴れが窓の外に広がっていて、今日も頑張ろうと気合を入れる。
朝食は昨日のうちに作っていた味噌汁と炊き立てのご飯と卵焼きだ。家を出たあと、朝食にトーストを見るのでさえ辛く和食に鞍替えしたが、それが純平に合っていたらしく、今では毎朝このメニューをとっている。
「今日は…10時からの打ち合わせが一件だけか」
朝食をとりながら今日の予定を確認し、ぶつぶつとプレゼンのリハーサルをしながら弁当を作る。天気予報で暖かくなると聞いたので、帰りに公園に寄って昼食にしようと考えた。
今では初めての料理も上手に作れるようになった。ネット上で掲載されている簡単なレシピも、どれが自分の好みの味なのか見るだけでなんとなくわかるようになった。家事も並行して進められるし、滅多なことでは癇癪を起こさなくなった。あの2ヶ月は決して無駄ではなかったと、成長した自分を見て感じる。それでも、何かが足らないという気持ちはずっとなくならないのだった。
新規のプレゼンはとてもうまくいった。先方は純平のデザインを非常に気に入ってくれて、子会社の発注も同時に受けることができた。今まで受注した中で一番と言っていいほど大きな仕事だった。
「期待していますよ」
部長だと名乗った白髪の恰幅のいい男性は、透明なパーテーション越しに純平の目を見てそう笑った。純平は背筋の伸びる思いで、深々と頭を下げた。
スキップをしたくなるほど軽やかな足取りで、純平は会社の近くの公園に足を向けた。平日の昼間というだけあって、人影はあまり見えなかったが、昼休みなのだろうサラリーマン達が弁当を抱えてベンチに座っているのがあちらこちらに見えた。
この数ヶ月、純平は休む暇もないほど忙しく仕事に励んでいた。最初は仕事に打ち込むことで余計なことを考える時間をなくそうと思ってのことだったが、最近は売り込みをかければ必ずと言っていいほど新しい受注につながり、フリーのウェブデザイナーの中で、知名度もかなり上がっていた。新しい生活様式が始まって、ネットショップなどに力を入れている会社が多いのももちろんその理由の一つだろうが、一番の理由は純平自身がいろんな面で成長したためだろう。今回受けられた仕事は、その中でもかなりやりがいを感じられるものだった。
純平はベンチに腰掛け、天を仰いで充足感に浸り、ため息をついた。
なんとなく、予感はあった。朝の占いは1位だったし、いつも少し端のこげる卵焼きがこれ以上ないほどうまくいった。プレゼンは大成功だったし、この近くに英介が勤める会社の建設中の建物が見えた。それでも。
「純平!」
ザッと砂を蹴る音と共に、ずっと聞きたかった彼の声が聞こえた時、純平は思わず泣きそうになって、ぐっと唇を噛み締めた。
振り返ると、息を切らした英介が、肩で息をしながら純平の方を真っ直ぐに見据えていた。純平は涙を堪えながら、彼に笑いかけた。
「遅いよ、英介」
会いたかった、と英介はかすれた声で純平にそう言った。俺も、と純平も熱のこもった声で応えようとしたところで、ぐうと間抜けに腹が鳴った。なんとも締まらず、自分たちらしい再会だと思った。二人とも思わず吹き出し、まずは腹ごしらえと、ベンチに腰掛けて遅い昼食をとることになった。
英介の昼食は珍しくコンビニの弁当だった。見つめる純平に、英介は恥ずかしそうに純平がいなくなってから作る気がしなくてと語った。英介はさっき純平が見た建物の現場監督を任されているらしく、前に暮らしていたマンションは残したまま、この近くに小さなアパートを借りているのだと言った。つい先程純平らしい人影を見て、たまらず前に使った追跡サイトを利用して純平を追いかけたという。
弁当を食べながら話を聞いていた純平に、英介はちょっと口ごもってからその話を切り出した。
「芹とは、この前別れたんだ。上手くやっていけるかと思ったんだけど、やっぱり無理だった」
そう言ったきり、純平の隣で英介は黙り込んで俯いた。少し前までの純平なら、そんなふうに言われたら、よりを戻そうとすぐにでも英介にそう言っただろう。でも、半年以上の期間を経て、燃え上がるような苦しい思いと葛藤してきた純平は、その台詞が酷く無責任で意志のない言葉のように感じた。
「それで? 河野さんに振られたから、俺のところに来たの?」
自分でも思いのほか落胆したような声が純平の口からこぼれ出た。期待した分、わざわざ自分に会いに来てそんなことしか言えないのか、と悲しくなる気持ちもあった。
「ち…違うよ、そんなんじゃない」
思いがけない言葉をかけられて、面食らっている英介に、純平はぴしゃりと言い放った。
「ずるいよ、英介。俺に選ばせようとしないで」
純平は、英介に選んで欲しいのだ。英介自身の言葉で、純平を欲してほしい。
「別れてから冷静になって思ったけどさ、お前河野さんと俺と二股かけるし、記憶は思い出さないふりするし、結構優柔不断だよな」
恋というバイアスを外してよくよく考えてみると、英介は常に優しかったが、優しいが故になかなか決断できない節のある男だった。何もない時はそれでよかったが、あの時はその優しさが一番ずるい形で表れてしまっていた。それが純平が英介と別れなければならないと思ったいちばんの理由だった。
「俺はさ、英介。お前が好きだよ。あの日にも伝えたけど」
純平は静かにそう言った。英介の優しさも、そこに隠れたずるさも、全部ひっくるめて好きだと思った。
英介はしばらく黙り込んでいたが、やがて小さな声でそっと純平に問いかけた。
「俺が純平を選んだら、純平は俺を選んでくれる…?」
その台詞を聞いて、純平はようやく、英介も不安だったのだということに思い至った。あの頃、英介なりに純平を選んだはずが、純平は英介の手を振り払って飛び立ってしまった。純平としてはこのままではお互い駄目になると思っての判断だったが、英介にそれは伝わっていなかった。英介にしてみれば、想いが通じ合った途端に手痛い裏切りにあった気分だったのだろう。それが、この半年以上の空白に繋がったのは想像に難くなかった。
ここでうんと言ってしまえば、またすぐに純平たちは恋人同士に戻れるだろう。だからこそ、純平は英介の問いに是とは答えなかった。
「うーん…。まずは…友達から?」
「友達?」
英介が困惑したように繰り返すのに頷いて、純平は英介に小さく笑いかけた。
「そのくらいの距離感から始めようよ。俺たち、急ぎすぎたんだよ、きっと」
お互い、言葉が足りなかったのだ。ここで英介の問いに答えて恋人になるのは簡単だが、それではまた結局前と同じことが起きるだけだろう。英介の気持ちはまだきっと純平を好きだと言い切れるほど強くはなくて、だけど確実に育っている。純平は、英介が自ら純平を好きだと言ってくれる日を待ちたいと思った。
「友達…か」
「うん、友達」
そう言いながらも、英介の手が自然と純平の手に重ねられたが、純平は何も言わず、英介の温かな手のぬくもりを感じていた。このずるい男が自らの手で純平を選ぶのはいつになるだろうか。
純平は秋晴れの空を見上げ、眩しさにぎゅっと目をすがめた。
なあ、英介。早く俺を好きになって。俺がいないと駄目だと思うくらい、俺を好きになって、お前の言葉で好きだと言って、抱きしめて。
未練が残らないように英介につながる連絡先は全て消し、思い出の品は残らず処分した。ただ一つだけ、英介に送られたリングだけはどうしても捨てることができず、押し入れの奥深くに仕舞い込んで厳重に蓋をした。
この先純平から英介に連絡を取るつもりは二度となかった。もしーーもし、英介が純平のことを少しでも好きだと思ってくれているのなら、その時は、あのまま曖昧な関係を続けるのではなく、ちゃんと言葉にしてもう一度純平を選んで欲しいと思った。
1週間が過ぎ、1ヶ月が経っても、英介から連絡が来ることはなかった。そうこうしているうちに、全国に広まった感染症が猛威をふるい始め、人と会うどころの話ではなくなった。最初は苦しかった気持ちも、日を追うごとに落ち着いていき、身を焦がすような情動は次第に薄れていった。その代わり心の奥底に熾火のように燻る気持ちがそっと息を潜めているのはずっと感じていた。
そうして、半年以上が過ぎた。
ピピピっと軽い音を立てる目覚ましで目を覚ました純平は、布団から出て床を這う冷たさにぶるりと身を震わせた。カーテンを開けると見事な秋晴れが窓の外に広がっていて、今日も頑張ろうと気合を入れる。
朝食は昨日のうちに作っていた味噌汁と炊き立てのご飯と卵焼きだ。家を出たあと、朝食にトーストを見るのでさえ辛く和食に鞍替えしたが、それが純平に合っていたらしく、今では毎朝このメニューをとっている。
「今日は…10時からの打ち合わせが一件だけか」
朝食をとりながら今日の予定を確認し、ぶつぶつとプレゼンのリハーサルをしながら弁当を作る。天気予報で暖かくなると聞いたので、帰りに公園に寄って昼食にしようと考えた。
今では初めての料理も上手に作れるようになった。ネット上で掲載されている簡単なレシピも、どれが自分の好みの味なのか見るだけでなんとなくわかるようになった。家事も並行して進められるし、滅多なことでは癇癪を起こさなくなった。あの2ヶ月は決して無駄ではなかったと、成長した自分を見て感じる。それでも、何かが足らないという気持ちはずっとなくならないのだった。
新規のプレゼンはとてもうまくいった。先方は純平のデザインを非常に気に入ってくれて、子会社の発注も同時に受けることができた。今まで受注した中で一番と言っていいほど大きな仕事だった。
「期待していますよ」
部長だと名乗った白髪の恰幅のいい男性は、透明なパーテーション越しに純平の目を見てそう笑った。純平は背筋の伸びる思いで、深々と頭を下げた。
スキップをしたくなるほど軽やかな足取りで、純平は会社の近くの公園に足を向けた。平日の昼間というだけあって、人影はあまり見えなかったが、昼休みなのだろうサラリーマン達が弁当を抱えてベンチに座っているのがあちらこちらに見えた。
この数ヶ月、純平は休む暇もないほど忙しく仕事に励んでいた。最初は仕事に打ち込むことで余計なことを考える時間をなくそうと思ってのことだったが、最近は売り込みをかければ必ずと言っていいほど新しい受注につながり、フリーのウェブデザイナーの中で、知名度もかなり上がっていた。新しい生活様式が始まって、ネットショップなどに力を入れている会社が多いのももちろんその理由の一つだろうが、一番の理由は純平自身がいろんな面で成長したためだろう。今回受けられた仕事は、その中でもかなりやりがいを感じられるものだった。
純平はベンチに腰掛け、天を仰いで充足感に浸り、ため息をついた。
なんとなく、予感はあった。朝の占いは1位だったし、いつも少し端のこげる卵焼きがこれ以上ないほどうまくいった。プレゼンは大成功だったし、この近くに英介が勤める会社の建設中の建物が見えた。それでも。
「純平!」
ザッと砂を蹴る音と共に、ずっと聞きたかった彼の声が聞こえた時、純平は思わず泣きそうになって、ぐっと唇を噛み締めた。
振り返ると、息を切らした英介が、肩で息をしながら純平の方を真っ直ぐに見据えていた。純平は涙を堪えながら、彼に笑いかけた。
「遅いよ、英介」
会いたかった、と英介はかすれた声で純平にそう言った。俺も、と純平も熱のこもった声で応えようとしたところで、ぐうと間抜けに腹が鳴った。なんとも締まらず、自分たちらしい再会だと思った。二人とも思わず吹き出し、まずは腹ごしらえと、ベンチに腰掛けて遅い昼食をとることになった。
英介の昼食は珍しくコンビニの弁当だった。見つめる純平に、英介は恥ずかしそうに純平がいなくなってから作る気がしなくてと語った。英介はさっき純平が見た建物の現場監督を任されているらしく、前に暮らしていたマンションは残したまま、この近くに小さなアパートを借りているのだと言った。つい先程純平らしい人影を見て、たまらず前に使った追跡サイトを利用して純平を追いかけたという。
弁当を食べながら話を聞いていた純平に、英介はちょっと口ごもってからその話を切り出した。
「芹とは、この前別れたんだ。上手くやっていけるかと思ったんだけど、やっぱり無理だった」
そう言ったきり、純平の隣で英介は黙り込んで俯いた。少し前までの純平なら、そんなふうに言われたら、よりを戻そうとすぐにでも英介にそう言っただろう。でも、半年以上の期間を経て、燃え上がるような苦しい思いと葛藤してきた純平は、その台詞が酷く無責任で意志のない言葉のように感じた。
「それで? 河野さんに振られたから、俺のところに来たの?」
自分でも思いのほか落胆したような声が純平の口からこぼれ出た。期待した分、わざわざ自分に会いに来てそんなことしか言えないのか、と悲しくなる気持ちもあった。
「ち…違うよ、そんなんじゃない」
思いがけない言葉をかけられて、面食らっている英介に、純平はぴしゃりと言い放った。
「ずるいよ、英介。俺に選ばせようとしないで」
純平は、英介に選んで欲しいのだ。英介自身の言葉で、純平を欲してほしい。
「別れてから冷静になって思ったけどさ、お前河野さんと俺と二股かけるし、記憶は思い出さないふりするし、結構優柔不断だよな」
恋というバイアスを外してよくよく考えてみると、英介は常に優しかったが、優しいが故になかなか決断できない節のある男だった。何もない時はそれでよかったが、あの時はその優しさが一番ずるい形で表れてしまっていた。それが純平が英介と別れなければならないと思ったいちばんの理由だった。
「俺はさ、英介。お前が好きだよ。あの日にも伝えたけど」
純平は静かにそう言った。英介の優しさも、そこに隠れたずるさも、全部ひっくるめて好きだと思った。
英介はしばらく黙り込んでいたが、やがて小さな声でそっと純平に問いかけた。
「俺が純平を選んだら、純平は俺を選んでくれる…?」
その台詞を聞いて、純平はようやく、英介も不安だったのだということに思い至った。あの頃、英介なりに純平を選んだはずが、純平は英介の手を振り払って飛び立ってしまった。純平としてはこのままではお互い駄目になると思っての判断だったが、英介にそれは伝わっていなかった。英介にしてみれば、想いが通じ合った途端に手痛い裏切りにあった気分だったのだろう。それが、この半年以上の空白に繋がったのは想像に難くなかった。
ここでうんと言ってしまえば、またすぐに純平たちは恋人同士に戻れるだろう。だからこそ、純平は英介の問いに是とは答えなかった。
「うーん…。まずは…友達から?」
「友達?」
英介が困惑したように繰り返すのに頷いて、純平は英介に小さく笑いかけた。
「そのくらいの距離感から始めようよ。俺たち、急ぎすぎたんだよ、きっと」
お互い、言葉が足りなかったのだ。ここで英介の問いに答えて恋人になるのは簡単だが、それではまた結局前と同じことが起きるだけだろう。英介の気持ちはまだきっと純平を好きだと言い切れるほど強くはなくて、だけど確実に育っている。純平は、英介が自ら純平を好きだと言ってくれる日を待ちたいと思った。
「友達…か」
「うん、友達」
そう言いながらも、英介の手が自然と純平の手に重ねられたが、純平は何も言わず、英介の温かな手のぬくもりを感じていた。このずるい男が自らの手で純平を選ぶのはいつになるだろうか。
純平は秋晴れの空を見上げ、眩しさにぎゅっと目をすがめた。
なあ、英介。早く俺を好きになって。俺がいないと駄目だと思うくらい、俺を好きになって、お前の言葉で好きだと言って、抱きしめて。
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