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第十三話【どうしても俺を変態にしたい女】
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【佐竹視点】___
目の前の女から力が抜け、その体をソファに預けた。
女にのしかかり細く白い首筋に舌を這わせた後、「ロリコンなんですか?」と吐き捨てるように言われた直後だった。
何かおかしい。自分の体を起こし、女の様子を覗き見る。
彼女は前を見すえ、こちらを見ようともしない。
「ロリコンじゃねえよ、お前成人してんだろ」
「女ならいくらでも寄ってくるでしょ?そっちにしてください。あなた達と関わりたくないので」
顔を合わせたあの日から、この女は関わりたくないと頑なに言ってくる。
俺を見ようともせず。
そんなこの女にイライラしながら
「ほかの女に興味ねえな」
「ドMなんですか?」
「どういう思考をしたら俺がドMに見えるようになるんだ…」
「結構蔑ろにしているつもりなんですが一向にあきらめてくださらないので、そういう性癖をお持ちなのかと」
「お前は俺の性癖を変態にしたいのか?」
「私を監禁してる時点で変態じゃないですか」
俺に目を向ける事無くたんたんとそう告げる吉沢には緊張感なんて皆無で、俺に押し倒されてるなんて言う事実に全く興味なさそうにみえた。
軽口を休むことなくぽこぽこと口に出している割には、その顔は無だった。
思わず眉根がより、ギリッと奥歯を噛み締める。
女の瞳は透き通るような黒曜石に似た瞳なのに
そのキレイな瞳の奥にも何かを映しているように見えず、まったく感情が読み取れない。
目の前にいる、俺のことも。
何も映してはいない…
(イライラする…)
三日前、初めて顔を合わせたあの時、話は俺がするとシロ自身が言い出したので、
俺は途中参加ではあったが、こいつに対して一言も発していない。
だからなのかこいつの目に俺は入らなかった。
シュウも俺も多分眼中に入れてない。
だから俺を認識させたくて、こいつを《迎え》に行くのは俺にさせろとシロに申し出た。
再びこいつに面したとき、自分の名前を言っていないのに「佐竹さん」と呼んだことに対して、認識はされていたんだと気分がよくなった。
猫のようにじゃれてきた公園でのスキンシップも、俺の手の中で目を白黒させておびえたり驚いたりしていたのも、シロに対して緊張しつつもひるむことなく発言していたあの時よりも感情が見えて、気分がよかった。
なのに急に、何の感情も見せず、俺に向けられているはずの行為の意味にも興味を持たず、ただひたすらに前を向き無にされたことが許せなかった。
目の前の女から力が抜け、その体をソファに預けた。
女にのしかかり細く白い首筋に舌を這わせた後、「ロリコンなんですか?」と吐き捨てるように言われた直後だった。
何かおかしい。自分の体を起こし、女の様子を覗き見る。
彼女は前を見すえ、こちらを見ようともしない。
「ロリコンじゃねえよ、お前成人してんだろ」
「女ならいくらでも寄ってくるでしょ?そっちにしてください。あなた達と関わりたくないので」
顔を合わせたあの日から、この女は関わりたくないと頑なに言ってくる。
俺を見ようともせず。
そんなこの女にイライラしながら
「ほかの女に興味ねえな」
「ドMなんですか?」
「どういう思考をしたら俺がドMに見えるようになるんだ…」
「結構蔑ろにしているつもりなんですが一向にあきらめてくださらないので、そういう性癖をお持ちなのかと」
「お前は俺の性癖を変態にしたいのか?」
「私を監禁してる時点で変態じゃないですか」
俺に目を向ける事無くたんたんとそう告げる吉沢には緊張感なんて皆無で、俺に押し倒されてるなんて言う事実に全く興味なさそうにみえた。
軽口を休むことなくぽこぽこと口に出している割には、その顔は無だった。
思わず眉根がより、ギリッと奥歯を噛み締める。
女の瞳は透き通るような黒曜石に似た瞳なのに
そのキレイな瞳の奥にも何かを映しているように見えず、まったく感情が読み取れない。
目の前にいる、俺のことも。
何も映してはいない…
(イライラする…)
三日前、初めて顔を合わせたあの時、話は俺がするとシロ自身が言い出したので、
俺は途中参加ではあったが、こいつに対して一言も発していない。
だからなのかこいつの目に俺は入らなかった。
シュウも俺も多分眼中に入れてない。
だから俺を認識させたくて、こいつを《迎え》に行くのは俺にさせろとシロに申し出た。
再びこいつに面したとき、自分の名前を言っていないのに「佐竹さん」と呼んだことに対して、認識はされていたんだと気分がよくなった。
猫のようにじゃれてきた公園でのスキンシップも、俺の手の中で目を白黒させておびえたり驚いたりしていたのも、シロに対して緊張しつつもひるむことなく発言していたあの時よりも感情が見えて、気分がよかった。
なのに急に、何の感情も見せず、俺に向けられているはずの行為の意味にも興味を持たず、ただひたすらに前を向き無にされたことが許せなかった。
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