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第3章
第115話
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まだまだスタンピードは続く……。
その筈なのだが先ほどの爬虫類系モンスターの大群を排除してから、およそ10分強……新手のモンスターがダンジョンから吐き出されてくる気配が無かった。
正体不明の飢餓感が満たされないまま、じっとダンジョンの出入口を見張り続けていたが、それも敵が現れないことにはどうにもならない。
ジャイアントタートルが先ほどの群れに含まれて居なかったことから、恐らくは移動速度の問題で、このような空白の時間が出来ているのでは無いだろうかと推測している。
そう言えばゼラチナス・キューブなどは全く見ていない。
記憶が朧気なところは有っても、全く覚えていないわけでは無いのだ。
ここまで来る途中のどこかで、詰まったりしているのだろうか?
もし進軍するモンスター達がゼラチナス・キューブに引っ掛かって、麻痺させられていたりするなら、それこそ御の字なのだが……。
もちろん油断はしていないつもりだが、このままボケっと待っていても仕方ないので、そこら中に散らばっているドロップアイテムを手当たり次第に回収していく。
中には掘り出し物も多かった。
スキルブックや魔法の発動体になる杖や指輪などはその最たるもので、例えば……【弓術】や【弩弓術】などのスキルは、この防衛戦に必ず役立つものだし『紅玉の魔杖』や、『ヒートペツォッタイトの指輪』は火属性の魔法を撃ち出すことが、誰でも出来るようになる。
……ペツォッタイトって何だろう?
風のツァボライトと同じように、一般にはマイナーな宝石なのだろうけど、見た目は赤と言うよりピンク系統で、とても可愛らしい石が嵌まった指輪だった。
デスサイズが落とした宝箱に入っていたということで、倒したオレにくれるらしいから、後で妻にあげたいところだ。
もちろん、今は戦い抜くためにフル活用するべきだが……。
その他にも、ドーピング剤やスクロール(魔)などがかなり落ちていたので、今のうちに全体的な底上げを行う。
警官隊のうち、射撃の巧みな人達は後回し。
武器戦闘を担う人々を優先する。
昼食を摂ってからさほど間が無いが、デザート代わりのお菓子系成長促進アイテムも、なるべく詰め込んで貰うことにした。
右京君が目を白黒させながらモリモリ食べているのが、その整った容姿と相まって非常に面白い光景に見える。
沙奈良ちゃんが上品に、しかし凄いスピードで平らげているのとは対照的だ。
オレは先ほどから恐ろしいほどの力の充溢を感じているので、この大食いチャレンジは免除して貰うことにした。
ただ見ていても暇だったのだが、そう言えば……と、思い出した【解析者】の派生スキル【啓蒙促成】の副次能力である【スキル熟練度解析】をその場に居た全員に試したところ、警察官の全員が【刀術】をスキル化出来ることが判明したので、こっそり実行に移す。
たまたま剣道の有段者揃いなのかもしれないし、ダンジョン発生以降に義務化されたらしい『対モンスター制圧訓練』とやらの賜物なのかもしれないが、今の状況下でこれは好都合だった。
他にも妻の【敏捷強化】だったり、沙奈良ちゃんの【槍術】や、意外なところで森脇さんの【弓術】をスキル化出来たので、これは本人達にも伝えておく。
森脇さんは盛大に驚いていたが、高校時代に弓道部でインターハイに出場し国体選手にまで選ばれた過去が有るらしいから、それならある意味では順当と言える。
何で先ほどまでボウガンを使っていたのか尋ねたら、威力を少しでも出したかったからだと言うのだが、モンスターに与え得るダメージはスキルの有無でだいぶ変わるので、今後は弓矢で参戦して貰うことにした。
森脇さん以外にも、上田さんがスキルブックで【弩弓術】を、右京君が同じく【弓術】を取得したので、警官達の持つ拳銃の弾薬の不足はある程度までは補えると思う。
紅玉の魔杖は、しばらくオレが使うことにした。
あわよくば【火魔法】をスキルとして覚えたいし、現状では翠玉の魔杖や魔法の指輪を使い回すだけでも、保有魔力の少ない人達には精一杯だろうからだ。
先ほどまでの人数が居たら、また別の展開も有ったのだろうけど……。
およそ15分ほどの沈黙を破って、再びダンジョンからモンスターが現れ始める。
大方の予想を裏切ってこの時、最初に現れたのは何と普段なら第4層の階層ボスを務める石距だった。
やはり亀の歩みは、どこまでも遅いということなのか……。
石距の厄介な点は何と言っても、大蛇の口から放たれる腐食の瘴気だ。
駄目になる武器や防具を出さないためにも、接近戦はしてやらない。
時間を掛けると本性を現すのは初遭遇の時に体験済みなので、ここは遠距離からの魔法攻撃一択だ。
普段、上田さんと一緒にダンジョンに潜るようになった佐藤さんから、一時的に翠玉の魔杖を返して貰う。
次々にダンジョンから這い出てくる石距の巨体……。
そこを狙い澄ましたウインドライトエッジが急襲する。
いつの間にかオレの魔法の威力が石距の巨大な頭部すら一撃で両断するほどになっていたのには驚いたが、魔力を温存しなければならない今の状況ではむしろ有難い誤算とも言えるだろう。
ダンジョンから出てくるや否や、石距を襲う翠緑の光輪。
たちまち白い光に包まれて消えていく大蛸。
これが都合、9回も続いた。
……いや、さすがに多すぎないか?
しばし待ってみたが後続が現れないので、石距が落とした宝箱を回収しに行く。
全て回収し終えたタイミングで、ようやくジャイアントタートル達が向かって来るのが見えた。
いや……亀さん達、のんびりし過ぎだろう。
……しかし、そんな弛緩したような空気を打ち破ったのは、またも後方で起きた変事だった。
先ほどまで防衛戦にも参加してくれていた、床屋の星野さんの自宅兼店舗が燃えている。
ここからさほど離れていない。
今の今まで【危機察知】には、何の反応も無かった。
それなのに今はオーガ以上の強い反応を訴えている。
……この防衛戦、とことん一筋縄ではいかないな。
亀を放置して、いったん様子を見に行くべきか?
それとも……
その筈なのだが先ほどの爬虫類系モンスターの大群を排除してから、およそ10分強……新手のモンスターがダンジョンから吐き出されてくる気配が無かった。
正体不明の飢餓感が満たされないまま、じっとダンジョンの出入口を見張り続けていたが、それも敵が現れないことにはどうにもならない。
ジャイアントタートルが先ほどの群れに含まれて居なかったことから、恐らくは移動速度の問題で、このような空白の時間が出来ているのでは無いだろうかと推測している。
そう言えばゼラチナス・キューブなどは全く見ていない。
記憶が朧気なところは有っても、全く覚えていないわけでは無いのだ。
ここまで来る途中のどこかで、詰まったりしているのだろうか?
もし進軍するモンスター達がゼラチナス・キューブに引っ掛かって、麻痺させられていたりするなら、それこそ御の字なのだが……。
もちろん油断はしていないつもりだが、このままボケっと待っていても仕方ないので、そこら中に散らばっているドロップアイテムを手当たり次第に回収していく。
中には掘り出し物も多かった。
スキルブックや魔法の発動体になる杖や指輪などはその最たるもので、例えば……【弓術】や【弩弓術】などのスキルは、この防衛戦に必ず役立つものだし『紅玉の魔杖』や、『ヒートペツォッタイトの指輪』は火属性の魔法を撃ち出すことが、誰でも出来るようになる。
……ペツォッタイトって何だろう?
風のツァボライトと同じように、一般にはマイナーな宝石なのだろうけど、見た目は赤と言うよりピンク系統で、とても可愛らしい石が嵌まった指輪だった。
デスサイズが落とした宝箱に入っていたということで、倒したオレにくれるらしいから、後で妻にあげたいところだ。
もちろん、今は戦い抜くためにフル活用するべきだが……。
その他にも、ドーピング剤やスクロール(魔)などがかなり落ちていたので、今のうちに全体的な底上げを行う。
警官隊のうち、射撃の巧みな人達は後回し。
武器戦闘を担う人々を優先する。
昼食を摂ってからさほど間が無いが、デザート代わりのお菓子系成長促進アイテムも、なるべく詰め込んで貰うことにした。
右京君が目を白黒させながらモリモリ食べているのが、その整った容姿と相まって非常に面白い光景に見える。
沙奈良ちゃんが上品に、しかし凄いスピードで平らげているのとは対照的だ。
オレは先ほどから恐ろしいほどの力の充溢を感じているので、この大食いチャレンジは免除して貰うことにした。
ただ見ていても暇だったのだが、そう言えば……と、思い出した【解析者】の派生スキル【啓蒙促成】の副次能力である【スキル熟練度解析】をその場に居た全員に試したところ、警察官の全員が【刀術】をスキル化出来ることが判明したので、こっそり実行に移す。
たまたま剣道の有段者揃いなのかもしれないし、ダンジョン発生以降に義務化されたらしい『対モンスター制圧訓練』とやらの賜物なのかもしれないが、今の状況下でこれは好都合だった。
他にも妻の【敏捷強化】だったり、沙奈良ちゃんの【槍術】や、意外なところで森脇さんの【弓術】をスキル化出来たので、これは本人達にも伝えておく。
森脇さんは盛大に驚いていたが、高校時代に弓道部でインターハイに出場し国体選手にまで選ばれた過去が有るらしいから、それならある意味では順当と言える。
何で先ほどまでボウガンを使っていたのか尋ねたら、威力を少しでも出したかったからだと言うのだが、モンスターに与え得るダメージはスキルの有無でだいぶ変わるので、今後は弓矢で参戦して貰うことにした。
森脇さん以外にも、上田さんがスキルブックで【弩弓術】を、右京君が同じく【弓術】を取得したので、警官達の持つ拳銃の弾薬の不足はある程度までは補えると思う。
紅玉の魔杖は、しばらくオレが使うことにした。
あわよくば【火魔法】をスキルとして覚えたいし、現状では翠玉の魔杖や魔法の指輪を使い回すだけでも、保有魔力の少ない人達には精一杯だろうからだ。
先ほどまでの人数が居たら、また別の展開も有ったのだろうけど……。
およそ15分ほどの沈黙を破って、再びダンジョンからモンスターが現れ始める。
大方の予想を裏切ってこの時、最初に現れたのは何と普段なら第4層の階層ボスを務める石距だった。
やはり亀の歩みは、どこまでも遅いということなのか……。
石距の厄介な点は何と言っても、大蛇の口から放たれる腐食の瘴気だ。
駄目になる武器や防具を出さないためにも、接近戦はしてやらない。
時間を掛けると本性を現すのは初遭遇の時に体験済みなので、ここは遠距離からの魔法攻撃一択だ。
普段、上田さんと一緒にダンジョンに潜るようになった佐藤さんから、一時的に翠玉の魔杖を返して貰う。
次々にダンジョンから這い出てくる石距の巨体……。
そこを狙い澄ましたウインドライトエッジが急襲する。
いつの間にかオレの魔法の威力が石距の巨大な頭部すら一撃で両断するほどになっていたのには驚いたが、魔力を温存しなければならない今の状況ではむしろ有難い誤算とも言えるだろう。
ダンジョンから出てくるや否や、石距を襲う翠緑の光輪。
たちまち白い光に包まれて消えていく大蛸。
これが都合、9回も続いた。
……いや、さすがに多すぎないか?
しばし待ってみたが後続が現れないので、石距が落とした宝箱を回収しに行く。
全て回収し終えたタイミングで、ようやくジャイアントタートル達が向かって来るのが見えた。
いや……亀さん達、のんびりし過ぎだろう。
……しかし、そんな弛緩したような空気を打ち破ったのは、またも後方で起きた変事だった。
先ほどまで防衛戦にも参加してくれていた、床屋の星野さんの自宅兼店舗が燃えている。
ここからさほど離れていない。
今の今まで【危機察知】には、何の反応も無かった。
それなのに今はオーガ以上の強い反応を訴えている。
……この防衛戦、とことん一筋縄ではいかないな。
亀を放置して、いったん様子を見に行くべきか?
それとも……
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