61 / 106
❸
第五十六話【スイートルームの罠】
しおりを挟む
お兄様、深月。こんな高級ホテルのかなり上のほうのフロアに来たことありません…
しかもドアとドアがかなり離れておりまして…
ここは、もしや、世でいうところのいわゆる……
スイートルームというやつでは!!!!
いやぁ、深月さんめっちゃ引きこもりだったから、こんな素敵なプレゼントくれるなんて思ってなくて…!
帰ったらお兄様に何をお返ししたらいいのやらわからないんだけど!
でもでもめっちゃうれしい……
スイートルームでしょ!一泊させてくれる感じだよねこの感じ!
目の前を先導してくれるホテルマンさんが、うやうやしく「お疲れ様でした。こちらのお部屋になります。」と言って振り返る。
カードキーをかざし、かちゃりという音の後、ドアを開けてくれるホテルマンさん。
視界に広がる廊下のような通路の奥には、大きな窓から見える青空と、東京の街。
すこし速足で窓に駆け寄り、東京を一望できる窓に張り付くと「うわぁ」と思わず声が出た。
最高のビューだ。
素敵だ!
「こちらにお荷物を置かせていただきました。どうぞお楽しみください。」
「あ、はい!ありがとうございます!」
ホテルマンさんが部屋を出ていくのを見送り、室内をくるりと見渡す。
リビングになっている部屋だけでもめちゃめちゃ素敵だ。
近代的で温かみのある家具とデザイン。
シンプルだけどおしゃれってなんかすごい。
今まで泊ったことがあるホテルなんて、ビジネスホテルだし、こんな広いお部屋に来ることもなければ、ホテルマンさんが部屋まで案内するようなホテルに来たことないから本当に感動した。
「本当に素敵だ…ここ泊っていいのかな…お兄様に感謝だわぁ…」
「そんなに気に入ったのか。それはよかった。」
うっとりと景色を見ながらつぶやいた瞬間、入口の方から声がした。
聞いた記憶のある声。
低音の、色気のある、でも二度と聞くことはないと思っていたあの声。
ゆっくりと顔を声のほうへ向ける。
ダークグレーのスーツ。
ツーブロックにした短髪。
色気が漂う端整な、でも男らしい顔だち。
大企業の御曹司でもあり、暴力団の若頭の右腕を務める。
壁に寄りかかり、腕を組み、佐竹陽が目を細め微笑んでいた。
「ようこそ、我がホテルへ。」
しかもドアとドアがかなり離れておりまして…
ここは、もしや、世でいうところのいわゆる……
スイートルームというやつでは!!!!
いやぁ、深月さんめっちゃ引きこもりだったから、こんな素敵なプレゼントくれるなんて思ってなくて…!
帰ったらお兄様に何をお返ししたらいいのやらわからないんだけど!
でもでもめっちゃうれしい……
スイートルームでしょ!一泊させてくれる感じだよねこの感じ!
目の前を先導してくれるホテルマンさんが、うやうやしく「お疲れ様でした。こちらのお部屋になります。」と言って振り返る。
カードキーをかざし、かちゃりという音の後、ドアを開けてくれるホテルマンさん。
視界に広がる廊下のような通路の奥には、大きな窓から見える青空と、東京の街。
すこし速足で窓に駆け寄り、東京を一望できる窓に張り付くと「うわぁ」と思わず声が出た。
最高のビューだ。
素敵だ!
「こちらにお荷物を置かせていただきました。どうぞお楽しみください。」
「あ、はい!ありがとうございます!」
ホテルマンさんが部屋を出ていくのを見送り、室内をくるりと見渡す。
リビングになっている部屋だけでもめちゃめちゃ素敵だ。
近代的で温かみのある家具とデザイン。
シンプルだけどおしゃれってなんかすごい。
今まで泊ったことがあるホテルなんて、ビジネスホテルだし、こんな広いお部屋に来ることもなければ、ホテルマンさんが部屋まで案内するようなホテルに来たことないから本当に感動した。
「本当に素敵だ…ここ泊っていいのかな…お兄様に感謝だわぁ…」
「そんなに気に入ったのか。それはよかった。」
うっとりと景色を見ながらつぶやいた瞬間、入口の方から声がした。
聞いた記憶のある声。
低音の、色気のある、でも二度と聞くことはないと思っていたあの声。
ゆっくりと顔を声のほうへ向ける。
ダークグレーのスーツ。
ツーブロックにした短髪。
色気が漂う端整な、でも男らしい顔だち。
大企業の御曹司でもあり、暴力団の若頭の右腕を務める。
壁に寄りかかり、腕を組み、佐竹陽が目を細め微笑んでいた。
「ようこそ、我がホテルへ。」
0
お気に入りに追加
546
あなたにおすすめの小説

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。

マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。


お兄ちゃんはお医者さん!?
すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。
如月 陽菜(きさらぎ ひな)
病院が苦手。
如月 陽菜の主治医。25歳。
高橋 翔平(たかはし しょうへい)
内科医の医師。
※このお話に出てくるものは
現実とは何の関係もございません。
※治療法、病名など
ほぼ知識なしで書かせて頂きました。
お楽しみください♪♪

ナイトプールで熱い夜
狭山雪菜
恋愛
萌香は、27歳のバリバリのキャリアウーマン。大学からの親友美波に誘われて、未成年者不可のナイトプールへと行くと、親友がナンパされていた。ナンパ男と居たもう1人の無口な男は、何故か私の側から離れなくて…?
この作品は、「小説家になろう」にも掲載しております。


地味女で喪女でもよく濡れる。~俺様海運王に開発されました~
あこや(亜胡夜カイ)
恋愛
新米学芸員の工藤貴奈(くどうあてな)は、自他ともに認める地味女で喪女だが、素敵な思い出がある。卒業旅行で訪れたギリシャで出会った美麗な男とのワンナイトラブだ。文字通り「ワンナイト」のつもりだったのに、なぜか貴奈に執着した男は日本へやってきた。貴奈が所属する博物館を含むグループ企業を丸ごと買収、CEOとして乗り込んできたのだ。「お前は俺が開発する」と宣言して、貴奈を学芸員兼秘書として側に置くという。彼氏いない歴=年齢、好きな相手は壁画の住人、「だったはず」の貴奈は、昼も夜も彼の執着に翻弄され、やがて体が応えるように……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる