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第1章 深淵に答えよ
第15話 世界の近況
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脱力感がひどく、いつもなら歩いて帰る距離だが、俺はタクシーを使って帰った。
「ただいま」
何とか声を出してただいまを言う。いってきますとただいまは誰も聞いていなくても言う。これがうちのルールだ。
「お帰りお兄ちゃん。ご飯できて……どうしたの!?」
きららが俺の顔を見るなり驚いたようにいう。なんかついてるか?
「どうしたきらら。そんな驚いて」
「どうしたってお兄ちゃん、顔色悪すぎるよ!? とりあえず肩貸すね?」
きららが肩をかしてくれて何とか寝室にたどりついた。体に力が入らない。あの魔法は一気に魔力を消費しすぎて生命力に影響がでたりするとか、そういった感じなんじゃないだろうか。
「お兄ちゃんほんと、大丈夫?」
きららが見なくてもわかるほどに心配してくれている。ありがたいことだが、割と自分のせいだからな……。
「大丈夫、ちょっと魔法を使いすぎただけだ」
まぁあの魔法はちょっとどころじゃないぐらい魔力を持って行ったけどな。
「そ、そう? とりあえずおかゆとか作ってくるからまってて!」
最近きららには迷惑をかけてばかりな気がするな。回復したら何か希望がないか聞いてみよう。最近臨時収入も入ったわけだし、きっと願いをかなえられる。
しかし、今後この魔法をマスターすることができればこの深淵魔法の真髄に近付けるような気がしてならない。いや、もうすでにこれをマスターすることが俺の最後の目標なんだと確信している。根拠はないがきっとそうだろう。
レベル10になった時に手に入れた深淵魔法。こいつが一体何なのか深く考えたことはなかったが、一度深く考えてみるべきかもしれないな。
その後、体の無気力さに負けて呆けていると、きららがおかゆをもってきてくれた。
「お兄ちゃん、私が食べさせてあげるからそこに座っててね」
立ち上がっておかゆを取りに行こうとしたらきららにベットの上に座らされた。
「はいお兄ちゃん、あーん」
言われるままに口を開けておかゆをいただく。うまい。そういえば今日作っていたはずの料理はなんだったんだろう。どうでもいいが少し気になった。
「ごめんなきらら。ほんとありがとう」
今の俺はお礼を言うことぐらいしかできない。今後はこうならないようにしないとな……。
「いいんだよ、お兄ちゃん。家族なんだから、こういうときはもっと頼ってね?」
うちの妹が天使すぎる……。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
昨日はおかゆを食べきったあとすぐに寝てしまった。起きたときには寝間着だったので、きららが着替えさせてくれていたらしい。ほんと、何からなにまで申し訳ない。
そして俺は今日学校を休むことにした。本当は行くつもりだったんだが、どうやらきららによるとまだ顔色がよくないらしく、今日は一日家で安静にしておいてほしいといわれた。
そういうことで俺は今日することがないので最近みることができていなかったニュースを見ることにする。
ちなみに今の俺は2度寝明けで朝の俺と比べると比較的元気だ。そして現在時刻は10時半。スマホを見ると、相棒から連絡が入っていた。
『今日は学校に来てないようだけど、どうかしたのかい?』
と。それに俺は、『軽い体調不良でね。明日は登校するさ』と返信しておく。
じゃあスマホを使ってニュースでもあさるか。もちろん探索者、ダンジョン関連のものをな。
どうでもいいニュースをスクロールしていくと、興味深いニュースを発見した。アイスランドに新たなドラゴンダンジョン発見とのこと。結構な大ニュースだな。
今までドラゴンが発見されているダンジョンは世界で、日本の阿蘇ダンジョン、アメリカのデトロイトダンジョン、エジプトのカイロ空中ダンジョンの3つだけだったからな。
ちなみに阿蘇ダンジョンだけ風竜と雷竜の2種類が確認されている。ちなみにデトロイトは水竜、カイロ空中は光竜だ。今回アイスランドで見つかったドラゴンは氷竜らしい。
以前中国で討伐された水竜はどこから現れたのかまったく見当のついていない神狼と同じようなダンジョンを抜けだした魔物だ。一説にはデトロイトのダンジョンでスタンピードがおき、海を渡って中国にたどり着いたというものがあるが...。俺は他のダンジョンから出てきた可能性が高いように思う。
討伐されたと記録に残る竜はいまだ紅さんが倒した水竜のみ。誰もまだ竜には勝てないのだ。
世界の探索者でもっとも強い三人を上げるとすると、<暗黒騎士>紅 司、<剣聖>ソフィア・ベーカー、<魔王>エリアス・シュナイダーの三人が上がる。所属は日本、アメリカ、ドイツの順になる。この3人は別格の強さをもっていて、Sクラスの魔物だったとしても単独で討伐可能だといわれている。
ちなみにエリアス・シュナイダーは本人よりも、召喚獣として使役している魔物の方が強いらしい。あくまで彼自身の言葉に嘘がなければだが。
Sクラスの魔物は余裕で一国を亡ぼせる力を持っているから彼らはそれ以上の力をもっているといっていい。とんでもない人たちだろう?
スクロールしていると彼らに関するニュースを見つけた。
『ソフィア・ベーカー、Sクラスのプラズマ・オーガを一撃討伐』
Sクラスをワンパンだって?さすがは剣聖。どうも記事を見る限り、一度の剣戟で首を飛ばしたということらしい。剣聖が全力で剣をふるえば余波だけで山が切れるからな...。そうなるわけだ。彼女ともし戦うことになったら絶対に攻撃にあったってはいけない。まぁかわせないだろうけど。
スクロールしていくと、またも気になるニュースが目にはいる。
『東京に新しいダンジョン誕生。世界3大ダンジョンに匹敵する規模か?』
今まで首都圏である東京には大きなダンジョンはなかったわけだが、ついに誕生したのか。これは人が殺到するだろうなぁ。世界三大に匹敵するとなれば、日本は超規模ダンジョンの所有数が3個目になるわけだ。
こうしてニュースを見ていると早くダンジョンに潜りたくなってくるな。
明日、木曜日が待ち遠しいよ。
「ただいま」
何とか声を出してただいまを言う。いってきますとただいまは誰も聞いていなくても言う。これがうちのルールだ。
「お帰りお兄ちゃん。ご飯できて……どうしたの!?」
きららが俺の顔を見るなり驚いたようにいう。なんかついてるか?
「どうしたきらら。そんな驚いて」
「どうしたってお兄ちゃん、顔色悪すぎるよ!? とりあえず肩貸すね?」
きららが肩をかしてくれて何とか寝室にたどりついた。体に力が入らない。あの魔法は一気に魔力を消費しすぎて生命力に影響がでたりするとか、そういった感じなんじゃないだろうか。
「お兄ちゃんほんと、大丈夫?」
きららが見なくてもわかるほどに心配してくれている。ありがたいことだが、割と自分のせいだからな……。
「大丈夫、ちょっと魔法を使いすぎただけだ」
まぁあの魔法はちょっとどころじゃないぐらい魔力を持って行ったけどな。
「そ、そう? とりあえずおかゆとか作ってくるからまってて!」
最近きららには迷惑をかけてばかりな気がするな。回復したら何か希望がないか聞いてみよう。最近臨時収入も入ったわけだし、きっと願いをかなえられる。
しかし、今後この魔法をマスターすることができればこの深淵魔法の真髄に近付けるような気がしてならない。いや、もうすでにこれをマスターすることが俺の最後の目標なんだと確信している。根拠はないがきっとそうだろう。
レベル10になった時に手に入れた深淵魔法。こいつが一体何なのか深く考えたことはなかったが、一度深く考えてみるべきかもしれないな。
その後、体の無気力さに負けて呆けていると、きららがおかゆをもってきてくれた。
「お兄ちゃん、私が食べさせてあげるからそこに座っててね」
立ち上がっておかゆを取りに行こうとしたらきららにベットの上に座らされた。
「はいお兄ちゃん、あーん」
言われるままに口を開けておかゆをいただく。うまい。そういえば今日作っていたはずの料理はなんだったんだろう。どうでもいいが少し気になった。
「ごめんなきらら。ほんとありがとう」
今の俺はお礼を言うことぐらいしかできない。今後はこうならないようにしないとな……。
「いいんだよ、お兄ちゃん。家族なんだから、こういうときはもっと頼ってね?」
うちの妹が天使すぎる……。
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昨日はおかゆを食べきったあとすぐに寝てしまった。起きたときには寝間着だったので、きららが着替えさせてくれていたらしい。ほんと、何からなにまで申し訳ない。
そして俺は今日学校を休むことにした。本当は行くつもりだったんだが、どうやらきららによるとまだ顔色がよくないらしく、今日は一日家で安静にしておいてほしいといわれた。
そういうことで俺は今日することがないので最近みることができていなかったニュースを見ることにする。
ちなみに今の俺は2度寝明けで朝の俺と比べると比較的元気だ。そして現在時刻は10時半。スマホを見ると、相棒から連絡が入っていた。
『今日は学校に来てないようだけど、どうかしたのかい?』
と。それに俺は、『軽い体調不良でね。明日は登校するさ』と返信しておく。
じゃあスマホを使ってニュースでもあさるか。もちろん探索者、ダンジョン関連のものをな。
どうでもいいニュースをスクロールしていくと、興味深いニュースを発見した。アイスランドに新たなドラゴンダンジョン発見とのこと。結構な大ニュースだな。
今までドラゴンが発見されているダンジョンは世界で、日本の阿蘇ダンジョン、アメリカのデトロイトダンジョン、エジプトのカイロ空中ダンジョンの3つだけだったからな。
ちなみに阿蘇ダンジョンだけ風竜と雷竜の2種類が確認されている。ちなみにデトロイトは水竜、カイロ空中は光竜だ。今回アイスランドで見つかったドラゴンは氷竜らしい。
以前中国で討伐された水竜はどこから現れたのかまったく見当のついていない神狼と同じようなダンジョンを抜けだした魔物だ。一説にはデトロイトのダンジョンでスタンピードがおき、海を渡って中国にたどり着いたというものがあるが...。俺は他のダンジョンから出てきた可能性が高いように思う。
討伐されたと記録に残る竜はいまだ紅さんが倒した水竜のみ。誰もまだ竜には勝てないのだ。
世界の探索者でもっとも強い三人を上げるとすると、<暗黒騎士>紅 司、<剣聖>ソフィア・ベーカー、<魔王>エリアス・シュナイダーの三人が上がる。所属は日本、アメリカ、ドイツの順になる。この3人は別格の強さをもっていて、Sクラスの魔物だったとしても単独で討伐可能だといわれている。
ちなみにエリアス・シュナイダーは本人よりも、召喚獣として使役している魔物の方が強いらしい。あくまで彼自身の言葉に嘘がなければだが。
Sクラスの魔物は余裕で一国を亡ぼせる力を持っているから彼らはそれ以上の力をもっているといっていい。とんでもない人たちだろう?
スクロールしていると彼らに関するニュースを見つけた。
『ソフィア・ベーカー、Sクラスのプラズマ・オーガを一撃討伐』
Sクラスをワンパンだって?さすがは剣聖。どうも記事を見る限り、一度の剣戟で首を飛ばしたということらしい。剣聖が全力で剣をふるえば余波だけで山が切れるからな...。そうなるわけだ。彼女ともし戦うことになったら絶対に攻撃にあったってはいけない。まぁかわせないだろうけど。
スクロールしていくと、またも気になるニュースが目にはいる。
『東京に新しいダンジョン誕生。世界3大ダンジョンに匹敵する規模か?』
今まで首都圏である東京には大きなダンジョンはなかったわけだが、ついに誕生したのか。これは人が殺到するだろうなぁ。世界三大に匹敵するとなれば、日本は超規模ダンジョンの所有数が3個目になるわけだ。
こうしてニュースを見ていると早くダンジョンに潜りたくなってくるな。
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