うん、異世界!

ダラックマ

文字の大きさ
上 下
44 / 77
四章

朝食の時間

しおりを挟む
 その後、エレナを起こしてから貧乳とソフィーちゃんとも合流し、朝食をとる為、皆で下の階へと向かっていた。

「大丈夫だったエレナ? こいつに変な事されなかった?」

「おいおい、止めてくれ。いくら俺だって寝込みを襲うような真似は・・・・・・ 」

 貧乳がエレナにそんな事を聞いたので、俺は何もしていないと先に証言しようとしたその時、

「じ~~~~~~・・・・・・・・・・・・・・・・」

「しない、さ・・・・・・」

 ヴェルが横から俺に対してジトッ、とした視線を向けてきた事により、俺は少し口ごもってしまった。

「何、最後の。あんたまさか・・・・・・」

 そんな俺を見逃さなかった貧乳が即行疑いの眼差しを向けてくる。

「いやいやマジだって! 何もしてない何もしてないっ!」

 ま、まあ、正直ちょぉっと何かしようとは思ったけど、結局何もして無いしっ? 未遂だからセーフだしっ?

「う~ん、何も無かった、と思うけど?」

 必死に貧乳に対し俺が無罪を主張していると、エレナもはっきりと俺の無罪を証言してくれた。

「そ、そう? なら良いんだけど」

 あぁありがとうエレナっ! いや、エレナ様!!

「さ、さあっ、それよりも早く飯食いに行こうぜ! あー、腹減ったーっ。な、エレナ!」

「うんっ」

「・・・・・・」

 そして、俺は未だ貧乳からの疑惑に満ちた視線を受けながらではあったが、何とかやり過ごし、下の階にあった大き目のテーブル席にそそくさと座った。

「「「きゅるるる・・・・・・」」」

 すると、他の宿泊客達も朝食をとっていた為か、別のテーブルに並ぶ美味そうな料理を見てエレナと貧乳、そしてソフィーちゃんのお腹が鳴るのが聞こえてきた。

「・・・・・・そういえば、昨日何も食べずに寝ちゃってたわね」

「・・・・・・は、い」

「・・・・・・ぐーぐーへりんこファ○ヤー」

 あれ? 何か今エレナから聞き覚えのあるちょっと危ない言葉が飛び出したような・・・・・・。偶然かな? 偶然だよな? だってエレナが知ってる訳ねぇもんな、うん、偶然って事にしておこう。

 そうして、全員が同じテーブルに着席した後、ヴェルが俺に話しかけてきた。

「む、レイジよ。我には後ほど魔力を頼んでも良いか?」

「ん、ああ、わかった」

「それと、ついでにファフニールにも頼みたいのだが、良いだろうか?」

「ふふ、それはありがたいのだけれど、ヴェルガルドだけじゃなく私にまで渡しちゃったら、いくら何でもレイジが死んじゃうわよ」

 ヴェルのその申し出に、ファフニールが笑いながら口を挟んでくる。

「む、それについては問題は無かろうて」

「? どういう事?」

「あー、それはね?」

 きょとんとするファフニールに対し、俺の事情を知る奴の一人である貧乳が口を開いた。

「この最低クズロリコン野郎には我等が主様のご好意で授かった特別な能力があるのよ。その中に『無限の魔力』なんていうものがあってね。ほんと自分でも何言ってんのかって思うんだけど、このクズに限っては魔力切れなんていう言葉は存在しないって訳」

「・・・・・・え? 無限? え?」

 貧乳によるその説明に多少混乱気味になるファフニール。

「む、落ち着けファフニール。おそらくミーナが申しておる事は事実であろう。『無限の魔力』、などというものは我も今初めて知ったが、レイジの底無しの魔力量については既に我もその身を持って体感しておるのでな」

「へ、へえ・・・・・・。ていうか、あなた達って天界の聖騎士よね? じゃあその主っていうのは」

 ファフニールがあの馬鹿の事を言いかけた途端、貧乳が無い胸をふんっと張りながらそれを遮った。

「ふふ、そう! 何を隠そう我等が主様はあの崇高な「シン・A・マルティ、ネウス様、です」って、ちょっとぉ!?」

 しかし、貧乳が熱弁する途中で見事ソフィーちゃんに言葉を被せられ、それは強制終了させられた。

 ドンマイ貧乳。そしてグッジョブソフィーちゃん。

「あぁんもう! 何でそこで被せてくるのよソフィー!」

「い、え、すみま、せん。めんど・・・・・・長くなりそう、だった、ので、つい」

「え、今面倒くさいって言いかけなかった? ねぇソフィーっ!?」

「・・・・・・・・・・」

 本当に面倒くさいのか、完全に貧乳をフル無視するソフィーちゃん。

 ダークソフィーちゃん、もうその辺にしておいてやれよ。貧乳、もう既に涙目だぜ・・・・・・?

「そう、あの属性神様が関わっていたなんて、ねぇ・・・・・・」

 未だ騒いでいる二人(貧乳オンリー)の事は気にせずに、ファフニールは口元に手を当てて小さくそう言葉を漏らした。

 ・・・・・・えーと、さ。まず二人を止めない? 周りの人達に迷惑がかか・・・・・・

「む、我も初めて聞かされた時は流石に驚いたぞ」

 あ、ヴェル。お前もでやがりますか。こんな近くで騒がれている中でよく冷静に話が出来ますねぇあなた達。

 周りの視線とかでハラハラとかしない? しないのかな? 俺はすっげぇしてるよ? なぁう。

「まあでも、そういう事なら色々と納得ね」

 そしてこいつはシンの名前を出した途端に一体何を納得したのだろうか。その色々とってやつが超気になるんですけど。

「じゃあ、私の分も後でお願いしようかしら?」

「はあ、わかったよ。でもその代わり、今はちゃんと皆と同じ飯を食えよ? いくら必要が無いからって言っても今はこうして皆で朝食をとりに来てるんだからな」

「む、了解した」

「はーい。わかってるわよそんな事」

 全く、まあ納得の理由はまた今度聞かせてもらうとして、後は・・・・・・。

「いつまでやってんだお前等はっ」

「――ぷぎゅっ」

「――ふにゃっ」

 いい加減そろそろマジでやかましく(貧乳が)なってきたので、俺は二人に軽くチョップをいれる。

「にゃ、にゃにするのよっ!」

「い、痛い、です・・・・・・」

「お前等なー、周りの人様の迷惑もちったぁ考えろよ。ここに居るのは俺達だけじゃないんだぞ?」

「あ、う・・・・・・。ご、ごめんなさい・・・・・・」

 周りを見て頭が冷えたのであろう貧乳は、言い訳せずにすぐ俺達と周りの方々に謝罪をした。

「素直でよろしい。で、ソフィーちゃんは?」

 そして、次に俺はソフィーちゃんの方へと向き、聞いた。

「わ、私は、何も・・・・・・」

「・・・・・・んん?」

 おそらく、自分は騒いでないからセーフ、とでも思っているのだろうが、それは間違ってるぜソフィーちゃん。

「・・・・・・よく聞こえなかったなぁ? ワンモアプリーズ?」

 俺はもう一度手をチョップの形に変えてそうソフィーちゃんに聞き返す。

「――ひぅっ、む、無視、して、すみません、でし、た・・・・・・」

「うんうん、よろしい。じゃ、皆仲良くご飯といこうか」

 ちゃんと謝罪したソフィーちゃんの頭をぽんぽんと軽く撫でてから俺は自分の席へと戻る。

「・・・・・・っ」

 ん? ソフィーちゃん、頭を押さえながら俯いて一体どうしたんだろう? ぽんぽん、強かったのかな?

 そんな事を思っていると、俺達の前を男性のスタッフさんっぽい人が通りかかったので、俺は注文をする為呼び止める事に。

「スタッフゥー! スタッフゥー!」

 すると、俺の呼びかけに反応したその人は俺達のテーブルの前まで再度近づき、口を開いた。



「フィッシュ、オア、ビーフ?」



「・・・・・・は?」

 え、あーうん、ちょっと待って? ここって確か宿屋、だよね? どっかの旅客機の中じゃあないよね? そもそもここ異世界だよ、ねっ? 

 フィッシュ、オア、ビーフ? ・・・・・・なんでやねん!!

 魚と肉の他にメニューはねぇのかよ!!

「あっ、私ビーフで!」

「私、も、ビーフ、でお願い、しま、す」

 ――うぅおい! まさかの違和感無し!? マジで? この世界の宿屋はこれが普通なの!?

 ってか、そんな事よりお前等、よく朝一からそんな重いもん食えるなっ! ぶれねぇお前等に乾杯!!

「じゃあ私はフィッシュにしようかしら。エレナはどうする?」

「私もそれでっ」

「む、そうだな。では我もビーフを頂くとしようか。あ、量は少なめで頼む」

「わかりました。ビーフが三つ、一つは少なめで、フィッシュが二つですね? あなたはどうなさいますか?」

 俺以外の全員の注文をとり終えた男性が、まだ注文をしていない俺にそう尋ねてくる。

 それに対し、俺は・・・・・・、

「すみません、サラダ、ありますか・・・・・・?」

 と、ヘルシーな注文を出しました。

「「「「「・・・・・・えっ?」」」」」

 俺のその意外な注文に全員が一斉に俺に向けて、こいつ大丈夫? 的な視線を飛ばしてくる。

 いやいやいや、理由としたら昨晩飲み過ぎたってのもあるけどさ、でもほら、周り見てみ?

 ビーフはマジで論外として、フィッシュよ。ほらあそこで出されてる料理なんて煮付けだぜ? 考えてもみろよ、朝から煮付け・・・・・・。ごめんっ、本っ当にマジでそれは重いっ!! 

 いや、嫌いじゃないのよ!? むしろ煮付けは好きな方なんだけどさ!!

 なぁんで朝に出すかなぁ!? 晩飯で食いたかったぜ畜生!!

「ええ、ございますよ? ではサラダがお一つでよろしかったですか?」

「はい、それでお願いします・・・・・・」

「わかりました。では少々お待ち下さいね」

 そう言い、男性スタッフはカウンターの奥へと消えていった。

「ね、ねぇ・・・・・・」

 すると、貧乳が俺に声を掛けてくる。

「あんた、どっか調子でも悪いの? 頭、は大丈夫じゃないか。風邪?」

「おい、それ心配してんのか喧嘩売ってんのかどっちだ?」

「だって、あんたなら迷わずビーフを選ぶと思ってたのに、まさかのサラダだなんて、元からおかしい頭が余計におかしくなったとしか・・・・・・」

「よーし後者の方だな? お前、飯食った後覚えてろよ」

 全く、こいつ等は俺を一体何だと思ってるんだ。そもそも何で俺が肉を選ばないだけでこんな反応をされなくちゃならんのだ。

 今までに俺が肉に対して固執するような場面が一度でも・・・・・・、

 ~~そして蘇る狩りの場面~~

 『肉ぅ・・・・・・、肉を置いてけぇえええええええ!!』



 ・・・・・・・・・・あー、そういやあったね、こんな事が。

 だからなのかな? 全員が未だに心配そうな視線を向けてきているのは。

「はあ、大丈夫だって。単に朝から肉やらは重いかなって思ってサラダにしただけで、体調が悪いとか、そんなのは全然無いから」

「そうなの? それならそうと早く言いなさいよ。ちょっと心配しちゃったじゃない」

 ほう、君はあれを心配したと言うのか。面白い子だな。

「良かった、です・・・・・・。でも、お肉は、別に重く、ない、ですよ?」

 うん、君はそうでも普通は違うんだよ? あ、それとももしかして、重量の事を言っているのかな?

「もしレイジが病気になっても私が看病してあげるからね!」

 今すぐ看病して下さいっ! ・・・・・・色んな意味でっ!!

「大丈夫よエレナ。本当に病気になっても私が作ったお薬さえ飲めば一瞬で治るから」

 え、それ大丈夫なやつだよね? 一瞬で逝けるとか、そういうのじゃないよねぇ!?

「む、我は・・・・・・」

「あ、ヴェルは良いや。何となく、真面目で面白味の無い事を言いそうな雰囲気だったし」

「――――むぅっ、酷いっっ!!」

 そんなこんなで楽しく皆で雑談をしていると、注文していた料理が次々に運ばれてきた。

「お待たせしましたー。こちらがビーフ少な目に、こちらの二つが通常のビーフですねー。それとフィッシュが二つで、こちらがサラダになりまーす」

 そう言い、先程と違う若い女性のスタッフが、俺達の目の前にテキパキと慣れた手付きで料理が盛られたお皿を置いていく。

「ではでは、失礼しまーす」

 全て置き終わると、その人はゆるーい感じでそれだけ言ってたったかたーっ、と俺達のテーブルから離れていった。

 何か、個性的? な人だったなー・・・・・・。

「まあ良いか。それより、冷めない内に食べるとしますかね」

 冷めるも何も、俺はサラダだから関係ねぇんだけどな。

 そして、俺が食べ始めようとしたその時、

「レイジ、それだけだとお腹いっぱいにならないだろうからこれあげる」

 そう言ってエレナが俺の皿に煮付け、ではなく、添えられていた野菜をすっ、とのせてきた。

 サラダ食ってる奴に野菜を渡すって・・・・・・。しかし、これはエレナが好意でくれた物だし、その気持ちを無下にするって訳にもなぁ・・・・・・。

「あ、ああ。ありがとうエレナ」

 そう考えた俺は、とりあえずお礼を言い、ぐっと気持ちを抑えてその好意を受け入れる事にした。

 すると、その光景を見ていた貧乳とソフィーちゃんが、

「あ、私のこれもあげるわー。お腹空いてるでしょー?」

「これ、も、どうぞ・・・・・・っ」

 もの凄い速度でパパッ、と俺の皿にニンジンらしきものやピーマンらしき野菜を放り込んでくる。

「・・・・・・・・・・」

 その時、俺は確信した。

「お前等・・・・・・っ、単に苦手なもんを俺に押し付けてるだけじゃねぇか!!」

 そう、こいつ等のこの行動は、好意などではない、と・・・・・・。

「くっ、戦略的撤退よ! ソフィー、エレナ!」

「「了解っ!」」

 撤退と言っても、ただ皿を持って俺から離れた位置に座り直すという、何とも幼稚なものだった。

 何の遊びだよ、ったく・・・・・・。

 俺はその三人の楽しそうな姿を見て、はあ・・・・・・、と溜め息を漏らし、しぶしぶ放り込まれた野菜達を食べ始める。

「今回は食ってやるが、次からはちゃんと自分達で食えよ?」

 いや、ていうか無理矢理にでも食わす。

「ありがとね、レイジっ」

 こういう時しか俺の名前をしっかりと言えんのか貧乳こいつは・・・・・・。

「ありが、とう、ござい、ます、零時、様。あ、あと、これから、も、よろしくお願い、します」

 あれ、この子ちゃんと人の話聞いてた? 俺、今回だけって言ったよね? 

「ありがとうっ、レイジ大好き!!」

 あっふん・・・・・・っ! まあ、その、何だ。エレナの分は、これからも食べてやっても、良いかな。

「む、はあ、静かに食事も出来んのかこやつらは・・・・・・」

「若いって良いわねぇ」

「む、何を言っとるか。お主もまだまだ若いであろうが」

「えっ、やぁだヴェルガルド! それって遠回しの愛の告白? そうよね? そういう事よねぇ!?」

「だぁあ! 何がどうなって今のが愛の告白とやらになるのだ! 妄想も大概にせぃ!!」

 そんな感じで、俺達の朝食タイムは奇跡的に周りからクレームも来ずに、平和に過ぎていった。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

最悪から始まった新たな生活。運命は時に悪戯をするようだ。

久遠 れんり
ファンタジー
男主人公。 勤務中体調が悪くなり、家へと帰る。 すると同棲相手の彼女は、知らない男達と。 全員追い出した後、頭痛はひどくなり意識を失うように眠りに落ちる。 目を覚ますとそこは、異世界のような現実が始まっていた。 そこから始まる出会いと、変わっていく人々の生活。 そんな、よくある話。

【完結】私だけが知らない

綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

“元“悪役令嬢は二度目の人生で無双します(“元“悪役令嬢は自由な生活を夢見てます)

翡翠由
ファンタジー
ある公爵令嬢は処刑台にかけられていた。 悪役令嬢と、周囲から呼ばれていた彼女の死を悲しむものは誰もいなく、ついには愛していた殿下にも裏切られる。 そして目が覚めると、なぜか前世の私(赤ん坊)に戻ってしまっていた……。 「また、処刑台送りは嫌だ!」 自由な生活を手に入れたい私は、処刑されかけても逃げ延びれるように三歳から自主トレを始めるのだが……。

虐げられ令嬢の最後のチャンス〜今度こそ幸せになりたい

みおな
恋愛
 何度生まれ変わっても、私の未来には死しかない。  死んで異世界転生したら、旦那に虐げられる侯爵夫人だった。  死んだ後、再び転生を果たしたら、今度は親に虐げられる伯爵令嬢だった。  三度目は、婚約者に婚約破棄された挙句に国外追放され夜盗に殺される公爵令嬢。  四度目は、聖女だと偽ったと冤罪をかけられ処刑される平民。  さすがにもう許せないと神様に猛抗議しました。  こんな結末しかない転生なら、もう転生しなくていいとまで言いました。  こんな転生なら、いっそ亀の方が何倍もいいくらいです。  私の怒りに、神様は言いました。 次こそは誰にも虐げられない未来を、とー

婚約破棄されたら魔法が解けました

かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」 それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、第一王子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。 「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」 あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。 「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」 死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー! ※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です

転生したらチートすぎて逆に怖い

至宝里清
ファンタジー
前世は苦労性のお姉ちゃん 愛されることを望んでいた… 神様のミスで刺されて転生! 運命の番と出会って…? 貰った能力は努力次第でスーパーチート! 番と幸せになるために無双します! 溺愛する家族もだいすき! 恋愛です! 無事1章完結しました!

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

処理中です...