３獣と檻の中

❷

第二十九話【タイムアップと共に】※

「見せてくださってもいいじゃないですか。佐竹にも見せたり触らせたりしたんでしょう？」
「したくてしたわけじゃないんですが」
「結果的にしたなら変わらないじゃないですか」
「そういう問題じゃないです……っ！？」

下ろしたはずの私の腰を
よっ、と、言いながら持ち上げ、再び秘部が男の目に晒された。

(また…！！もうヤダ…)

股の間に胡坐をかいている状態なので足は閉じられない。
スカートのせいで後ろを確認できないので何が行われているか見えなくてめちゃくちゃ不安になる。

つぷっと秘部に何かが入れられた。

「……っ」

くにくにと内部をこすられる感覚に指を入れられたんだと知る。

「十分濡れていますね。中もきゅうきゅう締め付けて…本当に可愛らしい…」

ほぉ…と妖艶な息を吐きながら告げられる実況中継に辟易する。

「なんでそういうこと言うんですか…」
「見えない貴女に教えて差し上げようかと…？」

後ろの男の発言に気を取られていたら、内部の圧迫感が増した。

「２本目です。苦しくはないですか？たくさん淫液が溢れているので痛みはないと思いますが」

くちゅ、ぬぷ、にゅぷ…
内部をこする指の動きに合わせて、卑猥な音が響く。
痛みは確かにない。
圧迫感はすごい…ある。
佐竹さんに触られた時も思ったのだが、私の体はなぜ濡れるとかいう事をするんだろうか。
そんなの本当に要らないのに…

「う…ふっ……ぅぅっ」

だんだんとお腹の奥が熱を持ち始める。
中に入れられた指がくいっと曲げられた瞬間。
強烈な快感と共に訪れた尿意。

（やだ…！これ！！！）

内側から膀胱を押される感覚、そこをさらに擦られる。

「や！ちょ！！！あの！！」

本気で焦る。
こんなところで漏らしたくなんかない！！

「気持ちいいですか？」

「そうじゃなくて！トイレ！！！」

必死だ。
男のベッドで漏らすなんて一生の汚点。

「おや、急ですね。もしかして…ここ、押されて出そうになりました？」

ココと言われた場所をクイっと指を曲げて押しながら遠慮なくこすられ、小さな悲鳴を出す。

「やっぱりココですね。気持ちいいんですよね、大丈夫です。貴女のココはGスポットと言って、女性が気持ちよくなる場所です。」

三嶋さんが何か言いながらも遠慮もなくこすり上げられているせいで
意識は秘部にいき、強すぎる快感にそれどころではなく
私はふーふーと息を吐き出しながら歯を食いしばり、快感をやり過ごすことだけを考えていた。

「大丈夫ですよ、これから貴女が出すのは、潮ですから」

よくわからない。
強すぎる快感に、何も考えられない。
ぐちゅぐちゅっと激しく指を動かされ、抉るように擦られる。

「も、やめ…て」

絞り出す震えた声の制止を願う発言も「いやですよ」という一言で片づけられ、私は三嶋さんの激しい愛撫に負けた。

「さ、そろそろ時間です。派手にイキましょうか」

三嶋さんがそう告げ、太腿にキスを落とす。
挿入されている指を殊更激しく抉られるように激しく擦られ、肉芽を舌でチロチロと舐めあげる。
快感がぶわっと押し寄せる。
視界がぼやけ、上がってくるなにかに恐れ、逃げようと右手で枕を抱き締め、必死に男から離れようと肘に力を込める。

(嫌だっやだっ…足っ掴まれっ…！？)

がっちりと太腿を掴まれ、プルプルと快感に震えている足が全く動かなかった。

お尻に近い太腿をペロリと舐めあげられたかと思うと、そのままかぷりと口に含まれ、歯を立てられた。
ゾワッとその軽い痛みに鳥肌が立った瞬間。

「や、やだっ！！やめてぇ！！いやぁぁぁぁぁぁぁっ！！！」

プシャッ
と、なにかが弾け、三嶋さんの胡坐の上を濡らした。

はぁはぁと荒い息を吐き出し、己の犯した醜態に涙が出る。

「とても可愛かったですよ。上手に潮も吹きましたね」

三嶋さんが私の頭を撫でながらそう言うと、
電子音がタイムアップを告げる。

「３０分、お疲れさまでした。左手、自由にしてくださって構いませんよ」

ころん、と私を仰向けにし、左手をそっと掴み耳から外させ、優しく頭を撫でた。

（なんか、もう、本当に疲れた。どうでもいいや…）

私は、そっと目を閉じた。