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第三十三話【身長差が大人と子供】
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佐竹さんと二人きりなんて、身の危険を感じるだけで。
ハイパー気まずいので「二度寝します。やること、特にないので。」と言うと
そうだな、ゆっくり寝ろ。とだけ言われて自室に戻っていった。
意外にもあっさり解放されて拍子抜けである。
(なんだろ、この違和感。)
私の身体を弄ぶことが目的…のはずなのに
最後までしない男たち。
自分の肉欲だけを処理したいという感じでもなくて、なのに別に私の《趣味》を必要としてるわけでもなく。
理解できない。まーったくわからん。
(ただ飯食らいを飼うのが好きな人種なのか?
お金を持ってるやつの考えることはわからん。)
首をかしげて考えてみるがさっぱり理解できなかった。
(まぁ、いいか。とりあえず今日の夜に向けていろいろ考えなくちゃいけないし。)
男たちの目的は全くわからないが、
優先すべきは夜の脱出方法である。
てこてこと自室に戻り、ソファーにもたれる。
ふぅーと息を吐き出し、膝を抱える。
そのまま左にコテンと倒れ、脳内会議を始めた。
どのくらい経っただろうか。
ノックする音のすぐ後に「おはようございます」とドアが開く。
「許可くらいとってから開けてください。」
音にびっくりしてソファーから顔をだした。
「必要あります?許可。」
そう言葉を向けたのは三嶋さんだ。
立場を思えば三嶋さんの言ってることは理解る。
私は彼らに捕まっている。彼らが来たいときに来て、やりたい事をする。当たり前なのだが…
(むぅ…ここでの私の人権はないのはわかるけど…)
Tシャツとチノパンというラフな格好でお出ましである三嶋さんに、思わず眉根を寄せる。
「朝食できましたよ。行きましょう」
外に出るように促され、しぶしぶ部屋を出る。
クスクスと笑う三嶋さんを訝し気にチラ見し、ダイニングテーブルに着いた。
「お、起きたか」
「あの後ゆっくり寝たかァ?」
「…おはようございます。寝ましたよ。」
と一応反応する。
ラフな格好なのにカッコいいってのはイケメンて得だな…
朝食はトーストだった。
いつものいい香りのするコーヒーと共に提供される朝食は、よだれが出そうなくらい美味しそうだ。
三嶋さんだけ朝食がないのが気にはなるけど、朝は食べない派なのかもしれない。
時刻は9時少し前。
「っそさん。」
財田さんが食べ終わり各々テーブルから離れていく。
朝からなんか忙しそうだ。
もきゅもきゅと口の中の処理をして、コーヒーを飲み切り、キッチンで洗い物をざーと済ませると
コーヒーを入れてくれていた山村さんが「今日はみなさんいないんで、なにかあったら声かけてください」と言ってきた。
なんでこの人こんなにいい人で、家事スキル高いのにヤクザなんてやってんだろうか…
(いろいろあるんだろうけど…大変だなぁ)
ぽやんとそんなことを思いながら山村さんと一緒にコーヒーを運ぶ。
経済紙を開きながらソファーに座っていた財田さんがコーヒーの匂いにつられてこっちを見て、新聞を横に置いた。
テーブルに持っていたマグカップを置いた瞬間、ソファーに座っていた佐竹さんがサッと動き、私の腕を掴む。
「うぁっ!?」
胸に抱き込まれるように引っ張られ、思わず声が出た。
(なにすんだ!びっくりするだろ!!)
抱きとめられる形からすぐに腰を抱いて、私を膝に乗せた。
じっと後頭部を見つめられている気がする。
佐竹さんはどうやら私を抱っこするのが好きなのかもしれない。
子供扱いかよ…
脳内にいる私が永遠に愚痴をこぼしている。
「何してるんですか?」
「膝にのせてる。」
「そうじゃなくて…私もソファー座りたいんですけど」
「俺の膝じゃ不満なのか?」
「不満…というか…足、着かないんで怖いんですよ…」
そう、ずーと思っていたことだ。
身長差もあり、膝の上に乗せられると足がプラプラする。
不安定な場所に座らされ、たかが数センチ浮いてるだけでもちょっと怖い。
190近い男と150ちょっとの女の身長差舐めんなよ!
三人の中で一番背の高い佐竹の身長はおおよそ190オーバー。
財田が180ほど。三嶋は財田よりちょっと低いくらい。
私からしたら3人とも巨人である。
でかい男というのは本当に…
ハイパー気まずいので「二度寝します。やること、特にないので。」と言うと
そうだな、ゆっくり寝ろ。とだけ言われて自室に戻っていった。
意外にもあっさり解放されて拍子抜けである。
(なんだろ、この違和感。)
私の身体を弄ぶことが目的…のはずなのに
最後までしない男たち。
自分の肉欲だけを処理したいという感じでもなくて、なのに別に私の《趣味》を必要としてるわけでもなく。
理解できない。まーったくわからん。
(ただ飯食らいを飼うのが好きな人種なのか?
お金を持ってるやつの考えることはわからん。)
首をかしげて考えてみるがさっぱり理解できなかった。
(まぁ、いいか。とりあえず今日の夜に向けていろいろ考えなくちゃいけないし。)
男たちの目的は全くわからないが、
優先すべきは夜の脱出方法である。
てこてこと自室に戻り、ソファーにもたれる。
ふぅーと息を吐き出し、膝を抱える。
そのまま左にコテンと倒れ、脳内会議を始めた。
どのくらい経っただろうか。
ノックする音のすぐ後に「おはようございます」とドアが開く。
「許可くらいとってから開けてください。」
音にびっくりしてソファーから顔をだした。
「必要あります?許可。」
そう言葉を向けたのは三嶋さんだ。
立場を思えば三嶋さんの言ってることは理解る。
私は彼らに捕まっている。彼らが来たいときに来て、やりたい事をする。当たり前なのだが…
(むぅ…ここでの私の人権はないのはわかるけど…)
Tシャツとチノパンというラフな格好でお出ましである三嶋さんに、思わず眉根を寄せる。
「朝食できましたよ。行きましょう」
外に出るように促され、しぶしぶ部屋を出る。
クスクスと笑う三嶋さんを訝し気にチラ見し、ダイニングテーブルに着いた。
「お、起きたか」
「あの後ゆっくり寝たかァ?」
「…おはようございます。寝ましたよ。」
と一応反応する。
ラフな格好なのにカッコいいってのはイケメンて得だな…
朝食はトーストだった。
いつものいい香りのするコーヒーと共に提供される朝食は、よだれが出そうなくらい美味しそうだ。
三嶋さんだけ朝食がないのが気にはなるけど、朝は食べない派なのかもしれない。
時刻は9時少し前。
「っそさん。」
財田さんが食べ終わり各々テーブルから離れていく。
朝からなんか忙しそうだ。
もきゅもきゅと口の中の処理をして、コーヒーを飲み切り、キッチンで洗い物をざーと済ませると
コーヒーを入れてくれていた山村さんが「今日はみなさんいないんで、なにかあったら声かけてください」と言ってきた。
なんでこの人こんなにいい人で、家事スキル高いのにヤクザなんてやってんだろうか…
(いろいろあるんだろうけど…大変だなぁ)
ぽやんとそんなことを思いながら山村さんと一緒にコーヒーを運ぶ。
経済紙を開きながらソファーに座っていた財田さんがコーヒーの匂いにつられてこっちを見て、新聞を横に置いた。
テーブルに持っていたマグカップを置いた瞬間、ソファーに座っていた佐竹さんがサッと動き、私の腕を掴む。
「うぁっ!?」
胸に抱き込まれるように引っ張られ、思わず声が出た。
(なにすんだ!びっくりするだろ!!)
抱きとめられる形からすぐに腰を抱いて、私を膝に乗せた。
じっと後頭部を見つめられている気がする。
佐竹さんはどうやら私を抱っこするのが好きなのかもしれない。
子供扱いかよ…
脳内にいる私が永遠に愚痴をこぼしている。
「何してるんですか?」
「膝にのせてる。」
「そうじゃなくて…私もソファー座りたいんですけど」
「俺の膝じゃ不満なのか?」
「不満…というか…足、着かないんで怖いんですよ…」
そう、ずーと思っていたことだ。
身長差もあり、膝の上に乗せられると足がプラプラする。
不安定な場所に座らされ、たかが数センチ浮いてるだけでもちょっと怖い。
190近い男と150ちょっとの女の身長差舐めんなよ!
三人の中で一番背の高い佐竹の身長はおおよそ190オーバー。
財田が180ほど。三嶋は財田よりちょっと低いくらい。
私からしたら3人とも巨人である。
でかい男というのは本当に…
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