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第四十七話【害のないストーカー】
しおりを挟むこの家のセキュリティはプログラミングから管理まで春生がしている。
ハッカーとしての腕は世界有数であり、引く手数多で、今現状のシステムで春生が入れないシステムはないし、どれだけ強固なセキュリティを施していたとしても無駄に終わる。
それくらいこの人はすごい。
ハッキング能力、クラッキング能力、ウイルスの作成、その他、いろいろ。
特にネットやPCにおいてはこの人の右に出るものは国内では、もう居ないだろう。
国宝級だと思っている。思ってはいるが。
能力の無駄づかいをすることがある。
特に私に関して。
過保護なのはもう、この際どうにもならないのでいいとして。
私にGPS付きのナニガシを持たせているのもこの人であり。
基本私の居場所は24時間わかるようにしているし。
街中の監視カメラはいつでも見れるし。
私に関してその能力を惜しげも無く使っている。
そして、知らない間に私の写真コレクションが増えていたりする。
いわゆる、私のストーカーなのだ。
害はないけど。
本当は春生のもとにいるのが一番(わたしにとって)安全だし、春生に頼めば生活に困ることもない。
表向きは不動産経営で生活している人なので、表の仕事だけでも遊んで暮らせるし。
でも、私は春生に甘えているだけではダメだと、自立の道を選択したのだ。
独り暮らしをしたいと言い出した時、ものすごく反対された。
それでもなんとか1年ねばって、条件付きの元、一人暮らしを許可された。
条件はいろいろあったのだけど。
その一つに、仕事を手伝う事。というものがある。
春生の言う仕事ってのは、裏のほうのお仕事の事で、
私がほそぼそとやっていたウェブライターはそっちのお仕事の隠れ蓑である。
春生の仕事を手伝う=春生と密に連絡を取るという事なので、仕事を理由に繋がっていられるというのが春生の考えらしい。
自分の性格や、性質もあるだろうけど、この仕事のせいも相まって余計に引きこもりが加速し、一人暮らしをするメリットみたいなものがほぼないという状態だ。
それでも見守っていてくれる人が春生だと言うだけでも心強く、過保護ではあれど、あまり口出ししてこないのはとても嬉しかった。
春生には感謝しかない。
たまに春生の好みの洋服が送られてこようが、欲しいなと呟いた物が次の日に送られてこようが、私の信頼と信用を持っているたった2人のうちの1人なのだ。
応援ありがとうございます!
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