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第4話
4・ナナセのため息(その1)
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この一件で、なんとなくだけど俺はナツさんに見限られたのではないかと感じていた。彼からの要望をことごとく拒否したし、それに対してナツさんは最後まで「気にくわない」という態度を崩さなかったし。
(もう、ここにも来ないかもな)
教室の片隅で頬杖をつきながら、ぼんやりとそんなことを考える。
それならそれでいい。正直、ナツさんのトラブルメーカーっぷりには、かなり辟易していたし。
(いや、でも……)
このままだと、夏樹さんは二度とこっちの世界に戻ってこられないんじゃないだろうか。
先日の仮説が正しかった場合、ナツさんにはもう一度瞑想をしてもらう必要がある。けれど、今の状態で彼が応じてくれるとは思えない。そうなると、いつまでたっても入れ替わりが起こらないかもしれないわけで──
(嫌だ)
そんなの受け入れられない。絶望的だ。あり得ない。
けれど、今の俺がせっついたところで、ナツさんはへそを曲げるだけだろう。
となると、八尾さんか星井に頼むしかない。あるいは、うまいこと誘導して、ナツさん自身に「元の世界に戻りたい」と思わせるか。
あれこれ考えていると、隣の席から「ねえ」と声をかけられた。
「青野、最近なっちゃんと会ってる?」
星井からの問いかけに、俺は「いや」と首を横に振った。
「4人で集まったとき以来一度も」
「そっかぁ、じゃあ、相手は青野じゃないんだね」
相手? どういうことだ?
引っかかりを覚えて訊ねると、星井は少し黙り込んだあと、重たそうに口を開いた。
「ここのところ、なっちゃん夜遊びしてるっぽいんだよね」
(もう、ここにも来ないかもな)
教室の片隅で頬杖をつきながら、ぼんやりとそんなことを考える。
それならそれでいい。正直、ナツさんのトラブルメーカーっぷりには、かなり辟易していたし。
(いや、でも……)
このままだと、夏樹さんは二度とこっちの世界に戻ってこられないんじゃないだろうか。
先日の仮説が正しかった場合、ナツさんにはもう一度瞑想をしてもらう必要がある。けれど、今の状態で彼が応じてくれるとは思えない。そうなると、いつまでたっても入れ替わりが起こらないかもしれないわけで──
(嫌だ)
そんなの受け入れられない。絶望的だ。あり得ない。
けれど、今の俺がせっついたところで、ナツさんはへそを曲げるだけだろう。
となると、八尾さんか星井に頼むしかない。あるいは、うまいこと誘導して、ナツさん自身に「元の世界に戻りたい」と思わせるか。
あれこれ考えていると、隣の席から「ねえ」と声をかけられた。
「青野、最近なっちゃんと会ってる?」
星井からの問いかけに、俺は「いや」と首を横に振った。
「4人で集まったとき以来一度も」
「そっかぁ、じゃあ、相手は青野じゃないんだね」
相手? どういうことだ?
引っかかりを覚えて訊ねると、星井は少し黙り込んだあと、重たそうに口を開いた。
「ここのところ、なっちゃん夜遊びしてるっぽいんだよね」
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