３獣と檻の中

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第五十四話【情報と計画】

深夜、龍桜会事務所。＿＿＿


組長室のソファーには佐竹、三嶋が向い合せに座り、財田がデスクの前に足を組んで座っていた。


予定の時間。
自動的にＰＣが立ち上がり、しばらくすると音声通話のコール音が鳴り始めた。
財田が二人のほうに視線を送ると、三嶋がうなずき、持っていた何かのスイッチを入れる。

５回目のコール音の後、通話を開始する。

『ハローハロー、財田くん、きっこえってるー？こっちは見えてるよー。ちょっと反応遅かったねぇ、まーいっか』

「相変わらずのテンションだなァ」

電子系のノイズが入り混じったボイスチェンジャー越しの声。
それでもケラケラと笑い声が聞こえそうなしゃべり方に眉間にしわが寄る。

『待機ご苦労！そっちの準備はどー？』

「ソッチがもっと早くデータ渡してくれればこんなに時間はかからなかったんだけどなァ」

『そんなに安い情報じゃないしねぇ…やすやすと渡すわけないじゃん？そんなことより、何度も言わせないで？そっちの準備はできたのー？』

「ある程度は。」

『ある程度かぁ…いつ頃動けるようになるの？僕結構待ったんだけどー』

「…ハァ…１週間後だ。３日後にヒカルの方の件が決定する。」

『りょーかい。じゃぁそのつもりでこっちも進めようかな。１０日後の予定なんてどう？』

「今のところ問題はない。」

『じゃ、コレ。姫の情報とタニカワの情報ね。』

画面越しに聞こえた声のすぐあとに、ピコンとデータが送られてきた。

「……お前、いいのか？」

『良いも悪いも、いい加減どうにかしないといけないからなぁ、こっちも。』

「話が見えないな。協力体制にあるんだからそっちの情報を少しくらいよこせよ」

『……僕は君らを信用できると判断したから情報を渡すんだ。せいぜい僕の手のひらで踊ってね？
じゃ、またこっちの準備終わったら連絡するねー、まったねぇ！』