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第2章
第73話
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ダンジョンを出た後、いつものように立ち寄ったダン協支部。
普段なら魔石やポーションの買い取りをして貰うため真っすぐ受付に向かうところだが、今日は新しい短鎗(オプション多め)の使用感を報告するため、柏木氏のもとへ向かうことにする。
さすがに既に右京君の姿は無かった。
「探索お疲れ様。新しい武器や調整した装備は、実際に使ってみてどうだったかな?」
「どちらも、とても素晴らしかったですよ。まぁ鎗の方は、まだ少しだけ重さに振り回されている感じもしますが……」
「あぁ、それはそうだろうね。実際、普通の人なら両手で持ち上げるだけでも大変な代物しろものだ。月牙や槌頭の調子は、どうだい?」
「戦い方の幅が、明確に拡がりました。どちらも、まだ使いこなせているとまでは言えませんけどね」
「ゆっくり慣れていけば良いと思うよ。無理に使うことに拘わると、今まで培ってきた戦い方に、悪い影響が出かねない。そのうち自然に扱えるようになるさ」
「そうですね。じっくりと使い込んでいきたいと思います」
「うん、それが良いよ。じゃあ、もちろん今日だけでどうこうということはないと思うが、一応それを見せてくれるかい?」
それ……つまりは鎗のことだろう。
オレは言われるまま素直に得物をインベントリーから取り出し、柏木氏の前に差し出した。
我ながら、既に手に馴染み始めるぐらいには、酷使した自覚もある。
怒られはしないだろうが、念のため製作者に状態を見て欲しい気持ちもある。
「これは……ほんの短時間でかなり使い込んだようだね。本来、まだメンテナンスするほどでも無いが、今日はサービスするとしよう」
柏木氏は、そう言って苦笑すると鎗を持って奥に行ってしまった。
……と、すぐに戻って来てオレに鎗を返してくれたのだが、明らかに見た目が新品同様に戻っている。
「これは……凄いですね。これももしや【鍛冶】スキルで?」
「まぁ、そういうことだね。これほど短時間でメンテナンスが終わるようになったのは、宗像君がスキルのレベルを上げてくれたからなのだが……」
その後も、しばし談笑したが残念ながら時間にそれほど余裕が無い。
帰り際に代金を尋ねたが、今回は言葉通りサービスしてくれるという。
しかし、正規の価格でも、さほど大きな負担にはならない。
現在進行形で現金の価値が疑わしくなっている状況下では尚更だ。
数日に一度、メンテナンスを依頼することを心に決めた。
あぁ、そうそう。
柏木氏の奥さんも、ここのダン協に勤めることになったらしい。
確かに柏木氏が仕事復帰し、右京君と沙奈良ちゃんがダンジョン探索に出るとなれば、奥さんだけ自宅に1人にしてはおけないだろう。
そのまま買い取り窓口に向かい、持ち帰らない分の魔石やポーションを倉木さん(いつものお姉さん)に渡す。
また買い取り相場が一段と上がったのは、やはりアンデッドの発生が影響しているらしい。
ますますダンジョンに潜る探索者の数が減ったのだという。
正直、今の相場が続くなら、1日中ガッツリとダンジョン探索に精を出せば、以前の月給ぐらいは易々と稼げてしまうほどだ。
ちなみに『ホッパーシーアーチンの肉』は、売らない。
買い取り相場を知りたくはあったが、それはまたの機会にしよう。
3つしかドロップしなかったので、まだ数が足りない。
さて……後は帰るだけだ。
ダン協を出た後は真っすぐに帰路についたのだが、今日は特にモンスターに遭遇することも無かった。
しかし、昼食を挟んで行われた報告会で、意外な話を耳にする。
幸い兄が対処したので、無事に済んだらしいのだが、お向かいの二階堂さんがゴブリンと戦っている背後にオークが出現し、危うく大怪我をするところだったらしい。
オレが出掛けて、すぐのことだ。
ダンジョン外にモンスターが現れるようになってから、今まで同じ場所や近しい場所に、同時にモンスターが出現したという話は聞かなかった。
つまり二階堂家の敷地内だけで、モンスターが2匹出現したということは、それだけでも大事件なのだ。
もちろん、この辺りだけでそのような事態が起きたわけではないらしい。
今日の午前中は、そういったニュースが相次いだという。
中には3体同時に出現した例も有り、そういった複数体モンスターの出現例は、今のところ都市部に集中しているようだ。
まぁ……それは、今までのモンスター発生の傾向を見ていたらそうなるだろう。
最大の悪夢は、池袋のワイバーンとサイクロプス同時出現だろうか。
これは報告会の最中に報じられたニュースだ。
しかし、現場は既に閑散としていて、以前の都市部の過疎化が深刻化しているということを強く感じると同時に、犠牲者の数がそれで抑えられたのだという続報には素直に胸を撫で下ろす。
池袋には学生時代よく足を運んだのだが、映像に見た池袋駅前は、今は見る影もなく荒れ果てていた。
何とも複雑な気分だ。
ワイバーンもサイクロプスも、いくらか暴れた後に最寄りのダンジョンに消えたらしい。
目撃者も犠牲者も、警察や自衛隊所属の探索者で有り、民間人の犠牲者は無かった。
そして、オレも体験したダンジョン内でのアンデッドモンスターの出現についても、小さく報じられていたという。
こちらは、やはり不自然な姿のゾンビやスケルトンの出現が話題だったようだ。
実際にダンジョン内でアンデッドに遭遇した探索者のインタビュー映像も流れたようだが、オレが感じたのと同じように、探索者の死体がアンデッドに変じたのではなく、ダンジョンが無から産み出したモンスターなのでは無いかという意見だったらしい。
こうも日本人的特徴が皆無なアンデッドばかりが出現する理由は、他に考えにくい。
あるいは『あちら』の世界の住人の成れの果てという可能性も考えられるが、それはさすがに飛躍し過ぎだろうか。
徐々に何者かに変えられ続けている『ルール』に、オレ達のみならず世界中が翻弄され続けている。
そして……オレが何となく報告しそびれている間に『魔法』についても、テレビで先に大々的に報じられてしまい、思いっきり嫌な汗をかくことになってしまった。
普段なら魔石やポーションの買い取りをして貰うため真っすぐ受付に向かうところだが、今日は新しい短鎗(オプション多め)の使用感を報告するため、柏木氏のもとへ向かうことにする。
さすがに既に右京君の姿は無かった。
「探索お疲れ様。新しい武器や調整した装備は、実際に使ってみてどうだったかな?」
「どちらも、とても素晴らしかったですよ。まぁ鎗の方は、まだ少しだけ重さに振り回されている感じもしますが……」
「あぁ、それはそうだろうね。実際、普通の人なら両手で持ち上げるだけでも大変な代物しろものだ。月牙や槌頭の調子は、どうだい?」
「戦い方の幅が、明確に拡がりました。どちらも、まだ使いこなせているとまでは言えませんけどね」
「ゆっくり慣れていけば良いと思うよ。無理に使うことに拘わると、今まで培ってきた戦い方に、悪い影響が出かねない。そのうち自然に扱えるようになるさ」
「そうですね。じっくりと使い込んでいきたいと思います」
「うん、それが良いよ。じゃあ、もちろん今日だけでどうこうということはないと思うが、一応それを見せてくれるかい?」
それ……つまりは鎗のことだろう。
オレは言われるまま素直に得物をインベントリーから取り出し、柏木氏の前に差し出した。
我ながら、既に手に馴染み始めるぐらいには、酷使した自覚もある。
怒られはしないだろうが、念のため製作者に状態を見て欲しい気持ちもある。
「これは……ほんの短時間でかなり使い込んだようだね。本来、まだメンテナンスするほどでも無いが、今日はサービスするとしよう」
柏木氏は、そう言って苦笑すると鎗を持って奥に行ってしまった。
……と、すぐに戻って来てオレに鎗を返してくれたのだが、明らかに見た目が新品同様に戻っている。
「これは……凄いですね。これももしや【鍛冶】スキルで?」
「まぁ、そういうことだね。これほど短時間でメンテナンスが終わるようになったのは、宗像君がスキルのレベルを上げてくれたからなのだが……」
その後も、しばし談笑したが残念ながら時間にそれほど余裕が無い。
帰り際に代金を尋ねたが、今回は言葉通りサービスしてくれるという。
しかし、正規の価格でも、さほど大きな負担にはならない。
現在進行形で現金の価値が疑わしくなっている状況下では尚更だ。
数日に一度、メンテナンスを依頼することを心に決めた。
あぁ、そうそう。
柏木氏の奥さんも、ここのダン協に勤めることになったらしい。
確かに柏木氏が仕事復帰し、右京君と沙奈良ちゃんがダンジョン探索に出るとなれば、奥さんだけ自宅に1人にしてはおけないだろう。
そのまま買い取り窓口に向かい、持ち帰らない分の魔石やポーションを倉木さん(いつものお姉さん)に渡す。
また買い取り相場が一段と上がったのは、やはりアンデッドの発生が影響しているらしい。
ますますダンジョンに潜る探索者の数が減ったのだという。
正直、今の相場が続くなら、1日中ガッツリとダンジョン探索に精を出せば、以前の月給ぐらいは易々と稼げてしまうほどだ。
ちなみに『ホッパーシーアーチンの肉』は、売らない。
買い取り相場を知りたくはあったが、それはまたの機会にしよう。
3つしかドロップしなかったので、まだ数が足りない。
さて……後は帰るだけだ。
ダン協を出た後は真っすぐに帰路についたのだが、今日は特にモンスターに遭遇することも無かった。
しかし、昼食を挟んで行われた報告会で、意外な話を耳にする。
幸い兄が対処したので、無事に済んだらしいのだが、お向かいの二階堂さんがゴブリンと戦っている背後にオークが出現し、危うく大怪我をするところだったらしい。
オレが出掛けて、すぐのことだ。
ダンジョン外にモンスターが現れるようになってから、今まで同じ場所や近しい場所に、同時にモンスターが出現したという話は聞かなかった。
つまり二階堂家の敷地内だけで、モンスターが2匹出現したということは、それだけでも大事件なのだ。
もちろん、この辺りだけでそのような事態が起きたわけではないらしい。
今日の午前中は、そういったニュースが相次いだという。
中には3体同時に出現した例も有り、そういった複数体モンスターの出現例は、今のところ都市部に集中しているようだ。
まぁ……それは、今までのモンスター発生の傾向を見ていたらそうなるだろう。
最大の悪夢は、池袋のワイバーンとサイクロプス同時出現だろうか。
これは報告会の最中に報じられたニュースだ。
しかし、現場は既に閑散としていて、以前の都市部の過疎化が深刻化しているということを強く感じると同時に、犠牲者の数がそれで抑えられたのだという続報には素直に胸を撫で下ろす。
池袋には学生時代よく足を運んだのだが、映像に見た池袋駅前は、今は見る影もなく荒れ果てていた。
何とも複雑な気分だ。
ワイバーンもサイクロプスも、いくらか暴れた後に最寄りのダンジョンに消えたらしい。
目撃者も犠牲者も、警察や自衛隊所属の探索者で有り、民間人の犠牲者は無かった。
そして、オレも体験したダンジョン内でのアンデッドモンスターの出現についても、小さく報じられていたという。
こちらは、やはり不自然な姿のゾンビやスケルトンの出現が話題だったようだ。
実際にダンジョン内でアンデッドに遭遇した探索者のインタビュー映像も流れたようだが、オレが感じたのと同じように、探索者の死体がアンデッドに変じたのではなく、ダンジョンが無から産み出したモンスターなのでは無いかという意見だったらしい。
こうも日本人的特徴が皆無なアンデッドばかりが出現する理由は、他に考えにくい。
あるいは『あちら』の世界の住人の成れの果てという可能性も考えられるが、それはさすがに飛躍し過ぎだろうか。
徐々に何者かに変えられ続けている『ルール』に、オレ達のみならず世界中が翻弄され続けている。
そして……オレが何となく報告しそびれている間に『魔法』についても、テレビで先に大々的に報じられてしまい、思いっきり嫌な汗をかくことになってしまった。
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