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第六十二話【筋肉痛が恥ずかしい…】
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意識が朦朧としていた。
佐竹さんに揺さぶられながら、何も考えることができずに訳も分からず、喘いでいた。
肉がぶつかり合う音。
ぐちゅぐちゅと響く水音。
男の息遣いと、女の嬌声。
どのくらい時間が過ぎたかもわからない。
薄暗い部屋の中。
何度目かの果ての後、佐竹さんが私からやっと離れた。
「…あ゙ゔぅ゙…も…しぬ…」
「死なない。死なせない。絶対に。」
「……セックスで殺されるのは嫌だ…」
「ほら、飲めるか?水。」
「うう…指一本動かせる気がしません」
汗と体液でドロドロになったシーツからぴくりとも動かず口だけで答える。
マジで化け物。
何時間していた…?
抱きおこされ、その態勢のまま、口づけられる。
舌で唇を開けられ、少しぬるくなった水が流し込まれる。
正直口移しとか恥ずかしいけど、腕を上げる体力も残っていないので、介護してもらうしかない。
…いや、ペットボトルの口を合わせてくれればいいだけではないのか。。。
抜けきった体の水分。
喘ぎすぎて砂漠状態の喉には、最高においしい水だった。
「まだ飲むだろ」
「…ペットボトルごとください。」
コクコクとペットボトルの水をふるえる腕を佐竹さんに支えてもらいながら飲み切り、ベッドに横になったところで、私の意識が途絶える。
カチャカチャという金属の音が耳障りで、目が覚めた。
サイドテーブルの前で、誰かが立って何かしている。
体を起こすと「あ、起きましたか。」という声で三嶋さんだという認識ができた。
ぼやけた視界で、「眼鏡、ください。」とボソっと告げる。
喉がガサガサ。
頭は酸欠になったときのようにガンガンと頭痛がする。
体中筋肉痛とだるさがあって、腰が死ぬほど痛い。
「体調はどうですか?食欲はあります?」
「…死ぬほど体調は悪いです。体中痛いし…。でも食欲は多少あります。」
「食べれそうなものを多少用意しました。ゼリーなどが多いですが、もう少し後で夕食です。その時に改めて温かいものをお持ちします。」
「どうも…」
「僕はいったん離れます。トイレはあのドアになります。なにかあったらココのボタンを押してください。ではまた後程。」
三嶋さんが部屋から出ていく。
サイドテーブルにはエネルギー補給用のゼリーやプリンなどが数個置いてある。
一つ手に取り、キャップを外してゼリー的な10秒チャージを飲み込む。
冷たいゼリーの甘さが死ぬほどおいしい。
ぽてん、と、重い体をベッドに預ける。
ああああああ…
マジか。マジでイタシテしまったのか。
両手で顔を覆い、ベッドの上で左右にごろごろと転がって、何とも言えない恥ずかしさを抑える。
まぁもう逃げられませんよね。えっちすることは。
しかも、しかもね。
気持ち良かったんです…
初めて性行為が気持ちいいものなのだということを知った。知ってしまった!
過去にしたやつ痛いし気持ち悪いし嫌悪だし、濡れることすらなかったのに!!
優しい言葉やら優しい触り方とかでこうも体が反応するとか…
私の体ちょろすぎん?!
ねえ大丈夫か?!
…とは言え。
痛みなんて一つもなくて、佐竹さんの気遣いっていうのを伺えるわけです。
あの野生の狼はちゃんと避妊してくれたし。
本当に性欲処理の為に抱いたわけじゃないことくらい、いくらアホな私でも理解できる。
……?
性欲処理のためじゃないエッチってなんだ?
…………いやいやいやいやいや!!
佐竹さんが私を好きってなんてことあるわけないじゃん?
だって最初の出会いが事務所でしょ。そのあとマンションきて、次の日には私逃げてるし。
好きになる要素がなんにもないぞ?
……ないない。
………ないよね?
…考えてもわからんことは、いったん横に置いておこう。
佐竹さんに揺さぶられながら、何も考えることができずに訳も分からず、喘いでいた。
肉がぶつかり合う音。
ぐちゅぐちゅと響く水音。
男の息遣いと、女の嬌声。
どのくらい時間が過ぎたかもわからない。
薄暗い部屋の中。
何度目かの果ての後、佐竹さんが私からやっと離れた。
「…あ゙ゔぅ゙…も…しぬ…」
「死なない。死なせない。絶対に。」
「……セックスで殺されるのは嫌だ…」
「ほら、飲めるか?水。」
「うう…指一本動かせる気がしません」
汗と体液でドロドロになったシーツからぴくりとも動かず口だけで答える。
マジで化け物。
何時間していた…?
抱きおこされ、その態勢のまま、口づけられる。
舌で唇を開けられ、少しぬるくなった水が流し込まれる。
正直口移しとか恥ずかしいけど、腕を上げる体力も残っていないので、介護してもらうしかない。
…いや、ペットボトルの口を合わせてくれればいいだけではないのか。。。
抜けきった体の水分。
喘ぎすぎて砂漠状態の喉には、最高においしい水だった。
「まだ飲むだろ」
「…ペットボトルごとください。」
コクコクとペットボトルの水をふるえる腕を佐竹さんに支えてもらいながら飲み切り、ベッドに横になったところで、私の意識が途絶える。
カチャカチャという金属の音が耳障りで、目が覚めた。
サイドテーブルの前で、誰かが立って何かしている。
体を起こすと「あ、起きましたか。」という声で三嶋さんだという認識ができた。
ぼやけた視界で、「眼鏡、ください。」とボソっと告げる。
喉がガサガサ。
頭は酸欠になったときのようにガンガンと頭痛がする。
体中筋肉痛とだるさがあって、腰が死ぬほど痛い。
「体調はどうですか?食欲はあります?」
「…死ぬほど体調は悪いです。体中痛いし…。でも食欲は多少あります。」
「食べれそうなものを多少用意しました。ゼリーなどが多いですが、もう少し後で夕食です。その時に改めて温かいものをお持ちします。」
「どうも…」
「僕はいったん離れます。トイレはあのドアになります。なにかあったらココのボタンを押してください。ではまた後程。」
三嶋さんが部屋から出ていく。
サイドテーブルにはエネルギー補給用のゼリーやプリンなどが数個置いてある。
一つ手に取り、キャップを外してゼリー的な10秒チャージを飲み込む。
冷たいゼリーの甘さが死ぬほどおいしい。
ぽてん、と、重い体をベッドに預ける。
ああああああ…
マジか。マジでイタシテしまったのか。
両手で顔を覆い、ベッドの上で左右にごろごろと転がって、何とも言えない恥ずかしさを抑える。
まぁもう逃げられませんよね。えっちすることは。
しかも、しかもね。
気持ち良かったんです…
初めて性行為が気持ちいいものなのだということを知った。知ってしまった!
過去にしたやつ痛いし気持ち悪いし嫌悪だし、濡れることすらなかったのに!!
優しい言葉やら優しい触り方とかでこうも体が反応するとか…
私の体ちょろすぎん?!
ねえ大丈夫か?!
…とは言え。
痛みなんて一つもなくて、佐竹さんの気遣いっていうのを伺えるわけです。
あの野生の狼はちゃんと避妊してくれたし。
本当に性欲処理の為に抱いたわけじゃないことくらい、いくらアホな私でも理解できる。
……?
性欲処理のためじゃないエッチってなんだ?
…………いやいやいやいやいや!!
佐竹さんが私を好きってなんてことあるわけないじゃん?
だって最初の出会いが事務所でしょ。そのあとマンションきて、次の日には私逃げてるし。
好きになる要素がなんにもないぞ?
……ないない。
………ないよね?
…考えてもわからんことは、いったん横に置いておこう。
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