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クローバーの葉四つ
なぜオブジェを盗んだか
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「この犯行声明が事前に用意した物ではないという私の説の補強が目的だったね。皆自由に見てくれ」
新聞部は三つ全ての犯行声明を入手していたようだ。俺はその中の一つを手に取る。
やはり文字はガタガタ。筆跡隠しだと思っていたが、こうして見ると筆跡はあまり隠れていない。
『文』の字の右はらいだけ強いとか、『ク』がワみたいだとか。
しかしコレはよく見れば写真でも分かった事。
実物が無いと決してわからない類のモノでは無いだろうが……わざわざひとねが持ってこさせたんだ、もっと写真では分かりにくいモノのはずだ。
下里が水をかけようとして森当くんに止められている。ほっとくと炙り出しかねない。
「インクに付いているのは木屑でしょうか?」
確かに言われてみればそう見える。なぜ木屑がつくんだ?
「そう、普通は付かないものだね。その木屑は声明文にも怪盗の署名にも等しく付いている」
何気なく文字を指でなぞる。
お? これは……
「木屑が無いところもやたらデコボコしてるな」
「そうだね。所々筆圧が変わっている事からもわかるがその文字は偽装などではなく意図せずそうなってしまったんだ」
意図せず文字がガタガタになる。インクの濃さが変わるその条件は……
「紙を置いた場所がデコボコだったってことか」
「その通り。その上木屑がつく校内の場所……コレはオブジェを隠した工芸室で書かれた物だと予想できる」
怪盗クローバーの名は当日にならないと知り得ない、おかしな筆圧と木屑からみて文は全て同じ場所で書かれている。
これで犯行声明があらかじめ準備された物だというのは否定される訳だ。
「じゃあ犯行声明は当日作られて……なんだか頭がごちゃごちゃしてきました」
「ではここら辺でおさらいしますか?」
ひとねは頷いてお茶を一口。
「怪盗クローバーはオブジェを盗んだ。これは計画性のあるモノなのか突発的なモノなのかはわからない。
「オブジェは工芸室に隠された。自身が所属しており犯行現場から近い美術室を無視して、ね。
「その後、新聞部がオブジェ泥棒を怪盗事件に昇格させ、羽柴孝一はそれに乗っかる形で怪盗クローバーとなった。
「怪盗クローバーは工芸室にて犯行声明を作成、第二、第三、第四の犯行を成し遂げた。盗んだものはピンセット、マグネット、ドライバー。これに意味があるのかはわからない」
ひとねが補足が無いか俺たちに確認する。問題はないだろう。
「では改めて疑問点を抽出しよう」
ホワイトボードに書かれていた疑問点が消され、新たなものが記入される。
『なぜ美術室ではなく工芸室なのか』
『オブジェ以外の三つに意味があったのか』
『なぜオブジェを盗んだのか』
「前と重なる部分もあるだろうが、もう一度考察していこう」
『なぜ美術室ではなく工芸室なのか』
「さっきの新聞部が言うには羽柴孝一は美術部だったようだね。犯行現場から近く、慣れていて、工芸室と同じように隠す場所もある。それなのに何故工芸室を選んだのだろうか?」
「人が居た可能性はやっぱ否定出来ないよな」
「それについては僕から情報が」
今度は手を挙げた森当くん。
「美術室は美術部のサブ展示を行っていたそうです。その中にこれが」
グループに送られてきた写真を見る。美術室の入り口に白いシートのような物が敷かれている。
「これは……足跡です?」
「はい、来客の足跡によって作られる足跡アート企画を実施していたようです。美術部は定期的に、交代で写真を撮っていたそうです」
「定期的に人が来るのを知っていたから鉢合うのを恐れて美術室は取りやめたって事か」
「いいえ、逆です」
追加で二枚の画像が送られてくる。どちらも同じシートの画像だ。
「これは犯行時刻を挟んだ前後の写真です。見ての通り足跡は増えておらず、美術室に人が立ち入っていない事を意味します。加えてこの時の当番は羽柴孝一先輩自身でした、他の美術部員と鉢合う心配もないでしょう」
全く隙のないアリバイって訳ではないが、美術室に人が居たから工芸室にしたというのは少し弱くなった。
「工芸室にオブジェを持っていく必要があったとか? オブジェに手紙を貼って秘密の取引!」
下里は最近スパイ映画を見たらしい。分かりやすいやつだ。
「それはオブジェじゃなくていいんじゃないか?」
「それはまあそうです」
あっさりと引き下がられた。言ってみたかっただけか。
「オブジェを工芸室に、ね。その発想は良いね、下里さん」
「そお? そうかな?そうでしょう!」
下里式三段活用は置いておき、次に移る。
『オブジェ以外の三つに意味があったのか』
「改めておさらいしよう。盗まれたのはピンセット、マグネット、ドライバー。どれも実行委員貸し出しのクローバーマーク付きだ」
「怪盗クローバーに乗るならクローバーマークの物を盗むのは納得ですね、問題はそのラインナップでしょうか?」
そう、文化祭当日の学校はクローバーマークに溢れていた。特に俺が気になっているのは……
「どれかは自分のクラスの物だったりしないか? 盗みやすさを優先したとか」
「いえ、全て羽柴孝一先輩とは違うクラスの物です。そういえばこの三つは突発的な物という話でしたね、近くにあって目についた物でしょうか?」
「いや、工芸室で犯行声明を書いてから実行しているんだ。盗む対象は選んでいる筈だよ。それに怪盗が出したのは予告状じゃない、時間制限やノルマなども無かったはずだ」
「四つを盗むのはノルマだったんじゃない? なんたって四葉のクローバーなんだし」
「それはありそうだな。愉快犯感を強くできる」
しかし愉快犯偽装の為の盗みにしてはラインナップが弱い。ひとねも同じ事を考えていたのか切り口を変える。
「ピンセット、マグネット、ドライバー。コレらを盗みたいと思う事はあるだろうか?」
「盗んだ後持ち歩ける物ではありますね」
「うーん、使いたかったら借りはするかもだけど盗むまではいかないかなあ」
ひとねが口の上に手を当てる。何を考えているのだろうか。
「使う、か……とりあえず次に行こう」
『なぜオブジェを盗んだのか』
「視点を少し変えてみよう。オブジェを盗む事で何が起きただろうか?」
「なにか起きるの?」
「何がしたかったか、でも構わないよ」
「なるほどー」
下里が手を挙げる。お前今話してたろ。
「愛ですよ! 大きなクローバーを渡して愛を伝えるんです!」
なるほど、ロマンだな。しかし……
「ならキーホルダーを持ってこないんじゃ無いか?」
「計画的ならそうです。でも突発的なら違います。キーホルダーを渡すつもりだったけどより大きい愛の象徴に思い当たってしまったのです」
盗んだ物を渡すという是非はともかくその動機なら隠すのも頷ける。
「他にあるかな」
「では僕からも」
森当くんが手を……あげないのか。
「オブジェがなくなった事で一部の人の動きを制限できますね。例えば生徒会長、実行委員長はオブジェ盗難の確認の為、現場に行く事になりました。他の実行委員も少なからず行動に変化があったでしょう」
「陽動作戦ってわけですね、映画みたい!」
ならば他の場所で会長と委員長の目を欺いた本当の犯行が……それがあったとしても暴くには情報が足りなさそうだ。
俺は手を……挙げない。
「オブジェが一時的に必要だったって事は無いか? 例えば……重石にちょうどよかったとか」
「漬物でも作ってたんです?」
「いや、今のは思いついただけの一例」
我ながらもう少しあったと思うが、他に出なかったのだから仕方がない。
「オブジェの写真はあったかな?」
「グループに残っているかと」
ひとねが何を見たいのかわからないけれど皆も写真を開く。
木造の葉を四枚繋げたクローバーのオブジェ。七道先輩の言う通り出来はあんまり良くない。所々隙間があったり、よく見るとネジは殆ど穴が潰れてしまっている。
工芸部は文化祭の門の制作にも携わっていると聞いた事がある。二年後が心配だ。
「……このオブジェ、実物は何処にある?」
「聞いてみる」
七道先輩にメッセージを送るとすぐに返事が来た。
「今は七道先輩が管理してるらしいな、持ってきてくれるって書いてるが……俺が取りに行くよ」
「いや、お言葉に甘えるとしよう」
新聞部は三つ全ての犯行声明を入手していたようだ。俺はその中の一つを手に取る。
やはり文字はガタガタ。筆跡隠しだと思っていたが、こうして見ると筆跡はあまり隠れていない。
『文』の字の右はらいだけ強いとか、『ク』がワみたいだとか。
しかしコレはよく見れば写真でも分かった事。
実物が無いと決してわからない類のモノでは無いだろうが……わざわざひとねが持ってこさせたんだ、もっと写真では分かりにくいモノのはずだ。
下里が水をかけようとして森当くんに止められている。ほっとくと炙り出しかねない。
「インクに付いているのは木屑でしょうか?」
確かに言われてみればそう見える。なぜ木屑がつくんだ?
「そう、普通は付かないものだね。その木屑は声明文にも怪盗の署名にも等しく付いている」
何気なく文字を指でなぞる。
お? これは……
「木屑が無いところもやたらデコボコしてるな」
「そうだね。所々筆圧が変わっている事からもわかるがその文字は偽装などではなく意図せずそうなってしまったんだ」
意図せず文字がガタガタになる。インクの濃さが変わるその条件は……
「紙を置いた場所がデコボコだったってことか」
「その通り。その上木屑がつく校内の場所……コレはオブジェを隠した工芸室で書かれた物だと予想できる」
怪盗クローバーの名は当日にならないと知り得ない、おかしな筆圧と木屑からみて文は全て同じ場所で書かれている。
これで犯行声明があらかじめ準備された物だというのは否定される訳だ。
「じゃあ犯行声明は当日作られて……なんだか頭がごちゃごちゃしてきました」
「ではここら辺でおさらいしますか?」
ひとねは頷いてお茶を一口。
「怪盗クローバーはオブジェを盗んだ。これは計画性のあるモノなのか突発的なモノなのかはわからない。
「オブジェは工芸室に隠された。自身が所属しており犯行現場から近い美術室を無視して、ね。
「その後、新聞部がオブジェ泥棒を怪盗事件に昇格させ、羽柴孝一はそれに乗っかる形で怪盗クローバーとなった。
「怪盗クローバーは工芸室にて犯行声明を作成、第二、第三、第四の犯行を成し遂げた。盗んだものはピンセット、マグネット、ドライバー。これに意味があるのかはわからない」
ひとねが補足が無いか俺たちに確認する。問題はないだろう。
「では改めて疑問点を抽出しよう」
ホワイトボードに書かれていた疑問点が消され、新たなものが記入される。
『なぜ美術室ではなく工芸室なのか』
『オブジェ以外の三つに意味があったのか』
『なぜオブジェを盗んだのか』
「前と重なる部分もあるだろうが、もう一度考察していこう」
『なぜ美術室ではなく工芸室なのか』
「さっきの新聞部が言うには羽柴孝一は美術部だったようだね。犯行現場から近く、慣れていて、工芸室と同じように隠す場所もある。それなのに何故工芸室を選んだのだろうか?」
「人が居た可能性はやっぱ否定出来ないよな」
「それについては僕から情報が」
今度は手を挙げた森当くん。
「美術室は美術部のサブ展示を行っていたそうです。その中にこれが」
グループに送られてきた写真を見る。美術室の入り口に白いシートのような物が敷かれている。
「これは……足跡です?」
「はい、来客の足跡によって作られる足跡アート企画を実施していたようです。美術部は定期的に、交代で写真を撮っていたそうです」
「定期的に人が来るのを知っていたから鉢合うのを恐れて美術室は取りやめたって事か」
「いいえ、逆です」
追加で二枚の画像が送られてくる。どちらも同じシートの画像だ。
「これは犯行時刻を挟んだ前後の写真です。見ての通り足跡は増えておらず、美術室に人が立ち入っていない事を意味します。加えてこの時の当番は羽柴孝一先輩自身でした、他の美術部員と鉢合う心配もないでしょう」
全く隙のないアリバイって訳ではないが、美術室に人が居たから工芸室にしたというのは少し弱くなった。
「工芸室にオブジェを持っていく必要があったとか? オブジェに手紙を貼って秘密の取引!」
下里は最近スパイ映画を見たらしい。分かりやすいやつだ。
「それはオブジェじゃなくていいんじゃないか?」
「それはまあそうです」
あっさりと引き下がられた。言ってみたかっただけか。
「オブジェを工芸室に、ね。その発想は良いね、下里さん」
「そお? そうかな?そうでしょう!」
下里式三段活用は置いておき、次に移る。
『オブジェ以外の三つに意味があったのか』
「改めておさらいしよう。盗まれたのはピンセット、マグネット、ドライバー。どれも実行委員貸し出しのクローバーマーク付きだ」
「怪盗クローバーに乗るならクローバーマークの物を盗むのは納得ですね、問題はそのラインナップでしょうか?」
そう、文化祭当日の学校はクローバーマークに溢れていた。特に俺が気になっているのは……
「どれかは自分のクラスの物だったりしないか? 盗みやすさを優先したとか」
「いえ、全て羽柴孝一先輩とは違うクラスの物です。そういえばこの三つは突発的な物という話でしたね、近くにあって目についた物でしょうか?」
「いや、工芸室で犯行声明を書いてから実行しているんだ。盗む対象は選んでいる筈だよ。それに怪盗が出したのは予告状じゃない、時間制限やノルマなども無かったはずだ」
「四つを盗むのはノルマだったんじゃない? なんたって四葉のクローバーなんだし」
「それはありそうだな。愉快犯感を強くできる」
しかし愉快犯偽装の為の盗みにしてはラインナップが弱い。ひとねも同じ事を考えていたのか切り口を変える。
「ピンセット、マグネット、ドライバー。コレらを盗みたいと思う事はあるだろうか?」
「盗んだ後持ち歩ける物ではありますね」
「うーん、使いたかったら借りはするかもだけど盗むまではいかないかなあ」
ひとねが口の上に手を当てる。何を考えているのだろうか。
「使う、か……とりあえず次に行こう」
『なぜオブジェを盗んだのか』
「視点を少し変えてみよう。オブジェを盗む事で何が起きただろうか?」
「なにか起きるの?」
「何がしたかったか、でも構わないよ」
「なるほどー」
下里が手を挙げる。お前今話してたろ。
「愛ですよ! 大きなクローバーを渡して愛を伝えるんです!」
なるほど、ロマンだな。しかし……
「ならキーホルダーを持ってこないんじゃ無いか?」
「計画的ならそうです。でも突発的なら違います。キーホルダーを渡すつもりだったけどより大きい愛の象徴に思い当たってしまったのです」
盗んだ物を渡すという是非はともかくその動機なら隠すのも頷ける。
「他にあるかな」
「では僕からも」
森当くんが手を……あげないのか。
「オブジェがなくなった事で一部の人の動きを制限できますね。例えば生徒会長、実行委員長はオブジェ盗難の確認の為、現場に行く事になりました。他の実行委員も少なからず行動に変化があったでしょう」
「陽動作戦ってわけですね、映画みたい!」
ならば他の場所で会長と委員長の目を欺いた本当の犯行が……それがあったとしても暴くには情報が足りなさそうだ。
俺は手を……挙げない。
「オブジェが一時的に必要だったって事は無いか? 例えば……重石にちょうどよかったとか」
「漬物でも作ってたんです?」
「いや、今のは思いついただけの一例」
我ながらもう少しあったと思うが、他に出なかったのだから仕方がない。
「オブジェの写真はあったかな?」
「グループに残っているかと」
ひとねが何を見たいのかわからないけれど皆も写真を開く。
木造の葉を四枚繋げたクローバーのオブジェ。七道先輩の言う通り出来はあんまり良くない。所々隙間があったり、よく見るとネジは殆ど穴が潰れてしまっている。
工芸部は文化祭の門の制作にも携わっていると聞いた事がある。二年後が心配だ。
「……このオブジェ、実物は何処にある?」
「聞いてみる」
七道先輩にメッセージを送るとすぐに返事が来た。
「今は七道先輩が管理してるらしいな、持ってきてくれるって書いてるが……俺が取りに行くよ」
「いや、お言葉に甘えるとしよう」
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