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弐章 国づくり
40 リアル鬼ごっこ
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鎌鼬の黒い変異個体が高速で近づいてくる。
ルークは再びスキル妖糸で前方に蜘蛛の巣を貼り巡らそうと構えたが。
突如
身体が硬直し冷静な顔に恐ろしい笑みが浮かんだ。
「決めたぞ。
今日の飯はイタチ汁じゃ…」
『!?』
シュラだ、鎌鼬の戦闘に我慢が効かなくなったらしく意思を乗っ取り身体を奪ったらしい。
「ちと、黙っておれ坊主。
こいつは妾の獲物じゃ」
シュラは舌なめずりをすると黒い鎌鼬に逆に襲いかかった。
空中に飛び両手の指を組み頭上に持ち上げそのまま振り落とす。
「フハハ!
フン!!」
ブガッ
ドスンと音がしたと同時に鎌鼬が地面に打ち付けられそこから中心に地割れが起こった。
「ほぉ、少し硬いな。
もう少し遊べそうじゃな」
シュラはクルリと空中で一回転しすたり、と着地するとゆったりと歩き近づく。
「籠もってばかりじゃ無く、たまには運動もせんとな。
せっかく、このお天道様にまんべんなく照らされておれる事じゃし…」
鎌鼬はシュラが後、数歩と言うところで意識を取り戻したらしく立ち上がり威嚇する。
だが…そんな事は梅雨とも知らず腕を目一杯広げ無邪気に笑った。
「何より自由じゃ!!」
警戒していた鎌鼬はそのシュラの動きにビクリとし即座にこの場から消えた。
「なんじゃ?
鬼ごっこがしたいのか?」
そしてシュラまでもがその場から消えた。
「一体、何なのですか…これは…」
セイヨウは傷だらけの体を弟子に支えられこの戦いを見てそんな言葉が口から漏れ出た。
全く理解できない…。
あんな存在がいていいものなのか?
確定では無いものの想定クラス壱の妖魔達をこうもあっさりと。
セイヨウは体に残る傷と倒れている弟子を見る。
それに比べ向こうの侍や妖魔は無傷だ。
一体どんな妖術を使ったのか…。
しっかりと見る余裕は無かったが鎌鼬がまるで近づけていなかった事は分かる。
さらに上を見ると蜘蛛の糸で未だ動けず悶ている鎌鼬が見える。
こんな強力な妖術を使用しおまけにあの怪力…。
自分の目では捉えきれない速度で動き、大地に地割れを起こす程の怪力を持つ。
そして何より…あの急に隠す事も忘れ、溢れ出した妖気には寒気どころか吐き気まで催し、今ここに立っているだけで精一杯だった。
これはもはや都や国などの危機どころでは無い。
あれは、間違い無く人類の
驚異となる……。
ルークは再びスキル妖糸で前方に蜘蛛の巣を貼り巡らそうと構えたが。
突如
身体が硬直し冷静な顔に恐ろしい笑みが浮かんだ。
「決めたぞ。
今日の飯はイタチ汁じゃ…」
『!?』
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空中に飛び両手の指を組み頭上に持ち上げそのまま振り落とす。
「フハハ!
フン!!」
ブガッ
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全く理解できない…。
あんな存在がいていいものなのか?
確定では無いものの想定クラス壱の妖魔達をこうもあっさりと。
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それに比べ向こうの侍や妖魔は無傷だ。
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そして何より…あの急に隠す事も忘れ、溢れ出した妖気には寒気どころか吐き気まで催し、今ここに立っているだけで精一杯だった。
これはもはや都や国などの危機どころでは無い。
あれは、間違い無く人類の
驚異となる……。
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