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第六十九話【俺の番…とは?】
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シェルターの地下に部屋があるなんて誰が思うのだろうか。
ハチくんを紹介されたあと、私は再びシェルターに突っ込まれることになるのだが、案内役のハチくんはというと私が佐竹さんにアレやコレやされた部屋ではなく、その奥にある部屋のさらに下に向かい、とある部屋に通された。
「お嬢はこの部屋で過ごしてもらいますよー」なんて言われたあと、ハチくんは部屋を出て行ってしまい放置されることになる。
簡易的なキッチン含め、トイレもお風呂もあるので生活するには問題ないけれども。
思ったよりも快適に過ごせるこのシェルターは、テレビを見るか寝るかの二択でしかなく。
ぶっちゃけ、クッソ暇である。
さすがヤクザのシェルターの隠れ場所というところか。
家具なんかはおしゃれだし金かかってそう。
2DKくらいの間取り?広さ?
一応ベッドルームは分けられている。
キングサイズのベッドを見たときの私は、ため息が勝手に出た。
嫌な予感がするんだ。仕方ないだろう。
一通り部屋の間取りや家具なんかをチラ見して、テレビの前に陣取ったソファーにドスンと座る。
まーた閉じ込められた。
この部屋の入口のドアはシェルターに入ったときとおなじ仕組みっぽい。
私一人で部屋を抜け出すことは困難である。
シェルターと同じセキュリティドアがあり、そこの解除も困難である。
もーだめだぁー
私はココで飼い殺しにされるんだろうなぁー。あーあー。
いっそ、彼らの犬にでもなればある程度自由がきくんだろうか。
ソファーに寝ころび、足をパタパタさせながら思考を巡らせるが、どうにもいい考えが浮かばん。
ゴロゴロとソファーからわざと落ち、フカフカのラグの上から天井を見つめる。
「お前、床に落ちてんのに痛いとかないのかァ?」
財田さんがソファーの後ろから覗き込むように私を見下ろす。
「ラグのおかげで痛みはないですね」
そっけなくそう答えるとクツクツと喉を鳴らしながら、手を差し伸べてきた。
手を貸してくれるらしい。
左手はズボンのポケットに手を入れている。
目を細めながら口の端を上げ、クツクツ笑うその顔の破壊力はすさまじい。
イケメンのせいで目がつぶれそう。
伸ばされた手を握り、起こしてもらい、ソファーを挟んで見つめあう。
相変わらず楽しそうににやにやしている財田さん。
何がそんな楽しいのかは不明だが、機嫌がいいのに越したことはない。
「今日はおひとりなんですか?」
どうでもいいけど転がったところ見られてるじゃん。
わざとだとしてもなんかアホみたいな行動を見られるのはバツが悪い。
「今日は俺の番だからな。」
……?
オレノバン…?
きょとんとして首をかしげると、私のアホ面がよほど面白かったのかクスクス笑われた。
この人クスクスとか笑えるのか。
いや、それよりも俺の番てなんだ。
「俺が気に入った女だ。忙しくてお前と遊べる時間なかったからな。今日はゆっくりお前と過ごせるってこった。」
そういうと私の耳元に唇を寄せ、「ふたりっきりで。」とか言われた。
反射的に耳を押さえ、飛びのく。
やばい、そういうことか!!
今まで佐竹さんと三嶋さんとしかそういうことはなかったし、なんなら最後までしたのは佐竹さんだけだし、財田さんとないわけないとは思ってたけどすっかり意識してなかった!
ここのTOPが気に入ったとかで連れてこられているのにTOPとしないわけなかったそりゃそうだ!!
「そういう反応は新鮮だなァ…安心しろ、悪いようにはしねェよ?」
「悪いようにしかならないじゃないですか!私がしたくないとか言ったところでどうせするんでしょうが!!」
「そりゃぁなァ。獲物を喰わない獣はいないだろォ?」
「私血肉になるんですか?!まだ死にたくないですよ!!?」
ゆっくりとした動きで私に近づき、後ずさる私を壁に追いやり、女子がときめく壁ドンというやつをそっとされた。
ドンされてないから壁ドンじゃないかもしれない。
そんなことを頭の片隅で考えながら反射的に口から出る抗議。
黒獅子に追いつめられプルプル震える子羊がこちらです。誰か助けて。
ペロリと私の耳を舐め、諦めな?と上機嫌で言われた。
ハチくんを紹介されたあと、私は再びシェルターに突っ込まれることになるのだが、案内役のハチくんはというと私が佐竹さんにアレやコレやされた部屋ではなく、その奥にある部屋のさらに下に向かい、とある部屋に通された。
「お嬢はこの部屋で過ごしてもらいますよー」なんて言われたあと、ハチくんは部屋を出て行ってしまい放置されることになる。
簡易的なキッチン含め、トイレもお風呂もあるので生活するには問題ないけれども。
思ったよりも快適に過ごせるこのシェルターは、テレビを見るか寝るかの二択でしかなく。
ぶっちゃけ、クッソ暇である。
さすがヤクザのシェルターの隠れ場所というところか。
家具なんかはおしゃれだし金かかってそう。
2DKくらいの間取り?広さ?
一応ベッドルームは分けられている。
キングサイズのベッドを見たときの私は、ため息が勝手に出た。
嫌な予感がするんだ。仕方ないだろう。
一通り部屋の間取りや家具なんかをチラ見して、テレビの前に陣取ったソファーにドスンと座る。
まーた閉じ込められた。
この部屋の入口のドアはシェルターに入ったときとおなじ仕組みっぽい。
私一人で部屋を抜け出すことは困難である。
シェルターと同じセキュリティドアがあり、そこの解除も困難である。
もーだめだぁー
私はココで飼い殺しにされるんだろうなぁー。あーあー。
いっそ、彼らの犬にでもなればある程度自由がきくんだろうか。
ソファーに寝ころび、足をパタパタさせながら思考を巡らせるが、どうにもいい考えが浮かばん。
ゴロゴロとソファーからわざと落ち、フカフカのラグの上から天井を見つめる。
「お前、床に落ちてんのに痛いとかないのかァ?」
財田さんがソファーの後ろから覗き込むように私を見下ろす。
「ラグのおかげで痛みはないですね」
そっけなくそう答えるとクツクツと喉を鳴らしながら、手を差し伸べてきた。
手を貸してくれるらしい。
左手はズボンのポケットに手を入れている。
目を細めながら口の端を上げ、クツクツ笑うその顔の破壊力はすさまじい。
イケメンのせいで目がつぶれそう。
伸ばされた手を握り、起こしてもらい、ソファーを挟んで見つめあう。
相変わらず楽しそうににやにやしている財田さん。
何がそんな楽しいのかは不明だが、機嫌がいいのに越したことはない。
「今日はおひとりなんですか?」
どうでもいいけど転がったところ見られてるじゃん。
わざとだとしてもなんかアホみたいな行動を見られるのはバツが悪い。
「今日は俺の番だからな。」
……?
オレノバン…?
きょとんとして首をかしげると、私のアホ面がよほど面白かったのかクスクス笑われた。
この人クスクスとか笑えるのか。
いや、それよりも俺の番てなんだ。
「俺が気に入った女だ。忙しくてお前と遊べる時間なかったからな。今日はゆっくりお前と過ごせるってこった。」
そういうと私の耳元に唇を寄せ、「ふたりっきりで。」とか言われた。
反射的に耳を押さえ、飛びのく。
やばい、そういうことか!!
今まで佐竹さんと三嶋さんとしかそういうことはなかったし、なんなら最後までしたのは佐竹さんだけだし、財田さんとないわけないとは思ってたけどすっかり意識してなかった!
ここのTOPが気に入ったとかで連れてこられているのにTOPとしないわけなかったそりゃそうだ!!
「そういう反応は新鮮だなァ…安心しろ、悪いようにはしねェよ?」
「悪いようにしかならないじゃないですか!私がしたくないとか言ったところでどうせするんでしょうが!!」
「そりゃぁなァ。獲物を喰わない獣はいないだろォ?」
「私血肉になるんですか?!まだ死にたくないですよ!!?」
ゆっくりとした動きで私に近づき、後ずさる私を壁に追いやり、女子がときめく壁ドンというやつをそっとされた。
ドンされてないから壁ドンじゃないかもしれない。
そんなことを頭の片隅で考えながら反射的に口から出る抗議。
黒獅子に追いつめられプルプル震える子羊がこちらです。誰か助けて。
ペロリと私の耳を舐め、諦めな?と上機嫌で言われた。
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