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六章
全種族対抗試合その3
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「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・。こうやって、何かな?」
ポケットに手を突っ込んだまま微動だにしない貧乳に対し、俺は優しく、優しーく問いかける。
「・・・・・・・・・・」
しかし、貧乳は俺の問いに答える素振りすら見せず、その場で固まるのみ。
「ちょぉっとそのポケットの中にある物、見せてもらえるかな?」
「・・・・・・・・・・」
頑なに黙秘権を行使する貧乳であったが、勿論そんな事で引き下がる俺ではない。
「ほら遠慮せずに出してみ? はい、ポケットぉの中には~?♪」
黙秘を貫く貧乳に、俺は歌を交えながら再度そのように問うと・・・・・・、
「・・・・・・・・・・何も無いっ」
はぁい、今まで俺には見せた事の無い笑顔で、そう言い切りやがりますたよこの野郎。
「――嘘つけぇ!! おらっ、とっととその中を見せやがれこのド貧乳!!」
強攻策に移った俺は貧乳の腕を掴み、無理矢理ポケットからその手を引き抜こうとする。
「・・・・・・む、待て待てっ、それよりもまずはこの大会に出場しておる『セルヴィック』についてだな・・・・・・」
例の如く低レヴェルな争いを始めた俺達の横からヴェルが割って入り、止めようとするが・・・・・・、
「――ちょっ、やめ、触らないでよこの変態!! 兵士さーんっ、このロリコン痴漢で――――すっ!! ドゴッッ!」
「――ぐほぁっっ」
「あ、てめ・・・・・・っ、人聞きの悪い事言うんじゃねぇ!! 良いから早くその中にあるブツを出しやがれ!! バキィッッ!」
「――アベ○ッッ!!」
俺達から奇跡的に息の合った無意識の二連撃をモロに食らい、その努力空しく、ヴェルは部屋の隅へと儚く吹き飛んで行った。
「いーや――――っ!! 犯される――――――――っっ!!」
「っっっさねぇよ!!」
とんでもない事を叫びやがった貧乳に対し、俺は力強く、そして全力でそう言い放つ。
「・・・・・・くっそ、往生際が・・・・・・わりぃんだよ!!」
こいつの諦めの悪さにいい加減腹が立ってきた俺は『身体強化』を使用し、思いっきり貧乳の腕を引き抜いた。
すると、ようやく姿を見せた貧乳の腕と共に、ポケットの中から一枚の紙が・・・・・・。
「――――悪即斬!!」
・・・・・・シュボッ。
・・・・・・・・・・。
出てきたような・・・・・・、出てこなかったような・・・・・・。
「――――いやっ、出てきてたよ! そして何してくれてんのお前!?」
「・・・・・・ふぅ。あら、何の事?」
「いやいやっ、今更しらばっくれてもおせぇよ!! 俺見たよ? しっかりとこの目で見ましたよ!?」
「はあ・・・・・・。だから、出てきてただの見ただのって、一体何をよ・・・・・・。死兆星?」
「――――ちげぇわ!! 何さり気なく俺の人生終わらそうとしてんだ!!」
え、てかこの世界でも見えんの? 見えちゃうの? 死兆星。
「・・・・・・ちっ」
あ、こいつ今舌打ちした。
「来年には、見えると良いわね? ニッコォ」
そしてこの笑顔である。タチわりぃ・・・・・・。
「さてと、そんなどうでも良い事はとりあえず置いといて、ていうかドブにでも捨てといて」
ちょいちょいちょいちょい、ウェーイト。俺にとっておそらく今までで一番と言って良いほどの大問題を『どうでも良い事』で片付けてんじゃねぇよ。あと捨てんなし。せめてそのまま置いとけし。
しかし、貧乳はそんな俺の心からの訴えなど知らんと言った様子で俺からヴェルの方へと視線を変える。
「さっ、竜神様っ。お待たせしてすみませんでした」
そして、『メディウス』と大会に出場している『タケル』についての話を再開させようとしたのだったが、
「お話の続き、を・・・・・・」
その途中で、貧乳はまたもその場で固まった。
「・・・・・・? どうした?」
今回については理由が全くわからない俺は、固まったままの貧乳にそう尋ねる。
すると貧乳は・・・・・・、
「・・・・・・・・・・」
ぷるぷると手を震わせながら静かに、そしてゆっくりと俺からは死角になっている所を指差した。
「・・・・・・?」
何だよ一体・・・・・・。と思いつつ、その方へと目を向けると・・・・・・、
「・・・・・・。・・・・・・。・・・・・・・・・・」
何という事でしょう。俺の視界に飛び込んで来たのは、真っ白に燃え尽きた状態のヴェルが部屋の隅でゴミのように転がっている姿だった。
「――――ヴェ、ヴェルぅうううううううううううう!!」
その光景に少しの間俺も思考が停止してしまったが、我に返るなり俺はすぐさまヴェルの傍まで駆け寄り、その老体を抱き起こした。
「大丈夫かヴェル! しっかりしろよ、おい!!」
「・・・・・・」
返事が無い、ただの屍(ry。・・・・・・じゃなくて!!
「おいっ、しかっりしろって! おいっ!」
「・・・・・・」
しかし俺の必死の呼び掛けは空しく、ヴェルは白目を向いたまま起きる気配は一向に無い。
「・・・・・・っ、ひどいっ。一体誰がこんな事を・・・・・・」
「・・・・・・まさか、さっきヴェルが言っていた奴等に・・・・・・? くそっ、『セルヴィック』だか『闇の属性神』だか知らねぇがやってくれるじゃねぇか! 気が変わったぜ、ヴェル、お前の仇は何が何でも俺が必ず取ってやるからな!!」
未だ俺の腕の中で沈黙し続けるヴェルに向かい、俺はそう宣言する。
「・・・・・・え、そうねっ。今回だけは私もあんたに協力するわ! よくも竜神様をこんな、こんな床に零したミルクを拭いた後のボロ雑巾みたいに・・・・・・っ」
「お前、それはちょっと酷過ぎねぇ?」
めっちゃくせぇやつじゃんそれ。
「ロリコン! 『メディウス』の前にまずは何が何でも私達の手で竜神様をこんな目に遭わせた『シゲル』とか言う男を叩きのめすわよ!」
「『タケル』な?」
何だその初期ポケ○ンのライバルみたいな名前は。
「だがまあ、そうだな。タケルが本当に『メディウス』と関係があるのかどうかはわからないが、とりあえずまずはこの会場に居るタケルをとっ捕まえるとするか」
「・・・・・・。こうやって、何かな?」
ポケットに手を突っ込んだまま微動だにしない貧乳に対し、俺は優しく、優しーく問いかける。
「・・・・・・・・・・」
しかし、貧乳は俺の問いに答える素振りすら見せず、その場で固まるのみ。
「ちょぉっとそのポケットの中にある物、見せてもらえるかな?」
「・・・・・・・・・・」
頑なに黙秘権を行使する貧乳であったが、勿論そんな事で引き下がる俺ではない。
「ほら遠慮せずに出してみ? はい、ポケットぉの中には~?♪」
黙秘を貫く貧乳に、俺は歌を交えながら再度そのように問うと・・・・・・、
「・・・・・・・・・・何も無いっ」
はぁい、今まで俺には見せた事の無い笑顔で、そう言い切りやがりますたよこの野郎。
「――嘘つけぇ!! おらっ、とっととその中を見せやがれこのド貧乳!!」
強攻策に移った俺は貧乳の腕を掴み、無理矢理ポケットからその手を引き抜こうとする。
「・・・・・・む、待て待てっ、それよりもまずはこの大会に出場しておる『セルヴィック』についてだな・・・・・・」
例の如く低レヴェルな争いを始めた俺達の横からヴェルが割って入り、止めようとするが・・・・・・、
「――ちょっ、やめ、触らないでよこの変態!! 兵士さーんっ、このロリコン痴漢で――――すっ!! ドゴッッ!」
「――ぐほぁっっ」
「あ、てめ・・・・・・っ、人聞きの悪い事言うんじゃねぇ!! 良いから早くその中にあるブツを出しやがれ!! バキィッッ!」
「――アベ○ッッ!!」
俺達から奇跡的に息の合った無意識の二連撃をモロに食らい、その努力空しく、ヴェルは部屋の隅へと儚く吹き飛んで行った。
「いーや――――っ!! 犯される――――――――っっ!!」
「っっっさねぇよ!!」
とんでもない事を叫びやがった貧乳に対し、俺は力強く、そして全力でそう言い放つ。
「・・・・・・くっそ、往生際が・・・・・・わりぃんだよ!!」
こいつの諦めの悪さにいい加減腹が立ってきた俺は『身体強化』を使用し、思いっきり貧乳の腕を引き抜いた。
すると、ようやく姿を見せた貧乳の腕と共に、ポケットの中から一枚の紙が・・・・・・。
「――――悪即斬!!」
・・・・・・シュボッ。
・・・・・・・・・・。
出てきたような・・・・・・、出てこなかったような・・・・・・。
「――――いやっ、出てきてたよ! そして何してくれてんのお前!?」
「・・・・・・ふぅ。あら、何の事?」
「いやいやっ、今更しらばっくれてもおせぇよ!! 俺見たよ? しっかりとこの目で見ましたよ!?」
「はあ・・・・・・。だから、出てきてただの見ただのって、一体何をよ・・・・・・。死兆星?」
「――――ちげぇわ!! 何さり気なく俺の人生終わらそうとしてんだ!!」
え、てかこの世界でも見えんの? 見えちゃうの? 死兆星。
「・・・・・・ちっ」
あ、こいつ今舌打ちした。
「来年には、見えると良いわね? ニッコォ」
そしてこの笑顔である。タチわりぃ・・・・・・。
「さてと、そんなどうでも良い事はとりあえず置いといて、ていうかドブにでも捨てといて」
ちょいちょいちょいちょい、ウェーイト。俺にとっておそらく今までで一番と言って良いほどの大問題を『どうでも良い事』で片付けてんじゃねぇよ。あと捨てんなし。せめてそのまま置いとけし。
しかし、貧乳はそんな俺の心からの訴えなど知らんと言った様子で俺からヴェルの方へと視線を変える。
「さっ、竜神様っ。お待たせしてすみませんでした」
そして、『メディウス』と大会に出場している『タケル』についての話を再開させようとしたのだったが、
「お話の続き、を・・・・・・」
その途中で、貧乳はまたもその場で固まった。
「・・・・・・? どうした?」
今回については理由が全くわからない俺は、固まったままの貧乳にそう尋ねる。
すると貧乳は・・・・・・、
「・・・・・・・・・・」
ぷるぷると手を震わせながら静かに、そしてゆっくりと俺からは死角になっている所を指差した。
「・・・・・・?」
何だよ一体・・・・・・。と思いつつ、その方へと目を向けると・・・・・・、
「・・・・・・。・・・・・・。・・・・・・・・・・」
何という事でしょう。俺の視界に飛び込んで来たのは、真っ白に燃え尽きた状態のヴェルが部屋の隅でゴミのように転がっている姿だった。
「――――ヴェ、ヴェルぅうううううううううううう!!」
その光景に少しの間俺も思考が停止してしまったが、我に返るなり俺はすぐさまヴェルの傍まで駆け寄り、その老体を抱き起こした。
「大丈夫かヴェル! しっかりしろよ、おい!!」
「・・・・・・」
返事が無い、ただの屍(ry。・・・・・・じゃなくて!!
「おいっ、しかっりしろって! おいっ!」
「・・・・・・」
しかし俺の必死の呼び掛けは空しく、ヴェルは白目を向いたまま起きる気配は一向に無い。
「・・・・・・っ、ひどいっ。一体誰がこんな事を・・・・・・」
「・・・・・・まさか、さっきヴェルが言っていた奴等に・・・・・・? くそっ、『セルヴィック』だか『闇の属性神』だか知らねぇがやってくれるじゃねぇか! 気が変わったぜ、ヴェル、お前の仇は何が何でも俺が必ず取ってやるからな!!」
未だ俺の腕の中で沈黙し続けるヴェルに向かい、俺はそう宣言する。
「・・・・・・え、そうねっ。今回だけは私もあんたに協力するわ! よくも竜神様をこんな、こんな床に零したミルクを拭いた後のボロ雑巾みたいに・・・・・・っ」
「お前、それはちょっと酷過ぎねぇ?」
めっちゃくせぇやつじゃんそれ。
「ロリコン! 『メディウス』の前にまずは何が何でも私達の手で竜神様をこんな目に遭わせた『シゲル』とか言う男を叩きのめすわよ!」
「『タケル』な?」
何だその初期ポケ○ンのライバルみたいな名前は。
「だがまあ、そうだな。タケルが本当に『メディウス』と関係があるのかどうかはわからないが、とりあえずまずはこの会場に居るタケルをとっ捕まえるとするか」
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