3獣と檻の中

蓮雅 咲

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第八十五話【三嶋の飴と鞭5】※

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口の隙間から唾液が溢れ、水音と共に自分から漏れ出る声が甘く、熱を孕んだ吐息に耐え切れずに「いや」とか「無理」とか無意識に声に出るが、三嶋さんのキスが止むことはなく、それどころか余計に深くなる口づけに息が続かなく苦しくなってくる。
両耳を三嶋さんの両手で抑えられ、口内を蹂躙されるたびに水音が脳に響く。
時折指先で耳を触られ、刺激と音でいやらしさが増し、恥ずかしいやら苦しいやら触れる場所がゾワゾワするわで、閉じている目が湿ってくる。

「んぁっ……も、……む…っりぃ…くるし……」

ちゅぱっと唇が離れ、ハァハァと酸素を肺に送る。

「ん-…今日のおやつはバニラアイスでしたか。甘くておいしかったですよ?」
「……なんでアイスってことまでわかるんですか…怖い…」

ペロリと溢れた唾液を舐めとり、頭をなでる男の顔が満面の笑みで、ほんとにずっと怖い。
三嶋さんがこんな笑顔だった記憶が一切ないから本当に怖い。

「顔が真っ赤。目も潤んで…気持ちよかったですね?もっと気持ちよくなりましょうね」

首筋をツツーと指が触れるか触れないかで撫でられ、ゾクっとする。
そのまま、部屋着にしているふわもこワンピースのジッパーをゆっくりと下げた。

何着か用意したこの部屋着用のワンピースは上から下までジッパーという脱ぎ着しやすいのが特徴…なんだけど。
今日ほどジッパータイプを選んだことを恨むことなんてきっとないと思う。

「よかったですね。ジッパータイプで」

私の脳内を読み取ったエスパー三嶋が左手で頬を撫でながらそんなことを言う。
なんで?と思ったらすごい言葉が出てきた。

「ジッパーやボタンで全部開けられなかったら、その洋服、切ることになってたんで」

切るの?!

ジジジ…とジッパーをゆっくりと下ろしていくのも、どんどん露わになっていくのが視覚的に恥ずかしくて思わず顔をそむけてしまう。

「……深月さん。どうしてインナー来てないんです?」
「え」
「……ハチくんも男ですよ?」
「?」
「あぁ、なるほど。自覚がないんですね。わかりました」

インナーってキャミとかのことを言ってるのだろうか。
確かにクローゼットにらしきものはあるが、私を襲うのなんて獣たちくらいなもので、そもそもハチくんがそんなことをするはずもないし。
したことがばれたらたぶん死ぬし。

ジッパーを全て下げ切った三嶋さんは、さっきの楽しそうな満面の笑みではなく、ちょっと眉間にしわが寄っている笑みを作り。

「今日は気持ちいい事だけしようと思っていましたが、お仕置きも追加しますね」
「なんで!?」
「ああ、この下着も邪魔ですね。さすがにホックが後ろにある状態で外しても邪魔なだけなのでこれは切りますよ?」
「切るの?!」

バツンとブラジャーを切り、肩紐部分も遠慮なく切っていく。

(えー、うそぉ……さっきまでのエロ甘雰囲気どこいった…)

あまりの事に思考が追い付かずにブラジャーが抜き取られ防御するものが一切なくなった胸がこんにちはした。

「可愛らしい素敵な胸ですね」
「ちょ!」
「はい」

はいじゃない!はいじゃ!!

「寒いですか?乳首がツンと膨らんでいますが」
「さ、寒くはないですが!!」
「ああ、じゃぁキスで感じてしまったんですね。素直な体で素敵です」

(なんてことを言うんだよ!!!)

顔が爆発しそう。
なんでこんなこと言うんだ!
ていうかそこ触らないで!!ツンツンしないで!!

「んんぅ!」

私の顔を覗き込みながら舌を伸ばし、胸の頂をペロと舐め上げる。
その感覚に思わず声が出る。

「ああ、本当に可愛らしい声です。こうやって、ん、舐めると、気持ちいいですか?」

しゃべりながらチロチロと舌で乳首を舐められ、濡れたソコに息がかかり、意識がソコにしか行かずに余計に感じてしまう。

「それとも……」

口を開けたかと思うと、パクリと胸が口内に吸い込まれた。
舌先で転がされ、じゅるっと唾液を絡まされ、吸われる刺激にビクンと体が跳ねる。

「ぁっ!」
「口全体が良いですか?吸われて気持ちいい?歯で乳首を甘噛みされるのは?ほら、歯で固定されて…舌先でコリコリするのは?どうですか?ちゃんと答えてください」

(刺激が……強すぎる……!)

しゃべりながら胸を愛撫されている。
右手はしっかり私の左胸をもんだり指先で頂をはじいたりしている。
私は恥ずかしさのあまり三嶋さんに顔を見られないように首をそむけることしかできない。

「あっあぅ……まって…!つよ…ぃから…ぁっ」
「気持ちいいですか?涙目になって…本当に…」

ビクっと体が反応する。
三嶋さんの右手が、私の下半身に伸びて、割れ目をスルっと撫でた。

「ああ、よかったです。きちんと感じてくれていますね。深月さんがちゃんと答えてくれないから、ここ、触って確認しないといけなかったんですよ?」

する、する、下着の上から撫でられるその感触に、自分でも愛液が溢れていることを自覚する。
水音がするのだ。

(やだやだやだ!!なんで!!なんでこんな!!)

「僕で感じてくれて、とてもうれしいです。もっともっと感じさせてあげますよ。いっぱい乱れて、もっともっと気持ちい場所見つけましょうね」
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