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六章
全種族対抗試合その10
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「お話は以上です。それとスレイ様? 申し訳ありませんが、そろそろ大会の進行を再開したいので早急にそちらから立ち退いて頂いても宜しいでしょうか?」
うわぁ・・・・・・、マジで容赦無ぇ・・・・・・。
笑顔を一切絶やさないところがまたこえぇ・・・・・・。
「く、く・・・・・・っ」
悔しさからなのか恥ずかしさからなのか、全身を震わせその場で顔を伏せるスレイ。するとその時、
「見苦しいぞスレイ」
と、スレイとはまた違った感じの渋カッコ良いエルフの人がそうスレイに言いながらリニスの横に出て来た。
「ち、父上・・・・・・っ」
って、あの人あいつのお父さんかよ!
待てよ・・・・・・? っつー事は、あの人がエルフの・・・・・・?
「ええそうよ。あの方は『エルフ』現国王キース=エンシュリン。現役だった頃は千にも達する程の魔獣をたった一人で殲滅したと言われていて、『エルフ』の中では英雄としてもその名を馳せているわ」
「・・・・・・解説どうも」
はあ、何かもういいや・・・・・・。心くらい好きに読んじゃって下さいな・・・・・・。
その事にツッコムの、もうしんどいっす・・・・・・。
俺のプライバシーなどこの世界には無いのだと潔く諦めた俺は貧乳にそれだけ言うと、再度視線をリニス達の方へと戻した。
「お、お待ち下さい父上! こ、これは何かの間違いで・・・・・・っ」
「間違いでも何でも無い。これは事実だ。約束の期日を守らず、先を急いだお前のミスなのだ。いい加減この現実を受け止め、王女の指示に従い、早急に下がるが良い」
「・・・・・・っ。わかり、ました・・・・・・」
父親に厳しく突き放されたスレイはフラフラと立ち上がると、近くの裏へと繋がる入り口へと真っ直ぐに歩を進め始める。
「・・・・・・リニス王女、最後に一つだけ宜しいでしょうか?」
その途中、スレイはふと振り返り、リニスにそう尋ねた。
「はい、何でしょう? スレイ様」
「・・・・・・もし、もしも私が期日を守り、正式な場で貴方に婚約を申し込んでいたとしたら、今回とはまた違った結果になっていたのでしょうか・・・・・・?」
そんなスレイに対し、リニスは一瞬だけ目を閉じた後、申し訳無さそうな表情でこう答えた。
「いいえ、スレイ様のお気持ちは大変嬉しく思いますが・・・・・・、申し訳ありませんが、その時でも私はお断りしていたと思います」
「それは、何故でしょうか・・・・・・?」
「うーん・・・・・・、何故かと問われましても・・・・・・」
言いにくい理由なのか、困ったように考え込むリニス。
そんなリニスの姿を見て、はっ、と何かに気が付いた素振りを見せたスレイは、
「ま、まさか・・・・・・っ。すでに心に決めた方がいらっしゃるのですかっ!?」
場内中に響き渡るような声量でそうリニスに問いかけた。
「「「「ざわ、ざわ・・・・・・、ざわ、ざわ・・・・・・」」」」
同時に場内のざわつきもスレイの一言によって更に増した。
もう何も言うまい。俺は何も聞いてませんっ、はいっ。
「――なっ!? な、な、な、な、何を言って・・・・・・っ!」
徐々に顔を真っ赤にしながら明らかにテンパり始めるリニス。
「その反応・・・・・・っ。やはり、そうなのですね」
「なっ、べ、別にわた、私は・・・・・・っ」
「わかりました・・・・・・」
「え? わかったって・・・・・・」
「お恥ずかしい所を見せてしまい、本当に申し訳ありませんでした。では、リニス王女失礼致します」
「え、あの・・・・・・。ちょ・・・・・・」
リニスの制止空しく、何かを決心した様子のスレイは先程とは違った足取りでこの場を後にした。
その後、何やらエルフ王と話した後、エルフ王が戻って行った所に向かってぺこぺこと必死に頭を下げ続けるリニス。
それから少ししてこちらに向き直ったリニスは再度マイクを握り、
『ご来場の皆様、先程は私の個人的な事情の所為で皆様の貴重なお時間を浪費させてしまい、誠に申し訳ございませんでした。改めましてこれより、全種族対抗試合を始めさせて頂きたいと思いますっ。出場して頂いた皆様のご活躍を期待しておりますので、どうか皆様頑張って下さいっ!』
謝罪と共に声高らかにそう宣言した。すると、
「「「「おぉおおおおおおおおっっ!!!!」」」」
だの、
「「「「ヒィイイイイハァアアアアッッ!!!!」」」」
だのといった雄叫びがどこからともなく聞こえてきてそのやる気と熱意の声があっという間に場内中を包み込み、盛り上がりのボルテージは一気に最高潮にまで達していた。
そんな中、
「・・・・・・むぅ、レイジよ。この騒ぎは一体何なのだ・・・・・・?」
「おぉヴェルっ! 生きてたか!」
「竜神様っ! 良かった、ご無事だったのですね!」
顔は真っ青だが、生きていた(※気絶していただけ)ヴェルがこの騒ぎを聞いて俺達の所へと合流してきた。
「むぅ・・・・・・、何とか、な・・・・・・。して、我が意識を失っている間に何があったのだ?」
「ああ、それはなー。・・・・・・かくかく、しかじか、かっくぅ」
「久々に出たわねそのとんでもチート呪文・・・・・・」
「むぅ、そのような事が・・・・・・。全く、このような時に不思議な事をする輩も居たものだな」
「ほんとだよなー」
「いや、私にとっては二人の方がそのとんでも呪文を通じ合える辺り、不思議度は高いけどね?」
貧乳が何やらおかしな事を言っているが気にしないでおこう。
「まあ、何にせよ、いよいよ始まるのか。よし、気合入れていこうぜっ」
「む、そうであるな。各々悔いの残らぬよう、全力でいこうではないか」
「もう一度言っておくが、全力っつってもお前は黒炎と『竜化』は無しだからな?」
「む・・・・・・、わかっておるわ」
「大丈夫ですよ竜神様。竜神様に何かあったとしても、この私がしっかりと優勝を勝ち取って来ますから」
「む、フフ。頼もしいかぎ・・・・・・」
「そうです、そうですよ・・・・・・。例えどんな犠牲を払おうとも優勝の座は必ず私が・・・・・・っ。ふふ、ふふふふ・・・・・」
「・・・・・・た、頼もしい? 限りである、な・・・・・・」
「おいおい貧乳、優勝を狙うのは勿論だが例の『タケル』の事も忘れんなよ?」
早くもバーサクモードに移行しようとしていた貧乳にそう釘を刺す俺。
「ええ、勿論よっ。竜神様をあんな目に合わせた奴だもの、絶対にけちょんけちょんにしてやるんだから!」
「む? ん?」
「ああ、その意気だ貧乳。控え室でのヴェルへの残酷なまでのあの仕打ち、きっちりと野郎の身で支払って貰おうぜ!」
「え? ん? んん~? (む・・・・・・。いや、あの控え室での元凶は紛れも無くお主等二人なのだが・・・・・・。まあ、しかし、おかげで良い? 警戒心を持てておるようであるし、タ、タ・・・・・・『タケル』? という奴には悪いが今は黙っておく事にしよう)」
『――、――――では、第一試合を始めますので、1ブロックの枠に振り分けられている方は急ぎ試合場へと移動して下さい!』
「お、始まるな。俺達はとりあえず控え室に戻るとするか」
「ええ、そうね」
「む・・・・・・っ、あ、ああ」
1ブロックは俺達の誰とも関係の無いブロックだったので邪魔にならないよう、控え室へと戻る為、来た道を引き返す俺達。
こうして、ようやく俺達の・・・・・・いや、俺の聖戦の幕が切って落とされたのであった。
うわぁ・・・・・・、マジで容赦無ぇ・・・・・・。
笑顔を一切絶やさないところがまたこえぇ・・・・・・。
「く、く・・・・・・っ」
悔しさからなのか恥ずかしさからなのか、全身を震わせその場で顔を伏せるスレイ。するとその時、
「見苦しいぞスレイ」
と、スレイとはまた違った感じの渋カッコ良いエルフの人がそうスレイに言いながらリニスの横に出て来た。
「ち、父上・・・・・・っ」
って、あの人あいつのお父さんかよ!
待てよ・・・・・・? っつー事は、あの人がエルフの・・・・・・?
「ええそうよ。あの方は『エルフ』現国王キース=エンシュリン。現役だった頃は千にも達する程の魔獣をたった一人で殲滅したと言われていて、『エルフ』の中では英雄としてもその名を馳せているわ」
「・・・・・・解説どうも」
はあ、何かもういいや・・・・・・。心くらい好きに読んじゃって下さいな・・・・・・。
その事にツッコムの、もうしんどいっす・・・・・・。
俺のプライバシーなどこの世界には無いのだと潔く諦めた俺は貧乳にそれだけ言うと、再度視線をリニス達の方へと戻した。
「お、お待ち下さい父上! こ、これは何かの間違いで・・・・・・っ」
「間違いでも何でも無い。これは事実だ。約束の期日を守らず、先を急いだお前のミスなのだ。いい加減この現実を受け止め、王女の指示に従い、早急に下がるが良い」
「・・・・・・っ。わかり、ました・・・・・・」
父親に厳しく突き放されたスレイはフラフラと立ち上がると、近くの裏へと繋がる入り口へと真っ直ぐに歩を進め始める。
「・・・・・・リニス王女、最後に一つだけ宜しいでしょうか?」
その途中、スレイはふと振り返り、リニスにそう尋ねた。
「はい、何でしょう? スレイ様」
「・・・・・・もし、もしも私が期日を守り、正式な場で貴方に婚約を申し込んでいたとしたら、今回とはまた違った結果になっていたのでしょうか・・・・・・?」
そんなスレイに対し、リニスは一瞬だけ目を閉じた後、申し訳無さそうな表情でこう答えた。
「いいえ、スレイ様のお気持ちは大変嬉しく思いますが・・・・・・、申し訳ありませんが、その時でも私はお断りしていたと思います」
「それは、何故でしょうか・・・・・・?」
「うーん・・・・・・、何故かと問われましても・・・・・・」
言いにくい理由なのか、困ったように考え込むリニス。
そんなリニスの姿を見て、はっ、と何かに気が付いた素振りを見せたスレイは、
「ま、まさか・・・・・・っ。すでに心に決めた方がいらっしゃるのですかっ!?」
場内中に響き渡るような声量でそうリニスに問いかけた。
「「「「ざわ、ざわ・・・・・・、ざわ、ざわ・・・・・・」」」」
同時に場内のざわつきもスレイの一言によって更に増した。
もう何も言うまい。俺は何も聞いてませんっ、はいっ。
「――なっ!? な、な、な、な、何を言って・・・・・・っ!」
徐々に顔を真っ赤にしながら明らかにテンパり始めるリニス。
「その反応・・・・・・っ。やはり、そうなのですね」
「なっ、べ、別にわた、私は・・・・・・っ」
「わかりました・・・・・・」
「え? わかったって・・・・・・」
「お恥ずかしい所を見せてしまい、本当に申し訳ありませんでした。では、リニス王女失礼致します」
「え、あの・・・・・・。ちょ・・・・・・」
リニスの制止空しく、何かを決心した様子のスレイは先程とは違った足取りでこの場を後にした。
その後、何やらエルフ王と話した後、エルフ王が戻って行った所に向かってぺこぺこと必死に頭を下げ続けるリニス。
それから少ししてこちらに向き直ったリニスは再度マイクを握り、
『ご来場の皆様、先程は私の個人的な事情の所為で皆様の貴重なお時間を浪費させてしまい、誠に申し訳ございませんでした。改めましてこれより、全種族対抗試合を始めさせて頂きたいと思いますっ。出場して頂いた皆様のご活躍を期待しておりますので、どうか皆様頑張って下さいっ!』
謝罪と共に声高らかにそう宣言した。すると、
「「「「おぉおおおおおおおおっっ!!!!」」」」
だの、
「「「「ヒィイイイイハァアアアアッッ!!!!」」」」
だのといった雄叫びがどこからともなく聞こえてきてそのやる気と熱意の声があっという間に場内中を包み込み、盛り上がりのボルテージは一気に最高潮にまで達していた。
そんな中、
「・・・・・・むぅ、レイジよ。この騒ぎは一体何なのだ・・・・・・?」
「おぉヴェルっ! 生きてたか!」
「竜神様っ! 良かった、ご無事だったのですね!」
顔は真っ青だが、生きていた(※気絶していただけ)ヴェルがこの騒ぎを聞いて俺達の所へと合流してきた。
「むぅ・・・・・・、何とか、な・・・・・・。して、我が意識を失っている間に何があったのだ?」
「ああ、それはなー。・・・・・・かくかく、しかじか、かっくぅ」
「久々に出たわねそのとんでもチート呪文・・・・・・」
「むぅ、そのような事が・・・・・・。全く、このような時に不思議な事をする輩も居たものだな」
「ほんとだよなー」
「いや、私にとっては二人の方がそのとんでも呪文を通じ合える辺り、不思議度は高いけどね?」
貧乳が何やらおかしな事を言っているが気にしないでおこう。
「まあ、何にせよ、いよいよ始まるのか。よし、気合入れていこうぜっ」
「む、そうであるな。各々悔いの残らぬよう、全力でいこうではないか」
「もう一度言っておくが、全力っつってもお前は黒炎と『竜化』は無しだからな?」
「む・・・・・・、わかっておるわ」
「大丈夫ですよ竜神様。竜神様に何かあったとしても、この私がしっかりと優勝を勝ち取って来ますから」
「む、フフ。頼もしいかぎ・・・・・・」
「そうです、そうですよ・・・・・・。例えどんな犠牲を払おうとも優勝の座は必ず私が・・・・・・っ。ふふ、ふふふふ・・・・・」
「・・・・・・た、頼もしい? 限りである、な・・・・・・」
「おいおい貧乳、優勝を狙うのは勿論だが例の『タケル』の事も忘れんなよ?」
早くもバーサクモードに移行しようとしていた貧乳にそう釘を刺す俺。
「ええ、勿論よっ。竜神様をあんな目に合わせた奴だもの、絶対にけちょんけちょんにしてやるんだから!」
「む? ん?」
「ああ、その意気だ貧乳。控え室でのヴェルへの残酷なまでのあの仕打ち、きっちりと野郎の身で支払って貰おうぜ!」
「え? ん? んん~? (む・・・・・・。いや、あの控え室での元凶は紛れも無くお主等二人なのだが・・・・・・。まあ、しかし、おかげで良い? 警戒心を持てておるようであるし、タ、タ・・・・・・『タケル』? という奴には悪いが今は黙っておく事にしよう)」
『――、――――では、第一試合を始めますので、1ブロックの枠に振り分けられている方は急ぎ試合場へと移動して下さい!』
「お、始まるな。俺達はとりあえず控え室に戻るとするか」
「ええ、そうね」
「む・・・・・・っ、あ、ああ」
1ブロックは俺達の誰とも関係の無いブロックだったので邪魔にならないよう、控え室へと戻る為、来た道を引き返す俺達。
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