怪奇探偵・藤宮ひとねの怪奇譚

ナガカタサンゴウ

文字の大きさ
上 下
31 / 150
無意識かつ奇跡的

ソレは科学的現象にあらず

しおりを挟む
「さ、解いてごらん」
「いやいや……」
 俺は暗号となっている箇所をもう一度見る。
『◯.9 □.8 ◯.5、
    ☆/2.7 △.0 ◯.1 □/2.0
      かくはだんじはれつ』
「…………」
 記号の後に数字、そして最後に謎のひらがな。
 最後にあるのは大体がヒント、だとしたら……
「……はぁ?」
 わけがわからない、まずどこで切るのかもわからない
「ヒントにヒントをあげよう」
 しばらく固まっているとひとねが紙を渡してきた。おとなしかったのはこれを書いていたからか……俺は紙を見る。
『かくはだん、じはれつ』
「は、のところは接続だよ」
 つまり◯◯は◯◯ということなのだろう。
 後ろの「じはれつ」の「じ」はおそらく数字の「字」だろう。
 ならば前の「かくはだん」の「かく」も同じ原理のはずだ。
「書かれているのは……記号?」
 ◯、△、□、☆、これらに共通点は……
「◯と☆は特別なものと考えたほうがわかりやすいかもしれない」
 ひとねの助言が入る。
「△と□、口に出して共通点を探してみるんだ」
「三角と四角……何角形か?」
 疑問符を浮かべながら呟くとひとねは頷いた。
「そう、ちなみに◯は一角形、☆は十角形だ」
 ならばヒントはこうなる
『角はだん、字はれつ』
「……なんとなくヒントっぽい漢字はわかる」
 呟いて俺は書き足す
『角は段、字は列』
「そうだね、それがヒントだ」
「ヒントに推理が必要ってなんだよ……」
「難解ながらに解ける、それが人の記憶に残る、人に認識されやすいからね」
 とりあえずヒントはわかった『角は段、字は列』だ。
「暗号の記号を数字にするとこうなる」
 ひとねは新しい紙を渡してきた。なんだかサポートが増えてきたな……さてはこいつ、飽きてきたな。
 まあいい、俺は紙を見る。
『1.9 4.8 1.5、
    10/2.7 3.0 1.1 4/2.0』
「この余計な斜線は……除算だな」
 だとすればこうなる
『1.9 4.8 1.5、
    5.7 3.0 1.1 2.0』
「あおはかんふぁんだ」
「…………」
 飽きすぎだろ、羊羹食ってんじゃねぇよ。
 てか簡単って……
「こういう暗号では定番のものだよ、日本ではね」
「日本では……五十音?」
「そういうこと……ふう」
 茶飲んでんじゃねぇよ。
「じゃあ五十音で……最初が段で後が列だな」
 段は一始まりで、列はゼロ始まりだから……
「で、解読したのがこれだ」
 ひとねはパソコンに答えを打ち込む。なんだこいつ
「まったく、真正面にもほどがあるよ」
 パソコンに表示された怪奇現象の主張はこうだった。
『我は妖怪』
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

雨の向こう側

サツキユキオ
ミステリー
山奥の保養所で行われるヨガの断食教室に参加した亀山佑月(かめやまゆづき)。他の参加者6人と共に独自ルールに支配された中での共同生活が始まるが────。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

処理中です...