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五章
〈マジアガるわ~。マジ卍祭り〉その1
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「何か、外が騒がしくなってきたな」
朝食をとり終えた俺達がそのまま椅子に座ってゆっくりしていると、何やら外がざわざわとしているのが耳に入ってきた。
あ、カ○ジのざわざわじゃないよ?
「む、今日は祭りがあるとかあの商人が言っていたであろう? それの所為ではないか?」
あー、あれか。確かあの、〈マジアガるわ~。マジ卍祭り〉とかいう意味がクソ程にもわからん祭りの事か。
「そういや、そうだったな。すっかり忘れてたぜ」
「む、しっかりせぬかレイジ。昨日の今日であるぞ? まだまだ若いお主がそんな年寄りみたいな記憶力で、一体これからどうするというのだ」
うるせぇやい。こちとら、昨日のやけ酒の所為で所々の記憶がぶっ飛んでるんだよ。
ま、自業自得だから言葉には出さないけど。
「どうする? 折角だし、皆で行ってみる?」
「お祭りかー、まあ長旅の疲れを癒すには丁度良いかもね」
「わ、私は、どちら、でも」
「お祭り行きたい!」
「む、我も別に構わんぞ」
ファフニールの提案にそれぞれが返答をした結果、この後は皆で祭りを見て回る事に決定した。
「っと、こっちも忘れるところだった。祭りに行く前に、ヴェル、ファフニール、手を出してくれ。魔力を渡しておくから」
「はーい。お願いね?」
「む、了解した」
俺の指示に従い、二人共が片手を前に突き出す。
「だが、今回は加減をしながらで頼むぞ? 前みたく暴発寸前まで注がれては事なのでな」
「わかってるよ。じゃあ送るから、もう十分ってなったらもう片方の手を上げてくれ」
「うむ」
「ええ」
二人の返事を聞き、俺は魔力を二人同時に流し込み始めた。
「凄い・・・・・・、私達二人を同時に相手にしているのに、レイジの底が全く見えないわ・・・・・。これが『無限の魔力』・・・・・・」
「む、そう、その調子だ。ゆっくり、ゆっくりと・・・・・・」
「はいはい」
ヴェルの言うとおりに、俺はゆっくりと少量ずつ魔力を二人に流し続ける・・・・・・、
「――――とでも思ったかぁっ!? ガソリン満タン入りまぁああああすっっ!!」
その瞬間、俺は大量の魔力を一気に二人に流し込む。
「「――――――なっっ!?」」
少量ずつ流す、なんていうチマチマした面倒くさい行為を俺がいつまでも持続出来るとでも?
はっはっは、否だ、断じて否だっ!
「「あ、あ、あぁああああああああああああああっっ!!」」
「「「――――ビクゥ!!」」」
容赦無く魔力を大量に注ぎ込んでいる所為か、悲鳴を上げながらテーブルをバンバンと叩き始める二人。
それに対し、貧乳、ソフィーちゃん、エレナの三人の身体が一斉にビクついた。
はあ・・・・・。全く、周りの迷惑を考えろってさっき言ったばかりだろうが。こいつ等は何を聞いていたのかねぇ?
「ちょっ、待っ、レイっ!!」
「むぉおおお!! もう良いっ、もう良いぃいい!!」
より一層テーブルを叩く勢いが増し、同時に俺が握る手を振り解こうとする。
「おぅ、おぅ、おぅっ。わ、わかったわかった、ほら」
あかん、これ肩が外れる。と思った俺は二人の希望どおりパッ、と握っていた手を離した。
「はぁっ、はぁっ。た、助かった・・・・・・」
「むぅ、レイジ、お主という奴は・・・・・・」
その直後、テーブルに突っ伏してぜぇぜぇと息を切らすヴェルとファフニール。
「うわぁ・・・・・・。あんた、もうちょっと優しく出来なかったの?」
「貧乳・・・・・、時は有限なんだぜ? ゆっくりと流し続ければ、それだけ皆が祭りを楽しむ時間が減ってしまう。故に、これは仕方の無い事なんだよ・・・・・」
「いや、あんた単純に面倒くさかっただけでしょ。あと・・・・・・、格好つけてるところ悪いんだけど、普通に気持ち悪いわよ?」
「きも・・・・・・っ」
図星をつかれた事よりも、俺のこのパーフェクトな思いやりを気持ち悪いと言われた事に対して、少なからずショックを受けた俺。
「だ、大丈、夫です、か?」
「レイリー? 生きてる?」
そんな端で、突っ伏したままのファフニールとヴェルに心配から声をかけるソフィーちゃんとエレナ。
「だ、大丈夫よ・・・・・・。魔力がびっくりするくらいに満ちて、力が湧き上がっているのは感じるのだけれど、何でか、その、脱力感が・・・・・・」
「む・・・・・・、だがこれで、下手な消費さえしなければ、しばらくは休息をとるだけで魔力不足に陥る事は十分に回避出来る・・・・・・」
「そう、ね・・・・・・。これからは計画的に魔力を使っていかないと・・・・・・」
「む、全くだ・・・・・・」
俺の魔力供給を経験し終えた二人(ヴェルは二回目)は、溜め息をつきながらお互いにそう心に固く誓った。
〈???視点 同時刻〉
「・・・・・・」
「お客様、どうかなさいましたか?」
ある一点をじっと私が凝視していると、それに気が付いた店主がそんな私に声をかけてきた。
「店主、あそこに居る者達は?」
「ああ、あの人達は昨日からこちらにご宿泊なされている方々ですよ。ふふ、賑やかな人達ですよねー」
昨日から、か・・・・・・。という事は、祭り目当ての観光客といったあたりだろうか・・・・・・。
まあどうあれ、この機を逃す訳にもいかんな。
あの女性と女の子の二人は身なりからしておそらく天界の聖騎士。
更に、他の者達は気が付いていなかっただろうが、莫大な魔力を注がれていたあの老人と女性は、あれ程の魔力が必要となるくらいの化け物クラス。
もう一人の女の子の方はわからないが、それはまあ、この際良いとしよう。
・・・・・・そして、何と言ってもあの男だ。あれ程の莫大な魔力を二人同時に供給していたのにも関わらず、顔色一つ変えずにピンピンしているというのは一体どういう事なんだ・・・・・・。
どれだけ魔力量を有していようとも、あれだけの魔力を供給した後には、少なからず意識が朦朧としたりと何かしらの症状が出るはず・・・・・・。
しかし、あの男を見る限りだと、それらの症状が一切無い。
これは、もしかしたら・・・・・・っ。
「あの、お気に触るようでしたら、私が少し注意してきましょうか?」
突然考え込んだ私を心配してか、そう気を利かせてくれる店主。
「・・・・・・ん? ああ、それは別に構わない。多少気にはなるが、何せ今日は年に一度しかない祭りの初日だ。浮かれるのも無理は無いだろう」
「ふふ、そうですね。わかりました」
そう言い、店主は奥の部屋へとその身を引っ込めた。
「・・・・・・・・・・」
これは、神が私に齎してくれた最後の機会に違いない・・・・・・。
何としてでもこの機会、物にしてみせる・・・・・・っ!
朝食をとり終えた俺達がそのまま椅子に座ってゆっくりしていると、何やら外がざわざわとしているのが耳に入ってきた。
あ、カ○ジのざわざわじゃないよ?
「む、今日は祭りがあるとかあの商人が言っていたであろう? それの所為ではないか?」
あー、あれか。確かあの、〈マジアガるわ~。マジ卍祭り〉とかいう意味がクソ程にもわからん祭りの事か。
「そういや、そうだったな。すっかり忘れてたぜ」
「む、しっかりせぬかレイジ。昨日の今日であるぞ? まだまだ若いお主がそんな年寄りみたいな記憶力で、一体これからどうするというのだ」
うるせぇやい。こちとら、昨日のやけ酒の所為で所々の記憶がぶっ飛んでるんだよ。
ま、自業自得だから言葉には出さないけど。
「どうする? 折角だし、皆で行ってみる?」
「お祭りかー、まあ長旅の疲れを癒すには丁度良いかもね」
「わ、私は、どちら、でも」
「お祭り行きたい!」
「む、我も別に構わんぞ」
ファフニールの提案にそれぞれが返答をした結果、この後は皆で祭りを見て回る事に決定した。
「っと、こっちも忘れるところだった。祭りに行く前に、ヴェル、ファフニール、手を出してくれ。魔力を渡しておくから」
「はーい。お願いね?」
「む、了解した」
俺の指示に従い、二人共が片手を前に突き出す。
「だが、今回は加減をしながらで頼むぞ? 前みたく暴発寸前まで注がれては事なのでな」
「わかってるよ。じゃあ送るから、もう十分ってなったらもう片方の手を上げてくれ」
「うむ」
「ええ」
二人の返事を聞き、俺は魔力を二人同時に流し込み始めた。
「凄い・・・・・・、私達二人を同時に相手にしているのに、レイジの底が全く見えないわ・・・・・。これが『無限の魔力』・・・・・・」
「む、そう、その調子だ。ゆっくり、ゆっくりと・・・・・・」
「はいはい」
ヴェルの言うとおりに、俺はゆっくりと少量ずつ魔力を二人に流し続ける・・・・・・、
「――――とでも思ったかぁっ!? ガソリン満タン入りまぁああああすっっ!!」
その瞬間、俺は大量の魔力を一気に二人に流し込む。
「「――――――なっっ!?」」
少量ずつ流す、なんていうチマチマした面倒くさい行為を俺がいつまでも持続出来るとでも?
はっはっは、否だ、断じて否だっ!
「「あ、あ、あぁああああああああああああああっっ!!」」
「「「――――ビクゥ!!」」」
容赦無く魔力を大量に注ぎ込んでいる所為か、悲鳴を上げながらテーブルをバンバンと叩き始める二人。
それに対し、貧乳、ソフィーちゃん、エレナの三人の身体が一斉にビクついた。
はあ・・・・・。全く、周りの迷惑を考えろってさっき言ったばかりだろうが。こいつ等は何を聞いていたのかねぇ?
「ちょっ、待っ、レイっ!!」
「むぉおおお!! もう良いっ、もう良いぃいい!!」
より一層テーブルを叩く勢いが増し、同時に俺が握る手を振り解こうとする。
「おぅ、おぅ、おぅっ。わ、わかったわかった、ほら」
あかん、これ肩が外れる。と思った俺は二人の希望どおりパッ、と握っていた手を離した。
「はぁっ、はぁっ。た、助かった・・・・・・」
「むぅ、レイジ、お主という奴は・・・・・・」
その直後、テーブルに突っ伏してぜぇぜぇと息を切らすヴェルとファフニール。
「うわぁ・・・・・・。あんた、もうちょっと優しく出来なかったの?」
「貧乳・・・・・、時は有限なんだぜ? ゆっくりと流し続ければ、それだけ皆が祭りを楽しむ時間が減ってしまう。故に、これは仕方の無い事なんだよ・・・・・」
「いや、あんた単純に面倒くさかっただけでしょ。あと・・・・・・、格好つけてるところ悪いんだけど、普通に気持ち悪いわよ?」
「きも・・・・・・っ」
図星をつかれた事よりも、俺のこのパーフェクトな思いやりを気持ち悪いと言われた事に対して、少なからずショックを受けた俺。
「だ、大丈、夫です、か?」
「レイリー? 生きてる?」
そんな端で、突っ伏したままのファフニールとヴェルに心配から声をかけるソフィーちゃんとエレナ。
「だ、大丈夫よ・・・・・・。魔力がびっくりするくらいに満ちて、力が湧き上がっているのは感じるのだけれど、何でか、その、脱力感が・・・・・・」
「む・・・・・・、だがこれで、下手な消費さえしなければ、しばらくは休息をとるだけで魔力不足に陥る事は十分に回避出来る・・・・・・」
「そう、ね・・・・・・。これからは計画的に魔力を使っていかないと・・・・・・」
「む、全くだ・・・・・・」
俺の魔力供給を経験し終えた二人(ヴェルは二回目)は、溜め息をつきながらお互いにそう心に固く誓った。
〈???視点 同時刻〉
「・・・・・・」
「お客様、どうかなさいましたか?」
ある一点をじっと私が凝視していると、それに気が付いた店主がそんな私に声をかけてきた。
「店主、あそこに居る者達は?」
「ああ、あの人達は昨日からこちらにご宿泊なされている方々ですよ。ふふ、賑やかな人達ですよねー」
昨日から、か・・・・・・。という事は、祭り目当ての観光客といったあたりだろうか・・・・・・。
まあどうあれ、この機を逃す訳にもいかんな。
あの女性と女の子の二人は身なりからしておそらく天界の聖騎士。
更に、他の者達は気が付いていなかっただろうが、莫大な魔力を注がれていたあの老人と女性は、あれ程の魔力が必要となるくらいの化け物クラス。
もう一人の女の子の方はわからないが、それはまあ、この際良いとしよう。
・・・・・・そして、何と言ってもあの男だ。あれ程の莫大な魔力を二人同時に供給していたのにも関わらず、顔色一つ変えずにピンピンしているというのは一体どういう事なんだ・・・・・・。
どれだけ魔力量を有していようとも、あれだけの魔力を供給した後には、少なからず意識が朦朧としたりと何かしらの症状が出るはず・・・・・・。
しかし、あの男を見る限りだと、それらの症状が一切無い。
これは、もしかしたら・・・・・・っ。
「あの、お気に触るようでしたら、私が少し注意してきましょうか?」
突然考え込んだ私を心配してか、そう気を利かせてくれる店主。
「・・・・・・ん? ああ、それは別に構わない。多少気にはなるが、何せ今日は年に一度しかない祭りの初日だ。浮かれるのも無理は無いだろう」
「ふふ、そうですね。わかりました」
そう言い、店主は奥の部屋へとその身を引っ込めた。
「・・・・・・・・・・」
これは、神が私に齎してくれた最後の機会に違いない・・・・・・。
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