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俺の頭の中に流れ込む膨大な知識の奔流。
くらつく身体を二人が左右から支えてくれる。
その知識は概要や使い方は分かったが、大半は俺の理解を越えるような言葉の羅列であった。
というより意味を成す単語かどうかも、俺には判断することができない。
ただ一つ分かったことは、俺にある力が使えるようになったということだけ。
「これは……錬金術の指輪……ってとこだろうな」
「れ、錬金術ですか!?」
この世界にも錬金術という言葉が伝わっているが、それは地球で伝わっているものとほぼ同じもの。
魔法の類ではないまやかしの術だ。
けれどこの指輪は魔法の類。
右手に持ったものと左手に持ったものを組み合わせて何かを作り上げる。
錬金術とは少し違うかもしれないが、そういう力を持つ指輪のようだ。
転がっていた石と石で試してみた所、見た目に変化はないが硬い石(アリゼッタ鑑定)ができた。
「よく分かりませんが、なんだかおもしろそうな雰囲気ですわね」
「そうですね。物質を組み合わせ変化させてしまうなんて……。元のモノが無くなってしまうというのがデメリットでしょうか。
「ふむ……。確かにそうだな。今も硬い石ができたわけだが、元々の石二個のほうが必要な場面もあるかもしれない」
どの程度のことができるか分からないが有用なのは確かなのだろう。
少しずつ試してみることにして、俺たちは奥へと足を進めていく。
「アリゼッタのマップがあるから探索が楽ですね」
「そうだな。もう帰っても十分なほどに有益なアイテムを取得できたかもしれん」
「二人とも! 赤い光点が近付いてきますわ。ここじゃ狭いのでもう少し進んだ広い場所へと行きましょう!」
アリゼッタの注意を促す言葉に、警戒レベルを引き上げ進んでいく。
俺たちの目の前に現れたのは体長50センチ程もある大きなコウモリの姿だった。
二本の牙を口から生やし長い触角を垂らしている。
黒の身体に凶暴な雰囲気の顔は、見た目だけならホラー映画にでも出てきそうな雰囲気だ。
「鑑定! 名前はジャイアントバット。牙から血を吸うみたいですわ!」
アリゼッタがそう口にした瞬間、コウモリにエリーゼの火球が直撃していた。
有無を言わさぬ先制攻撃。少し憐れに思ったのは俺だけだろうか。
ジャイアントバットは地面で燃え盛りながらぴくぴくとのたうち、やがて動かなくなった。
「楽勝過ぎて笑えてくるな。流石に持ち帰るわけにはいかないから燃やしていくか」
「私が鑑定した意味がほとんどなかったですわ! エリーゼ、もう少しゆっくりと……」
「何があるか分からないんですから、やれる時はさっさとやっちゃった方がいいんです」
「そうですけど……。あまりにも早すぎるというかなんというかですわ」
「エトを守るためには判断力も必要なんですよ」
「二人とも。こんなとこでやめとけって。ほらほら、行くぞ」
割と仲が良い癖にちょいちょいいがみ合う。
それがライバルというもんなのかな、と思いつつ俺は二人の手を取って先へと進んでいった。
くらつく身体を二人が左右から支えてくれる。
その知識は概要や使い方は分かったが、大半は俺の理解を越えるような言葉の羅列であった。
というより意味を成す単語かどうかも、俺には判断することができない。
ただ一つ分かったことは、俺にある力が使えるようになったということだけ。
「これは……錬金術の指輪……ってとこだろうな」
「れ、錬金術ですか!?」
この世界にも錬金術という言葉が伝わっているが、それは地球で伝わっているものとほぼ同じもの。
魔法の類ではないまやかしの術だ。
けれどこの指輪は魔法の類。
右手に持ったものと左手に持ったものを組み合わせて何かを作り上げる。
錬金術とは少し違うかもしれないが、そういう力を持つ指輪のようだ。
転がっていた石と石で試してみた所、見た目に変化はないが硬い石(アリゼッタ鑑定)ができた。
「よく分かりませんが、なんだかおもしろそうな雰囲気ですわね」
「そうですね。物質を組み合わせ変化させてしまうなんて……。元のモノが無くなってしまうというのがデメリットでしょうか。
「ふむ……。確かにそうだな。今も硬い石ができたわけだが、元々の石二個のほうが必要な場面もあるかもしれない」
どの程度のことができるか分からないが有用なのは確かなのだろう。
少しずつ試してみることにして、俺たちは奥へと足を進めていく。
「アリゼッタのマップがあるから探索が楽ですね」
「そうだな。もう帰っても十分なほどに有益なアイテムを取得できたかもしれん」
「二人とも! 赤い光点が近付いてきますわ。ここじゃ狭いのでもう少し進んだ広い場所へと行きましょう!」
アリゼッタの注意を促す言葉に、警戒レベルを引き上げ進んでいく。
俺たちの目の前に現れたのは体長50センチ程もある大きなコウモリの姿だった。
二本の牙を口から生やし長い触角を垂らしている。
黒の身体に凶暴な雰囲気の顔は、見た目だけならホラー映画にでも出てきそうな雰囲気だ。
「鑑定! 名前はジャイアントバット。牙から血を吸うみたいですわ!」
アリゼッタがそう口にした瞬間、コウモリにエリーゼの火球が直撃していた。
有無を言わさぬ先制攻撃。少し憐れに思ったのは俺だけだろうか。
ジャイアントバットは地面で燃え盛りながらぴくぴくとのたうち、やがて動かなくなった。
「楽勝過ぎて笑えてくるな。流石に持ち帰るわけにはいかないから燃やしていくか」
「私が鑑定した意味がほとんどなかったですわ! エリーゼ、もう少しゆっくりと……」
「何があるか分からないんですから、やれる時はさっさとやっちゃった方がいいんです」
「そうですけど……。あまりにも早すぎるというかなんというかですわ」
「エトを守るためには判断力も必要なんですよ」
「二人とも。こんなとこでやめとけって。ほらほら、行くぞ」
割と仲が良い癖にちょいちょいいがみ合う。
それがライバルというもんなのかな、と思いつつ俺は二人の手を取って先へと進んでいった。
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