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第五十七話【状況整理】
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んんんんんんん?!?!?!
なんでここにいる!?
てかどうやって入った!?
いやいやいやいや!!!!
思わずソファーの上から飛び上がり、窓を背に張り付く。
その様子がおかしかったのか、クツクツと喉を鳴らし、私から顔を背けて口元に拳を当てている。
私はというと驚きすぎて声も出ないし、心臓がバクバクしてる。
そこにいる佐竹さんは本物なのかもわからないほどパニックだ。
「そんなに驚かれると、隠れていたかいがあるってものだな。」
「し、心臓が口から飛び出る…」
「だから、心臓は口からでねぇよ…ククっ」
まぁ座れよと、ソファーに促される。
座れよと言われて、大人しく座れるほどこの人たちを信用していないし、何よりびっくりしすぎて頭回らないし、ていうかなんでいるの本当に!!
後ずさるように、ズリズリと横へ佐竹さんから距離をとる。
そんな私を見つつ、私が座っていた場所へ佐竹さんがゆっくり座る。
「なんでいるんですか!てか隠れていたって何なんですか!」
「ここは俺の経営するホテルの1つだ。お前が来ているのを知ったから迎えに来たまで。」
(春生…!!なんで佐竹さんの経営してるホテルだって知らなかったの!!!)
そういえば、佐竹家が手を出している分野は多岐にわたるというのを忘れていた。
スイーツバイキングだけなら佐竹さんと出くわすことなかったんじゃないのか!
ていうかそもそも、このスイートルーム…まさか…
「佐竹さん、もしかしてこの部屋って……」
「俺が用意した部屋だぞ?お前もともと宿泊予定じゃないだろ。」
「てっきり知り合いが予約してくれたのかと…」
「どうりでノコノコついてくるわけだ。お前注意力なさすぎだろ…」
「うぐっ」
状況を整理しよう。
春生はスイーツバイキングの招待券を私にくれた。
スイーツバイキングのホテルが佐竹さんの経営するホテルだった。
食べにくる私。
私をたまたま見つけた佐竹さんが、私を確保するためにこの部屋を用意。
ホテルマンが私を迎えに来る。
私は春生がお部屋をとってくれたと勘違いし、ノコノコとここまでくる。
佐竹さんにまんまと捕獲される。
↑イマココ。
うわぁ、うそぉ。
「まぁ、というわけで、今日はここには泊まれない。」
「うそぉ…」
いや、もうなんで!!
せっかくいい気分で幸せ満喫してたのに!!
しかもスイートルームなんて泊ることないのに!!
「そんなに残念な顔すんな、山村、荷物頼む。」
!?
山村さんいたの!?
荷物のあった場所を見ると山村さんがペコっと頭を下げた。
ほんとにいるじゃん!!
ギシっとソファーを鳴らし、ゆっくりと私に近づく大男。
「深月、もう逃がさないからな。」
私の顔にそっと触れたかと思うと、ぎゅぅっと抱きしめられた。
どうしてだろう…あんなに怖かったはずの佐竹さんが、全然怖いと思わなくなった。
言葉はあの時と変わらない。
でも、その声は、少し震えていたのだ。
なんでここにいる!?
てかどうやって入った!?
いやいやいやいや!!!!
思わずソファーの上から飛び上がり、窓を背に張り付く。
その様子がおかしかったのか、クツクツと喉を鳴らし、私から顔を背けて口元に拳を当てている。
私はというと驚きすぎて声も出ないし、心臓がバクバクしてる。
そこにいる佐竹さんは本物なのかもわからないほどパニックだ。
「そんなに驚かれると、隠れていたかいがあるってものだな。」
「し、心臓が口から飛び出る…」
「だから、心臓は口からでねぇよ…ククっ」
まぁ座れよと、ソファーに促される。
座れよと言われて、大人しく座れるほどこの人たちを信用していないし、何よりびっくりしすぎて頭回らないし、ていうかなんでいるの本当に!!
後ずさるように、ズリズリと横へ佐竹さんから距離をとる。
そんな私を見つつ、私が座っていた場所へ佐竹さんがゆっくり座る。
「なんでいるんですか!てか隠れていたって何なんですか!」
「ここは俺の経営するホテルの1つだ。お前が来ているのを知ったから迎えに来たまで。」
(春生…!!なんで佐竹さんの経営してるホテルだって知らなかったの!!!)
そういえば、佐竹家が手を出している分野は多岐にわたるというのを忘れていた。
スイーツバイキングだけなら佐竹さんと出くわすことなかったんじゃないのか!
ていうかそもそも、このスイートルーム…まさか…
「佐竹さん、もしかしてこの部屋って……」
「俺が用意した部屋だぞ?お前もともと宿泊予定じゃないだろ。」
「てっきり知り合いが予約してくれたのかと…」
「どうりでノコノコついてくるわけだ。お前注意力なさすぎだろ…」
「うぐっ」
状況を整理しよう。
春生はスイーツバイキングの招待券を私にくれた。
スイーツバイキングのホテルが佐竹さんの経営するホテルだった。
食べにくる私。
私をたまたま見つけた佐竹さんが、私を確保するためにこの部屋を用意。
ホテルマンが私を迎えに来る。
私は春生がお部屋をとってくれたと勘違いし、ノコノコとここまでくる。
佐竹さんにまんまと捕獲される。
↑イマココ。
うわぁ、うそぉ。
「まぁ、というわけで、今日はここには泊まれない。」
「うそぉ…」
いや、もうなんで!!
せっかくいい気分で幸せ満喫してたのに!!
しかもスイートルームなんて泊ることないのに!!
「そんなに残念な顔すんな、山村、荷物頼む。」
!?
山村さんいたの!?
荷物のあった場所を見ると山村さんがペコっと頭を下げた。
ほんとにいるじゃん!!
ギシっとソファーを鳴らし、ゆっくりと私に近づく大男。
「深月、もう逃がさないからな。」
私の顔にそっと触れたかと思うと、ぎゅぅっと抱きしめられた。
どうしてだろう…あんなに怖かったはずの佐竹さんが、全然怖いと思わなくなった。
言葉はあの時と変わらない。
でも、その声は、少し震えていたのだ。
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