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六章
全種族対抗試合その11
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『それでは全種族対抗試合、第一試合、1ブロックっ! 試合開始ですっっ!!』
「「「「ぅおぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」」
とうとう始まった大会の第一試合目。
1ブロックはその中でも一番最初という事もあり、控え室にいる俺達にもわかる程、迫力や熱気が伝わってきた。
「すげぇ盛り上がりようだな。流石はバトルロワイヤルっていったところか」
「何を人事みたいに言ってるのよ。そんなんだと真っ先にやられるわよ? ・・・・・・まあ、私はその方が手間が省けるから別に構わないけど」
「安心しろって。俺は負ける気なんかさらさらねぇよ。ていうかそういうお前こそ、戦闘中に調子に乗り過ぎて足をすくわれないようにしろよな」
「ふんっ、誰に向かって言ってるのよ」
俺の助言に対し、そんなヘマはしないと言った顔でそう言い、横目で俺を見てニッと笑う貧乳。
「む、二人共気合十分なのは良いが・・・・・・」
「わかってるってヴェル。『タケル』の方も十分に気を付けるさ」
「はい、勿論私も承知しております竜神様」
「む、わかっておるなら良い。・・・・・・時にレイジよ、次はお主のブロックであるが、何か対策などは考えておるのか?」
「対策?」
そう返答した俺に対し、ヴェルは少しばかり考える素振りを見せた後、真剣な表情をして口を開いた
「む、戦闘そのものに不慣れであるレイジにとっては無策でいるよりかは確実に何かしら策があった方が良いであろう。・・・・・・それに、奴がその中に混じっている可能性も無い訳では無いしな」
「んー。策って言って良いほどのもんは考えてねぇけど、まあ大丈夫じゃね? 俺には『絶対防御能力』もあるし、最悪死にはしないだろ」
バトロワに関しては、最初から残り人数が少なくなるまでは『絶対防御能力』で身を守りながら隅っこでいるつもりだったしな。
ルール上は何も問題無いはずだし。
内心余裕っしょこれ。とか何とか思っちゃったりもしていたが・・・・・・。
「む、レイジ、まさか忘れておるのでは無かろうな?」
「ん? 何を?」
次の瞬間、そんな俺の甘い考えはヴェルによっていとも容易く打ち砕かれるのだった。
「む、お主のあの出鱈目な魔法障壁もあの時に我の姿と共にエスタニア軍に目撃されておる事を、だ」
「・・・・・・。・・・・・・・・・・。・・・・・・・・・・あぁあああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
そうだっとぅぁああああ!! そういえば、確かに思いっきりお披露目してたわ俺っっ!!
「む、思い出したようであるな。故に、レイジがこの国の者等と騒ぎを望まぬというのであれば、我の黒炎や『竜化』同様、レイジもあの魔法障壁は使用出来ぬ、という事であるのだが・・・・・・本当に大丈夫か?」
だぁい丈夫じゃないですぅ~っ! 大丈夫じゃないですともはいぃっ!!
え、ちょっと待って? これ俺ヤヴァくない??
『絶対防御能力』が使えないって事はだぞ? つまり・・・・・・、俺は防御力が皆無という事・・・・・・っ。これは少し、というかかなり・・・・・・。
「む、何か考え込みだしたであるな」
「はい、何か考え込み始めましたね」
ぐ、ぐぅ・・・・・・、っっ!? い、いやっ、待て! 待つんだ俺! 諦めるにはまだ早計なんじゃあないか? そうさっ、そういえば俺にはまだ防御系に持ってこれる異能力があったじゃないか!
『魔法無効化』! これで魔法による攻撃は全て防げる! ・・・・・・と思う。いや、まあ、ヴェルが黒炎で作った結界も消せたし、大丈夫だろ。うん。
となると残された問題は・・・・・・魔法以外での打撃や剣での攻撃をどう対処するか。
『魔法無効化』はその名のとおり魔法しか無効化出来ない。こうなったら『空想具現化』で鉄製でも何でも良いから超頑丈な壁を作り出すか? そうしたら・・・・・・、いや、ダメだ。この世界での魔法の技術がどこまで進歩しているかわからない以上、安全に、何の騒ぎも起こさず平和的に全てを終える為にも、ありえない物を具現化して周りに怪しまれるのだけは避けなければ・・・・・・っ。でないと、『絶対防御能力』の使用を封じた意味が無くなる。
じゃあ、どうするか・・・・・・。どうすれば・・・・・・。
そうして、(気持ち的に)長い考察の末、俺は・・・・・・、
「・・・・・・ねえっ!? どうしようっっ!?」
全力で二人に泣き付いた。
「む・・・・・・。やはり、か・・・・・・」
「はい。やっぱり、ですね」
そんな俺に対し、二人からは、予想通り、と言わんばかりの返答と共に、呆れ果てた視線を向けられているが・・・・・・、しかぁしっ! そんな事、今は気にしないっ!
だって無理だもん! 元からお世辞にも良いとは言えない俺の知力+絶賛パニクってる最中の俺の思考力だけじゃあ詰みゲー確定だもんっ!! 自慢じゃないが、今日もしかしたら死ぬかもしれないという恐怖感で俺の頭の中は現状いっぱいいっぱいさっ!! どうだっ、へへんっ!
「そうね・・・・・・」
最初に口を開いたのは貧乳だった。
こいつとは不仲とはいえ、これまで一緒に旅をしてきた仲間だ。流石にこいつも仲間を見捨てたりはしないだろうという希望と期待を持ち、俺は貧乳からの助言を待つ。
・・・・・・のだったが。
「・・・・・・。大丈夫よ、あんたなら何とかなるわ。きっとね・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
わぁお・・・・・・、今まで俺に向けられてきた中でも最高と言っても良いほどの、それはそれは優しい笑顔で見捨てられましたよっと。
そういや思い返してみれば、このド貧乳には見捨てられてきた記憶しかござぁやせんでしたわ。はっはっはっ。
「ヴェル」
貧乳に聞いた俺が間違っていた、と猛省しながらヴェルへと救いを求め、視線を向ける。
「む・・・・・・、それ」
しかし、ヴェルが口を開こうとしたその時、
『――、――――1ブロック目、試合終了! このブロックを制したのは、エスタニア王国の帝が一人、炎帝リーオ様ぁ!!』
突如として鳴り響いたアナウンスによって、ヴェルの言葉は遮られてしまった。
「えっ!? もう終わったの!?」
「む、そのようであるな」
『続きまして、2ブロック目の試合に移りたいと思いますので、振り分けられている方は急ぎ試合場へと移動をお願い致します!!』
予想外の早さに驚き、マジでどうしようと更にパニクっていると、そんな俺に追い討ちをかけるが如く、扉がノックされた後、兵士の一人が中に入り、言った。
「失礼致します。レイジ様、失礼ながら私がご案内をさせて頂きますので、どうぞこちらに」
「え、あの、ちょっと待ってもらっても・・・・・・」
せめてヴェルからの助言だけは聞いておきたいと思った俺は、兵士さんにそうお願いしようとするのだが、
「申し訳ありません。例の騒ぎの所為でお時間が少し押しておりますので、急ぎこちらにお願い致します」
兵士さんは申し訳無さそうに頭を下げる。そして俺の腕をガシッと掴み、
「それでは、失礼致しました」
「え、ちょ、ま・・・・・・。ああああああぁぁぁぁ・・・・・・っ」
そのまま強引に俺を部屋の外へと連れ出し、案内? そう疑問に思えるほどの無理矢理さで俺を引っ張って行ったのだった。
「「「「ぅおぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」」
とうとう始まった大会の第一試合目。
1ブロックはその中でも一番最初という事もあり、控え室にいる俺達にもわかる程、迫力や熱気が伝わってきた。
「すげぇ盛り上がりようだな。流石はバトルロワイヤルっていったところか」
「何を人事みたいに言ってるのよ。そんなんだと真っ先にやられるわよ? ・・・・・・まあ、私はその方が手間が省けるから別に構わないけど」
「安心しろって。俺は負ける気なんかさらさらねぇよ。ていうかそういうお前こそ、戦闘中に調子に乗り過ぎて足をすくわれないようにしろよな」
「ふんっ、誰に向かって言ってるのよ」
俺の助言に対し、そんなヘマはしないと言った顔でそう言い、横目で俺を見てニッと笑う貧乳。
「む、二人共気合十分なのは良いが・・・・・・」
「わかってるってヴェル。『タケル』の方も十分に気を付けるさ」
「はい、勿論私も承知しております竜神様」
「む、わかっておるなら良い。・・・・・・時にレイジよ、次はお主のブロックであるが、何か対策などは考えておるのか?」
「対策?」
そう返答した俺に対し、ヴェルは少しばかり考える素振りを見せた後、真剣な表情をして口を開いた
「む、戦闘そのものに不慣れであるレイジにとっては無策でいるよりかは確実に何かしら策があった方が良いであろう。・・・・・・それに、奴がその中に混じっている可能性も無い訳では無いしな」
「んー。策って言って良いほどのもんは考えてねぇけど、まあ大丈夫じゃね? 俺には『絶対防御能力』もあるし、最悪死にはしないだろ」
バトロワに関しては、最初から残り人数が少なくなるまでは『絶対防御能力』で身を守りながら隅っこでいるつもりだったしな。
ルール上は何も問題無いはずだし。
内心余裕っしょこれ。とか何とか思っちゃったりもしていたが・・・・・・。
「む、レイジ、まさか忘れておるのでは無かろうな?」
「ん? 何を?」
次の瞬間、そんな俺の甘い考えはヴェルによっていとも容易く打ち砕かれるのだった。
「む、お主のあの出鱈目な魔法障壁もあの時に我の姿と共にエスタニア軍に目撃されておる事を、だ」
「・・・・・・。・・・・・・・・・・。・・・・・・・・・・あぁあああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
そうだっとぅぁああああ!! そういえば、確かに思いっきりお披露目してたわ俺っっ!!
「む、思い出したようであるな。故に、レイジがこの国の者等と騒ぎを望まぬというのであれば、我の黒炎や『竜化』同様、レイジもあの魔法障壁は使用出来ぬ、という事であるのだが・・・・・・本当に大丈夫か?」
だぁい丈夫じゃないですぅ~っ! 大丈夫じゃないですともはいぃっ!!
え、ちょっと待って? これ俺ヤヴァくない??
『絶対防御能力』が使えないって事はだぞ? つまり・・・・・・、俺は防御力が皆無という事・・・・・・っ。これは少し、というかかなり・・・・・・。
「む、何か考え込みだしたであるな」
「はい、何か考え込み始めましたね」
ぐ、ぐぅ・・・・・・、っっ!? い、いやっ、待て! 待つんだ俺! 諦めるにはまだ早計なんじゃあないか? そうさっ、そういえば俺にはまだ防御系に持ってこれる異能力があったじゃないか!
『魔法無効化』! これで魔法による攻撃は全て防げる! ・・・・・・と思う。いや、まあ、ヴェルが黒炎で作った結界も消せたし、大丈夫だろ。うん。
となると残された問題は・・・・・・魔法以外での打撃や剣での攻撃をどう対処するか。
『魔法無効化』はその名のとおり魔法しか無効化出来ない。こうなったら『空想具現化』で鉄製でも何でも良いから超頑丈な壁を作り出すか? そうしたら・・・・・・、いや、ダメだ。この世界での魔法の技術がどこまで進歩しているかわからない以上、安全に、何の騒ぎも起こさず平和的に全てを終える為にも、ありえない物を具現化して周りに怪しまれるのだけは避けなければ・・・・・・っ。でないと、『絶対防御能力』の使用を封じた意味が無くなる。
じゃあ、どうするか・・・・・・。どうすれば・・・・・・。
そうして、(気持ち的に)長い考察の末、俺は・・・・・・、
「・・・・・・ねえっ!? どうしようっっ!?」
全力で二人に泣き付いた。
「む・・・・・・。やはり、か・・・・・・」
「はい。やっぱり、ですね」
そんな俺に対し、二人からは、予想通り、と言わんばかりの返答と共に、呆れ果てた視線を向けられているが・・・・・・、しかぁしっ! そんな事、今は気にしないっ!
だって無理だもん! 元からお世辞にも良いとは言えない俺の知力+絶賛パニクってる最中の俺の思考力だけじゃあ詰みゲー確定だもんっ!! 自慢じゃないが、今日もしかしたら死ぬかもしれないという恐怖感で俺の頭の中は現状いっぱいいっぱいさっ!! どうだっ、へへんっ!
「そうね・・・・・・」
最初に口を開いたのは貧乳だった。
こいつとは不仲とはいえ、これまで一緒に旅をしてきた仲間だ。流石にこいつも仲間を見捨てたりはしないだろうという希望と期待を持ち、俺は貧乳からの助言を待つ。
・・・・・・のだったが。
「・・・・・・。大丈夫よ、あんたなら何とかなるわ。きっとね・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
わぁお・・・・・・、今まで俺に向けられてきた中でも最高と言っても良いほどの、それはそれは優しい笑顔で見捨てられましたよっと。
そういや思い返してみれば、このド貧乳には見捨てられてきた記憶しかござぁやせんでしたわ。はっはっはっ。
「ヴェル」
貧乳に聞いた俺が間違っていた、と猛省しながらヴェルへと救いを求め、視線を向ける。
「む・・・・・・、それ」
しかし、ヴェルが口を開こうとしたその時、
『――、――――1ブロック目、試合終了! このブロックを制したのは、エスタニア王国の帝が一人、炎帝リーオ様ぁ!!』
突如として鳴り響いたアナウンスによって、ヴェルの言葉は遮られてしまった。
「えっ!? もう終わったの!?」
「む、そのようであるな」
『続きまして、2ブロック目の試合に移りたいと思いますので、振り分けられている方は急ぎ試合場へと移動をお願い致します!!』
予想外の早さに驚き、マジでどうしようと更にパニクっていると、そんな俺に追い討ちをかけるが如く、扉がノックされた後、兵士の一人が中に入り、言った。
「失礼致します。レイジ様、失礼ながら私がご案内をさせて頂きますので、どうぞこちらに」
「え、あの、ちょっと待ってもらっても・・・・・・」
せめてヴェルからの助言だけは聞いておきたいと思った俺は、兵士さんにそうお願いしようとするのだが、
「申し訳ありません。例の騒ぎの所為でお時間が少し押しておりますので、急ぎこちらにお願い致します」
兵士さんは申し訳無さそうに頭を下げる。そして俺の腕をガシッと掴み、
「それでは、失礼致しました」
「え、ちょ、ま・・・・・・。ああああああぁぁぁぁ・・・・・・っ」
そのまま強引に俺を部屋の外へと連れ出し、案内? そう疑問に思えるほどの無理矢理さで俺を引っ張って行ったのだった。
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