Villain

小林マコト

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「その本は、偽りではない純粋な悪を持つ者しか開くことができない」
紫の男は言った。

「私でも、開くことは不可能だと」
青の女は問うた。

「貴様には到底不可能だ。故に、命ずる」
紫の男は静かに、それでいて強く言い放つ。



「最高の悪人を、探せ。居らぬというのなら、創り出せ」



青の女は、何も言わずただ頷いた。 
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