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千年の終わり
槐樹。
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「槐樹ーーっ!!」
思い切り叫んだ
一瞬、しーーんと静まり返る。まぁ呼んだからってスグに来るもんじゃないだろう
数分後、奏が入って来た窓から槐樹が現れた。多分あそこが門になっているんだろう
バリンっ……派手な破壊音
百九十は超えるであろう長身で派手な紅い髪と紅い瞳。ちゃんと人型をした妖だ
ただし槐樹は奏と違って丁寧に窓を開けて入って来なかった……散乱するガラスの破片に珍しくリュウロから怒りのオーラが……
……当たり前か(笑)
「呼ばれたから来たぜ?水無瀬?」
未だ食べ物をモグモグしながら槐樹を見る
「食べ終わるまで待って」
…………
「だったら食べ終わってからにすればよかったろう」
槐樹とリュウロが口を揃えて言った。二人は顔を見合わせて睨み合いになる
もしかしたらこの二人根本は似ているのかもしれない。大河のように一見穏やかに見えるリュウロと業火の如く感情の起伏が手に取るように分かる槐樹
先に言葉を返したのはやっぱり槐樹
「水無瀬、お前なんて所に呼び出すんだよ?俺ぁまだ死にたくないぜ?」
まぁ《管理者》に会ったからと言って即座に始末される訳じゃないが……
「今度の管理者も水妖なのか?相性悪ぃなぁ」
その言葉にリュウロが眉をひそめる。
「お前は何を何処まで知っている?」
怒りがこもった物言いだった。珍しく感情的?に言葉を続ける
「前の管理者を知っているのか?水無瀬とはどんな関係だ?」
そう、普通の妖のαはどんなに長命とは云っても五百年程度のはず。
「簡単な話だ。お前が選ばれた、そうして俺は選ばれなかった。それだけだ」
その言葉に水無瀬が口を挟む
「槐樹、頭悪そうだもんな」
「……」
「…………」
珍しくリュウロが笑いを堪えている。そりゃそうだ普通は思ってても口にはすまい
「お前そりゃないだろうがっ!せっかく来てやったのに」
「食べ終わったから行こ槐樹。頭悪そうだけどリュウロと同じくらい力は有ると思ってるよ」
その言葉に嬉しそうに「ん」っと返事をして水無瀬を抱える。馬鹿じゃないけど単純なんだろうな多分
「一つだけ聞かせろ」
リュウロもやっと連れて来た水無瀬をみすみす逃す訳には行かない
「水無瀬を何時から知っている?」
槐樹とリュウロが顔を見合わせる
「心配すんな、百年くらい前に妖の街で瑞稀に会った…気が合ったから一緒にいた。それだけだ」
しばらくの沈黙の後リュウロは屋敷の結界を緩めた…
「おっ、管理者サマのお許しが出たみたいだな?」
「勘違いするな、これ以上屋敷を壊されたくないだけだ。水無瀬が何か問題を起こしたらすぐさま処罰する」
その言葉に水無瀬がべ~っと舌を出しす
「恐い恐いw大丈夫だよ。俺が生きてるうちは無茶はさせねぇ」
それだけ言うと笑い声をあげて壊れた窓から去って行った
「……あの…リュウロさま、いいんですか?」
今までソファの陰に隠れていた奏が口を開いた。
「別に。水無瀬をコントロール出来るなら任せて構わない」
何か腑に落ちない言い方だ
「奏…お前も向こうに着くなら行けばいい」
奏はハッとして「大丈夫です!!僕はリュウロさまの味方ですっ!」と続ける
リュウロはうっすら微笑むと奏を置いて部屋を出て行った
思い切り叫んだ
一瞬、しーーんと静まり返る。まぁ呼んだからってスグに来るもんじゃないだろう
数分後、奏が入って来た窓から槐樹が現れた。多分あそこが門になっているんだろう
バリンっ……派手な破壊音
百九十は超えるであろう長身で派手な紅い髪と紅い瞳。ちゃんと人型をした妖だ
ただし槐樹は奏と違って丁寧に窓を開けて入って来なかった……散乱するガラスの破片に珍しくリュウロから怒りのオーラが……
……当たり前か(笑)
「呼ばれたから来たぜ?水無瀬?」
未だ食べ物をモグモグしながら槐樹を見る
「食べ終わるまで待って」
…………
「だったら食べ終わってからにすればよかったろう」
槐樹とリュウロが口を揃えて言った。二人は顔を見合わせて睨み合いになる
もしかしたらこの二人根本は似ているのかもしれない。大河のように一見穏やかに見えるリュウロと業火の如く感情の起伏が手に取るように分かる槐樹
先に言葉を返したのはやっぱり槐樹
「水無瀬、お前なんて所に呼び出すんだよ?俺ぁまだ死にたくないぜ?」
まぁ《管理者》に会ったからと言って即座に始末される訳じゃないが……
「今度の管理者も水妖なのか?相性悪ぃなぁ」
その言葉にリュウロが眉をひそめる。
「お前は何を何処まで知っている?」
怒りがこもった物言いだった。珍しく感情的?に言葉を続ける
「前の管理者を知っているのか?水無瀬とはどんな関係だ?」
そう、普通の妖のαはどんなに長命とは云っても五百年程度のはず。
「簡単な話だ。お前が選ばれた、そうして俺は選ばれなかった。それだけだ」
その言葉に水無瀬が口を挟む
「槐樹、頭悪そうだもんな」
「……」
「…………」
珍しくリュウロが笑いを堪えている。そりゃそうだ普通は思ってても口にはすまい
「お前そりゃないだろうがっ!せっかく来てやったのに」
「食べ終わったから行こ槐樹。頭悪そうだけどリュウロと同じくらい力は有ると思ってるよ」
その言葉に嬉しそうに「ん」っと返事をして水無瀬を抱える。馬鹿じゃないけど単純なんだろうな多分
「一つだけ聞かせろ」
リュウロもやっと連れて来た水無瀬をみすみす逃す訳には行かない
「水無瀬を何時から知っている?」
槐樹とリュウロが顔を見合わせる
「心配すんな、百年くらい前に妖の街で瑞稀に会った…気が合ったから一緒にいた。それだけだ」
しばらくの沈黙の後リュウロは屋敷の結界を緩めた…
「おっ、管理者サマのお許しが出たみたいだな?」
「勘違いするな、これ以上屋敷を壊されたくないだけだ。水無瀬が何か問題を起こしたらすぐさま処罰する」
その言葉に水無瀬がべ~っと舌を出しす
「恐い恐いw大丈夫だよ。俺が生きてるうちは無茶はさせねぇ」
それだけ言うと笑い声をあげて壊れた窓から去って行った
「……あの…リュウロさま、いいんですか?」
今までソファの陰に隠れていた奏が口を開いた。
「別に。水無瀬をコントロール出来るなら任せて構わない」
何か腑に落ちない言い方だ
「奏…お前も向こうに着くなら行けばいい」
奏はハッとして「大丈夫です!!僕はリュウロさまの味方ですっ!」と続ける
リュウロはうっすら微笑むと奏を置いて部屋を出て行った
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