3獣と檻の中

蓮雅 咲

文字の大きさ
上 下
20 / 106

第十五話【お前の望みは叶えない】※

しおりを挟む
「まだ先っぽだよ、奈月さん」

 優しく言いながら、微笑む侑李が首筋に顔を寄せて来る。唇が這わされれ、首筋に感じたピリッとした微かな痛み。肌を吸われる感覚に喘ぐと、彼がさらに奥へと挿ってくる。

「っ、狭いね、奈月さんの中……っ」

「きもち、いい?」

「そりゃもう」

 奈月はもういっぱいいっぱいで、ただ喘ぐことしかできない。そんな奈月に微笑む侑李は、まだ余裕そうに見えた。だから少し悔しくて、足を彼の腰に絡める。

「もっと、きて……」

「っ……その顔は、ズルいっ」

 近付いてくる彼の唇を迎えるように口を開くと、熱い舌が絡んでくる。同時に、最後のストロークを一気に進めた彼のモノが奈月の最奥を穿った。

「ん、ぁ……っ」

 鼻にかかる甘ったるい声。待ち侘びた快感に達してしまい、震える奈月の口腔内を優しくなぞりながら、侑李は円を描くように腰を揺らす。そうされると、敏感になった身体が反応して、溢れ出る蜜が彼の動きを助けてしまう。

「ビショビショだね。自分から腰も揺らしてる」

「侑李、さ……ぁ、もっと、欲しいっ」

「あぁ、堪らない……もっと乱れて……っ」

 抱きついた奈月の背中に腕を回した侑李が、激しく奥を突き始める。荒々しい腰の動きに、彼が求めてくれるのが分かり、奈月の快感はさらに増した。噛み付くようなキスも、胸を掴むように荒く揉みしだく大きな手も、卑猥な音を立てながら攻め立ててくる熱い欲望も。彼の全てが愛おしい。
 再び訪れた絶頂の予感に口から、はしたない声がとめどなく漏れる。彼はその喘ぎ声を飲み込むような深いキスをしながら、さらに奈月を追い詰めていった。
そして迎えた絶頂の瞬間、身体を震わせながら、ナカにいる彼自身を締め付ける。すると、呻いた彼が腰を打ち付け、緩く腰を揺らし、やがて動きを止めた。
 汗で湿った肌を合わせ、抱き合う。シャワーを浴びたい気持ちはあるけれど、覆い被さる彼の重みと熱を感じていたいとも思う。汗をかくのは好きじゃないけど、こんな汗なら悪くないな、と奈月は目を閉じながら思った。
 営業職である程度、体力には自信があるつもりだったけれど、さすがに何度もイカされて疲れ果てたのか、奈月は眠気に襲われていた。
 汗を流そうという侑李の言葉に唸っていると、可笑しそうに笑われて。でも結局は汗のベトベトに耐え切れず、一緒にお風呂に入ることになり、身体を洗われた。
そして、そのままお風呂場でイチャイチャして、求められるまま2回目のセックス。洗うという名目で、さんざん弄られた身体は、彼をすんなり受け入れて喘がされた。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

マッサージ

えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。 背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。 僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。

ハイスペック上司からのドSな溺愛

鳴宮鶉子
恋愛
ハイスペック上司からのドSな溺愛

お兄ちゃんはお医者さん!?

すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。 如月 陽菜(きさらぎ ひな) 病院が苦手。 如月 陽菜の主治医。25歳。 高橋 翔平(たかはし しょうへい) 内科医の医師。 ※このお話に出てくるものは 現実とは何の関係もございません。 ※治療法、病名など ほぼ知識なしで書かせて頂きました。 お楽しみください♪♪

ナイトプールで熱い夜

狭山雪菜
恋愛
萌香は、27歳のバリバリのキャリアウーマン。大学からの親友美波に誘われて、未成年者不可のナイトプールへと行くと、親友がナンパされていた。ナンパ男と居たもう1人の無口な男は、何故か私の側から離れなくて…? この作品は、「小説家になろう」にも掲載しております。

元彼にハメ婚させられちゃいました

鳴宮鶉子
恋愛
元彼にハメ婚させられちゃいました

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

地味女で喪女でもよく濡れる。~俺様海運王に開発されました~

あこや(亜胡夜カイ)
恋愛
新米学芸員の工藤貴奈(くどうあてな)は、自他ともに認める地味女で喪女だが、素敵な思い出がある。卒業旅行で訪れたギリシャで出会った美麗な男とのワンナイトラブだ。文字通り「ワンナイト」のつもりだったのに、なぜか貴奈に執着した男は日本へやってきた。貴奈が所属する博物館を含むグループ企業を丸ごと買収、CEOとして乗り込んできたのだ。「お前は俺が開発する」と宣言して、貴奈を学芸員兼秘書として側に置くという。彼氏いない歴=年齢、好きな相手は壁画の住人、「だったはず」の貴奈は、昼も夜も彼の執着に翻弄され、やがて体が応えるように……

処理中です...