45 / 106
❷
第四十話【バグる男たち】
しおりを挟む
「誰だお前」
どいつもこいつも…!!!
いや、別人に見えてるなら成功か?怒るところじゃないか。
ご帰宅開口一番がそれか。財田よ…
「酷くないです?」
リビングでのほほんとコーヒーを飲んでいたら
財田さんと佐竹さんがどかどかと入ってきた。
思ったより早いご帰宅ですね?
まだ夕方ですが…
「ミツキだ…」
「え、深月?!これ、え?」
「いや、本当に、開口一番がそれってどうなんですか?」
てか指差すんじゃないよ…財田さん…。
佐々木さんと山村さんも1時間くらいちらちら見ながら顔を赤らめたりソワソワしたりしてたけども。
「深月ですよ。この部屋でのんきにコーヒーすすれる女はほかにいますか?じゃなかったら佐々木さんと山村さんが追い出してるでしょうよ…」
ため息にしては大きい音で、わざと息をついてやる。
「お前、化粧はすんな。」
「え、そんな化け物みたいになってます?いつの間に崩れたんだろう、ちょっと部屋もどってし直してきますね」
「そうじゃない。」
顔をこすったりしたつもりはないのだが、そこまで化け物状態だとさすがに誰だって言われたのも納得できるし、と、立ち上がった瞬間。
佐竹さんに捕まり抱きしめられた。
(うぉっ!びっくりしたぁ)
背中を曲げて私の頭を抱えるようにそっと抱きしめているこの巨人佐竹は、事あるごとに触りたがる。
触りたがるというか、抱きしめるというか、抱っこするというか。
なんなんだろうか。
胸に顔面があたると化粧も落ちるが眼鏡も落ちる。
早々に放してほしい。
「あの?」
「シロとシュウだけでも厄介なのに、他のやつまでお前の魅力に気づいたらめんどくせぇ」
「…?どういうことです?」
「にしても、別人だぜ?お前。変わりすぎてビビるわ。女って怖ェな」
「それは褒められてるんですか?けなされてるんですか?」
「でもこれは可愛い…今すぐ襲いたくなる。シロ、2時間くれ」
「それはやめて!?」
腕にギュウっと力が込められる。
ちょっと痛い…
(ん?いまなんて言った?佐竹さん可愛いって言わなかったか?)
「俺はすっぴんのほうが好みだなァ。あとお前に時間やるくらいなら俺が貰う」
「だからやめて!?」
(貴方の好みは聞いておりませんし、どっちの相手もヤダ!!)
「てかそろそろ、放してください。せっかくのメイク崩れる!」
「……。」
(無言で抵抗するのやめて!?)
「はーなーしーてっ!!」
佐竹財田の二人を一度に相手にするのめんどくさ…
佐竹さんの手が頭から離れて一歩距離を取ったのに、腕をつかまれた。
そのままストンとソファーに座る巨人。
流れるように膝に乗せられる私。
ま・た・か!
定位置か?定位置なのか?
もう佐竹さんが動く時までどうせこのままだ。
諦めて佐竹さんの腿に深く座り、その大きな胸に体重を乗せるように寄りかかる。
ちらっと上をみるとちょっと驚いた顔をしていた。
そうだろう、そうだろう。
私が寄りかかるなんて思ってないよね?
でも私ももう背に腹は代えられないんだ。
足が着かない以上そうするしか安定して座れないんだよ!!!
ふわっと佐竹さんが笑う。
え、それどういう感情?
なんかよくわからないけど、佐竹さんの顔の周りに花でも飛んでそうなくらい機嫌が良くなった気がする。
パタパタとキッチンのほうから山村さんがコーヒーを持ってきたのだが、こっちの様子が目に入った瞬間、足を止めて顔をひくつかせてる。
山村さんの反応を見る限りだと佐竹さんの表情筋バグったのかな…
怖くて確認したくないけど。
財田さんはと言うと、佐竹さんの向かい側に座ってさっきまで私とコーヒーを飲んでいた佐々木さんとお話し中だ。
「佐々木もアレ見たとき誰だってなったろ」
「なりませんでしたよ。山村は誰って言ってましたけど。」
「ちょっ!仕方ないじゃないですか!あんな美少女、俺見たことないですもん!」
「少女って年齢じゃないだろがァ、山村ァ」
「もともと10代に見えるじゃないですか!吉沢さんて!」
「まぁわかりますけどねぇ、年相応には見えないのは確かですし。」
「でしょぉ?!」
「つかアレ、カラコン?」
「そうっすよ」
「意外に似合うな。青。」
「そっすよね!黒髪に青目って違和感バリバリかとおもったんすけど」
大事な話してんのかと思ったら全然違って、私の話で盛り上がってた。
てか山村さんそんなラフにしゃべってるの初めて見たわ。
山村さんのテンションもバグったのか?
どいつもこいつも…!!!
いや、別人に見えてるなら成功か?怒るところじゃないか。
ご帰宅開口一番がそれか。財田よ…
「酷くないです?」
リビングでのほほんとコーヒーを飲んでいたら
財田さんと佐竹さんがどかどかと入ってきた。
思ったより早いご帰宅ですね?
まだ夕方ですが…
「ミツキだ…」
「え、深月?!これ、え?」
「いや、本当に、開口一番がそれってどうなんですか?」
てか指差すんじゃないよ…財田さん…。
佐々木さんと山村さんも1時間くらいちらちら見ながら顔を赤らめたりソワソワしたりしてたけども。
「深月ですよ。この部屋でのんきにコーヒーすすれる女はほかにいますか?じゃなかったら佐々木さんと山村さんが追い出してるでしょうよ…」
ため息にしては大きい音で、わざと息をついてやる。
「お前、化粧はすんな。」
「え、そんな化け物みたいになってます?いつの間に崩れたんだろう、ちょっと部屋もどってし直してきますね」
「そうじゃない。」
顔をこすったりしたつもりはないのだが、そこまで化け物状態だとさすがに誰だって言われたのも納得できるし、と、立ち上がった瞬間。
佐竹さんに捕まり抱きしめられた。
(うぉっ!びっくりしたぁ)
背中を曲げて私の頭を抱えるようにそっと抱きしめているこの巨人佐竹は、事あるごとに触りたがる。
触りたがるというか、抱きしめるというか、抱っこするというか。
なんなんだろうか。
胸に顔面があたると化粧も落ちるが眼鏡も落ちる。
早々に放してほしい。
「あの?」
「シロとシュウだけでも厄介なのに、他のやつまでお前の魅力に気づいたらめんどくせぇ」
「…?どういうことです?」
「にしても、別人だぜ?お前。変わりすぎてビビるわ。女って怖ェな」
「それは褒められてるんですか?けなされてるんですか?」
「でもこれは可愛い…今すぐ襲いたくなる。シロ、2時間くれ」
「それはやめて!?」
腕にギュウっと力が込められる。
ちょっと痛い…
(ん?いまなんて言った?佐竹さん可愛いって言わなかったか?)
「俺はすっぴんのほうが好みだなァ。あとお前に時間やるくらいなら俺が貰う」
「だからやめて!?」
(貴方の好みは聞いておりませんし、どっちの相手もヤダ!!)
「てかそろそろ、放してください。せっかくのメイク崩れる!」
「……。」
(無言で抵抗するのやめて!?)
「はーなーしーてっ!!」
佐竹財田の二人を一度に相手にするのめんどくさ…
佐竹さんの手が頭から離れて一歩距離を取ったのに、腕をつかまれた。
そのままストンとソファーに座る巨人。
流れるように膝に乗せられる私。
ま・た・か!
定位置か?定位置なのか?
もう佐竹さんが動く時までどうせこのままだ。
諦めて佐竹さんの腿に深く座り、その大きな胸に体重を乗せるように寄りかかる。
ちらっと上をみるとちょっと驚いた顔をしていた。
そうだろう、そうだろう。
私が寄りかかるなんて思ってないよね?
でも私ももう背に腹は代えられないんだ。
足が着かない以上そうするしか安定して座れないんだよ!!!
ふわっと佐竹さんが笑う。
え、それどういう感情?
なんかよくわからないけど、佐竹さんの顔の周りに花でも飛んでそうなくらい機嫌が良くなった気がする。
パタパタとキッチンのほうから山村さんがコーヒーを持ってきたのだが、こっちの様子が目に入った瞬間、足を止めて顔をひくつかせてる。
山村さんの反応を見る限りだと佐竹さんの表情筋バグったのかな…
怖くて確認したくないけど。
財田さんはと言うと、佐竹さんの向かい側に座ってさっきまで私とコーヒーを飲んでいた佐々木さんとお話し中だ。
「佐々木もアレ見たとき誰だってなったろ」
「なりませんでしたよ。山村は誰って言ってましたけど。」
「ちょっ!仕方ないじゃないですか!あんな美少女、俺見たことないですもん!」
「少女って年齢じゃないだろがァ、山村ァ」
「もともと10代に見えるじゃないですか!吉沢さんて!」
「まぁわかりますけどねぇ、年相応には見えないのは確かですし。」
「でしょぉ?!」
「つかアレ、カラコン?」
「そうっすよ」
「意外に似合うな。青。」
「そっすよね!黒髪に青目って違和感バリバリかとおもったんすけど」
大事な話してんのかと思ったら全然違って、私の話で盛り上がってた。
てか山村さんそんなラフにしゃべってるの初めて見たわ。
山村さんのテンションもバグったのか?
0
お気に入りに追加
545
あなたにおすすめの小説

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。


淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

密室に二人閉じ込められたら?
水瀬かずか
恋愛
気がつけば会社の倉庫に閉じ込められていました。明日会社に人 が来るまで凍える倉庫で一晩過ごすしかない。一緒にいるのは営業 のエースといわれている強面の先輩。怯える私に「こっちへ来い」 と先輩が声をかけてきて……?

お隣さんはヤのつくご職業
古亜
恋愛
佐伯梓は、日々平穏に過ごしてきたOL。
残業から帰り夜食のカップ麺を食べていたら、突然壁に穴が空いた。
元々薄い壁だと思ってたけど、まさか人が飛んでくるなんて……ん?そもそも人が飛んでくるっておかしくない?それにお隣さんの顔、初めて見ましたがだいぶ強面でいらっしゃいますね。
……え、ちゃんとしたもん食え?
ちょ、冷蔵庫漁らないでくださいっ!!
ちょっとアホな社畜OLがヤクザさんとご飯を食べるラブコメ
建築基準法と物理法則なんて知りません
登場人物や団体の名称や設定は作者が適当に生み出したものであり、現実に類似のものがあったとしても一切関係ありません。
2020/5/26 完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる