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靴箱失踪事件
そして三人
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「扉、物が無くなる……ね」
ひとねが呟きながら鞄から出したスマホを操作する。開かれているのは怪奇図書館のデータ。
上の方にある枠に呟いた内容と同じものが打ち込まれ、検索ボタンを……
「おい、なんだそれ。なんだその機能」
「見ての通り検索だけど?」
「そんな機能あるとか俺聞いてない」
「君は覚えられるだろう?」
「覚えるには一度読まなきゃいけないんだよ」
どれだけの怪奇現象が載っていると思っているんだ。読むだけで何ヶ月かかることやら。
「この機能無しで使っていたとは……お気の毒。次からは活用するといい」
そうしている間に検索がおわる。
「ふうん、出たのは一件か」
その項目をタッチしようとした瞬間、足音が聞こえた。
図書室の方に誰か入ってきたようだ。この靴に鉛でも仕込んでいるんじゃないかと噂が立つくらい大きな足音は見なくとも予想がつく。
柔道選手と言われても違和感のない、いかにも体育教師という見た目からの化学教師。人呼んで『残念ギャップ漢』赤井先生である。
その足音を聞くなりひとねはが「やば……今日だった」と呟く。珍しく冷汗でも書いていそうな声色である。
足音が数秒聴こえてきた後、ノックと同時に扉が開く。
効果音で表すなら『コンコ、バン!』だ。
最早ノックに意味はない。
姿を見せた赤井の日焼けしている肌はいつもより赤い。その顔はまさに赤鬼の形相である。
俺たち三人に気づいているのかも怪しいほど真っ直ぐ一人を見つめ、唾を飛ばしながら一喝。
「藤宮!」
「は、はい!」
「補修をサボるとはどういう事だ!」
「明日だと思ってました、すいません」
「ならば直ぐに準備して来い!」
「わかりました」
他の補修生徒を残しているのか赤井は小走りで出て行く。
「お前、学年主席じゃなかったか?」
「聞かなくてもわかるから授業中寝ていたら小テストが全て0点になっていた。メインのテストでは高得点を叩き出したんだけどね」
「おいおい……」
「ともかく行ってくる、悪い」
ひとねが呟きながら鞄から出したスマホを操作する。開かれているのは怪奇図書館のデータ。
上の方にある枠に呟いた内容と同じものが打ち込まれ、検索ボタンを……
「おい、なんだそれ。なんだその機能」
「見ての通り検索だけど?」
「そんな機能あるとか俺聞いてない」
「君は覚えられるだろう?」
「覚えるには一度読まなきゃいけないんだよ」
どれだけの怪奇現象が載っていると思っているんだ。読むだけで何ヶ月かかることやら。
「この機能無しで使っていたとは……お気の毒。次からは活用するといい」
そうしている間に検索がおわる。
「ふうん、出たのは一件か」
その項目をタッチしようとした瞬間、足音が聞こえた。
図書室の方に誰か入ってきたようだ。この靴に鉛でも仕込んでいるんじゃないかと噂が立つくらい大きな足音は見なくとも予想がつく。
柔道選手と言われても違和感のない、いかにも体育教師という見た目からの化学教師。人呼んで『残念ギャップ漢』赤井先生である。
その足音を聞くなりひとねはが「やば……今日だった」と呟く。珍しく冷汗でも書いていそうな声色である。
足音が数秒聴こえてきた後、ノックと同時に扉が開く。
効果音で表すなら『コンコ、バン!』だ。
最早ノックに意味はない。
姿を見せた赤井の日焼けしている肌はいつもより赤い。その顔はまさに赤鬼の形相である。
俺たち三人に気づいているのかも怪しいほど真っ直ぐ一人を見つめ、唾を飛ばしながら一喝。
「藤宮!」
「は、はい!」
「補修をサボるとはどういう事だ!」
「明日だと思ってました、すいません」
「ならば直ぐに準備して来い!」
「わかりました」
他の補修生徒を残しているのか赤井は小走りで出て行く。
「お前、学年主席じゃなかったか?」
「聞かなくてもわかるから授業中寝ていたら小テストが全て0点になっていた。メインのテストでは高得点を叩き出したんだけどね」
「おいおい……」
「ともかく行ってくる、悪い」
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