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第十九話【多分これが日常】
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「さて、自己紹介していませんでしたね。」
貴女のことですから知っているとは思いますが
と付け加えながら三嶋は箸を置いて話し始めた。
「私は三嶋修一。弁護士をしています。財田とは子供の頃からの付き合いになります。」
「佐竹陽。太陽のヨウでヒカルだ。」
「財田白桜。こいつらからはシロって呼ばれてる。組長じゃなくて名前で呼べ。」
三嶋さん以外の二人は食べながら自己紹介した。
行儀の悪い二人である。
「ご存じだとは思いますが、吉沢深月です。お世話になりたくないので解放してください。」
ペコっと頭を下げる。
お世話になりますなんて絶対言いたくない。
むしろお世話されたくない。
「却下。」
なんで佐竹さんは毎度毎度「却下」なんだろうか。
却下マンって呼ぶぞ。
まぁ許可が出るなんて思っていないからいいんだけど。
お箸を持ち直してお肉を口に放り込む。
美味しい。
ごはん誰が作ったんだろう。山村さんかな。山村さん、見当たらないけど。
ちなみに、現在食卓の座り順は、長方形のダイニングテーブルのお誕生日席に財田さん。その右側に佐竹さんと三嶋さん。
私は二人の前に座っている。
なんとも微妙な席位置である。
ごっそさん。と財田さんがお茶碗の上に箸を置き一言言うと、食器をキッチンに持っていく。
思ったより家庭的だなと、口の中のものを飲み込みながら財田さんを目で追う。
佐竹さん、三嶋さんとご飯を食べ終わり、二人とも食器を片付けていく。
私も残りのご飯を平らげ、食器を持ってキッチンに向かった。
キッチンに行くと山村さんがコーヒーを入れている最中だった。
目が合って慌ててペコリとお辞儀をした。
シンクに食器を置いて、彼らが食べたであろう食器とともに洗い物をしてしまおうと蛇口を捻る。
「あっいいですっ俺がやるんで」と慌てて山村さんが言うが、「ついでなんで大丈夫です」と濡れた手を彼に向ける。
「お、いーなー、山村。二人っきりでキッチンでなにしてんだぁ?」
「コーヒー淹れてるんですよっっ、吉沢さん洗い物は俺がしますって!!」
佐竹さんがカウンターの向こうから片肘をつきながら見てくる。
山村さんコーヒーを入れるべきか洗い物を私からぶんどるかとワタワタしてる。
「財田さんたちに食後のコーヒーですよね。私洗い物しちゃいますから、コーヒー淹れてください。」
目を向けずに山村さんに告げて、言い放つ。
てかこの人の家事レベル高いな。
キッチンがかなり綺麗に使われているし、とても使いやすくものが置かれている。
どうでもいいけど、ごはん食べてるときにいることに気づかなかった。
どこにいたんだろう。ご飯食べたかな。
「山村ぁ!コーヒーまだかァ?深月は食べ終わったんならこっちこい」
リビングの方から催促の声が聞こえる。
「ほら、シロが煩いから行くぞ?」
いつの間にかキッチンに入ってきていた佐竹さんに後ろから抱きしめられ耳元でささやかれた。
…こーわーいーっ
音もなく背後に立たないでほしいって昼間も言ったのに…
「心臓が口から出るので急に背後に立たないでください」
「心臓は口からでないって言っただろ?」
クツクツと喉を鳴らしながら頭をなでてくる。
最後の一枚をすすぎ終え、手を拭くと、「よっ」という声とともに私の体が宙に浮く。
……もうやだ!!お姫様抱っこ怖いってば!!!
落ちる恐怖のせいでまたもや佐竹さんの首に手を回し、ギュっと力を入れる。
「高い怖い下ろして」
「却下」
却下マンいい加減にしろ!!!
抱いたままリビングのソファーに腰を落ち着け、離そうとしない佐竹さんの胸をバスバスと殴る。
却下マンには武力行使だ。
少しは痛がれ。
財田さんが山村さんの持ってきたコーヒーに口をつけ、カチャっとドアを開けた音に合わせて「シュウもちょっと来い」と声をかけた。
貴女のことですから知っているとは思いますが
と付け加えながら三嶋は箸を置いて話し始めた。
「私は三嶋修一。弁護士をしています。財田とは子供の頃からの付き合いになります。」
「佐竹陽。太陽のヨウでヒカルだ。」
「財田白桜。こいつらからはシロって呼ばれてる。組長じゃなくて名前で呼べ。」
三嶋さん以外の二人は食べながら自己紹介した。
行儀の悪い二人である。
「ご存じだとは思いますが、吉沢深月です。お世話になりたくないので解放してください。」
ペコっと頭を下げる。
お世話になりますなんて絶対言いたくない。
むしろお世話されたくない。
「却下。」
なんで佐竹さんは毎度毎度「却下」なんだろうか。
却下マンって呼ぶぞ。
まぁ許可が出るなんて思っていないからいいんだけど。
お箸を持ち直してお肉を口に放り込む。
美味しい。
ごはん誰が作ったんだろう。山村さんかな。山村さん、見当たらないけど。
ちなみに、現在食卓の座り順は、長方形のダイニングテーブルのお誕生日席に財田さん。その右側に佐竹さんと三嶋さん。
私は二人の前に座っている。
なんとも微妙な席位置である。
ごっそさん。と財田さんがお茶碗の上に箸を置き一言言うと、食器をキッチンに持っていく。
思ったより家庭的だなと、口の中のものを飲み込みながら財田さんを目で追う。
佐竹さん、三嶋さんとご飯を食べ終わり、二人とも食器を片付けていく。
私も残りのご飯を平らげ、食器を持ってキッチンに向かった。
キッチンに行くと山村さんがコーヒーを入れている最中だった。
目が合って慌ててペコリとお辞儀をした。
シンクに食器を置いて、彼らが食べたであろう食器とともに洗い物をしてしまおうと蛇口を捻る。
「あっいいですっ俺がやるんで」と慌てて山村さんが言うが、「ついでなんで大丈夫です」と濡れた手を彼に向ける。
「お、いーなー、山村。二人っきりでキッチンでなにしてんだぁ?」
「コーヒー淹れてるんですよっっ、吉沢さん洗い物は俺がしますって!!」
佐竹さんがカウンターの向こうから片肘をつきながら見てくる。
山村さんコーヒーを入れるべきか洗い物を私からぶんどるかとワタワタしてる。
「財田さんたちに食後のコーヒーですよね。私洗い物しちゃいますから、コーヒー淹れてください。」
目を向けずに山村さんに告げて、言い放つ。
てかこの人の家事レベル高いな。
キッチンがかなり綺麗に使われているし、とても使いやすくものが置かれている。
どうでもいいけど、ごはん食べてるときにいることに気づかなかった。
どこにいたんだろう。ご飯食べたかな。
「山村ぁ!コーヒーまだかァ?深月は食べ終わったんならこっちこい」
リビングの方から催促の声が聞こえる。
「ほら、シロが煩いから行くぞ?」
いつの間にかキッチンに入ってきていた佐竹さんに後ろから抱きしめられ耳元でささやかれた。
…こーわーいーっ
音もなく背後に立たないでほしいって昼間も言ったのに…
「心臓が口から出るので急に背後に立たないでください」
「心臓は口からでないって言っただろ?」
クツクツと喉を鳴らしながら頭をなでてくる。
最後の一枚をすすぎ終え、手を拭くと、「よっ」という声とともに私の体が宙に浮く。
……もうやだ!!お姫様抱っこ怖いってば!!!
落ちる恐怖のせいでまたもや佐竹さんの首に手を回し、ギュっと力を入れる。
「高い怖い下ろして」
「却下」
却下マンいい加減にしろ!!!
抱いたままリビングのソファーに腰を落ち着け、離そうとしない佐竹さんの胸をバスバスと殴る。
却下マンには武力行使だ。
少しは痛がれ。
財田さんが山村さんの持ってきたコーヒーに口をつけ、カチャっとドアを開けた音に合わせて「シュウもちょっと来い」と声をかけた。
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