62 / 106
❸
第五十七話【状況整理】
しおりを挟む
んんんんんんん?!?!?!
なんでここにいる!?
てかどうやって入った!?
いやいやいやいや!!!!
思わずソファーの上から飛び上がり、窓を背に張り付く。
その様子がおかしかったのか、クツクツと喉を鳴らし、私から顔を背けて口元に拳を当てている。
私はというと驚きすぎて声も出ないし、心臓がバクバクしてる。
そこにいる佐竹さんは本物なのかもわからないほどパニックだ。
「そんなに驚かれると、隠れていたかいがあるってものだな。」
「し、心臓が口から飛び出る…」
「だから、心臓は口からでねぇよ…ククっ」
まぁ座れよと、ソファーに促される。
座れよと言われて、大人しく座れるほどこの人たちを信用していないし、何よりびっくりしすぎて頭回らないし、ていうかなんでいるの本当に!!
後ずさるように、ズリズリと横へ佐竹さんから距離をとる。
そんな私を見つつ、私が座っていた場所へ佐竹さんがゆっくり座る。
「なんでいるんですか!てか隠れていたって何なんですか!」
「ここは俺の経営するホテルの1つだ。お前が来ているのを知ったから迎えに来たまで。」
(春生…!!なんで佐竹さんの経営してるホテルだって知らなかったの!!!)
そういえば、佐竹家が手を出している分野は多岐にわたるというのを忘れていた。
スイーツバイキングだけなら佐竹さんと出くわすことなかったんじゃないのか!
ていうかそもそも、このスイートルーム…まさか…
「佐竹さん、もしかしてこの部屋って……」
「俺が用意した部屋だぞ?お前もともと宿泊予定じゃないだろ。」
「てっきり知り合いが予約してくれたのかと…」
「どうりでノコノコついてくるわけだ。お前注意力なさすぎだろ…」
「うぐっ」
状況を整理しよう。
春生はスイーツバイキングの招待券を私にくれた。
スイーツバイキングのホテルが佐竹さんの経営するホテルだった。
食べにくる私。
私をたまたま見つけた佐竹さんが、私を確保するためにこの部屋を用意。
ホテルマンが私を迎えに来る。
私は春生がお部屋をとってくれたと勘違いし、ノコノコとここまでくる。
佐竹さんにまんまと捕獲される。
↑イマココ。
うわぁ、うそぉ。
「まぁ、というわけで、今日はここには泊まれない。」
「うそぉ…」
いや、もうなんで!!
せっかくいい気分で幸せ満喫してたのに!!
しかもスイートルームなんて泊ることないのに!!
「そんなに残念な顔すんな、山村、荷物頼む。」
!?
山村さんいたの!?
荷物のあった場所を見ると山村さんがペコっと頭を下げた。
ほんとにいるじゃん!!
ギシっとソファーを鳴らし、ゆっくりと私に近づく大男。
「深月、もう逃がさないからな。」
私の顔にそっと触れたかと思うと、ぎゅぅっと抱きしめられた。
どうしてだろう…あんなに怖かったはずの佐竹さんが、全然怖いと思わなくなった。
言葉はあの時と変わらない。
でも、その声は、少し震えていたのだ。
なんでここにいる!?
てかどうやって入った!?
いやいやいやいや!!!!
思わずソファーの上から飛び上がり、窓を背に張り付く。
その様子がおかしかったのか、クツクツと喉を鳴らし、私から顔を背けて口元に拳を当てている。
私はというと驚きすぎて声も出ないし、心臓がバクバクしてる。
そこにいる佐竹さんは本物なのかもわからないほどパニックだ。
「そんなに驚かれると、隠れていたかいがあるってものだな。」
「し、心臓が口から飛び出る…」
「だから、心臓は口からでねぇよ…ククっ」
まぁ座れよと、ソファーに促される。
座れよと言われて、大人しく座れるほどこの人たちを信用していないし、何よりびっくりしすぎて頭回らないし、ていうかなんでいるの本当に!!
後ずさるように、ズリズリと横へ佐竹さんから距離をとる。
そんな私を見つつ、私が座っていた場所へ佐竹さんがゆっくり座る。
「なんでいるんですか!てか隠れていたって何なんですか!」
「ここは俺の経営するホテルの1つだ。お前が来ているのを知ったから迎えに来たまで。」
(春生…!!なんで佐竹さんの経営してるホテルだって知らなかったの!!!)
そういえば、佐竹家が手を出している分野は多岐にわたるというのを忘れていた。
スイーツバイキングだけなら佐竹さんと出くわすことなかったんじゃないのか!
ていうかそもそも、このスイートルーム…まさか…
「佐竹さん、もしかしてこの部屋って……」
「俺が用意した部屋だぞ?お前もともと宿泊予定じゃないだろ。」
「てっきり知り合いが予約してくれたのかと…」
「どうりでノコノコついてくるわけだ。お前注意力なさすぎだろ…」
「うぐっ」
状況を整理しよう。
春生はスイーツバイキングの招待券を私にくれた。
スイーツバイキングのホテルが佐竹さんの経営するホテルだった。
食べにくる私。
私をたまたま見つけた佐竹さんが、私を確保するためにこの部屋を用意。
ホテルマンが私を迎えに来る。
私は春生がお部屋をとってくれたと勘違いし、ノコノコとここまでくる。
佐竹さんにまんまと捕獲される。
↑イマココ。
うわぁ、うそぉ。
「まぁ、というわけで、今日はここには泊まれない。」
「うそぉ…」
いや、もうなんで!!
せっかくいい気分で幸せ満喫してたのに!!
しかもスイートルームなんて泊ることないのに!!
「そんなに残念な顔すんな、山村、荷物頼む。」
!?
山村さんいたの!?
荷物のあった場所を見ると山村さんがペコっと頭を下げた。
ほんとにいるじゃん!!
ギシっとソファーを鳴らし、ゆっくりと私に近づく大男。
「深月、もう逃がさないからな。」
私の顔にそっと触れたかと思うと、ぎゅぅっと抱きしめられた。
どうしてだろう…あんなに怖かったはずの佐竹さんが、全然怖いと思わなくなった。
言葉はあの時と変わらない。
でも、その声は、少し震えていたのだ。
0
お気に入りに追加
546
あなたにおすすめの小説

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。


マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041


ヤクザと私と。~養子じゃなく嫁でした
瀬名。
恋愛
大学1年生の冬。母子家庭の私は、母に逃げられました。
家も取り押さえられ、帰る場所もない。
まず、借金返済をしてないから、私も逃げないとやばい。
…そんな時、借金取りにきた私を買ってくれたのは。
ヤクザの若頭でした。
*この話はフィクションです
現実ではあり得ませんが、物語の過程としてむちゃくちゃしてます
ツッコミたくてイラつく人はお帰りください
またこの話を鵜呑みにする読者がいたとしても私は一切の責任を負いませんのでご了承ください*

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる