うん、異世界!

ダラックマ

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一章

零時が旅立った後の天界アルカディア

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 ミーナ(貧乳)視点――――

「こんの、腐れ外道がああああああああああああっ!!」



「ふぅ・・・・・・・・・・」

 いい気味ね。主様や私に無礼な行いをするからよ。

 はあ、これでようやくアルカディアに静寂と平穏が戻るわ。

 あの男が落ちていった穴を見ながら私はほっと胸を撫で下ろす。

「全く、何だったのかしらあの無礼極まりない男は」

「あ、れ? ミーナさん、どう、して?」

 私がこの場に居る事に驚くソフィー。

「え? あー、主様やソフィーが心配になって後をつけて来たのよ」

 そう、私はあの時主様に下がれと命じられたのだったが、また何かあの男が主様に無礼な行いをするんじゃないかと思い、主様の特別な魔法、『異空間移動魔法ゲート』が閉じる前にこっそりと私も一緒に飛び込んだのだ。

「そう、だったんです、ね」

 大剣を握りながら嬉しそうにとてとて、と小走りで走り寄って来るソフィー。

 うーん、まあその姿は可愛いんだけど、せめてその大剣は仕舞ってくれないかしら・・・・・・・・・・。

 正直怖い。

「そ、それに、して、も、だ、大丈夫、でしょう、か、零時、様・・・・・・」

「ソフィーは優しいわねぇ。あんなクズでロリコンな奴の事なんか別に心配する価値も無いでしょうに」

「ミ、ミーナさん、それ、は、ちょっと言い、過ぎ、では・・・・・・?」

 あの無礼な男、確か零時って言ったわね。

 主様自らによって選ばれた使徒みたいだけど、どうして主様はあんな無礼な男を・・・・・・?

 この天界アルカディアに来てからというもの、あの男の態度や行動は酷いの一言では言い表せない。

 まず、主様の高貴なる翼に触れようとするし・・・・・・。

「ああ、それは私が許可を出しました。先程もそう言ったはずですよ?」

 私を貧乳と呼ぶし・・・・・・・・・・。

「まあ、見た目まな板ですしねぇ~」

 主様のお気に入りだった花畑の一画を焼き払うし・・・・・・。

「あれは事故みたいなものですし、別に気にしてはいませんよ?」

 私の、ひ、か、え、めっ、な胸を貧乳って言ったし・・・・・・。

「安心しなさいっ、ひ、ミーナ! そっち系の方達にはちゃんと需要はありますよ!」

 主様のお美しいお顔をあろうことか殴打の嵐だし・・・・・・・・・・。

「私にとってはむしろご褒美ですっ!!」

 私のつつましい胸を貧乳と呼ぶし・・・・・・・・・・。

「ひ、ミーナ。そろそろ現実と向き合いましょう?」

 あぁっ、思い出しただけで腹立つわ!! それに何かもう幻聴まで聞こえてくるし、それもこれも全部あのクズの所為だわ!!

「あ、あのあの、ミーナさ」

 私は決して貧乳なのでは無い!!

 まだ成長期が来ていないだけよ! きっとそうに違いないわ!! (※今年で18才)

「あ、あの・・・・・・」

「・・・・・・ん? どうしたの? ソフィー」

 私はそこでようやくソフィーに呼ばれていた事に気付いた。

「いえ、あの・・・・・・」

 ソフィーが何やら困った表情で私の後ろを指差す。

「え、何――」

 指差す方へと顔を向けた瞬間、私は言葉を失った。何故なら・・・・・・、

「おや、ようやく気付きましたか」

 私の後ろに、ニコニコと輝かしい笑顔をした主様が、立って居られたからだ・・・・・・。

「ひ、ミーナ、下がりなさいと申し付けておいたのに、まさかここまでついて来るなんて。いけない子ですねぇ」

「あ、あぁあぁあああぁ主しゃまっ!? いぃいいいつからそこにっ!?」

 突然の事に思わず噛んでしまった・・・・・・。恥ずか死にたい・・・・・・。

「ひ、ミーナが考え込んだ辺りからですよ? ぼそぼそと何かを呟いているようでしたので頑張って聞き取りながら相づちを打っていたのですけれど、ここまで気が付かなかったとは、あの数々の悩みはよほど真剣なものだったのですね」

 え・・・・・・・・・・? ちょっと待って? じゃあ、あれは幻聴なんかじゃなく本当に主様が・・・・・・・・・・?

 それに何かを呟いてたって、声に出てたって事? 私声に出してたの!? 全部!?

 いやぁああああっ!! 恥ずか死にたいっ!!

「まあ、今回の事は単なる興味本意という訳では無さそうですし、不問としておきましょう」

「うぅ、いっそ殺して下さいぃ・・・・・・・・・・」

「ミーナ、さん」

 その場に崩れ落ちる私の頭を優しく撫でて慰めてくれるソフィー。

 なんて優しい子なの・・・・・・っ。

「まあまあ、そんな事よりも今は零時さんの無事を皆で祈りましょうではありませんか」

 主様がそう私達に仰ったその時、ソフィーが「・・・・・・あ」と声を漏らした。

「主様、その、飛翔魔法、は・・・・・・?」

「・・・・・・。・・・・・・・・・・あ」

 おそらく飛翔魔法をあの男に施す事を忘れていたのか、主様はソフィーと同じように声を漏らした。

 それにしても、そうかそうか~。あのクズ、今飛翔魔法も無しで無様に落ちているのね。

 落下中のあの男の絶望に満ちた表情を想像するだけで、あ~、凄く気分が晴れ晴れするわ~♪

「ぶ、無事に、下界、まで、行ける、と良いん、です、けど・・・・・・」

「そうね、無事にこのまま逝けると良いわね」

「零時さん、ちゃんとイケますかねぇ?」

 ・・・・・・・・・・。



「「「ん?」」」」



 それぞれの言葉に全員が何か変な違和感を感じた。

 んん~・・・・・・。まあ、良いか。あまり気にしないでおこう。

「しかし、あの男が本当に使命を果たせるのか、私はすっっっごく不安ですね・・・・・・。あっ、別に主様の選択にケチをつけている訳では無いんですけどっ」

「はい? 私は別に零時さんを選んだつもりは無いのですが・・・・・・・・・・。まあ、あの零時さんの事ですし、きっと大丈夫でしょう」

「・・・・・・・・・・え?」

 あれ? 今主様の口から不穏な事が聞こえたような・・・・・・。

 おかしいなー、まだ耳が遠くなるような歳じゃないはずなのに、困ったなー。

「申し訳ありません、主様。今、何と・・・・・・・・・・?」

「ですから、零時さん個人を選んでお連れした訳では無い、と言ったのですよ。ひ、ミーナ」

 やっぱり聞き間違いじゃ無かったのね!

 良かったっ、私の耳はまだまだヤングマンだ!!

 ・・・・・・って、違う! そんな事、今は重要じゃないでしょ!!

「あ、あの、あの男を選ばれてない、というのは、一体どういう・・・・・・?」

「そうですね、零時さんは私が仕掛けた設置型の魔法陣によって全くの偶然でこちらの世界へとやって来た、としか説明が出来ませんねぇ」

 ・・・・・・・・・・っ。



「「えええええええええええええええええええ!?」」



 その衝撃の事実に私とソフィーは二人仲良く驚愕した。

「ど、どういう事なんですか、主様! 何故重要な使命を託す相手を、そんな・・・・・・っ」

 選んで、ない? 偶然? どうして・・・・・・・・・・? 

 ・・・・・・・・・・やばいっ、考えが上手く纏まらない。頭が混乱し過ぎてオーバーヒート寸前だ。

 ダメだっ、とりあえず冷静になる為に、頭にありとあらゆるエネルギーを集中させねばっ!

 やっぱりそれはダメっ! 頭にばかり全てのエネルギーを集中させてしまったら私の胸が成長しなくなるじゃない!!

 どうしようどうしようどうしようどうしよう!

 ああもうっ、私は一体どうすれば・・・・・・っ!!

「まあまあ、少し落ち着きなさい、ひ、ミーナ」

「お。落ち着いてなんていられませんよ! だってっ」

「いいから、餅つきなさい、ひ、ミーナ」

「いえ、ですから・・・・・・って、餅つきなさいって何ですか!? ペッタンペッタンって、私はぺったんじゃありませんよ!!」

 酷い! 主様まで!

「・・・・・・ぷるぷるっ」

 ちょっ、ソフィー、何あなたも自分の大剣に隠れて笑いを堪えてるのよ! バレバレだからねっ!?

 ていうか主様! 私の名前を呼ぶ時にひ、ってついてますけど絶対に貧乳って言いかけてますよね!?

 確かに、私の胸はささやかですけれど、ぺったんでは無いですぅ!!

 それにそんな異世界の特定地域の伝統行事に例えなくたって・・・・・・っ。

 そう、異世界、の・・・・・・っ!

「そう、そうです! 主様は前に一度、あの男の世界にも向かわれていたはずっ、あれは選定の為に向かわれていたのではないのですか!?」

 私は少々食い気味に主様にそう質問をする。すると、主様は、

「なるほど、私と零時さんの会話を聞いていたのですか。まあ、私も最初はそのつもりだったのですがねぇ。しかし、色々と事情がありまして」

「事情? というのは・・・・・・?」

「ミ、貧乳」

 あ、とうとう入れ替わっちゃった。逆ですっ、逆ですよぉっ主様ぁ!!

「今の私が神力を大幅に失っている事は知っていますよね? そして当然、選定する為異世界に出向くのにも、その世界に存在を維持するのにも神力が必要不可欠」

「あ・・・・・・」

 その時、私は悟った。

 主様は今、例の生意気な『ある者』によって神力の半分以上を奪われていた事を。

 でも、そうだとしても主様が持つ神力は膨大だ。なのに、どうして・・・・・・。

「ひ、ミーナ」

 やったぁ! 戻ったぁ!!

「貴方は零時さんの世界にある、素晴らしいお店の事を知っていますか?」

「え、いえ・・・・・・。何分、私は行った事が無いので・・・・・・」

 主様の問いかけに、私は素直にそう答える。

 主様が持つ神力、それを持たない私達はいくらS○S団と言っても、異世界まではお傍に居られない。

 悔しいけれど、それが現実だった・・・・・・。

「そうですよね。いや、良いのですよ、知らなくて当然でしたね」

「・・・・・・っ」

 主様は気を遣ってそう優しく言葉をかけてくれるけれど、私は悔しさで下唇を噛みながら押し黙った。

「・・・・・・話を戻しましょうか。私はそこで、あるお店との運命的な出会いをしました」

「運命的な、出会い・・・・・・?」

「そう、それは・・・・・・」

 そして、主様は声高らかにこう仰いました。



「――――SM喫茶ですっっ!!」



「「・・・・・・・・・・・・・・・・え、えす?」」

 その主様の発言に、またも私とソフィーの声が仲良く被る。

 そんな私達には目もくれず、主様は熱弁に入った。

「選定の為、零時さんの世界で私は様々な所に出向き、様々な面白い物をこの目で見てきましたが、SM喫茶! ええ、あれは本当に素晴らしいお店でしたっ! 私はお客様なのに対し、容赦の無い罵倒、そして言葉攻めの連打! 更にはゴミを見るようなあの蔑んだ目っ! 至高っ、まさに至高のお店です!! ああ、使用する神力の配分など気にせずに通い詰めましたよ・・・・・・・・・・っ」

 ・・・・・・正直に言うわ。私には主様が何を仰っておられるのかが全くわからなかった。

「・・・・・・・・・・」

 うん、ソフィーもわからないみたいね。良かった。

「・・・・・・って、ちょっと待って下さい? 配分を気にせずにって、主様が先程仰っていた事情ってまさか・・・・・・」

「ええ、ある日気が付いた時にはもうほとんど神力が残っていない状態だったのですよ~、あはは。それで、このままではまともに選定も出来ないと思った私は、偶然通りかかった広場のトイレに、この際誰でも良いか~、という感じで魔法陣を仕掛けましてね?」

「「・・・・・・」」

「いやぁ、それにしても、ちゃんと作動するのかどうかわからなかったので、無事零時さんがこちらに来られて本当に良かったですよ~。あはははは」

「「・・・・・・・・・・」」

 え、何? このこれじゃない感・・・・・・・・・・。

 異世界から誰かを召喚するのって、こんな適当な方法で良かったっけ・・・・・・?

 あれ? 私がおかしいの? あれぇ・・・・・・?

 私がそう頭を抱えていると、主様は私の肩に手を置いて、

「ひ、ミーナ。選定の過程や理由はどうあれ、私は零時さんを選び、零時さんに全てを託しました。どうか私の選択をミーナも信じてみてはくれませんか?」

「あ、主、様・・・・・・・・・・っ」

 ――――ちっ、かぁあああああああっ!!

 え、何これ、やだこれ! やっぱり主様超カッコ良いんですけど!!

 変な、いえ、特殊な性癖をお持ち? そんなのは関係無いわ!! そんなもの、誰もが持つ欠点の一つに過ぎないもの!!

 ・・・・・・はっ、それよりも主様にしっかりとお返事をしなくては! これまでもこれからも、私は主様を信じています、って!

「し・・・・・・っ」

 そして私は意を決して主様の方へきちんと向き直り、私の素直な気持ちを主様に伝えようとしたのであったが、

「はい、ミーナ」

「・・・・・・・・・・リコンってどう思いますか!?」

 主様の甘く美し過ぎるその笑顔に、あろう事か私はとんでもない事を口走ってしまった・・・・・・・・・・。

 あぁあああっっ!! 私のバカバカバカっ、何でよりにもよってシリコンなんて言っちゃったのよ!!



 恥ずか死にた―――――――いっっ!!
 


「え・・・・・・? あ、ああ、まあ悪くはないかと思いますが・・・・・・」

 あぁっ、止めてっ、私の胸の方に視線を向けながら言うのは止めて下さいぃいいいいっっ!!

「ぷ、くく・・・・・・っ。シリ、コン・・・・・・っ」

 ソフィー! あなたもう笑っているの隠す気無いでしょう!! 何お腹抱えて笑ってるのよ!!

「ああもうっ! こうなったのも全部あいつの所為だわ――――――――っっ!!」

 私の悲痛の叫びが天界アルカディアにこだまする。そして同時に私は思った。

 次、あの無礼な男と会う事があれば、この恨みを何倍にしてでも返してやる、と。



 ――――ミーナ(貧乳)視点。(終)

************************************

 この物語はフィクションです。なのでSM喫茶の件はこんな所なのかな~? という想像だけで今回書かせて頂きました! (一度も行った事が無い為)
 
 もし実際のSM喫茶と雰囲気やら内容やらが違ってたら、「うん、異世界!」の中だけの特別なSM喫茶という事で、どうか皆様ご納得の程お願い致します!
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