上 下
7 / 15
地獄からの脱出

7日目? あなたは?

しおりを挟む
 「おはよう、ダンジョン」

 『おはようございます、ごしゅじんさま!』


 ・・・「えっっっ」

 見上げれば、私の腹にまたがる白髪ケモ耳の少女。 
 今の状態を見られたら完璧にヤバいことをしていると思われる。

 完璧に思考が停止している私にケモ耳少女が話しかける。

 『ごしゅじんさまー、どうしたのー』

 口調が幼い、それに身長が私と同じぐらいの少女に喋りかけられて私は、、、
 泣いた

 「うぇ、すん、すん」

 『えっ ごしゅじんさまっ!』

 久しく忘れていた、人の声、人のいる感覚、私からすれば感動するほどの事だった。

 幻覚で到底ないほどの感覚に思考が止まった後、感情がぐちゃぐちゃになり、永遠と涙が溢れてくるのだった。

 ・・・「で、あなたは誰なの」

 涙を流しきり、目が腫れた私は少女に話しかける。

 『わたしは、ごしゅじんさまのけんぞくだよ!』

 うん、ヤバいこと言ってるねこの少女、それは私が君に何かを命令してもいいってことかなぁ?

 「なっ名前は?」

 『アステラレルダだよ!』

 「なっ、長い名前だね、、、」

 ・・・どうしよう、会話が続かない、そもそもこの子がどこから来たのかもわからないのに。

 私は、情報を求めてアステラレルダのステータスを見た。

 ステータス
 名前 [アステラレルダ]
 種族 [吸血獣(眷属)]
 レベル 903
 スキル
 【猛暑耐性Lv5】 【自動再生Lv MAX】 
 【魔眼】 【吸血】 【隠蔽】 【獣化じゅうか】 
 【幻惑げんわく】 【鉤爪かぎづめ
 称号
 〔ネームドモンスター〕

 なるほど、わかったぞ、この子は、、、
 私は確認のために質問する。
 「あなたは、どうやって私と会ったの?」

 『なにいってるの、ごしゅじんさまがわたしをたすけてくれたんだよ!』

 って、顔をぷんぷんさせながら言っている
 うーん、可愛い

 そしてわかったぞ、この子はあの狐だ、私に助けられたことと、私の血を舐めたことで、【眷属化】が発動して眷属になったんだ。

 ていうか、モンスターでも眷属になれるのか!?
 つまりこの子は本当に私の眷属、私よりレベルが高いのは置いといて。

 「えーと、つまり、あなたは私とこれから一緒にいるってこと?」

 『そうゆうことです!』

 元気な子だ、それなら

 「じゃあ、あなたはこれからテラちゃんね!」

 「私のことは、すずちゃんって呼んで」

 『わかりましたっ!』

 よっしゃ、まずは仲良くなろう大作戦第一関門突破だっ

 それより、目のやり場に困る、、、

 彼女は何も服を羽織っていない。
 どう考えても、話しづらくしている要因第一位はこれだ。
 服を探さないとだな、、、
 そのためには、宝箱を探さないと、、、
 
 『すずちゃーん!』

 「はっ、ひぁい!」

 彼女は、ペットのように容赦なく、くっついてくる。

 触れる肌が暖かい、なんか変な気を起こしちゃいそうだからやめてほしい。

 『いっしょにあるきましょうよー』

 彼女は、私の右腕を奪い両腕で離さないようにしてくる。
 完全にカップルの歩き方、、、

 私はなるべく彼女の裸を見ないように、一緒に上階へ進む。


 ・・・地下94階層に来た私は、今、とんでもない光景を見ている、何せテラちゃんがリッチをボコボコにしていたから。

 ステータス
 名前 [なし]
 種族 [アンデット(リッチ)]
 レベル 800
 スキル
 【骸骨生成】

 テラちゃんは、【獣化】で巨大な狐に変身し、大量のスケルトンを蹴散らしながら【鉤爪】で体をバラバラにしていった。

 「わぁー、敵じゃなくて良かったー」

 気がつけば、リッチ達は一人残らず殲滅され、砕かれた骨と宝箱だけが残っていた。

 『すずちゃん、どうだった!』
 
 「めちゃくちゃ凄かったよー」
 
 私は、テラちゃんが敵に回った時のことを考え、若干じゃっかんの震え声で言った。

 さて、そろそろ服が出てきてもいいんじゃないかと考えながら私は2つの宝箱を開けた。

 [ソルの衣服]
 品質 夢見級
 破れても再生し壊れることがない、使用しない際は指輪となり、使用者が渡すか死亡しない限り、他者は触れることができない。[ルナの衣服]を装備している者がどこにいるのかがわかる。

 [ルナの衣服]
 品質 夢見級
 破れても再生し壊れることがない、使用しない際は指輪となり、使用者が渡すか死亡しない限り、他者は触れることができない。[ソルの衣服]を装備している者がどこにいるのかがわかる。

 今の現状にぴったりな装備が出たんだが、どうしたんだ宝箱さん、機嫌でもいいんですか?

 私は、服の着方がわからないテラちゃんに[ソルの衣服]を着せ、私は[ルナの衣服]を着た。

 私が、テラちゃんに
 「今日はここで寝よう」
 って、言ったら

 『すずちゃん、いっしょにねよ!』
 って、言ってきたもんだから、今は隣でスヤスヤ寝てるけど、私は一緒に寝るなんて経験がなくて胸がドキドキと鳴っている。

 「今日は、いい一日だったなー」
 私は、ダンジョンの天井を見ながら目をつぶった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?

ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。 それは——男子は女子より立場が弱い 学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。 拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。 「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」 協力者の鹿波だけは知っている。 大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。 勝利200%ラブコメ!? 既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?

男女比崩壊世界で逆ハーレムを

クロウ
ファンタジー
いつからか女性が中々生まれなくなり、人口は徐々に減少する。 国は女児が生まれたら報告するようにと各地に知らせを出しているが、自身の配偶者にするためにと出生を報告しない事例も少なくない。 女性の誘拐、売買、監禁は厳しく取り締まられている。 地下に監禁されていた主人公を救ったのはフロムナード王国の最精鋭部隊と呼ばれる黒龍騎士団。 線の細い男、つまり細マッチョが好まれる世界で彼らのような日々身体を鍛えてムキムキな人はモテない。 しかし転生者たる主人公にはその好みには当てはまらないようで・・・・ 更新再開。頑張って更新します。

排泄時に幼児退行しちゃう系便秘彼氏

mm
ファンタジー
便秘の彼氏(瞬)をもつ私(紗歩)が彼氏の排泄を手伝う話。 排泄表現多数あり R15

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

処理中です...