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第八十一話【三嶋の飴と鞭1】※
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「ん…ふぅ…ぁ……っあ!」
「ココ、気持ちいいですか?」
「ああぁ!や!」
「大丈夫ですよ、今日は貴女の気持ちいい事しかしませんから、安心して感じてください。」
三嶋さんが優しい声で私に耳打ちする。
(もうやだぁ…)
財田さんと初めてした翌日、三嶋さんがひょっこり顔を出した。
時刻は午後二時過ぎ。
ハチくんとのんびりポーカーをしていた時だった。
シャツは黒。光沢が少し入ったダークブルーのスーツ。
ジャケットはボタンを軽く一つだけ止め、あとは外している。
ベストもきっちりと着込み、ネクタイは落ち着いたグレー。
七三に分けている前髪は、三割のほうをサイドに耳が出るように固め、七割のほうは目にかからない程度に流している。
スクエア型の黒ぶち眼鏡が切れ長の目を引き立てている。
(うっわ、めっちゃキマッてるー…)
思わずヒューッと口笛を吹きたくなる。
三嶋さんは獣の中でも一人だけ知的な雰囲気があり、敬語も相まって他二名よりは温和な感じかして怖さがない分、気が楽だ。
「いつもよりもキマってますね。今日はお出かけでしたか?」
「いいえ、今日は深月さんに会うためにめかし込んできたんですよ。」
「…はい?」
「ハチくん、ヒカルが上で呼んでいましたよ、片付けは僕が引き受けますから。」
三嶋さんを見るや否や持っていたトランプを回収し、必死に片づけていたハチくん。
三嶋さんはその手をそっと掴み、ハチくんの耳元で何かを告げた。
その瞬間、ハチくんの口から小さな悲鳴が聞こえ、「んじゃ、お嬢、俺はこれで!頑張ってくださいね!!」とそそくさと部屋を出て行った。
……三嶋さんハチくんに何言ったんだ。
可哀想に。めちゃくそ怯えてたけど…
「さて」と三嶋さんがハチくんがさっきまで座っていた私の横に腰掛け、何事もなかったかのように私の手からトランプを抜いてまとめながら話し始めた。
「今日から僕の相手もしっかりしていただくことになります。」
「………え」
「え、とは何です。え。とは。」
眼鏡をクイっと中指で上げ、仕舞い終わったトランプを机にポイっと放る。
「いや、三嶋さん『も』なんですか…?」
「もちろん。シロとヒカルだけだと思いました?貴女に興味がなければ、あんな面倒なゲームなんてしませんよ。」
「……まじかぁ…」
以前三嶋さんとした神経衰弱とメイド服プレイを思い出す。
二度と三嶋さんとゲームをしないと誓ったアレだ。
アレは単なるお遊びだと思っていた。
三嶋さんは私に興味なんかないと。
「アレはたまたまオモチャ(私)が近くにあったからしたんだとばかり…」
「まぁ否定はしませんけど、興味のない女性とそういうコトは基本しませんよ?僕は。」
三嶋さんが私に手を伸ばし、ニコっと目を細めながら頬にかかる髪を耳にかけてくれる。
その仕草の色っぽさと、頬に触れる手の優しさに思わず顔が赤くなってしまう。
「可愛いなぁ…ほんとに…」
ペロっと舌なめずりをしながら、ぽそっと呟く三嶋さんの声も表情も、男性からの甘い雰囲気への耐性がない私にとって毒でしかなく。
ドキドキして下を向いていた私には気づきようもなかった。
「ココ、気持ちいいですか?」
「ああぁ!や!」
「大丈夫ですよ、今日は貴女の気持ちいい事しかしませんから、安心して感じてください。」
三嶋さんが優しい声で私に耳打ちする。
(もうやだぁ…)
財田さんと初めてした翌日、三嶋さんがひょっこり顔を出した。
時刻は午後二時過ぎ。
ハチくんとのんびりポーカーをしていた時だった。
シャツは黒。光沢が少し入ったダークブルーのスーツ。
ジャケットはボタンを軽く一つだけ止め、あとは外している。
ベストもきっちりと着込み、ネクタイは落ち着いたグレー。
七三に分けている前髪は、三割のほうをサイドに耳が出るように固め、七割のほうは目にかからない程度に流している。
スクエア型の黒ぶち眼鏡が切れ長の目を引き立てている。
(うっわ、めっちゃキマッてるー…)
思わずヒューッと口笛を吹きたくなる。
三嶋さんは獣の中でも一人だけ知的な雰囲気があり、敬語も相まって他二名よりは温和な感じかして怖さがない分、気が楽だ。
「いつもよりもキマってますね。今日はお出かけでしたか?」
「いいえ、今日は深月さんに会うためにめかし込んできたんですよ。」
「…はい?」
「ハチくん、ヒカルが上で呼んでいましたよ、片付けは僕が引き受けますから。」
三嶋さんを見るや否や持っていたトランプを回収し、必死に片づけていたハチくん。
三嶋さんはその手をそっと掴み、ハチくんの耳元で何かを告げた。
その瞬間、ハチくんの口から小さな悲鳴が聞こえ、「んじゃ、お嬢、俺はこれで!頑張ってくださいね!!」とそそくさと部屋を出て行った。
……三嶋さんハチくんに何言ったんだ。
可哀想に。めちゃくそ怯えてたけど…
「さて」と三嶋さんがハチくんがさっきまで座っていた私の横に腰掛け、何事もなかったかのように私の手からトランプを抜いてまとめながら話し始めた。
「今日から僕の相手もしっかりしていただくことになります。」
「………え」
「え、とは何です。え。とは。」
眼鏡をクイっと中指で上げ、仕舞い終わったトランプを机にポイっと放る。
「いや、三嶋さん『も』なんですか…?」
「もちろん。シロとヒカルだけだと思いました?貴女に興味がなければ、あんな面倒なゲームなんてしませんよ。」
「……まじかぁ…」
以前三嶋さんとした神経衰弱とメイド服プレイを思い出す。
二度と三嶋さんとゲームをしないと誓ったアレだ。
アレは単なるお遊びだと思っていた。
三嶋さんは私に興味なんかないと。
「アレはたまたまオモチャ(私)が近くにあったからしたんだとばかり…」
「まぁ否定はしませんけど、興味のない女性とそういうコトは基本しませんよ?僕は。」
三嶋さんが私に手を伸ばし、ニコっと目を細めながら頬にかかる髪を耳にかけてくれる。
その仕草の色っぽさと、頬に触れる手の優しさに思わず顔が赤くなってしまう。
「可愛いなぁ…ほんとに…」
ペロっと舌なめずりをしながら、ぽそっと呟く三嶋さんの声も表情も、男性からの甘い雰囲気への耐性がない私にとって毒でしかなく。
ドキドキして下を向いていた私には気づきようもなかった。
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