怪奇探偵・藤宮ひとねの怪奇譚

ナガカタサンゴウ

文字の大きさ
上 下
9 / 150
ワンシックスの吸血鬼

室と館の違い

しおりを挟む
「……なあひとね」
「なんだい?」
「この道を何故教えてくれなかった?」
 俺達が地下図書館から出てきたのは学校裏の空地。他の道より近いじゃねぇか
「君には図書室を教えただろう?」
「え? 図書室?」
 図書館じゃなくて図書室かよ。
「間違えていたのか、通りで閉まってたなんておかしいと思った」
「うるせぇ」
 ひとねは何かを考えるそぶりをした後
「君、図書館はいつから閉まっていた?」
確か改装だったから……
「二週間程前だけど」
「なるほど……」
 ひとねはニヤリと笑った。
「わかったぞ」

 *

 翌日、ひとねは金田さんに電話をかけた。
「はい、金田です」
「…………」
 ひとねは無言で携帯を俺に渡す。そして紙とペンを取り出してこう書く
『ここの文字を読んでくれ』
 溜息をついて電話を受け取る、何で俺が……
 とりあえずひとねが書いた文字を読む
「パソコンが壊れてしまったので電話にさせて貰った、すまない」
「いえ」
 因みにスピーカーフォン状態だ。
 俺はひとねが書いた物をとりあえず読む
「解決する方法が見つかった」
「え? 本当ですか?」
「ああ、とりあえず直接話をしたいから指定の場所に来てくれ」
 すると金田さんは明らかに戸惑った
「え? あの、この電話じゃ駄目なんですか?」
「ああ、直接じゃないと無理だ」
「じゃあ僕の家に……」
 ここで早くも痺れを切らしたひとねが紙とペンを置いて俺から携帯を奪った。
 そして大きく息を吸って大声でこう叫ぶ。
「いつまでも引きこもって無いで、さっさと外に出て日に当たれ! 」
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

雨の向こう側

サツキユキオ
ミステリー
山奥の保養所で行われるヨガの断食教室に参加した亀山佑月(かめやまゆづき)。他の参加者6人と共に独自ルールに支配された中での共同生活が始まるが────。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

処理中です...