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第二十八話【嫌だって言ってるのに】※
しおりを挟む追いかけっこをするつもりだった。
ベッドから降り、部屋の中をじりじりと睨み合っているだけでも時間を過ごせる。
30分という短くも長い時間。私が取れる方法なんて時間稼ぎくらいだ。
と、思っての行動だったんだけど。
左手を固定した状態で、ベッドの端から床に降りるのは意外と難しかった。
スプリングが軋む柔らかなベッドではバランスがうまく取れず、足がもつれてベショっと顔面からベッドに突っ込んだ。
こんなに自分に筋力がないことを呪った日はない。
転んだ恥ずかしさで、穴があったら入りたい。
「ふふっふ……大丈夫…ですか?」
こらえきれずに笑いながら男が私を起こそうとして手を差し伸べた。
「…大丈夫ですっ」
ギリィっとその手を睨みつけ身体を起こそうと試みる。
火事場の馬鹿力を今すぐ発揮しろ!私の筋肉!!
左腕が動かせないため、バランスを崩して倒れた私の体勢は、
膝を折り、お尻を上げ、上半身はベッドにうつぶせる状態。
……。
これ……めちゃくちゃ恥ずかしくないか?
メイド服(ミニ)を身に着けている私のお尻丸見えなのでは?
「ああ、別にそのままの体勢でも構いませんよ?私からとっても素敵な景色が見えていますので」
(うぁぁぁぁぁぁぁ!!!)
こんなラッキースケベをお見せするために転んだわけじゃないのに!!!
まぁまて、落ち着け深月!
深呼吸しよう、深呼吸!
ヒッヒッフー…違う!ラマーズ法じゃないっ!
そっと三嶋さんを見ると、まだ「ふふふ」と笑っていた。
笑い上戸なのか?
今日この人にどれだけ笑われてるかわからない。
まぁいい。私の痴態はどうやら時間稼ぎを少しできたようですし…
アホな状態だとしても多少、多少はタイムロスさせられただろ…
では…と一言聞こえた瞬間、
ギシっとベッドのスプリングが軋み、三嶋さんがベッドに乗り上げたのがわかる。
「せっかく素敵な体勢をとってくださったので、活かして気持ちのいいことをしましょうか」
「結構です。遠慮します。拒否します。だめです。そんなのは罰ゲームの条件に入っていません。」
「確かに、メイド服を着て、手を耳から離さない。これが僕の出した罰ゲームですが。貴女に触れないなんて一言も言っていませんよ?」
「うぐっ」
「さぁ、時間もありませんし。楽しませて頂きますね?」
三嶋さんが言うな否や、私の足の間に胡坐を滑り込ませた。
(いやだぁぁぁぁぁ!!ちょ!!ま!!!なにしてるんです?!)
「……お見苦しいものをお見せしたくありませんのでそこ、どいてください。」
男の顔面に私のオマタが丸見えです。
勘弁してください。マジで…
ずるずると体を前にずらして、男の顔から離れようと試みるも、
膝を男に押さえられ前に動けない。
「なぜです?せっかく素敵なお尻なのに」
いや、素敵だとか素敵じゃないとかどうでも…いっ!!!?
内心抗議をしようとした瞬間、
ショーツの割れ目をスルっと何かが撫でた。
「ちょっ!!何するんですか!」
「目の前に差し出されたところを触っただけです」
「差し出してないので触らないでください」
「美味しそうですし。すこし食べてみましょうか」
ぺろり、とショーツ越しに秘部を舌で舐められ、そのままカプッと口に含まれた。
(話をきけぇぇぇぇぇ!!)
「ヒッ…」
ちゅる、じゅっ
あむあむと口を動かされ、音がなるほど嬲られる。
時折肉芽に歯が当たり、反射で体が跳ねる。
(…この人も結局そういう事を私にしたいのか…)
佐竹さんといい、財田さんといい、三嶋さんまで私を抱くことを目的としてここに連れてきているのであれば
こういう行為に耐えなくてはいけないということだ。
望まないセックスを強いられる。
もう諦めたらいいんだろうか。
男たちに抱かれるという行為を。
飽きて捨てられるまで、人形のように、感情を捨てて。
「……。もしかして考え事ですか?余裕ですね。」
きゅっとショーツの上から肉芽を摘ままれる。
「?!」
「せっかくですから」
三嶋さんがスカートを持ち上げ、ショーツのサイドにある、紐を解く。
隠されていた秘部が露わになり、男の眼前にさらされる。
思わず抵抗しようと、前に体をずらし腰をベッドに下ろそうとするが、男の足が邪魔であぐらにお腹を載せる形になってしまう。
だが眼前に秘部を晒すよりはマシ。
ショーツを取り払われることを邪魔することは、右手だけではどうにもできなかった。
(これで直接アソコを見られることはなくなったはず…)
何がせっかくだ。
冗談じゃない。30分どうにかできれば男からは解放されるはず。
時間が30分と短くすることが出来たおかげで、セックスまではする時間はないだろう。
だからと言ってえっちなことをまざまざ許すなんてのはあり得ない。
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